降着・失格のJRA裁定基準の問題点(内田博幸騎手騎乗停止について刑法学的見地から)

刑法学に「行為無価値」と「結果無価値」という考え方がある。
犯罪行為を罰するときの考え方を貫く、もっとも基本的な姿勢の部分の話だ。
犯罪者の行為が悪いから罰するのか、被害者に重大な結果を生じさせたから罰するのか、
前者の強調は犯罪準備行為時点での処罰に繋がり、後者は全くの不慮の無過失事故でも処罰することに繋がるから、
そのバランス感覚こそが大事とされる。

ざっくり言えば、
騎乗停止処分については行為無価値的な判断を優先し、
降着失格については結果無価値的判断を優先すべき、
というよりは降着失格は誰かを罰する云々ではなく、
レースの公正を考えて順番を決めればよいというだけの場面だから、
結果だけを考えてより公正な順位を判断すればよいところだろう。


昨日の東京8Rファイナルフォーム、ランパスインベガスの件について、
小島茂調教師のブログによれば、
「2着を確信できた状態が3着になってしまったのに何故?」
「3着馬は関係なくあくまで加害馬との関係」
との回答だったようだ。


ここから感じ取れるのは、
降着判断における結果の重大性に関する考えの浅さではないだろうか。


降着判断における結果の重大性とはなにか。
この定義こそ問題だろう。

ファンや関係者にとっては、
何馬身分の不利だったかどうか、落馬したか、故障したか、とは別に、


2着だったものが3着になってしまったこと、
着順変更に関わる不利かどうか、
さらにいえば、「馬券が変わるものかどうか」、
も大事なのではないか。


フォイナルフォームのゴール前での斜行は、ランパスインベガスの2着を3着にしたという意味で、
ファンにとって、また関係者にとっては、重大な結果をもたらした。

御しきれないものであったかどうか(行為無価値的基準)
何馬身分の不利だったかどうか(あくまで杓子定規的な数量的な結果無価値的基準)だけでなく、
2着馬が3着になったこと、それによって馬券がが変わったこと、(ファンや関係者目線での結果の重さまで含んだ結果無価値的基準)
についてまで思いを致していたならば、また違った判断になったのではないか。

そのあたりの考慮が規定上もなく、
また今回の個別判断においても杓子定規な規定の適用により、
何ら配慮されなかったことが、
この問題を大きくさせた一番の原因なのではないかと思う。


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