宝塚記念2025予想
「G1爆穴牝系」による「G1爆穴配合」という強者が登場

夏影
14期 予想歴42年

◎ジューンテイク
  16着/16人気

○ベラジオオペラ2着/1人
▲ローシャムパーク15着/9人
△メイショウタバル1着/7人
×ドゥレッツァ


 今週は、中間と週末に雨が降る予報となっている。それでなくとも、2度の坂越えがあり、体力消耗の激しいレース。上がりが掛かり、ラストは確実に止まる環境に、更に道悪の条件が加わりそうだ。今回は重馬場想定で話を進めてみたい。

 下記は、大阪杯と宝塚記念のラップ比較である。大阪杯は急坂下からのスタート。坂を上ってすぐ1コーナーがある為、スタートして2ハロン後にはペースが落ち着く。
 一方、宝塚記念は大阪杯よりもスタート地点が奥にある。スタートしてかスピードをピークに上げた状態で急坂を上がる。且つ、1コーナーまでの距離が1ハロン長い分、11秒台の脚を1ハロン余分に使う事になる。この2つの要素がレース終盤に大きく影響してくるのだ。

年  レース    急坂 1角  2角  1角までの平均

23年 大阪 __._→12.4→10.9→12.2良 11.65(23.3/2F)
   宝塚 12.4→10.5→11.1→12.6良 11.33(34.0/3F)

22年 大阪 __._→12.3→10.3→12.0良 11.30(22.6/2F)
   宝塚 12.5→10.4→11.0→12.1良 11.30(33.9/3F)

21年 大阪 __._→12.4→11.1→12.1重 11.75(23.5/2F)
   宝塚 12.3→11.2→11.6→12.4良 11.70(35.1/3F)

20年 大阪 __._→12.9→11.7→12.6良 12.30(24.6/2F)
   宝塚 12.3→10.9→11.4→12.7稍 11.53(34.6/3F)

19年 大阪 __._→12.6→11.1→12.7良 11.85(23.7/2F)
   宝塚 12.6→11.4→11.5→12.4良 11.83(35.5/3F)

 テン3ハロンの影響は、先行馬の着順にも表れている。下記は、大阪杯と宝塚記念の先行馬の成績の比較である。1コーナーを3番手以内で進入した馬と、その着順は次の通りとなる。

23年 大阪 スタニングローズ  8着
     ベラジオオペラ  1着
     リカンカブール  16着

   宝塚 ユニコーンライオン 15着
     ドゥラエレーデ  10着
     ブレークアップ  12着

22年 大阪 ジャックドール   1着
     ノースザワールド 15着
     マテンロウレオ  4着

   宝塚 パンサラッサ    8着
     タイトルホルダー 1着
     ディープボンド  4着

21年 大阪 ジャックドール   5着
     アフリカンゴールド7着
     レイパパレ    2着

   宝塚 ユニコーンライオン 2着
     レイパパレ    3着
     キセキ      5着

20年 大阪 ダノンキングリー  3着
     ラッキーライラック1着
     クロノジェネシス 2着

   宝塚 トーセンスーリヤ  7着
     ワグネリアン   13着
     ダンビュライト  9着

19年 大阪 エポカドーロ    10着
     キセキ      2着
     スティッフェリオ 7着

    宝塚 キセキ      2着
     リスグラシュー  1着
     アルアイン    4着

1コーナーを3番手以内で進入した馬は…

大阪…勝率20.0%、連対率40.0%、複勝率46.7%
宝塚…勝率13.3%、連対率26.7%、複勝率33.3%

…と大阪杯では半数近くが馬券に絡むのに対し、宝塚記念では1/3程度。同じ内回りコースで行われながら、宝塚記念では基本的には、先行不利になりやすい。 
 しかしながら、これもペース次第。道中スローになると、残り800㍍地点からペースアップ。先行勢が11.5前後のラップが3ハロン続くような流れになってしまう為に差し馬は追走に苦しむ展開となってしまう。

 最後に話すのは、最後の坂での減速率についてだ。

23年 大阪 11.7→11.5→11.4→11.4→12.5(1.1↓)良 35.3
   宝塚 12.5→11.9→11.7→12.0→11.8(0.2↑)良 35.5

22年 大阪 12.1→11.7→11.5→11.8→12.5(0.7↓)良 35.8
   宝塚 11.9→11.8→11.9→12.0→12.4(0.4↓)良 36.3

21年 大阪 12.8→12.2→12.1→11.6→13.1(1.5↓)重 36.8
   宝塚 12.3→11.5→11.5→11.5→11.7(0.2↓)良 34.7

20年 大阪 12.1→11.7→11.3→11.2→11.7(0.5↓)良 34.2
   宝塚 12.4→12.4→11.9→12.1→12.6(0.5↓)稍 36.6

19年 大阪 12.4→11.8→11.4→11.6→12.5(0.9↓)良 35.5
   宝塚 12.0→11.6→11.5→11.4→12.4(1.0↓)良 35.3

 21年は大阪杯が重馬場で行われ、且つ宝塚記念がスローになり上がりが速い競馬となっている為除外して話をしたい。
 基本的に、上がり自体は大阪杯の方が速いが、ラスト1ハロンの減速は宝塚記念の方が少ない。
 つまりが、大阪杯は最後パッタリと止まろうが、前向きさと追走スピードが有利に働くという事。対して、宝塚記念は末脚を失ってからが勝負で、いかにしぶとく粘れるか?が問われるという事である。
 アメリカ型、ヨーロッパ型問わず惰性型には合わないレースだ。よって、アメリカ型先行馬や京都外回りを得意とするタイプは疑って掛かりたい。
 これらの特性をひっくるめて考えると、ピンと頭に浮かぶのは、ヨーロッパ系の中でもイギリス色である。本番イギリスのダービーは40㍍の高低差をアップダウンした挙句。ゴール前には心臓破りの急坂を上る。
 日本にも馴染みの深い血の中にはこの英ダービーと縁のあるものが存在する。それが、「クリスエス」である。
クリスエスはクリスキンという英ダービー馬を輩出しており、ラストが掛かる流れはお手の物という種牡馬だ。そんなクリスエスを父に持つシンボリクリスエスも、また急坂巧者。中山で行われる有馬記念を連覇する実績を持つ。

 そんな訳で、シンボリクリスエスの血を持つ馬には特に注目してみたい。
 ハービンジャーもイギリス産。ベラジオオペラはスプリングSで重馬場の急坂を経験し快勝しており、しっかりとしたイギリス特性を持ったタイプだ。大阪杯のスピード決着から重馬場への適性が疑問視されているようだが、余計な心配でしかないだろう。配当的には都合の良い人気落ちになるだろう。

◎ジューンテイク

(血統)
父キズナ
母父シンボリクリスエス

(オプション)
生涯初古馬G1、多頭数内枠、「59→58kg」斤量減。

 評価したのは神戸新聞杯の内容。メイショウタバルの大逃げを、離れた番手追走から1/2馬身差にまで詰め寄った内容が素晴らしい。中京の坂は中山に次ぐ高低差があり、その坂を上りながら、1秒以上あった着差を力強く詰めて来ている。且つ、2番手以下のポジションからメイショウに詰め寄れたのは、ジューンテイクただ1頭だけで、つまりが、他馬とは明らかに能力が違っていたという事だ。ショウナンラプンタはこのレースで伸び切れず3着だったもかかわらず、阪神大賞典では1番人気、天皇賞春でも4番人気と評価された。それよりも明らかに高い評価を受けても良い馬である。
 8番人気で京都新聞杯を制したが、まぐれではなく実力通りの結果であり。ジャンタルマンタルを相手に朝日杯を0.2秒差4着は、伊達ではなかったという事でもある。

 「キズナ✕シンボリクリスエス」と言えばアカイイト、ソングラインと同配合。アカイイトが制したエリザベス女王杯も阪神2200㍍の舞台で行われていた。
 アカイイトとジューンテイクとの違いは、前者の母母はニジンスキー系で、後者の母母母がリファール系だという事。前者4角下りを利用して、大外から捲る戦法でエリザベス女王杯を勝っている。京都外回りのセオリーをそのまま阪神で行なっており、ニジンスキーらしさが出ていたのも事実。
 後者の母母母ツィンクルブライドはリファール産駒の桜花賞2着馬。改修前の小回りコースで、最内をこじ開けて突き抜け、オグリローマンと際どい接戦を演じた。母母は高松宮記念2着馬ツィンクルブライドの血を引く馬らしく、ジューンテイク自身も京都新聞杯では、最内にサッと潜り込んで突き抜ける競馬を見せている。しっかりした集中力があり、小回りで多少揉まれても立ち回れるはずだ。
 前走は16着惨敗も、勝ち時計1.43.9の超高速決着で、重馬場想定の宝塚記念とは真逆の適性が問われたレース。尚且つ、病み上がりを59kgという斤量を背負わされていた。悲観する内容ではない。脚元に不安がある馬だけに、高速競馬で無理をさせなかった事はむしろプラスと考えたい。
 母母母ツィンクルブライドは桜花賞で12番人気2着、母母ツィンクルベールの全弟ペールギュントは高松宮記念で13番人気2着という「G1爆穴牝系」。
 加えて、10番人気でエリザベス女王杯を制したアカイイトと同配合いう「G1爆穴配合」。
 そんな血統背景を持つ馬だけに、この人気薄のタイミングで狙ってみたい。

相手は…

○ベラジオオペラ

 母父ハービンジャー色の良い部分を受け継いだタイプ。スピードもあるが、急坂小回りに対する適性も高く、中山、阪神内回りで4勝を挙げている急坂巧者。

▲ローシャムパーク

 父ハービンジャーの特色の強いタイプで、中山で3勝している急坂巧者。

△メイショウタバル

 重賞2勝は、いずれもゴール前に上り坂があるコースでの道悪競馬によるもの。他の1勝も阪神内回りという坂巧者。

▽チャックネイト

 不良のAJCでボッケリーニを差し返したように、急坂での粘り腰が強いタイプで。

✕ドゥレッツァ

 菊花賞では逃げて、3角上りで控えて、リビアングラスに先頭を譲った。その後4角下りで仕掛けている。逆に天皇賞春では3角上りで仕掛けてしまい、末脚を失う。中山での勝鞍はあるが、下級条件の少頭数でのもの。金鯱賞では、脚を矯めるだけ矯めた競馬で何とか2着争いを制した形。勝馬プログノーシスに千切られた。レース後半の上り坂で仕掛けると、終いが衰える傾向強く、同レースの適性には向かない。


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