天皇賞(春)2025予想
クラッシック好走馬か? 秋の古馬トライアル勝馬か?

夏影
14期 予想歴42年

◎シュヴァリエローズ
  7着/9人気

○ヘデントール1着/1人
▲プラダリア10着/10人
×ブローザホーン
×ジャスティンパレス


「クラッシックとしての価値」

 以前はクラッシックレースの一つとして認知され、一線級の参戦が当たり前だった天皇賞(春)。
 しかし近年は、大阪杯のG1昇格、ドバイワールドカップデーや香港チャンピオンズデーといったレースに一線級が流れていってしまう為、クラッシックの位置付けとしてではなく、超長距離路線の最強馬決定戦としての意味合いが強くなった。
 それ故に、ダイヤモンドSのようにG1勝馬が決して出走する事のないレースの勝馬が、この天皇賞(春)で勝てるようになってしまったのである。
 そんなテーオーロイヤルも、2年前の同レースではタイトルホルダーにぶっ千切られた訳で、やはりクラッシック勝馬とは歴然とした力量差が存在する。
 近年の主な勝馬は菊花賞激走馬に偏ってはいるが、実は菊花賞以外のG1でも好走歴があったりする訳で、「菊花賞は強い馬が勝つ」という話は強ち嘘ではないのだ。

2023年 ジャスティンパレス
     宝塚記念3着、天皇賞(秋)2着
2022年 タイトルホルダー
     皐月賞2着、宝塚記念1着、有馬記念3着
2021年 ワールドプレミア
     有馬記念3着
2020年 フィエールマン
     天皇賞(秋)、有馬記念3着

 そんな馬をピックアップしたいところだが、肝心なジャスティンパレス、ブローザホーンの2頭の競走意欲が萎えている状態で期待するのは難しい。
 そんな訳でG1レースで強いパフォーマンスを示した馬やG1のトライアルレースで勝ち負けした馬に注目したい。出来れば3歳よりは古馬、春よりは秋のトライアルが良い。3歳の春は体力の完成度がアドバンテージになるが、秋になると大半の馬が体力が備わって参戦する。古馬に関しては、日経賞は一線級が参戦しない天皇賞(春)のトライアルなのに対し、札幌記念、オールカマー、京都大賞典、毎日王冠は明らかに、天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念といったレースに向けてのトライアルであり、そういったレースを狙った強い馬が参戦する。

「傾向」

・2024年
12.8→11.9→11.7→11.6→12.0

テーオーロイヤル  35.0(3位)
父リオンディーズ
母父マンハッタンカフェ

ブローザホーン   34.6(1位)
父エピファネイア
母父デュランダル

・2023年 13.2→12.3→11.9→11.5→11.9

ジャスティンパレス 34.9(1位)
父ディープインパクト
母父ロイヤルアンセム

・2020年 12.5→11.9→11.9→11.9→12.2

フィエールマン   34.6(1位)

父ディープインパクト
母父グリーンチューン

・2019年 12.3→11.7→11.6→11.0→11.9

フィエールマン   34.5(2位)

グローリーヴェイズ 34.4(1位)
父ディープインパクト
母父スウェプトオーヴァーボード

 上記は近年、京都開催だった年の激走馬。開催年、ラスト5Fのラップ、激走馬とその上がり(上がり順位)、血統を記したもの。
 傾向をはっきりさせるために、一部2着馬を割愛している。
 
 傾向は非常にはっきりしており、ラスト4ハロンからペースアップし、そこからの持続戦。連対馬の大半が上がり3位以内という事で、ペースアップしたタイミングからのスピードが要求されている事が解る。
 それに伴い、主流質のスピードが有利に働き、主流種牡馬の産駒が活躍していると考えられる。距離が距離だけに、母方でスタミナ色が強化されたタイプが良いようだ。

 そんな理由から、注目しているのはこの馬。

「週末の天気」

 金曜日は夕方まで雨が振り、降雨量は25㍉前後。その後は天気が回復し、土曜日の開催中には馬場も回復する見込みだ。コースバイアスを利用して馬券攻略を行うなら、日曜日よりは土曜日がオススメ。おそらく内側が伸びる。土曜日の夜から再び雨が降るもごく微量の予報。 朝からは晴れ予報になっているので、おそらくは良馬場で開催される見込みだ。
 予報が狂い馬場が悪化しそうなら、プラダリアの評価を上げる予定。最終予想は後日に行いたい。

◎シュヴァリエローズ

(血統)
父ディープインパクト
母父セーヴルロゼ

(オプション)
「3600→2500→3200㍍」バウンド距離延長、生涯初古馬G1

 前走は1100㍍の距離短縮の影響から行き脚がつかず、道中は殿からの競馬。4角では大外を回る羽目に。着順こそ12着だが、全く自分の競馬が出来なかった割には上がり2位の末脚を使い0.5秒差まで詰めた。内容としては上々だし、今回は700㍍の距離延長で追走が楽になるステップ。疲労ストレス皆無で巻き返しは必至だろう。
 秋の古馬クラッシック路線のトライアルである京都大賞典では、強豪ディープボンドを競り落としての勝利。ディープボンドは天皇賞(春)を3度も2着、有馬記念でも2着に入る力量を持つ馬。不調のブローザ、ジャスティン以外はG1未勝利馬であり、ディープボンドほどの馬を倒せるのであれば、実力的には十分上位と評価出来る。
 血統面では、「ディープインパクト ✕ フランス色のニジンスキー系」という事で、フィエールマンを連想させがちだが、これまでの競馬から見るに、フィエールマンほどの決め手を期待するのは酷のような気も。
 ディープボンド的のようなシルバーコレクター的な競馬に期待し、ワイド、連複系の軸として考えてみたい。

○へデントール

(血統)
父ルーラーシップ
母父ステイゴールド

(オプション)

 菊花賞2着、前走のダイヤモンドSを圧勝。血統構成も申し分なく、信頼度を得ているようだ。
 ただ、「菊花賞の内容が強かったか?」と言えば、それはいささか疑問。道中はかなり出入りの激しい競馬になり、後方待機策が嵌った事が大きな一因。流れの真っ只中に入り勝ち切ったアーバンシックとは、大きな力の隔たりを感じたのも事実。
 ダイヤモンドSでは0.7秒差も、2着のジャンカズマは非重賞の万葉Sで4着がやっと、阪神大賞典ではテーオーロイヤルに1.4秒差をつけられており、重賞クラスの馬でさえあれば、それくらいの着差を付けるのは当たり前だろうといった程度である。
 ストレス、疲労は残りようもない内容ではあるので、評価はするが、絶対視出来るような力量差は感じられない。2番手以下が妥当な判断かと。

▲プラダリア

(血統)
父ディープインパクト
母父クロフネ

(オプション)
「2200→3200」㍍距離延長。

 「ディープインパクト ✕ クロフネ」のイメージで考えてはいけない馬。そもそも、何故この手の配合が主流脚質になりやすいか? と言えば、それはノーザンFでアメリカ的なスピードを引き出すような育成を施されているからである。
 しかしながら、同馬はノーザンF産ではない。それ故に、非常に重々しいタイプの馬に仕上がってしまっているのだ。初勝利に3戦を要している。2023年春は5月の目黒記念で使い始めるも、秋の京都大賞典でやっと仕上がる有り様。そんな馬が一度叩いたくらいで一変する訳はなく、菊花賞凡走だけで長距離適性に見切りをつけるのは早計。むしろ、「青葉賞勝ち→ダービー5着」は、"ダービーではちょっとスピード不足なステイヤー" にありがちな競走履歴パターンだ。
 今回の使い出しは、昨年秋の京都大賞典。半年以上使われ、そろそろ仕上がる頃合いだろう。
 京都外回りで重賞2勝、府中で1勝と広いコースを得意とするあたりもヨーロピアンである。
 これまで、ドウデュース、ヴェルトライゼンデ、ディープボンドといった強豪を相手に好激走を繰り広げて来た馬だけに、今回の面子相手に勝ち負けになっても何ら不思議ではない。

✕ブローザホーン

 2024年の一連の活躍で燃え尽きた。

✕ジャスティンパレス

 デビュー〜2023年当時の勢いと比べれば、競走意欲が衰えているのは一目瞭然。
 血統的な適性、力量は認めるが、馬にも心の変化はある。それをきちんと理解してやらないと。

✕サンライズアース

 前走は強く推したが、まさかの8kg減。それで先行して圧勝したのたから、そりゃ強い内容。それ故に反動も必至。凡走後の宝塚記念が狙い目!?

✕ショウナンラプンタ

 前走のにしても、イマイチ理解に苦しむ人気。
 ここ一連の競馬を見ても、普通に矯める競馬をして、一歩足りない結果な訳で、それ則ち「体力不足」。このコース、この距離で上積みを期待するのは酷。


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