2013年　タイム 1’59”5 (良) 1FAve=11.95 3FAve=35.85

ラップ
①12.3-②10.9-③12.8-④12.1-⑤12.5-⑥12.1-⑦11.8-⑧11.6-⑨11.6-⑩11.8
1FAveとの誤差
①+0.3 ②-1.1 ③+0.8 ④+0.1 ⑤+0.5 ⑥+0.1 ⑦-0.2 ⑧-0.4 ⑨-0.4 ⑩-0.2
テン36.0-中盤48.5(3F換算36.38)-上がり35.0　『加速・中弛み』

『加速』・・・逃げ◎　先行○　差し△　追込×
『中弛み』・・・逃げ◎　先行△　差し×　追込○

1着タッチミーノット・・・ダンスインザダーク×Mr. Prospector=サンデーサイレンス×ミスプロ　〔2-n〕　６－５
2着アドマイヤタイシ・・・Singspiel×Dubai Millennium=サドラーズウェルズ×ミスプロ　〔12-c〕　３－３
3着ジャスタウェイ・・・ハーツクライ×Wild Again=サンデーサイレンス×ニアークティック　〔2-n〕　１１－１３

流れは、テン-上がりのラップ差から『加速』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。展開的には、逃げが最も恵まれ、次いで先行、差し・追込には厳しい流れと考える。また近年中山金杯では、4コーナー5番手以内に位置した馬の好走が多く、今年も先行した馬が上位好走していて、小回り急坂の中山コースでは変則的に「ローカルコースの鉄則」が活きると考えるべきと思います。

ちなみに「ローカルコースの鉄則」とは小回りコースで直線の短いコースでは、後方に位置して上がり勝負を得意とする馬が届かないという考え方です。小回りコースは比較的ペースの弛まない流れになりやすく、中央開催なら前がつぶれてしまうのだが、前にきつい流れでも踏ん張りきれてしまうケースが多いのがローカルコースの傾向。今回は急坂コースではありますが、中山芝コースも小回りコースという点で共通する部分があり、過去の好走馬の位置取りからもこの「ローカルコースの鉄則」は活かせると思います。内枠ならなお好走の可能性ＵＰ。

1着タッチミーノットは、前走毎日王冠3着(-東京芝1800m：0.1秒差)からの好走。中山芝コースは(1-1-1-0)と好走が多く、芝2000m戦は(3-2-2-6)でした。今回は約3か月の休み明けでしたが、休み明けは(1-2-0-0)と好走も多く、大きな割引にはならないと考えて好走に期待し、結果1着好走。休み明けも苦にしない馬であったこと、内枠の先行馬、中山芝巧者であったことなど、好走の条件は揃っていたが、それでも重賞連続好走中という点でも7歳にして本格化と考えて、次走にも期待したい馬と考える。
　ダンスインザダーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、大物を輩出するしスタミナ抜群なのだが器用さに欠け、ギアが入れば迫力満点の長い末脚を使う一方で、トップギアまでに時間がかかり瞬時に反応できないという弱点を併せ持つ。また条件戦では手間取るも能力が引き出される格上挑戦は好走のプラス要因で、産駒が好走していた重賞で産駒が好走することが多いのも特徴。母父Mr. Prospectorはミスプロ系で、完成度の早さと直線的なスピードに優れている。母父としては、マイラー種牡馬との配合ではよりキレのあるスピード、ステイヤー種牡馬との配合では速い時計にも対応できるスピードを伝えている。父系ではここぞの勝負根性は少なかったが、母系に入ると気にせずとも良い傾向。
　No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。

2着アドマイヤタイシは、前走朝日ＣＣ2着(=阪神芝1800m：0.0秒差)からの好走。中山芝コースは初でしたが、芝2000m戦は(1-4-0-2)と好走が多い距離でした。近走はハンデ戦だったが本馬も重賞連続好走中でもあり、6歳にして本格化したと思われる。今回も2着好走と重賞連続好走は継続していて、こうなるととことん強くなるサドラーズウェルズ系の特性が引き出される可能性はあると考えて、今後の活躍にも期待したい。上がりの速い展開には向かない馬だが、上がりのかかる中山芝コースや展開なら、今後も侮れない馬として、今後の好走に期待する。
　Singspiel産駒はサドラーズウェルズ系で、芝1600mを中心に好走が多く、淀みなく流れ、底力の問われる展開でこそ真価を発揮する。成長力も豊富で、条件戦よりも重賞で勝負してこその血統。母父Dubai Millenniumはミスプロ系で、どちらかといえば早熟タイプで、スピードの優れたマイラー血統。
　No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな馬が多い。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

3着ジャスタウェイは、前走天皇賞秋6着(=東京芝2000m：0.5秒差)からの好走。中山芝コースは初で、芝2000m戦は(0-0-0-1)でした。前走天皇賞秋は、差し馬が上位好走する流れを先行して僅差に好走した内容は評価できるが、これまでは東京芝コースや新潟芝コースといった広いコースでの好走が多く、差し・追込に位置取りやすい点からも小回り急坂コースの中山適性については割引が必要と考えて評価したが、結果3着。やはり後ろからでは届きにくいコース形態ということもあり、「ローカルコースの鉄則」が重要なポイントになると反省する。それでも不利な流れを僅差に好走した点は評価したく（=2着アドマイヤタイシとは同等に評価出来ると思います）、広いコースに変わるならアドマイヤタイシよりも次走の好走の可能性は高いと考え、また4歳ということで成長力にも期待出来ると考えて、今後の活躍に期待する。
　ハーツクライ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合なので、母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンのかかる器用なタイプよりは、助走をつけて末脚が全開になり長く良い脚を繰り出すタイプが本質。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離～クラシックが能力を活かしやすい。またハーツクライ産駒は3歳秋シーズンに身が入る成長力を有していて(=11年菊花賞2着ウインバリアシオン、11年秋華賞2着キョウワジャンヌなど)、成長力には期待が出来る。母父Wild Againはニアークティック系で、ワイルドアゲイン×リボー系という男臭い血統。ペースの緩まないダートがベストで、強気で前にて勝負すると強い反面、たるいペースでは詰めの甘さを出す欠点もある。しかしダートの走りは堅実で、道悪や時計のかかる馬場ならなお良い。ジワジワと成長し、ひとたび本格化するとその部門のヌシ的な存在となり、高齢でも力の衰えは少ない。パワフルな先行力があり、一方で差しに構えると良い脚を使う。
　No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。

中山金杯のポイントは、
①中盤が締まる流れになりやすく、小回り芝2000m好走実績が重要。
②「ローカルコースの鉄則」が活きやすく、4コーナー5番手以内の馬を中心に。
③中山芝コース巧者なら芝2000mの距離実績が不足しても好走があり得る。ただし2・3着の可能性が高く、本命にはするべからず。また距離適性をカバーするのに先行し、距離ロスは少なくする必要が生じる。
④大系統ナスルーラ系(=ネヴァーベンド系、グレイソヴリン系など)　や大系統ノーザンダンサー系(=リファール系、ノーザンテースト系、サドラーズウェルズ系など)の欧州スタミナ型血統が前面に出ている馬。スタミナ型サンデーサイレンス系の好走もあるが、より前者を重視すること。
⑤前年暮れの有馬記念好走馬の血統配合も注目(=年度が替わるが、馬場は変わらないので有馬記念上位好走血統で偏りがある場合はブラッドバイアスが発生していると考えて要注意)。
→次走狙い馬:タッチミーノット,ジャスタウェイ     

■タガノエルシコ
　道中後方ポツンから、3コーナーで捲っていって大外からよく差を詰めていました。
　小倉日経OP2着の実績があるので、次走は小倉大賞典でしょうか。
　小倉大賞典は、昨年のダンツホウテイ(4着)、一昨年のサンライズマックス(5着)と、毎年のように惜しい処まで差し馬が来るレース。
　この馬も少なくとも掲示板には手が届きそう。
　あとは当日の馬場、展開、相手関係次第で、アサカディフィートのように突き抜けるかもしれません。


■ドリームセーリング
　ずっと長距離の逃げ馬をやっていましたが、距離を短縮して2戦、よく粘りました。
　結果としては今日は道中緩めすぎたかもしれません。
　小倉大賞典では、美浦Sのように11秒台のラップを刻み続ければ、昨年のエーシンジーラインに続けそう。

　
□アドマイヤタイシ
　マイナス10キロでしたがよく頑張りました。
　これまで3、4戦使って休むというパターンですが、欲張ってもう一回使うとそろそろ危険な気がします。


　ジャスタウェイは今後の路線が読めないので推奨は特にしませんが、初の小回りだとしても今日の内容は良いモノではなかったと思います。
　というか、ドリームセーリングを差せなかったんでないかと確定するまでヒヤヒヤしました。


　タッチミーノットはもうハンデ重賞の馬でもないでしょうから、京都記念でも目指すのでしょうか。
　それが試金石になりそうですね。
→次走狙い馬:タガノエルシコ,ドリームセーリング
→次走危険馬:アドマイヤタイシ  

ジャスタウェイがタッチミーノットくらいの位置取りで前に付けれる・・・という目論見は甘かったようで。
一周目の直線でもう少し前に取り付けようと思えば取り付けれそうな場面はあった気がするんですが。。
この馬をＧⅢ級で終わらせたくないという考えが働いたのかどうかは分かりませんが、出しませんでした。（前に出して末が甘くなるのを恐れただけ・・・という気もしますが）
確かに、大きいところを狙うなら末脚に徹したほうが良いと私も思います。


逃げたドリームセーリングは前半３F36.0。５F60.6。
同じく逃げた前走の美浦Ｓの前半３F36.2　５F59.6なので、前走よりも落としてきましたね。

残り1000mから徐々にペースアップしていき、好位に付けたアドマイヤタイシとタッチミーノットが直線万全の体制で抜け出してワンツーと。


ジャスタウェイはあの位置取りからよく追い込んで３着。




１・２着馬は中山に実績のある器用な馬で、その中では能力上位なのでほぼ順当な結果でした。






各馬短評
１着　タッチミーノット
ロックステディ八戒さんの予想によると、最高の出来だった毎日王冠と同じ調教内容だったようで。
なるほど、パドックで良く見えましたが絶好調でしたか。
調教タイムも好調時のモノくらいだけでも覚えておけば損はないかもしれませんね。

毎日王冠でもジャスタウェイより前につけていましたし、中山戦績を見ても器用さは確認済み。
父ダンスは冬の中山では・・・とか言ってる場合じゃありませんでした。

今後のローテーションはどうするんでしょうかね。中山記念辺りが面白そう？





２着　アドマイヤタイシ
能力をＧⅢに届くか届かないかと予想していたので、タッチミーノットとの一騎打ちとなればこの結果は当然・・・と思ったんですが、レース後の関係者コメントを見てみると「タッチミーノットに交わされた後再び伸びただけに勿体無い」
想像よりも強いのかもしれません。ただ、抜け出して遊ぶ性格ならば勝ちきるのは難しいか。






３着　ジャスタウェイ
あの位置からよく３着まで追い込んできました。
やはり能力はこのメンバーで最上位っぽい。
しかし、一周目の直線で前に出さなかったのは、それはそれで良いと思うんですが、下げるのならば中山金杯に出てきた意味があまり無いような。
あそこで出していって、どこまで走れるか（つまり小回り適性？）を図るために出てきたと思ったんですけどね。

でも、個人的にはこの馬のことを思ったら末に徹するのは良いと思います。
大阪杯辺りを目標にすれば良いんじゃないでしょうかね？







４着　ドリームセーリング
予想外に頑張ってくれました。前半1000mを60.6で走れたにせよ。
ただ、前走と違うラップで逃げてのこの結果。操縦性能は高そうですね。そこは強みだと思います。

能力的にOP～ＧⅢで勝つには展開の助けが必要そうですが、そういう展開になりそうなレースでは狙いたいですね。






５着　ダイワマッジョーレ
可もなく不可もなくな結果。
関係者コメントでは、身体をあちこちぶつけられたのが痛かった。スムーズなら・・・
という事でしたので、出直しでしょう。
→次走狙い馬:ジャスタウェイ       

■タッチミーノット
前が止まり、馬場が悪いところを通る中、ゴール板を過ぎるまでしっかりと伸びたのはこの馬のみ。結構な力の持ち主と言えるのは確実であろう。次走期待馬とする。

■ジャスタウェイ
4コーナー手前でもたついて後ろに下がったが3着に追い込んできたのは評価できる。外回りや東京などの広いコースでは力を発揮できるとみて次走期待馬に。

□アドマイヤタイシ
直線に向いても脚が止まったまま。馬場が悪かったというのもあるとは思うが、何とか粘れた感じなので、次走の展開やコース次第では大敗も十分あり得る馬なので危険馬とする。
レースレベル：3
→次走狙い馬:タッチミーノット,ジャスタウェイ
→次走危険馬:アドマイヤタイシ  

勝ったタッチミーノットは好位から突き抜けて快勝。
休み明け、人気になると裏切るダンス産駒で軽視しましたが、
普通に強かったですね。これは完敗。

2着アドマイヤタイシは先行して抜け出し。
こちらは重賞連続好走の疲れを心配したんですけど、全く問題なし。
むしろ走るたびに強くなってますね。

サドラー系で奥がありそうですし、
この後の中山G2路線でも活躍しそうな感じです。

ヒットザターゲットは道中から折り合い微妙で伸びず。
ここで走れないということは、もう安定した走りは期待できませんね。
まぁキンカメ産駒らしいパターンではあるんですけど。
レースレベル：3
→次走狙い馬:アドマイヤタイシ       

人気上位の決着も勝ち馬が昨年と同じ地方上がりの馬では先々の期待はできず並みレベルのＧ３と判断してレベル３に！

■…ジャスタウェイ
有馬記念まで持って行ってる内田博の須貝尚厩舎では今回は危険と思ったものの、ちゃんと重ハンデで３着確保なら次走も期待できる存在と判断できるので狙い馬に！

□…ヒットザターゲット
57kgでも鞍上強化で臨む今回はチャンスありと推察したが、蓋を開ければ後方からの追走という予想とは大きく違った位置取りで10着惨敗では今後も期待はできない。よって、次走危険馬に！

「◎」に推したダイワマッジョーレは、鞍上の実力通りの結果で掲示板までで終わる…
それでもこれから徐々に位置取りと追い出しのタイミングを掴んでいければそこそこに丸田くんも上手くなると思われるところを見せたのが唯一の幸い事。是非とも今後も頑張って欲しい。

今年注目の三浦くん( シンゲン )だったが、予想外の先行位置取りとなったのにはビックリ。
ただし、厩舎側が怖れていた「ガツンと行ってしまうのが心配」という態を見せた感があり、鞍上が持って行かれたとも思えるからには『やはり三浦くんは大した腕はない』と診ておくのが無難と思われる。
現状では、『どうやら彼は“週刊誌賑やかし者”』としておくのが正着のようであるのが残念でならない…
( しっかり控えて競馬して欲しかったなぁ… )
レースレベル：3
→次走狙い馬:ジャスタウェイ  
→次走危険馬:ヒットザターゲット