有馬記念軽視へ?大阪杯・ホープフルSG1昇格でどうなる有馬記念2016...マカヒキ・エアスピネルら有力馬回避表明

 先日JRAが2017年度の開催日程を発表し大阪杯のG1昇格が発表された。これには競馬ファンの反応も大きく、阪神内回りコースは近い時期に宝塚記念があるので似通りすぎではないか、海外馬券を発売したところへきてドバイや香港への遠征防止策を講じるのは迷走では、といった声も。
 それに加え、筆者が憂慮するのは有馬記念パッシングだ。サンデーサイレンス等の日本馬の血統状況の変化や世界的な競馬の短距離指向化もあり、長距離レースは以前から敬遠されがちだった。
 そこへきて大阪杯の創設は有馬記念スルーにだめを押す可能性がある。今年もマカヒキが早々と有馬記念回避&大阪杯を目指すことを表明。サトノダイヤモンドも有馬記念回避の可能性を示唆している。エアスピネルも来年の大阪杯を目標とするようだ。馬主の経済効率的には、季節的にも厳寒期で、距離が多少長くて、トリッキーコースの有馬記念に使いたい理由はないのだ。
 天皇賞秋3着ステファノス、4着アンビシャスはそもそも有馬記念には目もくれていないようで、競馬ファンももはや疑問を差しはさんでいない。しかし、以前は猫も杓子も有馬記念というくらいに有馬記念が重視されていた時代があった。ダイワメジャーのようなマイラー、ダイタクヘリオスのようなスプリンターまでもが有馬記念を目指していた。
 それはたしかに無謀な挑戦だったかもしれない。しかし、競馬がエンターテイメントである以上、そういうレースが1年に一度あってもよかったのではないかと思う。かつて有馬記念は年末の風物詩で馬主であればだれもが出走させたいレースだった。そしてファン投票で選ばれた馬が走る夢のレースでもあった。
 この年末の風物詩であることの特別さというのは大事ではないだろうか。2017年からは有馬記念のあとにも競馬開催日程を設けて、ホープフルステークスのG1化まで目指しているという。これにより有馬記念は今年最後の総決算レースという特別さも失い、普通のG1化していく一方になりそうだ。
 こういった方向性はプロ野球がクライマックスシリーズを創設したことを思い出させる。プロ野球機構は少しでも消化試合を減らすため、全体的に薄く興行収入を得て、全体の売り上げを向上するため経済優先でこれを断行した。その引き換えに失ったのは例えば凄まじい視聴率をたたき出し、国民の誰もが注目した10.8のような本当のガチンコ試合だ。リーグ優勝しても日本シリーズに行けるかわからない、3位でも日本シリーズに行けるかもしれないといった、はっきりしないルール設定は、ここだけは負けられないという真剣勝負を奪い去った。
 今回のJRAの日程変更は、年末のファンの競馬需要を吸い上げる意味で短期的な収入増に繋がることは間違いないだろう。ただし、有馬記念も普通のG1です、回避しても構いません、有馬記念の後にも競馬やるのでそちらを買ってくれても構いませんというメッセージを送ってしまうことは間違いない。有馬記念が2017年以降は以前ほど盛り上がらなくなることは確実だ。
 何より粋じゃない。年末は有馬記念で競馬の総決算。好きな馬にファン投票をして好きな馬を買う。勝っても負けてもそれで終了。これで気持ち良いと思うのは、やはり古すぎるファンなのだろうか。
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