逃げて圧勝したロジユニヴァースが単純に強かったのもあるが、それにしても、◎評価にしていたアーリーロブストは見せ場ひとつなく、４連勝はおろか、パーフェクト連対の実績までアッサリと崩してしまった。騎手のコメントでは馬場を気にしていたとあるが、それだけが敗因とはさすがに納得が行かない。やはりここでは地力不足か。京成杯を勝った時に「強い」という印象は全くなかったが、堅実な成績ゆえ注目していた。結果論だが、当時の直感のほうがどうも正しかったようだ。

　しかし、別の観点からすれば、クラシックのトライアル競走の中でも、弥生賞は早熟や完成度だけでは制するに最も困難な重賞だという点にもう少し気を付けるべきだったかもしれない。アーリーロブストを自分がトライアル巧者と位置付けた時点で、実はそこでもう矛盾があったということ。取り立てて次走危険とはしないが、ＧⅠではさすがに荷が重いはず。

　次走はおそらく皐月賞なので、素直に狙いは勝ったロジユニヴァース。父ネオユニヴァースは皐月賞・日本ダービーの２冠を、ともに結構時計のかかる芝状態の中で制している点に注目。ロジユニヴァースも切れ味よりは渋太さやパワフルさが勝っている印象から、詳細な血統論は抜きにしても、やはり父の影響は強く出ているような気がする。父が２冠を制した時に近い馬場状態なら、ＧⅠ優勝の可能性も自ずと高くなってくるのではないか。

　今開催の中山芝は開幕から比較的時計のかかる状況が続いている。４月後半まで開催は続くが、この後芝の状態が劇的に回復して時計が一気に高速化するというケースは、現在の雰囲気からはちょっと考えにくい。その点でロジユニヴァースには安定したパフォーマンスが約束されていると言っても過言ではないはず。
仮に次走が東京芝で高速の良馬場なら疑ってかかる余地も十分あるが、いまの馬場状態の推移を想像すると、皐月賞の最有力馬という位置付けは不動かもしれない。

03/11 04:08　回顧アクセス：2521