大阪杯2025予想
G1レース2着馬の逆襲

夏影
14期 予想歴42年

◎コスモキュランダ
  8着/9人気

○ラヴェル11着/13人
▲ベラジオオペラ1着/2人
△ロードデルレイ2着/4人
×デシエルト
×ホウオウビスケッツ


 大阪杯の特徴として、根幹距離である事と、内回りコースで行われる事が挙げられる。
 傾向はこの2点を弁えたものとなっており、意外と理解しやすい。
 小回りであるがゆえに、アメリカ色の前向きさや、ダンチヒ系の加速力が有利に働く事。特にデインヒルの血の威力は凄まじく、昨年は馬券にからんだ3頭全てがデインヒルの血を保有していた。もう一つは、主流種牡馬の血を持った仔が走りやすいという事だ。ディープインパクト系、キングカメハメハ系の産駒が多数馬券に絡んでいる。

 日曜日は日付が変わる頃から雨が降る予定となっているが、お昼前には止むとの事。降雨量は10ミリ前後。その後はカラッと晴れ気温も上昇、3m/sほどの心地良い風も吹く予定で馬場が回復しつつある状態でレースを迎える事になる。
 先週の内回りの競馬を見ると、前残りあり、外差しもあったが、イン差しは見られなかった。今週から仮柵が設けられ、先週より、コーナ部は4㍍、直線走路は3㍍外にズレる。先週差し馬が伸びて来た部分を最内として走る事になる。芝生も内から乾いてくるので、おそらくは午後の競馬からイン差しが決まりやすくなると考えている。馬場はおそらく稍重か良馬場となりそう。
 先週の日曜日に行われた四国新聞杯(2勝クラス牝馬限定)の勝ち時計は2.01.0とかなり遅め。中間の気温も低く、おそらくは芝の育成も遅れ気味なのかなぁといった感じだろう。
 
 デシエルトもいる事なので、スローは考え難いが、前走の疲労が抜け切らない事が十分に考えられるタイミング。鞍上も変わり、後続を引きつける気味な逃げに変わる可能性は考えておきたい。

 小回りの差し競馬に良績のある馬に注目。今回は、小回り適性を見せたG1レース2着馬が、あまりにも軽視されている模様ようなので、思いっ切り狙ってみたい。

◎コスモキュランダ

(血統)
父アルアイン
母父サザンイメージ

(オプション)
「2000→2200→2000㍍」バウンド位置取りショック、「G2→G1」格上げ。

 父はディープインパクト産駒のアルアイン。アメリカ色の強い母方の影響を強く受けた馬で、皐月賞と同レースの勝馬。自身のスピードと前向きさが存分に生かされる小回りG1で本領を発揮していた。
 コスモキュランダ自身も皐月賞2着、セントライト記念2着と父が好激走したレースで連対を果たしているあたり、しっかりアルアインの特徴を受け継いでいる。
 特に評価したいのは皐月賞の内容だ。前半57.5の速い流れを中段馬群で流れに乗り、上がり3位の末脚で勝馬に迫り、1.57.1という高速決着の中でタイム差無しの2着と好走。
 3着には朝日杯FSとNHKマイルCの勝馬ジャンタルマンタルが入り、後の有馬記念勝馬レガレイラは6着と人気を裏切ったように、物理的にもマイル寄りに傾きスピード資質が問われたレースだった。

 母はオセアニア産で、このレースでは必須となっている前向きさとパワー(加速力)に関しては申し分ない。母母母はこのレースと抜群の相性を誇るデインヒル産駒。血統背景はしっくり来ているし、力量的にも十分だ。
 馬格がそれなりにあるオセアニア血統馬で、道悪適性はおそらく「鬼」。雨の影響が増すようなら、さらに期待値は上がると見る。

◎ラヴェル

(血統)
父キタサンブラック
母父ダイワメジャー

(オプション)
多頭数内枠、生涯初牡馬混合G1。

 3歳牝馬クラッシック戦線からしばらくの間低迷していたが、ここに来てこの馬本来の調子を取り戻した。
 アルテミスSでは直線で抜群の反応を見せて抜け出すと、あのリバティアイランドの追随をも許さなかった。そして、その加速スピードは京都内回りで行われた、チャレンジCで再び火を吹いての完勝。その前のエリザベス女王杯でも2着に入るほどの実力がありながら、今回は何故か13番人気とファンから見離されている。
 
 前走は少頭数ながら、デシエルトのハイペース逃げが敢行された事により、かなりハードなレースとなった。競馬を最初から投げていたこの馬は、全くダメージが残っていない。むしろ「重馬場→良もしくは稍重」は「苦→楽」要素。しかも、今回は馬場が乾きやすい内を突ける特典もある。
 前走の大敗で評価を落としているようだが、2着に入ったエリザベス女王杯は、休み明けのリステッド競走を6着凡走した後の格上げ参戦でパフォーマンスを上げた。評価を下げるのではなく、叩かれた上積みを期待するのが筋である。チャレンジC勝ちも精神力を窺わせる素晴らしい連続好走だ。

 血統面ではナミュールの半妹。母母母キョウエイマーチにフレンチデピュティ→ダイワメジャーとスピード色が強化された血統背景を持つ。根幹距離G1では欠かせないスピード要素面は、この馬が最右翼と言っても過言ではない。
 母父ダイワメジャーは500kgを超す馬体をを持った皐月賞馬。抜群の加速力とスピードで大外枠から番手を奪い取り、皐月賞を制した。その時代に大阪杯がG1であったなら、好走は必至だったであろう。

 「◎」同格評価で。アルテミスSやチャレンジCで見せた超加速の再現に期待したい。

✕デシエルト
✕ホウオウビスケッツ

 レースを考える上で血統も大事だが、ステップレースの内容にも拘らなければならない。米国色の強い前向きさがあり、血統面では魅力があるが、問題なのは前走の内容。
 体力負荷が余分に掛かる重馬場で、前半58.2というハイペース逃げを敢行したデシエルト。ゴール100㍍前まで先頭をキープし、最後力尽きたとは言え勝馬とは0.4秒差の4着と頑張った。前向きさが誇張された馬は、レース前半から全開の走りを見せ、全能力を完全に出し切る競馬をしてしまう為に、レース後のダメージが大きいのも特徴だ。
 そんな内容の競馬から中2週でG1を迎えるのというのは、ちょっと疲労やストレスを癒すに時間が足りない。
 大阪杯とドバイWCの開催が重なる事は当然分かり切った事。今回池添への乗り替わりはプラン通りという事になる。
 武豊側からすれば、ドバイ行きで大坂杯に乗れないのであれば、金鯱賞で目イチの競馬をさせて勝ち(結果は負けたが…)、デシエルトを出涸らし状態にして池添に押し付ければ良いや…という考えに至ってもおかしくない。それが、あのハイペース逃げだったと考えている。大阪杯を最大の目標に置くのであれば、トライアルでは負荷の掛からない競馬をするはず。
 今回大逃げではなく、普通の逃げになると予想しているが、後続を引き付けてしまうと、それはそれで、後続の圧をモロに食らいやすくなる競馬になる。

 デシエルトを番手追走から、最後交わして勝ち負けに持ち込んだホウオウビスケッツも同様である。反動が出ると見て軽視したい。

✕ボルドグフーシュ

不器用ゆえ、内回りの内枠というのは…

✕シックスペンス
✕エコロヴァルツ

 前走は開幕馬場という軽い馬場で、接戦によるストレスを残した。
 接戦ストレスの他に、プラス「開幕馬場→摩擦馬場」という馬場ギャップによる「楽→苦」効果を食らうタイミング。
 パフォーマンスを落とす条件揃い、激走を期待するのはどんなものかて…


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大阪杯2025回顧

夏影
14期 予想歴42年

次走狙い:ボルドグフーシュ
次走危険:ジャスティンパレス


 5頭打った「✕」印馬がすべて馬券圏外から消え、4頭ピックアップしたノンストレス馬のうちの2頭ワンツーしたにもかかわらず、予想はハズレ…相変わらず下手糞な予想をしているなぁと実感している今日この頃。
 自分への戒めの為にも、今回はきっちりレース回顧というよりは、予想回顧をしておきたい。

 今回ベラジオオペラに勝たれた事により、見逃されたファクターが存在が1つある事に気付いた。それは、しっかり時間を掛けて完成させた「本物の体力」が問われていたというもの。
 そもそも競走馬の大半は、まずスピードが付き、調教を積む事により、後から体力が付いて来るものだ。
 アメリカ血統にありがちな、2歳時で完成された体力をアドバンテージにしていた馬が、時間を経る毎にパフォーマンスを落としていくのは、ライバル達が時間を経る毎に体力を付けて能力アップしているからに他ならない。

 3歳時のベラジオオペラは基礎スピードは一級品で、デビューから3連勝でスプリングSを勝つ。スピードは高かったが、当時G1を戦うには体力不足。皐月賞は10着惨敗。ダービーではインベタで仕掛けをギリギリまで待つ競馬をしたが、4着と一歩及ばなかった。
 ダービーでは、不足する体力面をカバーした乗り方をされていた馬だが、今回ハイペースの流れで好位を追走し、抜け出すという強い競馬でこのレースを制した。ダービー時と比べるとエラく体力がついたなぁと印象を受けた。
 そういえばイクイノックスも、ダービーまでは差し一辺倒の競馬でギリギリ足りない競馬になっていたが、有馬記念では捲り、ドバイではまさかの逃げと時間を経る毎に体力面を前面に出すようになり、G1でしっかり勝ち切るようになった。

 近3年の勝馬を見ると、どれも3歳クラッシックには縁が無かった、もしくは力不足だった奥手タイプだった事に気付く。そして、2着3着馬にしても、大半は奥手タイプだ。
 そういった傾向の変化に伴い、アメリカ色の前向きさはそのまま問われつつも、イギリス的な粘り強さも同時に問われるようになったと考える。ベラジオオペラの母父であり、ローシャムパークの父でもあるハービンジャーはイギリス産、ルージュエヴァイユの母もイギリス産である。今後は、ロベルト系の血にも注目したい。
 成長的観点やアメリカ的前向きさで言うなら、今後は成長力のある中距離系エーピーインディ系の血の活躍も見込まれるだろう。


 今回連覇を果たしたベラジオオペラは、3歳暮のチャレンジCで20kgの馬体増で勝ち、そこから、→京都記念2着→大阪杯1着と安定感を見せての初G1制覇。ダービー後は秋の一連のG1戦線を見送り、じっくり体力充填に時間を当てた事が成長に繋がり、20kg増の体力強化をもたらしたと考えている。

 一昨年の勝馬ジャックドールの初勝利は3歳の春。ダービーの権利を取りにプリンシパルSに出走も5着、権利を取れなかった事から早々と休養、これが良かった。休養明けは16kg増としっかり筋力が増え、そこから破竹の5連勝。その次の大阪杯は連勝による蓄積疲労で敗れたが、休み明けで挑んだ翌年の大阪杯で見事リベンジを果たしている。

 3年前の勝馬ポタジェの初勝利は2歳の秋と早かったが、そこからの成長がスローだった。次走2着後。プリンシパルS2着。その後は着々と自己条件を勝ち進んでオープン入りを果たした。リステッドレースを4連勝で飾り、新潟大賞典2着で賞金を加算。金鯱賞、毎日王冠といったG2レースで3着に入り、実力アップした事をアピール。その年の天皇賞秋に参戦したが、前向きなアメリカ気性が仇になりやすいレースがゆえの6着凡走。レースが合わなかっただけに、6着は良く走っている部類。その翌年に行われた大阪杯は、自身のアメリカ気性がプラスに働くレース。能力を遺憾無く発揮し、重賞未勝利馬の身でありながら見事G1制覇を成し遂げた。
 その時の馬体重は468kg、デビュー時と比べると18kg馬体を増やしていた。

 このように、近年の勝馬はクラッシック向きの最初から完成された体力ではなく、時間を掛けてじっくりと築き上げた体力にモノを言わせていたという事になるだろう。
 この事を踏まえていれば、皐月賞で好走する馬やアルテミスSでリバティアイランドを負かすような、早い時期にベストパフォーマンスを見せた馬ではなく、3歳秋以降にベストパフォーマンスを見せた奥手タイプを上位に取り上げ、予想を的中させていたはずだ。
 来年はこの事を十分に踏まえた予想をしてみたい。


 さて、次走の期待馬…と言ってもパッと思い浮かぶ馬が見当たらない、敢えて言うならボルドグフーシュくらいだろうか?
 今回は忙しい競馬だったから、はたから「✕」指定したが、距離延長ならば追走スピードが足りないこの馬には物理的に「苦→楽」。と言っても、精神的な強さもある為に、変にだらけた競馬だと気持ちが切れてしまう為に厳しさのあるレースが理想。次走が天皇賞春なら買い。レース間隔は詰まっているが、しっかり凡走しているので、ダメージは皆無だ。

 消し馬の筆頭は何と言ってもジャスティンパレスだろう。完全な均衡状態で毎回5着前後で済ませようとする心身状態。

 ステレンボッシュは天皇賞秋がベストチョイス。今回は真逆の適性が問われるが為、予想の段階で無印にした。ヴィクトリアマイルも良馬場開催だと、アメリカ型の前向きさが問われ不向き。春の競馬は適性のあるレースが正直ない。レースに出すなら海外で1〜2戦して休養、その後ぶっつけで天皇賞秋に参戦するのがベストだろう。変に国内レースを使うと、そこはエピファネイア産駒。競馬に飽きて、そのまま終わるリスクが大きくなる。


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