2017年の日本ダービーを見た感想を。

本当は回顧を書かせてもらうつもりはなかったのですが、某サイトの福永騎手のコラムで「騎手目線」においてもルメール騎手の凄さと自分のふがいなさを隠すことなく事細かに語っていたのを読んで、「2017年のダービー」が終わった今の自分の気持ちを「自分への申し送りとして何か書いておきたい！」という衝動に駆られてしまい、書き始めてしまいました。

長文になってしまい恐縮です・・　m(__)m


レースは最初の1000ｍが63.2という超スローペースとなった今年のダービー。道中まくっていっての先頭集団へのとりつき、さらに直線も伸びるというまるで平場の未勝利戦を見ているかのようなルメールらしからぬ騎乗が見事にはまってダービー制覇を果たした。みんなが固まってしまったこの大舞台で思い切った騎乗で結果を出したルメールは去年の２着の雪辱を、藤沢調教師も悲願のダービー制覇を果たし、競馬を長く見てきたものとしては素直におめでとうという気持ち。全体的に馬の力を出し切れなかったというコメントが目立ったレースで、後味としてはあまりいいレースではなかったのかもしれないが、それも競馬。自分が応援していたスワーヴリチャードが２着に負けてしまったのも残念だが、「デビューからずっと同じ騎手が乗っている馬が勝つ」とういあたり「やはりダービーはこうでなくては」という結果に落ち着いてくれた。


▲レイデオロに関しては、この馬の完成度を認めてはいたが皐月賞をぶっつけで臨んできたことと、予想の段階でも書いたようにレースに参加せずに直線内を回って伸びてきただけの５着という走りから評価を落としてしまった。皐月賞で勢いよく追い込んできた馬がダービーで巻き返すパターン（ワンアンドオンリー・ジャングルポケット・タニノギムレット・スペシャルウィークなど）はよくあるが、惨敗してしまうパターン（フサイチホウオー）もあり自分としては中山の適性の高さからダービーでは軽視してしまった。今の時点ではいい馬であることには間違いないが、今年のダービーが10、20年に一度あるかないかという特殊な展開だったこともあり、個人的には完成度の高さで勝ち切ることができたとみているので、脚質的にも後方になりがちなこの馬が今後大成していけるかどうかは正直微妙な気がしている。

勝ちタイムも2.26.9というかなり遅い決着でもあり、展開が違うとはいえ同舞台のオークスで2.24.1で勝ったソウルスターリングと比べてレベルが低いとみられてしまうだろうが、奇しくもダービーで遅い決着だった2010年と同タイム。そのダービーの中には「エイシンフラッシュ・ローズキングダム・ヴィクトワールピサ・ルーラーシップ・ヒルノダムール」といったその後G1でも活躍した馬たちが出ていることは興味深い。レイデオロの秋の走りを楽しみしつつ、ソウルスターリングと共にぜひ中距離路線（天皇賞・秋）に進んで対決を見てみたい。


２着の◎スワーヴリチャードは懸念していたスタートも決めてダービーを勝つためのポジションである７、８番手という絶好の位置取りを確保して直線を迎えたが、一度並びかけたところでレイデオロに突き放された感じだったので、現時点では完敗という感じ。爆発的な末脚というタイプではなくじわ～っと伸びるタイプのようで、パトロール映像でみる限り右に左にフラフラしている感じもありしっかりと走れていない様子だったことも捉えられなかった一因かなと思う。今後まだまだ伸びしろがあることを期待させられる走りぶりであり、左回りの方が得意だということを証明してしまったことで、菊花賞をやめてしまわないことを願う。



３着の△アドミラブルは、自分としても３着くらいかなと思っていた通りの結果ではあったが、十分に勝てる能力を持っていることを示した強いレースぶりで、この日は展開に負けたといった感じ。個人的には上位馬の中では今後一番強くなっていきそうな予感をさせる走りで、秋への飛躍を期待したい。音無調教師が「なぜレイデオロと一緒に動いていかなかったのか！」とデムーロに対してすごく怒っていたのが印象的だった。青葉賞馬が勝てないという歴史はまだ続いていくようだ。


４着のマイスタイルは忘れたころの典マジック（笑）。ああいう馬が３着あたりに残るのがダービーなんだけどなあ・・。あそこまでいったのなら３着に残ってほしかった・・。（スワーヴリチャードからの１頭軸３連複の相手に入れていたので、ゴールでは天を仰いでしまった・・）


個人的な馬券は3連単のBOXが抑えで的中だけとなってしまったが、当日のレース（8R・9R）を見てこの日の馬場は向くと判断してレイデオロの評価を上げてカデナを下げる選択ができたのには満足。やはりG１の日は当日の馬場情報は大切だと再確認したレースだった。


2018年の日本ダービーへ向けて来週から新馬戦が始まる。

都合がつかず今年は現地へは行けなったが来年はぜひ現地で、自分の応援する馬の単勝を握りしめてレースを迎えたい。

05/31 01:25　回顧アクセス：3011