10期 予想歴15年
◎スエズ
2着/1人気
○ワンダーポデリオ9着/8人
△ブルロック6着/6人
【最終予想】
低いレベルで混戦。
◎スエズは時計勝負にもロンスパ戦にもある程度対応できるタイプだけに、道悪で今の道悪で基礎的なスピードが問われる条件というのはプラスに働く。前走は距離が長すぎだし、２走前は休み明けでハイレベルすぎた。これと言った逃げ馬が不在なので、番手から動ける馬ということを考えるとこの馬が一番狙いやすいし54kg。展開が読みにくい中で、軸を考えるならどうしてもこの馬になってしまいそう。
〇ワンダーポデリオは穴狙い。前走芝を叩いてここ狙いという感じ。この馬は1400ｍの平均的なスピード勝負で高いパフォーマンスを見せていて、基礎的なスピード能力という点ではオープンでも上位。準OP鎌倉Ｓでは不良東京1400で1:22.2の時計でぶっちぎり。これも平均ペースでのもの。この血統らしく緩急のない競馬に強いので展開次第ではあるが、嵌ればオープンでも上位のスピード持続力が炸裂する。
△ブルロックは前走トウショウフリークと競り合って花が切れず、オーバーペースで沈んだ形。基本的に小倉1700ｍに必要なある程度のスピードを持っている上で、そこからのロングスパート戦に強い馬。この頭数でキクノキセキの内枠とポケットの好位ぐらいで競馬が出来そうという条件は良い。道悪なので緩まなければ当然スムーズにロスなく運べるし、前半緩く後半勝負になっても対応できるタイプの馬なので、条件的には狙いやすい。
【展望】
３歳馬の登録がゼロということもあり、小頭数な上にイマイチ目玉にも欠けるレース。ハンデ戦で地味な古豪と煮え切らない中堅どころ、格上挑戦馬も参戦にハンデ戦と小頭数特有の展開でどう転ぶか。予想も難解となるが、展望を書くこともなかなかに難しい構成となってしまった。
中心は小倉1700ｍの一貫ペースなら持続力を活かせるインバルコ。この馬は分かりやすい程の平均ペース向きの馬で、動き出しやトップスピードを問われると苦しい。ブラジルＣでは東京2100ｍで12.3 - 12.4 - 12.5 - 12.3 - 13.1の流れ、終始12秒台を刻む平均ペースでしっかり差し切る強さを見せた。ただ1700ｍだと本質的にはややスピード不足なのは確かで2000ｍ前後が一番安定している。その点で、小頭数でラップに緩急が生まれたり、器用さが問われる展開になった時に一抹の不安はぬぐえないところ。特に今回はハンデ戦で58kgというトップハンデを背負うことになった。力関係では１枚上なのは確かだが、展開面で必ずしも良い条件とは言えないか。
相手筆頭にはこちらも小倉1700の安定株スエズ。白嶺Ｓでは３番手から12.6 - 12.5 - 12.0 - 12.9のラップでしぶとく抜け出しＬ１でもばてなかった。昨年の夏の小倉ではKBC杯で12.4 - 12.4 - 12.6 - 12.5 - 12.6の平均ラップを３角でやや外目から押し上げていく強い競馬で３着以下を千切っての２着。ここからも良質なスピード持続力を見せており、こと小倉1700ｍにおいてはインバルコよりも安定しそうな印象を受ける。響灘特別では1:43.8の時計を前傾ラップ、番手で叩き出していて、単純なスピード勝負でも結果を残している。ハンデ54kgは正直かなり軽い印象で、条件的にもここはかなり熱い一戦になりそうだが。
３番手には穴どころから捻ってブルロック。この馬も小倉1700ｍのスピード勝負に適性を見せている馬であり、スエズが勝った響灘Ｓの３着に食い込んできている馬。伊丹Ｓで準OPを卒業しているが、この時が12.5 - 12.2 - 12.0 - 11.6 - 12.6とスローからのＬ２最速戦で３番手中から直線序盤でしぶとく伸び、Ｌ１でしぶとく伸びきっての勝利。小倉のスピード持続戦でもある程度対応できるとは思うが、本質的には少し緩いペースからの後半の動き出し、トップスピード持続力勝負向きのように感じる。なので、小頭数でペースが落ち着いた場合にもある程度対応できるという点は魅力。ただそれにしてもここ数走はあまりにも見せ場がないのは気がかり。ジュライＳ、アハルテケＳではペースが早すぎたのは確か。小倉の舞台で53kg、この相手なら十分やれて良いはずだが。人気次第では積極的に狙いたい一頭。
４番手には常に取捨で悩まされる一頭タマモクリエイト。来そうで来ない、来ないと思うとたまに来るの典型的な馬。直近で馬券に絡んでいるアルデバランＳではほぼ平均的なペースで時計勝負。12.7 - 12.3 - 12.3 - 12.5 - 12.7のラップで好位からしぶとく粘った形。インバルコが勝ったブラジルＳでも完全な平均ペースで中団からなだれ込んでの競馬。長丁場で強いかと思えば、東京1400ｍ霜月Ｓでも11.6 - 11.6 - 11.9 - 13.0と完全なＬ１落ち込むラップになれば４着と善戦してくるだけに、なかなか掴みどころがない。ただし、好走するレースの傾向はトップスピードを問われない競馬ばかりに偏っているので、平均的なスピード持続力勝負向きの馬で、緩急に弱いタイプなのだろう。そういった点で小倉1700ｍは良さそうなのだが、小頭数でやや展開面で予測できないところは気がかり。ハンデは54kgなので十分戦えそうだが。
３歳世代の快進撃をある意味支えているレベルの低い４歳世代のトップホース、グレープブランデー。ＪＤＤではボレアスの強襲を凌いだ勝利だったが、レースレベルには疑問が残った。復帰後ブリリアントＳではある程度厳しいペースではあったにせよ崩れ過ぎだし、叩いた２走目は更に激しいペースで戦功もこれも大きく崩れてしまった。前走はレースレベルは高く積極的に競馬してのものではあるので、多少度外視はできるにせよ、今回もある程度の人気は確実となり、通用するめどが立っていない上に57kgのハンデ、更に展開的にも目標となりそうで、レース運びはかなり難しくなりそうだ。
出てくれば大穴で狙いたいのがダノンエリモトップ。関越Ｓで崩れた組ではあるが、トウショウフリークが刻む厳しいラップを追走して苦しくなった形ではあるのである程度は仕方ない。この馬は超ハイレベル戦のプロキオンＳで最内を立ち回ったとはいえ良質なスピードと高い持続力を見せていて、小倉1700ｍのような単純なスピード勝負になりやすい舞台でやれそうな雰囲気は見せている。中京1800ｍで苦しい競馬となったが距離短縮でよりスピードを活かしやすい舞台になれば激変する要素は残している。ハンデも引き続き53kg。相手関係もそこまでの強敵はいない。２走前の相手関係を考えればここは一発を期待できそうで。
最後にクロフネ産駒のダートムーア。これも低レベルの４歳世代の象徴、準OPで苦しむ感じ。クロフネ産駒はダート中距離で走っているような馬は基本的にペースが上がって良くなるタイプの馬はほとんどおらず、実際中央のダート重賞は一つとして勝てていない。これは昇級でペースが上がって追走で終わってしまう馬が多いことを示している。この馬も西脇特別では12.9 - 12.8 - 11.9 - 13.0とスローからＬ２だけ11秒台という動き出しの勝負で押し上げて直線抜け出す競馬。基本的にペースが上がると底を見せている馬なので、格上挑戦はかなりマイナス。ただハンデ50kgと小頭数でペースが緩む可能性はあるので、この辺りにつけ入る隙はあるともいえる。いずれにせよなかなか人気を落とさない馬で、前走も４着とはいえ完敗の内容。今回もそこそこ人気しそうだし、馬券的な妙味という点でも実力的にも買いづらい。
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