http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20080513-359214.html
今年1月20日号の競馬ブックに、ゴスホークケンの藤田与志男オーナーのインタビューが掲載されていた。
「正直、もう馬主はやめたい。
150頭所有しているが、馬を引き取っているのでどんどん増えてしまう。いくらかかると思う?」
アポインテッドデイやシベリアンホーク、マルターズライオンといった馬までを種馬にしてしまい、、、種馬になれなかった馬も成田の施設へ。
氏曰く、
「手元に残せないならせめて行き先を探してあげたい。怪我をした馬なら、治してから人にあげるんです」と。
競馬ブックの記事にもあるが、「藤田オーナーに買われた馬は幸せ」としかいいようがない。

(写真は、種牡馬にはなれなかったが、東京競馬場内で余生を過ごすビッグプラネット号)
ぼくの周りの競馬ファンには、馬肉を食べれない、食べないという人がけっこういる。
ぼくも今まで食べたことはない。食べないことにしている。
「宗教上の理由で、食べれないんですよ」と言うことにしている。
これは綺麗ごとだが、
我々を楽しませるために命を削って走ってくれる競走馬たちなのだから、
できれば処分されずに、天寿を全うしてほしい。
多くの競馬ファンに共通した願いではないだろうか。
藤田氏のような方が、多く馬主でいてくれたら、
どんなにか競馬ファンの気持ちも安らぐだろう。
わが国特有の概念だというが、
日本競馬には、「馬主経済」という言葉がある。
この言葉も、不要になった馬は即処分するということは前提での話。
飼料代、預託代が最も大きな負担になる競走馬の所有者としては、引退後まで面倒を見るなどということは全くあり得ない話。
藤田オーナーの頭には、「経済」などという考えはなかったのだろう。
インタビューの結びは「ゴスホークケンを種牡馬に」との言葉で締めくくられていた。
そして、いみじくも先週、ゴスホークケンがNHKマイルCに出走する前日に、オーナーがお亡くなりになられたとのこと。
ゴスホークはまだまだ将来のある馬。きっと愛馬の活躍を楽しみにされていたことと思うと胸が痛みます。
競馬界は本当に惜しい馬主さんを失いました。
一競馬ファンとして、心よりご冥福をお祈りいたします。
競馬ナンデトップへ
いきなりで失礼ながら、まずは藤田与志男オーナーに対しまして、心からご冥福をお祈りいたします…さて、今回のコラムを拝見させて戴き、甚く感銘を受けましたのでコメント致します。…全くおっしゃる通りだと共感しました。馬主さんで競馬が成立っている以上、藤田与志男オーナーのような人たちにこそ、競馬界から何らかの恩情・感謝があってしかるべし。走ってナンボの競走馬ゆえに、その余生の道筋(落着き先)を設けるオーナーなどいないのが当然の世界で、純粋に馬の生涯を貫かせてくれる馬主に対し、主催者が報いずしてどうする…という気持ちでいっぱいです。本当の競馬ファンとは、馬券だけじゃなく、競馬に「有心=人情・情愛」を求めているから競馬を応援してるのです。藤田氏が亡くなり、その道筋が途切れないかがとても心配です。
>>クライスト教授さん
コメントありがとうございます。
そうですよね。JRAもこういった馬主さんが増えるようサポートしたり、もっと多く引退馬を引き取ってあげたりしてほしいものです。
あと、今回はたまたま競馬ブックの記事を読んで、藤田オーナーがこのようなお考えでいることを知ることができましたが、他の馬主がどのように取り組んでいるかといった情報はなかなか得られませんよね。所有馬が多数に上る有名な馬主さんたちは、それぞれどのようにしているのでしょうか?
藤田オーナーのような方が多くいてくれれば良いのですけどね・・・