ハナズゴール 母シャンハイジェル 不二牧場
所在 北海道浦河郡浦河町字野深111
なかなか面白い馬が出てきましたね。展開がハマったという感じもしますが、本番の桜花賞がこういう展開になりそうでもあり...。直線でエピセアロームに並びかけたとき、エピセアロームも抵抗のそぶりを見せますが、あっさり突き放しました。本番と同じ舞台で2馬身1/2差をつけていますから。桜花賞でも怖い一頭ですね。このまま本番まで栗東で過ごすそうですが、小柄な牝馬でもあり、良いことだと思います。
さて、生産者の不二牧場ですが、これまで紹介した牧場よりもさらに小さな牧場のようです。ハナズゴールの09世代が6頭(うち中央入厩3頭)、08世代が4頭(中央入厩1頭)、07世代5頭(中央入厩2頭)という規模ですから、サラブレッド生産牧場としては最も小さい規模といえるかもしれません。
ビッグレッドファームの種牡馬を付け、コスモが買い上げている例が目立ちます。
09世代の産駒の配合は、オレハマッテルゼ2頭、マイネルラヴ2頭、ロージズインメイ1頭、タイキファイアー1頭という布陣。オレハマッテルゼ、タイキファイアーは共にイーストスタッド繋養。
これまでの生産馬には、テツノカチドキ(東京大賞典、帝王賞、当時の公営賞金王)、フジノフウウン(ダービー3着)等がいます。生産規模を考えればコンスタントに活躍馬を出しているとは言えますが、ただ、いずれも1900年代。2000年以降、活躍馬は出ていないようです。久しぶりに3歳クラシックを狙える馬が出たというところでしょう。
もう一つ、注目したのは、馬主のM.タバート氏。はっきりとは分かりませんが日本在住の外国人馬主のようです。2010年から馬を走らせていますね。
所有馬がなかなか渋くて、ダーレージャパン生産馬が1頭いますが、他は不二牧場、大北牧場、藤本ファーム、協栄組合生産馬。リーズナブルな価格の馬で馬主生活を楽しんでいるともいえますし、相馬に自信がある方なのでしょう。「日高から3歳クラシック」という当コラムにもぴったりの馬主さんです。今後も注目していきましょう。
98シャンハイジェル F-No[5-g] (太字は重賞勝ち馬)
生産地 日本(日高町)
血 統 父オレハマッテルゼ 母シャンハイジェル 母父シャンハイ
累代配合
父 オレハマッテルゼ (サンデーサイレンス系:スプリンター:母父ノーザンテースト)
母父 シャンハイ (ミスタープロスぺクター系:地方・ダート)
二代母父 マジェスティアル(ノーザンダンサー系:競走&種牡馬成績ともB級か)
三代母父 トムロルフ (リボー系:リボー系の大物、父、母父としても成功)
四代母父 ファーストランディング (ターントゥ系:自身は早熟型、産駒にケンタッキーダービー勝馬)
戦 績 7線1勝
産 駒 07アッサリネ 牝 父ムタファーウエク 未勝利
08コスモバロン 牡 父スパイキュール 1勝
09ハナズゴール 牝 父オレハマッテルゼ 3勝
(重賞 チューリップ賞)
【メモ】
オレハマッテルゼの初年度産駒で、最初の活躍馬です。初年度産駒からこういう馬がでてくれば、種牡馬としては、一安心というところでしょう。
オレハマッテルゼはサンデーサイレンス×ジャッジアンジェルーチ×ノーザンテーストという配合。祖母がオークス馬ダイナカールです。
累代配合は、サンデーサイレンス系×ミスタープロスぺクター系×ノーザンダンサー系×リボー系×ターントゥ系、と現代主流三派にリボーが加わり、なかなか魅力的です。
ハナズゴール自身は、クロスもノーザンダンサー 5×4 9.38%と極端ではないので、遺伝的負荷は少ないでしょう。サンデーサイレンス、ノーザンテースト、トムロルフと超活力馬がこの馬の力の源泉となっていると見ます。
おそらく価格は500万円以内。面白い馬ですよ、ハナズゴールは。(馬名の由来は「鼻差でゴール」なのだろうか?)