ジャパンカップ2017キタサンブラック&武豊昨年の超絶逃げ切り勝ち再現連覇可能か(ラップ内容分析)

2016 ジャパンカップ(GI) 東京芝2400m良
レース回顧・結果

2:25.8 13.3 - 11.3 - 12.6 - 12.3 - 12.2 - 12.5 - 12.7 - 12.3 - 11.9 - 11.2 - 11.4 - 12.1
61.7-58.9SSS


 雨の影響もあったと思うのだが、意外と全体を通してみても速いラップを踏んでいたりしたので、そこまで重くなかったかなとは思う。もちろん高速状態にはまずないが、標準ぐらいの馬場だったと。その中でペースバランスが61.7-58.9と3秒近い超スローの部類まで行ってしまった。キタサンが逃げる中である程度前掛かりになるかなと思いきや、各馬も案外キタサンマークに懐疑的だったのと折り合い難のリアルスティール辺りが前を取っていったことでなかなかペースを引き上げて行く馬がいなかったというのも大きかったかな。まあ今回は予想的には完全に的を外しているから仕方ない。ただ反省としては吉田隼人はポケットだろうと、リアルがある程度前でムーアならやっぱりスローに決め打つ度胸が要るよね。展開込ならレインボーラインとルメール本命はやっぱり予想的には間違ってる。競馬予想のこの辺りの難しさを痛感させられたのと、やっぱ競馬は武豊が勝つと盛り上がっちゃうんだよなあというのを感じた。キタサンブラックはダイワスカーレットと同じで懐の深さが分かりにくい本当に強さが分かりにくい馬だわ。


1着キタサンブラック


 1番枠から好発を切って、少し外に寄せながら馬場の良いところを選択しつつの逃げの手。入りこそゆったり目に入っているが、2コーナー過ぎぐらいでは12.3-12.2と結構速いラップを踏んでここでリードを少しずつ博ケて行くという形。向こう正面の坂ぐらいで少し息を入れながらペースをコントロール、それでもリードを詰められないで楽をしながら3角に入ってくる。3角で流石にワンアンドオンリー辺りがじわっと詰めてくるのだが、ここで決して油断せずにラップ推移からもじわっとペースを引き上げて軽く促していく。4角でワンアンドが手応え微妙、という中でここで仕掛けを待ちたいところだが一気に引き上げて直線に入ってくる。その勢いで坂を駆け上がって内からしぶとく粘り込むと、L1までこの差を詰めさせず、1番人気を背負っての逃げ切りを収めた。まあ恵まれた、と言いたくはなるんだけど、ラップ推移見ても武豊がかなり上手く、いやらしいレースの支配をしていると思う。確かに全体で見るとドスローなんだが、2角過ぎでペースを少し引き上げて少し離す逃げを打ったことで後続に対してキタサンに対するプレッシャーを諦めさせたこと、そして坂の上りで自然に減速するような形で息を入れてと3角までは完璧。そして3角でワンアンドが来たときに徐々にコーナーでペースを引き上げて行くという競馬。外々から押し上げてくる各馬に対してここで脚を使わせたし、ワンアンド番手でもうちょっと待てそうな仕掛けを待たずに一気に仕掛けてその勢いで上り坂を登り切っても良い手応え。最後まで粘り込む競馬に持ち込んだという点でもかなり上手く乗られたなと思う。勝負の決め手はやっぱり2角過ぎで離したところかな。あれでもうキタサンを突く選択肢を他から奪った段階で嫌な予感がしたし、しかも全体で見てかなり遅いペース。終わってみれば勝つべくして勝っちゃうというのがこの馬の怖さなんだよなあ。そして、何よりもキタサンを潰しにいかないと、っていうほど絶対的に強い競馬をこれまでしてきていない。だから後ろも結局強さの深さが読みにくいというか、難しい馬なんだろうなと。別に番手でも良い馬だからね。まあ今回に関しては展開も武豊が完璧に作ったし、馬場も渋っていたのでドスローでルージュバックやゴールドアクターといったところが浮上しそうでしなかった。この辺も噛み合ったかな。ただやっぱり全体を通しての今年の成長を見ないといけないし、宝塚記念なんかももちろん馬場が重かった中での基礎スピード戦で結果を出してきていたわけで...。素直に参りました、人馬ともにこちらの予想を覆す競馬をされました。完敗です。


2着サウンズオブアース


 12番枠から好発を切って下げ過ぎない、というのは流石ミルコというところ、しっかりと好位列に乗っていく。道中は中団馬群の外目から我慢しながら進めていく。3角で外からじわっとペースが上がっていく中でミルコがじわっと仕掛け、4角で一気に追いだすがここでキタサンは最速、脚を使わされて直線。序盤でジリジリと伸びてくるが決定的ではない。それでも徐々に勢いがつくと最後は単独2番手までしっかりと上がり切っての2着確保だった。結果的にだけどサウンズオブアースが2着ということから考えてもスローでの力関係は有馬通りでよかったとは思うんだよね。ドスローではあるが日経賞とは違って3~4角で徐々に動いていく形だし、L3最速でTS持続が強く問われた。ただキタサンブラックが想像以上に手ごわかったというのは確かだと思う。L3最速なので脚は当然出し切りやすい、こちらは外々からこの流れで押し上げているわけでここでのロスは小さくはなかったと思っている。それでもしっかりと伸びてきたのは大きいかな。昨年のジャパンカップからパフォーマンスを上げてきたのはやはり前半61.7と相当遅いペースだったことで後半特化に近い競馬になったのが大きいと思う。やっぱり基本的にこの馬はある程度の幅こそあるけど最上位相手に考えるならスロー専用だと思っていた方が良いと思う。しかしまた2着なんだよなあ。今日に限ればこの2着で万々歳だけど、なかなか勝つ画が浮かびにくいなあ。本当はここで平均ペースで甘くなってもらって有馬で狙いたい馬だったんだけどね。まあそういった面も含めて色々自分の目論見が外れた。事前の目論見はホントあんまり当たらないんだけどね。でも今回はスローを読まなあかんかった事前の状況。適性を読むのであれば失敗を恐れずやらないといかんね。競馬予想もバランスが大事だと思うわ。


3着シュヴァルグラン


 17番枠から五分のスタート、そこから外の各馬が押し上げていく中でこの馬は中団の外で折り合いを意識。ただ内に入り込むスペースがなかなか見当たらなかったので2角ぐらいでようやくサウンズの直後につける。折り合い自体は割とすぐに落ち着いた、そこから3角で先に動くサウンズオブアースの直後をぴたりとマーク、4角でも動き出すイメージをもってスッと前を向く。ただ最序盤の最速地点でどうしても置かれてジリジリしか伸びてこない。L2の地点でようやくジリジリと伸び始めるが、サウンズが先に抜け出し2馬身差。そこからL1でようやく伸びてくるが及ばず、半馬身差の3着だった。全体的には良いバランスで乗ってくれたと思うし、前に動くミルコがいてくれたので進路どりを気にせず直線まで持って行ける。最序盤のポジショニングはスローだったしその中で後ろ過ぎない、進路を気にしなくていいというこの馬にとって理想的に入ってくれたと思う。正直個人的には好騎乗かなと。確かにL1で脚を余したように見える競馬だけど、L3最速でL2の地点まで置かれているような馬なので、速度的に見劣ったのでスローでこの競馬では基本どうしようもない。かといって流れたとしても全体の基礎スピード面でどこまでかはまだ読めないからね。その辺りのリスクを取らずにかつ勝ち負けを意識できる競馬はできたかな。捲るのも難しい展開だったしね。好位列が凝縮していて3~4角で動こうとすればスッと動けるキタサンが一気に引き上げたら外から無茶をすることになる。またラップ的にも極端な淀みもないからね。個人的にはこれで正解だったと思うし、素直にこの展開で来れたことを評価したいかな。ただやっぱりちょっと渋って最速11.2で済んだことも大きかったとは思うんだけどね。アル共とは相手が違うし、実際進路どり、仕掛けのイメージは福永にしては最高に積極的な競馬をしても動けなかったから。やっぱりじわっとギアを上げて5速に入れない4速ポテンシャル勝負が理想だと思う。有馬に向けて良い競馬ができたので、後は鞍上が有馬仕様にイメージを膨らませてほしいところで、これは福永永遠の課題。今日はバランスのとれた良い騎乗だったと思うし馬も成長してきているね。この世代は後から後から良い馬が出てくるし、キタサンブラックという軸もしっかりしてる。ドゥラメンテが抜けてどうなるかと思ったけど、良い世代やね。



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