自身の本命エーティーボスは確かに外差し馬場を味方に最後よく伸びていた。スローな流れも特に悪いかった訳ではなく、結果的にも位置取りが後ろになり過ぎることもなく中団からの競馬。それでいて最後届かなかったというのは、実力もさることながら、やはり阪神の外回りという条件がこの馬には徹底的に合わないということの確かな証明なのだろう。

　そもそもレース前から大混戦のメンバー構成。ここで押し出されて人気になった馬は、次走危険の匂いがプンプン。

　メイショウベルーガはスローな展開で位置取りが悪過ぎた結果の大敗。位置取りだけが敗因ならば、次走巻き返しの目も十分。だが、この馬が先行好位に取りついた場合に、同じような派手な決め手を果たして使えるだろうか。この点には個人的にいささか疑問の余地がある。勝ち負け抜きにして、最後猛然と追い込んでくるのが印象的な馬だが、あのパフォーマンスもギリギリまで脚をためた結果ゆえの産物かもしれない。後方一気のスタイルにこだわる現状もあまり評価できず、かりに脚質転換を図ってもスピードや決め手で他馬に劣る可能性がある。

　ロードアリエスは３歳時の重賞での好走歴が評価されたか、鉄砲で大敗後にもかかわらず２番人気に。結果的には叩き良化もあってか３着と善戦。それでも、実質的なレース内容はスローペースの中、先行からの単なる流れ込み。このスタイルは京都新聞杯の当時とほとんど変わっていない。

　成績の数字は良くなっても、競馬の内容自体にはこれといった変化や成長は感じられなかった。京都新聞杯で同タイムの勝ち馬のその後を見ても分かるように、ＧⅡ２着といってもその質にはかなりの怪しさが漂っている。準オープンなら地力上位なんて理由で今後さらに人気が増すようなら、次走上積みがあってもむしろ嫌って妙味あり。

04/07 16:38　回顧アクセス：2905