10期 予想歴15年
◎テイエムオオタカ
○シルクウェッジ2着/2人
▲ティファニーケイス9着/9人
△マコトリヴァーサル10着/7人
降級で重賞での実績馬も多く登録している今回の準OP特別。福島のバーデンバーデンＣや函館の函館スプリントＳと同じ週での開催となるので、複数登録馬もいてやや展望が難しいレース。重賞実績馬に対して、準OPの重鎮や連勝中の上がり馬も多く、３歳勢はやや控えめな印象だ。登録馬を見渡す限りはなかなか好メンバーが集まってはいるが、函館や福島との兼ね合いもあるので。
中心はやはり出てくればという条件は付くがテイエムオオタカ。最近はテンが遅くなってきている傾向だが、前走中舘の手によって1200ｍでも番手につけられた点は評価する。それでもラップ的にはあまり評価できるテンの速さではないので、阪神1200ｍだと枠が重要になってくるか。ただし、スピード勝負自体は決して得意ではない馬なので、３角が早く来て先行争いが落ち着きやすく、多少緩んで要所で脚を使うような競馬になりやすい阪神1200ｍは歓迎材料だと思われる。そういう意味では外枠を引いた方がスムーズな競馬は出来るだろう。勝負所での動き出しは重賞級の馬なので、あとは序盤良いポジションにつけられれば。相手関係もここでは上位の馬。ある程度確実な先行力と動きだしの速さはここではかなり大きな武器なので、内枠で包まれるというようなことさえなければ。
相手筆頭には重賞常連ながらなかなか圏内までには食い込めないツルマルレオン。シルクロードＳで見せた外からの豪脚が印象深いが、11.0 - 11.3 - 11.9のＬ１での突っ込み。テイエムとは対照的に要所での動き出しが鈍い馬で、スピードに乗るまでにやや時間がかかる印象。加えてとにかくテンが遅く、これが致命的。この馬のインパクトとしては一番大きい橘Ｓでは京都外1400ｍで11.7 - 11.5 - 11.9 - 12.3というＬ３最速の持続戦で馬群を割って最後に伸びてきたように、やはり本質はバテ差。その意味で、Ｌ１が落ち込みやすい阪神1200ｍ自体は悪くなさそうなのだが、緩みやすく機動力も問われるコースでもあるので、ある程度展開面での恩恵が欲しい。特に内枠で押し上げられないまま直線で絶望的な位置だと苦しい。緩まなければ内でもいいかもしれないが、その辺でリスクが大きくなるだろう。持続力はかなりのものがあるので、多少距離ロスがあっても緩んだ時に押し上げやすい外枠の方が良いだろう。ポテンシャルは高いので、嵌れば互角以上に戦えるとは思うが、信頼度という点ではテイエムにはやや見劣るか。
３番手には前走逃げ馬を早めに捕えに動いて差されたシルクウェッジ。見た目の印象程上がり３Ｆは遅くないのだが、勝ち馬が上がり33.2を出してレコードが出るような馬場状態を考えると不満が残る。馬場を考えれば決して厳しいラップではなかったはずなので。ただし、一応前走はハンデ戦でトップハンデを背負ってのものだし、好走傾向を考えるとどうも超高速馬場が苦手だったようにも感じる。その点で前走は軽いスピード不足の可能性はあったかもしれない。ただ、そう考えると今の高速阪神1200ｍになるのはどうだろうかという点も浮上してくる。晩春ＳではＬ３最速地点で動いているように、トップスピードは割とある方。極端な前傾ラップ向きの馬ではないし、多少緩んで要所の脚を問われた方が良いと思うので、この点で阪神1200ｍは多少緩みやすいという点で歓迎材料。それでも先週は1000万下で千切ったとはいえハクサンムーンが７秒台を出してくる馬場。不安もある。
４番手にエーシンヒットマン。前走で準OPを３→２→１着と階段式で勝ち上がったが、降級のため勝って同条件のパターン。前走は最内枠から必死に追走、ポケットの番手と絶好位を確保。コーナーも最内を全くロスなく進め、直線もすぐに進路が開いて粘るジュエルオブナイルをしっかり捕えた。ここまできれいに嵌っているので、勝って同条件とはいえ、枠や展開次第ではの不安はある。ただ、２走前の市川Ｓでは中山1200らしい前傾ラップを追走し、Ｌ１の落ち込みでジリジリとは伸びてきたし、醍醐Ｓではマジンプロスパー相手に中団よりやや後ろから外目を回して最後まで伸びてきているし、割と展開不問の印象。ある程度の先行力、スピード持続力は優秀だが、反面トップスピードと要所の反応という点では若干物足りないところもあるので阪神1200ではやや注文がつくかもしれない。
穴どころからは降級の逃げ馬ティファニーケイス。特筆すべきは何と言っても安定したテンの早さだろう。これは重賞でも見せていて、ゲートが早く、二の脚も速い。反面どうしてもやや一本調子なところは否めないのでこの辺りが課題となってくるだろう。桂川Ｓでは楽なスタートで逃げてパドトロワやレディルージュと言ったあたりを完封できているし、今の馬場を考慮すれば多少一本調子な面はあっても侮れない存在だろう。ここはこれといって強力な同型はいない、せいぜいリュンヌぐらいになるので、ここは面白い存在だろう。時計をもう少し詰めることができれば。
前走追い込みであっと言わせたオールブランニューも参戦。前走は位置取りも悪かったが、抜け出した前二頭と脚色は同じぐらい。その点ではあまり評価できるものではない。なにより、どうしても後方からの競馬になりがちなので、阪神1200ｍで高速馬場となってくると、追走力に疑問が残るだろう。高速馬場自体は苦手ではないので、あくまでポジションと仕掛け所の問題。嵌るとすれば同コースで勝利、昨年の芦屋川特別で見せたＬ１での差し込みに賭けたいところ。すっと反応できる馬ではなく、ジリジリとなだれ込む形の馬なので、大きな下り坂のはい阪神では早めに外から押し上げていく必要はあるだろう。ヒモ穴人気しそうだが、条件的にはやや苦しそうだ。
迷走中の小倉２歳Ｓ２着馬マコトリヴァーサル。前走はダートで良い先行力を見せるも失速。ようやく実績のある1200ｍに回帰した。評価のポイントは小倉２歳Ｓ。ゲート良く、控えたら想像以上に下がってしまった。そこからはしぶとく後方一気で伸びてきたが、この馬の良さとその後を考えるとどう見てもスプリント戦でスピードを活かす競馬が合っているだろう。スピードが勝った馬で、昇竜Ｓでも行く気で行けば芝地点でのテンは速い。1200ｍならスムーズな流れで好位ぐらいから勝負どころで動いていければ戦えそうだが。いずれにせよ相手関係があることだが、この距離なら侮れない１頭。
最後に連勝中のエトピリカ。２走前はやや後方からコーナーで大外から行き脚よく追走して直線でしっかり伸びての完勝。前走は好位からコーナーで内目をしっかり立ち回って直線で抜け出す完勝。どちらもパフォーマンスとしては完勝で、前走は時計的にもまずまずの内容ではあると言える。昇級してどこまでやれるかは未知数ではあるが、ある程度の位置から長く脚を使える印象なので、脚を出し切れる競馬ができればここクラス負けするような感じはしない。降級真っ只中で相手も強力なので、強気にはなれないにせよ、楽しみはある。
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