その2
タイトルを変更。
ケイアイファーム2頭目は、96レディブラッサム
ただ、この馬については、5代母、52サムシングロイヤルから語り始めたい。
サムシングロイヤルはアメリカ競馬史に名を残す偉大な繁殖牝馬で、我が国でもおなじみの血統。以下、ファミリーテーブル(一部のみ表記)を見ていただきたい。
F 52Somethingroyal (Princequillo)
c 59Sir Gaylord (Turn-to)
c 61ファーストファミリー (First Landing) 本邦輸入種牡馬(ホウヨウボーイの父)
f 65Syrian Sea (Bold Ruler)
Alad
Super Luna
サラトガデュー
c 66ロイヤルタタン Royal Tatan (Tatan) 本邦輸入種牡馬
f 69The Bride (Bold Ruler)
Fabulous Fraud
デュプリシト
二シノフラワー
そう、あのセクレタリアトの母なのです。それだけではなく、サーゲイロード系の祖、サーゲイロード、2年連続で年度代表馬となったホウヨウボーイの父ファーストファミリーの母でもあります。
驚くのは、生涯に18頭の産駒を生んだという点。産駒の数というのは繁殖牝馬の活力をはかる物差しとして重要な要素で、産駒の数が多い繁殖牝馬はそれだけ強い体質を持っているといえるわけです。
そして、レディブラッサムの母が赤字で表記したサラトガデュー。この馬がまた、すごい馬なのです。ニューヨーク州生産馬として最初のエクリプス賞最優秀4歳(当時)牝馬を受賞しています。名門、メドウステーブルが送り出した牡馬の代表がセクレタリアトなら牝馬の代表がサラトガデュー。
このサラトガデューから、これまで10頭の産駒が誕生していますが、残念ながら期待ほど走った馬はいません。一番活躍したのが、今回取り上げるレディブラッサムです。
そして、1代措いて活躍馬が出るというのも良血馬にはありがちなこと。5頭目の産駒からロードカナロアが出ました。
96レディブラッサム F-No[2-s] (太字は重賞勝ち馬)
生産地 日本
血 統 父Storm Cat 母サラトガデュー 母父Cormorant
累代配合
父 Storm Cat (ストームバード-ノーザンダンサー系)
母父 Cormorant (リボー系)
二代母父 In Reality (マンノウォー系)
三代母父 Riva Ridge (ターントゥ系)
四代母父 Bold Ruler (ナスルーラ系)
クロス Secretariat、Syrian Sea(全兄弟) 3×4 18.75%
戦 績 24戦5勝
産 駒 04 父マンハッタンカフェ 牝 未出走
05 ロードバリオス 牡 父ブライアンズタイム 6勝
06 レディブルーム 牝 父ワイルドラッシュ 1勝
07 レディサファイア 牝 父シンボリクリスエス 未出走
08 ロードカナロア 牡 父キングカメハメハ 6勝
(京阪杯・シルクロードS)
09 父アグネスタキオン 牝
10 父ネオユニヴァース 牝
11 父マンハッタンカフェ 牡
【メモ】
血統的なポイントは、リボ-系、マンノウォー系という異系血統が入っているということですね(母サラトガデューはリボ-系×マンノウォ系という異系配合)。
クロス派の人は「Secretariat、Syrian Sea(全兄弟)クロス、3×4」に色めくところでしょうか。
09年産は骨折でデビューは遅れそう。10年産はカナロアの活躍もありすぐに満口。
11年産は、その1で取り上げたレディバラード同様、マンハッタンカフェ。キングカメハメハとの配合で短距離馬が出たようにストームキャットの影響が強いのでしょう。距離を伸ばすには、この選択はいいでしょう。
12年以降はキングカメハメハが続くのでしょうが。
すでに述べたように種牡馬族といえるファミリーだけに、カナロアの種牡馬としての魅力は大ですね。
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