10期 予想歴15年
◎エアラフォン
4着/3人気
○タガノエルシコ12着/13人
△ショウリュウムーン15着/1人
【最終予想】
◎エアラフォンは状態面の不安はあるだろうが、単純に能力を信じる。ここ数走は勝ちきれない競馬ではあるが、展開や馬場、相手関係を考えると力は見せているという内容が続いている。特に中山マイルの京成杯では平均ペースでかなり苦しい競馬になったが、外を回して格好はつける内容。新潟の関屋記念の２着や昨年のストークＳ勝ちの内容からもトップスピードの高さとその持続力がこの馬の武器だと思うので、それを削がれないある程度の緩いペースが好ましく、それでいてＬ１で差し込める舞台となると阪神マイルは一番合っているだろう。状態面での不安が多少はあるのだが、ここはウィリアムズとこの馬を信じたい。多少ロスがあっても京成杯ＡＨの内容なら問題ないはずで、とにかく届く位置にさえいれば。
〇タガノエルシコは穴で。最内枠に入ったので〇までに。前走にしてもそうだが、この馬は軽い馬場で意外とトップスピード負けせず、切れる脚を使ってくる印象。この辺りは正統派のロベルト系だし、Ｌ１落ち込みやすい阪神マイルなら更にこの馬の良さが出そう。ダービー卿はＬ１最速というちょっとあり得ないような展開で最後方に近い位置だったし、それでいて終いそこそこは伸びてきた。最内枠なので、一旦下げきらないと難しいだろうが、勢いに乗っているロベルトに、終いがしっかりしていてＬ１落ち込みやすい阪神1600なら当然差し込んできて不思議はない。
△ショウリュウムーンは内枠を引けたので。この馬は休み明けがあまり走らないところがあるので悩んだが、少し道悪が残りそうというのとこの枠で54kgなら逆らわず。
【展望】
この時期のマイルオープン特別ということもあってか、かなり豪華なメンツが揃った。重賞馬も参戦、それにダートからの芝路線への挑戦という馬もいて、重賞好走馬、上がり馬まで含めて高いレベルでの混戦。伏兵陣まで多士済々、阪神マイルの舞台で梅雨のうっとうしい空気を激戦で吹っ飛ばせ。
中心は重賞２勝、阪神マイルでチューリップ賞、ポートアイランドＳ勝ち馬のショウリュウムーン。適性、能力面共に申し分なく、ハンデも54kgと手ごろ。相手関係も強敵は揃ったが、実績的に見劣ることはない。ポートアイランドＳでは一貫ペースでＬ１が落ちる展開、勝負どころでは前が壁になって動けず、直線でも進路がなかったが、Ｌ１のバテでしっかりと進路確保するとぐんぐんと伸びてきた。高いスピードの持続力を見せた。金杯でも平均ペースを中団から同じような競馬となったが、直線同じようには弾けずにジリジリとした競馬に終始した。これとは逆に、重賞勝ちの京都牝馬Ｓでは11.9 - 11.5 - 11.2 - 11.3のラップで中団から反応良く鋭く突き抜けて完勝していて、加速ラップですっと動いていく脚を見せたのは大きいし、トップスピードの高さも見せた。少し適性面でまだ掴みきれないところも残っているのだが、基本的には少し時計が掛かる馬場が良いというのと、トップスピードと持続力、反応ともに高いレベルで見せている。純粋なスピードでは少し足りないところがあって、時計勝負では苦戦傾向。その点で、このクラスなら京都よりはＬ１が落ち込みやすい阪神外回りの方が安定してきそう。ただ、今回はあまり実績がない休み明けということもあり、ここを叩いて次走が狙いというのが本音かも。
相手筆頭にはエプソムＣで善戦した実力馬シルクアーネスト。湘南Ｓでは直前に雨が降って非常にタフな馬場状態の中、出負けしながらしっかりポジションを上げていき、12.3 - 11.8 - 12.1 - 12.5の流れで勝負どころで馬群に囲まれてしまう。それでもそこからしぶとく馬群の中でやり過ごしてＬ１のバテで進路を内に確保し、しぶとく併走して抜け出したルルーシュを競り落とすしぶとさを見せた。正統派のロベルト系らしい、あまり淀みない流れの中で、Ｌ１落ち込む競馬で差し込んでくるしぶとさが持ち味だろう。福島ＴＶＯＰとの両にらみだったが、やはり適性面を考えるとＵ字コースの方が合っているだろうし、バテ差しタイプという点からも、阪神マイルは良さそうだ。トップスピードの持続力、平均的なスピードの持続力ともに高い馬なので、馬場さえ極端に良化してこなければ、この馬の良さが安定して引き出せる舞台だと思われる。多少ロスがあっても問題ない馬なので、最内枠で包まれてコーナーで動けない位置に、という展開だけは避けたいところか。
３番手には穴どころからタガノエルシコを抜擢。時計が掛かった馬場で行われた同コースの準OP武庫川Ｓでは11.9 - 12.0 - 11.2 - 12.5とＬ２最速戦。最速地点で外から手応えよくしっかりと伸びてきているし、Ｌ１では思ったより伸びきれなかったが、それでも完勝の内容だった。都大路Ｓでは後方につけて平均ペースで直線どの地点でも一番いい脚を使ってメンバー最速の上がり。時計勝負、軽い馬場に対応してきたという点ではやはり見逃せない一戦。ダービー卿ではＬ１最速戦で最後方外回しと勝負になってない。今の状態ならば、ここでも互角以上のパフォーマンスが期待できそう。トップスピードの高さからも、今の軽い馬場の方がより良さを引き出せそうな印象。勢いに乗ったロベルト系という点ではこちらも同じ。一発十分の条件。
４番手には重賞で安定してきたヤマカツハクリュウ。マイラーズＣでは前傾ラップの中で内をロスなく立ち回ったとはいえ、追走に脚を使わされる競馬でも終いそれなりにしっかりと伸びてきた点は評価できる内容。京王杯では末脚勝負になりやすく、坂スタートでペースが上がりにくい中、すっと好位につけての競馬。その分、勝負所での反応でやや劣った感じ。それでも、GIIでこのパフォーマンスなら十分評価できるし、1600ｍでも比較的Ｌ１が落ち込みやすい阪神の方が競馬がしやすそうで。前走エプソムＣは位置取り的に後ろ過ぎたこともあったし、距離も１Ｆ長かった気もする。ペースが上がってのスピード持続戦よりは、多少緩んで終いのキレ味勝負向きではあると思うので、この舞台、この相手なら。何故かあまり評価が上がらない馬でもあるので、馬券的にも妙味ありか。
ダービー卿、マイラーズＣとマイル重賞ではこれと言って目立つところのなかったミッキードリームがオープン特別で前進を図る。平均ペースのマイラーズＣでは追走に脚を使わされた形となったか、勝負どころのペースアップで反応に乏しく、最後までなだれ込むだけの競馬となってしまった。もともと1800ｍベストの馬であり、こういったマイル戦でのスピード勝負では苦しかったように思える。ダービー卿では逆に緩めのペース、11.4 - 11.6 - 11.8 - 11.3というラップで外から押し上げていったにも関わらず、Ｌ２の緩んだ地点では押し上げられず、Ｌ１の最速地点でジリジリ伸びてきていて、反応の鈍さが少しあるのかなという印象。大阪城Ｓでは番手で平均ペースを刻んで積極的な競馬をしてショウナンマイティの急追をしのいでいるように、基本的にはこういった先行策が好ましい。マイル戦線だとスピード不足のきらいはあるが、この辺りは比較的ペースが落ち着きやすい阪神1600ｍなら、中山や京都ほど露骨にスピード不足になることはないと思われる。序盤の位置取りは大事だが、やはりベストは1800ｍだろう。
ダートマイル路線の実力馬、ダノンカモンが芝を狙ってきた。芝自体はダート馬とはいえ芝スタート路線を好んでいるし、実際に序盤のスタートの良さからも問題はなさそうには感じる。ただ、純粋な芝戦となると、３歳時まで遡らねばならないほど、適性面での不安はぬぐえていないのも事実。最後の芝戦勝利となっているいちょうＳでは12.5 - 11.6 - 11.3 - 11.9というラップの中、後方からしっかりと伸びてはいるのだが、最速地点でのトップスピードという点では意外といいものを見せていたし、緩い地点で押し上げたというほどでもないので、動き出しの反応も良かったということになる。やってみないとわからないが、そもそも芝実績はマイル戦でのキレ味勝負戦の２走しかないわけなので、適性面で全くダメとは思わないが。ハンデ58kgは流石に重いだろうが、ここでいきなり切れる脚を使っても不思議ないものはある。
スマートギアがマイルまで短縮してきた。今春は安定した成績だったのだが、鳴尾記念では超瞬発力勝負になって最内での競馬となってしまい、勝負どころで突き放されて終了と言った形。力を出し切れる展開ではなかった。中日新聞杯では５Ｆの勝負で外からしっかりと伸びきっていて、トップスピードに入れてからが良いタイプ。それだけに阪神外回りだと、そのあたりの課題は出てくるかもしれない。それでもＬ１落ち込みやすい舞台自体は中日新聞杯からも歓迎と言える。あとはこの距離でポジションがどこになるかだ。前目につけられるようになって良さが出てきた馬だけに、この距離だと不安も多いか。特に序盤に馬群が密集するところで捌けるほどの器用さがあるわけではないので、徐々に押し上げていける外目の枠の方が競馬はしやすいか。
最後に、煮え切らない中で、ウィリアムズ騎乗がどう出るか、エアラフォン。オープン特別なら力上位ではあるが、ここ数走安定感以上というものは見せられていない。関屋記念がここ５走では最もパフォーマンスが高いのだが、この時は11.6 - 11.8 - 10.9 - 12.1とある程度のペースから終いのトップスピードとＬ１の落ち込みでそれの持続力を問われる競馬になっている。ここで最速地点で一番いい脚を使っているように、おそらくこの馬の持ち味はトップスピードだろう。その点でペースが上がって序盤の重要性が問われやすい京都外1400スワンＳの負け方や、序盤からスピードが問われる中山1600ｍの京成杯ＡＨでの時計勝負はあまり気にしなくて良さそう。キャピタルＳでもＬ３最速で比較的タフな競馬になったし、オープン特別とはいえ相手も強力だった。前走もタフな馬場で一貫ペースとこの馬の良さが出せない舞台ともいえる。煮え切らないが、それだけではなく条件面での問題や相手関係もあった。ペースがそこまで上がらずにトップスピードも問われやすい阪神外1600ｍは合うはずで、ここ数走で評価が下がっているようなら狙い目ともいえる。
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