強いと言われる馬、そうでない馬との違いとは?

昨日、不朽の名馬の訃報に際して、ふと、名馬とは何か??強い馬とは何か??に思い巡らせた

 

まずは、シンボリルドルフ殿

本当にお疲れ様でした、安らかにお眠り下さい、我々に感動と勇気をありがとう!!

 

さて

皆一様に、『ディープインパクトが最強だ』 とか 『いや、やっぱりルドルフ』 とか、様々な主観に基づいた主張をするが、そもそも強い馬と、そうでない馬とは、一体何がどのように違うのだろうか??

これについては、専門家であっても即答をする事は難しいと思われ、また、強い馬はハッキリとココが違う、という解答めいた事象に触れる事も少ないので、強い馬とは具体的にドコが違うのか??を考えて行こうと思う

 

 

調教

一般には攻め馬と呼ばれ、主に競走馬の能力を高める効果を狙ったイベントである

人間界の陸上選手が、走り込みを行うのと同じであるが、まずは馬と人間の構造的相違点を理解しなければならない

人間の一般的な脈拍数は、60~80ぐらい

これに対し馬の場合は、30~50ぐらい

馬の心臓は、約4.0㎏ほどあって、体重比で人間の2倍以上もの巨大さを誇る

 

要するに、1回の脈動で送り出す血液量に、膨大なる差があるのである

また、平常時の30回の脈拍が、勝負どころのゴール直前付近では、240回まで上昇する

 

極限に全身の筋肉が躍動するに足る、十分な酸素を供給すべく、心臓というポンプはフル稼働する、血圧測定の結果、最高血圧260mmHgという驚異的な数値であった

 

競走馬は、JRA競走馬研究所とい所で明らかにされたが、未調教馬の心臓の重さ4.0㎏に対し、一定の調教を積んだ古馬の場合、5.0㎏にまで肥大する事が実証されている

 

これすなわち、攻め馬によって、競走馬の心臓を強化・肥大させる事に他ならない

 

強い馬の第一条件は、心臓が大きく1回の脈動で最大量の赤血球を、全身にくまなく送り込む事が可能な馬       である

 

次に、送り込む血液量が膨大な訳で、当然通過するパイプライン(血管)の柔軟さが要求される

これは、人間で言うところの ゛動脈硬化゛ などの無い状態

つまり、食事やストレスの軽減、活性酸素を体内に出来るだけ作らない環境を作る事

 

 

そして意外に知られていないが、馬の赤血球は非常に小さい事

人間の半分以下の大きさでしかない

しかし、これこそが酸素供給システムに於いて重要な事で、小さくて量が膨大な赤血球を保持する事は、総体的な表面積が大きくなることを意味し、結果的に酸素供給量を増加させる

つまり、強い馬とは、赤血球の量が多い事である

 

次いでに触れておくと、競走馬はエネルギー産生(無酸素状態/有酸素状態での相関関係)に、走る距離別に有酸素・無酸素の過程内での割合が決まっている

1000m  ⇒ 無酸素30%    有酸素70%

1600m  ⇒ 無酸素20%    有酸素80%

3200m  ⇒ 無酸素 7%    有酸素93%

※無酸素状態での運動には、乳酸の発生が避けられない

 

 

 

調教には、また別の側面も重要視されている

それは、馬の脾臓に関する考察である

脾臓という臓器の役割は、様々あるが、ココでは重要な事についてのみ触れる

 

脾臓の役割の一つは、血液貯蔵庫であるという事

異常赤血球を体内に流通させないためには、この脾臓内部の赤血球を交換しなければならず、400m~800mの距離の全力疾走を、2日ないし3日おきに行う事で、この赤血球交換を行っているのが、実のところ調教というものの意義なのである

馬優先主義という、動物愛護精神で、ゆっる~~~い攻めを行う御仁もおられるが、競走馬のためには、脾臓の血液交換を効果的に行ってやらねば、結果的に競走中のその愛しい競走馬が苦しむ事になる

 

話が前後したが、強い馬とは、3日おきに定期的に脾臓の赤血球交換作業を行っている馬という事である

 

 

 

 

筋肉や関節、その他メンタル的な先天性の要素は別として

強い馬とは

1、心臓が大きく、より脈拍数が低い事

2、血管が柔らかい事

3、脾臓が大きく柔軟である事

4、脾臓内赤血球の定期的交換が行われている事

 

科学/医学の両側面からの研究結果として、以上の項目が強い馬の条件として挙げられる

 

 

 

 

蛇足ながら・・・・・・

昨日の訃報に際し・・・・・

 

 

一般的にサラブレッドが亡くなるとどうなるかご存じであろうか??

ソーセージになったりは決してしない

ほぼ、火葬されるのであるが・・・・・・名馬に関しては土葬される      何故か?

 

火葬の工程の中で、火葬炉に入炉する際、大きさ的に入りきらない為に、馬体を切断するのである

 

 

 

名馬に限り、馬体を切断するに忍びなく、やむなく土葬されている

シンザンも、ナリタブライアンも、またシンボリルドルフもそうであろう

 

感謝の気持ちと共に、ご冥福をお祈り申し上げます

天国で、我々人類の至らぬ点を、より良き方向へとお導き下さい。

 


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