この春の三浦皇成騎手はツイているというべきなのだろうか。大阪杯ではシュヴァルグランの代打を務め、天皇賞春は急遽クリンチャーの代打が転がり込んできた。シュヴァルグランでは結果を出せなかったこともあり燃えていることだろう。
ただ、外から見ている限り、クリンチャーというのはなかなかテン乗りで乗りこなすのは難しい馬なのではないかと映る。
この馬はクラシックで活躍するほどの実力馬ながら新馬ではまったく見せ場のない12着に敗れている。これは丸山元気騎手と相性が合わなかったのかどうか定かではないが、2戦目で一転大楽勝しているあたりに気難しさの証左かもしれない。
次に藤岡佑介騎手が手の内に入れていたかに思えたが、日本ダービーでまた全く力を出し切れず大敗している。このとき積極性に乏しい騎乗ぶりから藤岡佑介騎手にはファンから批判が大殺到した。それに対して藤岡佑介騎手は謝罪かのような長文コメントを寄せたが、どうしてああいった騎乗になったかの言及はなかった。
ただ、その理由は前走の阪神大賞典で分かった気がする。乗り替わった武豊騎手が前半かなり折り合いに苦労していたからだ。スタミナ型でズブそうな印象のあるクリンチャーだが、実は気難しく、出していくと引っ掛かってしまう気性なのではないかということが窺えた。日本ダービーのときも藤岡佑介騎手はその難しさと戦っていたのではないかと推測する。
となると、今回三浦騎手はいきなりの乗り替わりで上手に操れるかかなり怪しいのではないかと思えてくる。武豊騎手をもってしてもなかなか折り合わせることができなかったクリンチャーを乗りこなせるか、天皇賞春の大きな注目ポイントになりそうだ。