競馬場でのアルバイト その4

前回の続きです。

前回は落馬してしまって歩いてスタート地点へ向かう某一流騎手に声をかけても無視され、それを職員にとがめられて凹むというところまでお伝えしました。

その2週間後、いよいよ夏の開催も終わるという7日目にまた事件が起こってしまったのだ。


前回の某一流騎手がレース後に落馬しました。

賞金(出走手当?)は8着馬まで出ますので、8着馬までは後検量をしなければならないのですが、その馬は8着以内に入っていました。


今度こそアイツ、いやあの騎手を救急車に乗せて素早い後検量をさせなければなりませんでした。

無線「入線後落馬。ジョッキーを乗せて検量室まで運んで~。」

来ました。仕事です。
これは2週間前のあの事件のリベンジの舞台でした。
今度こそ乗せてやる。いやむしろ引っぱってでも救急車に乗せて2週間前の非礼を詫びてもらいたいぐらいである。


芝コースの1,2コーナーの一番外を歩いて検量室へ向かう某騎手。

近づくわたし。


わたし「後検量があるので救急車に乗ってください」

某騎手「・・・」

(聞こえなかったのかな?)

わたし「後検量があるのd・・・」

某騎手「うるせぇ!乗らねぇよ!(怒)」

わたし「・・・」


凍りついた。立ち尽くすわたし。検量室に向かう某騎手。

わたし「(無線で)乗ってくれませ~ん。ジョッキーさんキレてま~す。」


キレてるのはわたしも同じだったようです。
思わず偉い職員さんに向かってそんな無線を発してしまいました。


無線「う~ん・・・わかった・・・御苦労さま」


お咎めなし!


どうやら職員も2週間前のアレをわかっていたようで『あのジョッキーでは仕方ない』と諦めてくれたらしい。



この件は午前中のレースでした。

昼休みに凹みがちで昼飯を食べ終わり救急車に戻ると、運転担当の職員さんが、


「○○騎手がね、謝ってたよ。レース中に手綱が切れちゃって怖かったんだってさ。」


だってさ。

そんなこと言われてもズタズタにされたわたしの気持ちは晴れるわけもありません。

その日からその騎手を軸にしないという縛りを設けることになったり、エビを極力食べないようにしたり、出遅れをニヤニヤしながら眺めたり・・・

でも、救急車に乗っていた立場では『落馬しろ』と思うことは一度もありませんでした。


まぁ人としては当然か。


あの夏の開催は辛かった。



秋の開催はマイナージョッキー達の集まりでした。
特に面白いこともなく、障害もないから事故もほとんどなく。
救急車でボケ~ッとしていただけ。

特に書くことがなくなってしまいました。


このアルバイトを経験してしまうと、どこの開催競馬場へ行っても放馬止めや救急車に目が行ってしまいます。

こういったアルバイトさんや職員さん1人1人の仕事によって開催されているんだなぁとかたまにシンミリします。

福島開催はスタンドの修繕工事もそうですが、人員的にはどうなのでしょうか?
福島競馬場の職員さんは何をして食べているのだろう。
そんな不安を打ち消す早期の開催を願うばかりです。


~完~

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