阪神大賞典2012史上7頭目の三冠馬オルフェーヴルの死角は?

 ここで掲載をさせてもらってから2戦。最終的な判断は別にして、注目馬として挙げた馬がことごとく敗北...。何となく責任の一端を感じてしまいます。とりあえず、東風Sのテイエムオオタカに関しては逃げられなかったことと、馬場が重かった割に平均ペースになったのが大きかったのではないかと思っております。ツクバホクトオーは流石に軽視していましたね。まさかハナに立てるとは。展開を読む目が無くて、本当に申し訳ないと思っております。

 

 さて、今週は阪神大賞典があります。もちろん3歳トライアルのスプリングSも注目すべき一戦ではありますが、やはり三冠馬オルフェーヴルの今年初戦ということで、この馬を取り上げてみました。三冠馬なので当たり前なのですが、ほぼパーフェクトな戦績を残しています。それならば、敢えて大敗したレースから、この馬の弱点を探ってみようということで、今更ながらに京王杯2歳Sを分析してみました。

 

12.5 - 10.9 - 11.7 - 12.4 - 11.7 - 11.0 - 11.6

 見てもらえればわかりますが、緩んだ11.7-12.4のところで、少し窮屈になりポジションを上げられず。直線で11.7-11.0-11.6と3Fのキレ勝負。東京1400mというのはペースが上がりにくく、位置取りの勝負になりやすいコース。 ここで後方から最速地点でぶっこ抜くのはどれだけ強くても無理でしょう。事実、この時も最後のL1地点11.6でようやく伸びを見せてきたがどうしようもなかったという内容だった。連勝で勢いに乗るまでは、着順はともかく、全て位置取りが後ろすぎて、前の馬がばてずに届かないというケースばかりでした。

 

 もちろん力負けではないですが、これで大敗するにはそれなりの理由があるわけで、やはりスピードに乗ってからの緩みに弱い、そこまでの小器用さはないということでしょう。序盤はゆったり運ばせて、徐々にペースを上げていくパターンがこの馬にとっては一番望ましいように思います。切れ味もトップクラスですが、持ち味はやはり究極的ともいえるキレの持続力。菊花賞や有馬記念で外から早めに動いて押し切る競馬、ダービーで他馬をぶっちぎるパフォーマンスからも、地力が問われる展開になれば付け入る隙はなかなか見つけられない。逆に言えば、この京王杯のように、トップスピードに持っていくまでの加速力を問われたときに、多少の不安があると言えます。唯一の弱点は主に2点でしょう。

 

 もう一点ケチをつけるとするならば、この馬自身ではなく、世代レベルの話。オルフェーヴルは究極の切れ味持続力勝負で、パフォーマンスを最大限に発揮してきたが、これまで戦ってきたウインバリアシオン、トーセンラー、ダノンバラード、サダムパテックといった辺りの2番手候補がことごとく伸び悩んでいる。三冠馬の宿命ともいえるが、世代レベルは高かったとは言えないのでは。有馬記念はドスローの切れ味勝負に特化したことも大きく、ダービーのあの競馬でウインバリアシオンとあの差であると考えれば、地力勝負になったときに、層の厚い5歳世代に付け入る隙がないとも言い切れないのではないでしょうか。

 

 有馬記念はオルフェーヴルが勝ったが、レースラップ的にはかなり微妙で、実質切れ味3F勝負となっていた。外から緩い地点で加速しての3F勝負。正直に言うと、オルフェーヴルの強さを発揮したとは言えない内容だった。

6.8 - 12.0 - 12.4 - 12.1 - 13.1 - 14.4 - 14.3 - 13.0 - 12.0 - 11.9 - 11.4 - 11.3 - 11.3

 L5でも12.0-11.9とラップが大きく上がらず、このクラスとしてはかなり緩い。それに14.3-13.0-12.0-11.9-11.4と、順々に加速していくレースで、瞬発力を問われずに、緩いところで徐々に押し上げていくことが出来たのもオルフェーヴルにとってはプラスになったと言えそうで、このレースはあまり評価しにくいところではありますね。

 

もちろん、3Fのキレ勝負でトップクラスの馬を相手に勝利をもぎ取ったのだから、得意の地力戦なら更に突き放せるという可能性も否定はできないが、地力戦に強い古馬(ダークシャドウ、トーセンジョーダンetc)相手に戦えるかどうかは、実はまだ未知数ではないかと思うのです。

 

 さて、ではこれらを考えたうえで、今後を占う重要な一戦となるのがこの阪神大賞典。完全なステイヤー要素を問われる舞台。ここ近年時計が掛かりやすい第1回阪神開催。ダービーのパフォーマンスを丸々評価するのなら、当然ここは千切り捨てることが出来る舞台。逆に、ウインバリアシオンとあの差、と考えるなら死角も見えてくるでしょう。もちろん、三冠馬なのですから、前者であってもらいましょうか。ここは期待を込めて千切って欲しい。


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