10期 予想歴16年
◎マヤノリュウジン
4着/1人気
○メジャーアスリート15着/9人
△カイシュウコロンボ3着/10人
【予想】
展開はクィーンズバーン単騎が見込めそうだが、平坦スタート距離延長になってエイシンオスマン辺りも競りかけてくるか。いずれにせよペースが上がる要素はあまりないのだが、あまりに行く馬がいないイメージなので、オリービンやマヤノリュウジンと言ったある程度前目に行ける自在性のある馬たちがどう動くかで変わってきそう。
◎マヤノリュウジンはイメージ的にキングヘイロー産駒の枠を超えている。前走心斎橋Ｓでは11.6 - 11.5 - 11.8 - 12.2の流れで中団外から馬なりで先頭に並びかけて直線終盤で突き放し、追い込んだニンジャが詰めてくるも流す余裕が有った。単に平均ペースでポテンシャルを出しきったというだけではない。この馬の場合は小倉1200で11.4 - 11.6 - 11.6 - 11.2の流れ、Ｌ１最速戦で中団からＬ１で一気に突き抜けている。溜めればかなりのトップスピードも持っている。今回は大外枠なのである程度前目を意識する可能性も高く、クィーンズバーンの逃げなのでそこまで厳しい競馬にもならないだろう。トップスピードは抜けているし、小倉の内容からも下り坂で徐々にペースアップする競馬は合っているはず。ここは通過して賞金を加算してもらいたい。
〇メジャーアスリートはトップスピードを出しきる競馬で良さが出る馬。ファンタスティックＪＴでは11.6-11.5-11.2-11.7の流れでほぼ最後方からしぶとく伸びての４着。斑鳩Ｓでは11.8-11.8-11.0-11.7で最速地点ではウエストエンドを詰められなかったもののＬ１の落ち込みでしっかり伸びてきた。強敵ウエストエンドを撃破しているのだから、ここでも通用する目途は立てている。２走前は着順こそ７着だが気持ち長いマイルで0.3差なら悪くない。前走は更に阪神外1600ｍで自分の脚は使うものの12.3 - 11.3 - 10.7 - 12.0の加速の段階で置かれて苦しくなった。京都の下り坂でじわっとという競馬は合っているし、マヤノリュウジン辺りが早めにプレッシャーをかけてＬ１落ち込むような競馬になれば面白い。
△カイシュウコロンボもトップスピード型。前走新春Ｓではタイキパーシヴァルが比較的平均ペースを刻んで11.7 - 11.6 - 11.3 - 11.9の流れ。内圧倒的有利の馬場で外から最速地点で伸びてきていて相手関係を考えてもかなり高いパフォーマンスと言える。ファンタスティックＪＴでも内有利馬場で外からコーナーでポジションを落としながらも伸びてきているようにトップスピードはかなりのもの。今回は内枠を引いたし内有利馬場。上手く捌ければ。
【展望】
府中では今年の３歳馬の頂点を決める東京優駿、日本ダービーが行われるが、関西、淀の舞台では古馬の短距離路線でこれからの活躍を誓う馬が出走する。ディープインパクトＣというレース名だが残念ながらディープ産駒は出てこない。なかなか煮え切らない４歳世代の実力馬に、５歳世代の中堅どころ、そして６歳世代からは大器晩成を地で行く馬など、魅力的な馬が多く馬券的には面白い。ダービーの熱戦を前に、まずは古馬の1400ｍ戦でスピード勝負と行こう。
中心は阪急杯３着、京都1400のGIIスワンＳ５着で実績的には最上位のオリービン。阪急杯では平均ペース11.2 - 11.6 - 11.6 - 12.2の流れを３番手で追走。後続を引き離した先行集団の中で競馬し、２列目から４角で外に出して直線を向くと、直線でしぶとく伸びを見せる。外から伸びてきたロードカナロアを楽には抜かせず、最後にマジンプロスパーにも差されての３着だが、高い基礎スピードを見せてきた。前では唯一残っている馬で、厳しい競馬でパフォーマンスを上げてきた。スワンＳでは逆にスローから11.5 - 11.0 - 11.2 - 11.6とトップスピード勝負。Ｌ１落ち込みＬ３最速とポテンシャルもある程度問われている競馬。スローでほとんど押されずに楽に好位、３列目ぐらいを確保。そこから外目を追走するのだが、３～４角とコーナーで最速地点、ここで外を回した分、置かれてしまう。最後まで伸びてきてはいたがこれが致命的になった形。これまでの競馬からもトップスピード勝負では甘くなっていて、基本Ｌ１落ち込むポテンシャル戦に強い。ただし、1400で先行する基礎スピードの高さを見せていて、積極的に運んで平均的な競馬に持ち込めれば面白いだろう。要所で外々をまわしたロスを考えるとスワンＳの内容もなかなかに評価できるもの。こういうタイプだけにどうしても詰めは甘くなりがちだが、しっかりとペースを引き上げていければ面白いだろう。当然ここでも中心だが、絶対の存在ではなく持ち味を考えると強い競馬はするものの、甘くなる可能性は当然出てくるだろう。
相手筆頭には６歳にして頭角を現して遂にオープン入り果たしたマヤノリュウジン。キングヘイロー産駒、神シリーズでは、実はオオエライジン、トキノフウジンと風神雷神コンビが期待されていたのだが、まさかの龍神様とは競馬は面白い。とはいえ、全くその兆しがなかったというわけではなく、地方上りから小倉1200ｍでしっかり勝ちあがって行き、長期休養前の1000万下でもかなり高いパフォーマンスを見せていた。小倉1200の500万下戦で11.4 - 11.6 - 11.6 - 11.2のラップで差し切るというラップ推移からは考えられないパフォーマンスを見せていた。新潟1400では平均ペースでもしっかり伸びていたので、最初からここまで上がってくる素質は有った。前走心斎橋Ｓではハイペースを中団追走11.6 - 11.5 - 11.8 - 12.2の流れで３角では上手く外に持ち出した。そこから馬なりで追走して直線序盤でも追い出さない余裕。追われるとしっかり反応してＬ１で突きぬけ、最後は忍者が伸びてきたが流す余裕が有った。しかも前走はゲートも良く、行く気ならポジションも取れたという内容。1200で走ってきた馬だが、スピードのコントロールができて内で包まれても気にならないキングヘイロー産駒としてはかなり異色の馬。正直重賞でも戦えると思っているのでここは楽に通過してほしい。持ち味はトップスピードとポテンシャル両面にあるし、ポジショニングも本来は良い馬。ただし、突き詰めれば今までのパフォーマンスを考えてもトップスピードの質が高いように感じる。抑えて溜めて直線しっかり伸ばすことができるという点で距離にも対応できる。下り坂も小倉1200の内容からも血統からもプラスにこそなってもマイナスにはなるまい。内でも外でも構わないが、外差はDコース以降先週まで苦労しているのでできれば内でなるべくロスなくと行きたいところ。強いと思っている。平均ペースで外々追走となると今の京都では難しいが、トップスピードが問われる展開なら最上位の１頭だとみていいだろう。
３番手には二の足出し抜けが怖い、クィーンズバーン。1400ｍ得意の逃げ馬ではあるが、２走前阪急杯でハイペース２番手での競馬を除けば実に高いパフォーマンスを見せている。前走阪神牝馬Ｓでは緩めて11.5 - 11.4 - 11.2 - 11.5のラップを刻んでしぶとく粘りサウンドオブハートと0.1差。混合OP勝ちのサウンドオブハートにあわやの場面を作っている。４角ぐらいからペースを上げてリードを作り、直線序盤で加速して２列目を出し抜いている。これに対応してきた総合力の高いサウンドオブハートにはここで詰められているが、要所の動き出しはかなり速い。昨年の阪神牝馬Ｓでは逆に厳しいラップを刻んで11.5 - 11.4 - 11.6 - 12.5の流れ。これでマルセリーナやフミノイマージン、アパパネらを抑えての逃げ切り勝ち。厳しい競馬になっても緩めても良い総合力タイプだ。今回は同型もさほど強敵はいないし、マイペースに持ち込めそう。今の内有利の馬場状態を考えても一番楽な競馬に持ち込める可能性が高いのはこの馬だろう。京都実績も阪神ほどではないが、マイル適性が問われる京都1600よりポジショニングのウエイトが大きくなる京都外1400の方がいいだろう。ここ２年の京都牝馬Ｓの内容を見ても京都自体は問題ないが、トップスピード型がトップスピードを引き出しやすい京都1600。ポジショニングを活かせる今回の舞台なら最右翼だ。
穴どころからは京都外1400の鬼カイシュウコロンボ。新春Ｓでは軽く驚かされたが、11.7 - 11.6 - 11.3 - 11.9のラップで外から鋭く伸びての差し切り勝ち。中団の外から３～４角、３列目で直線を向くと、内で粘り込む強敵タイキパーシヴァルとの差を直線序盤からしっかり詰めると、Ｌ１でばてずにそのまま抜け出しての完勝。特に最速地点でしっかりと伸びている点は大きい。バテ差ではなくしっかりとトップスピードを見せることができた。これが京都外1400で安定する材料と言えるだろう。ただし、基本的にはポジショニングはそこまで良くないし、トップスピードは速いがその分基礎スピードが問われて平均的な競馬になった時は飛騨ＳやファンタスティックＪＴで見せているようにポテンシャル面で甘さがる。ここからも展開次第の面はあるだろう。京都外1400ｍなら極端なハイペースにはなりにくいコースなので、この馬の良さは出せるだろうし、前走からもトップスピードは良いものを持っている。昇級初戦で相手は強敵ではあるので、上手く嵌らないとという条件は付くが、内からすっと流れに乗って押し上げていけるようなら面白い。内外限らずマヤノリュウジンの直後で競馬が出来れば面白いだろう。
マコトナワラタナは前走の鮮やかな勝利は強烈だった。鞍馬Ｓでは京都1200らしいトップスピードでまとめて撫でぎる競馬でこれまた京都1200の葵Ｓ以来の勝利となった。超高速馬場で11.0 - 10.9 - 11.1 - 11.6と平均ペースではあったが、この馬自身は後方で序盤脚を使わず、３角の下りで外目からじわっと追走、４角で前列を見ながら、出口で大外に出すと、直線序盤から鋭く伸びて一気に捕えた。これまでの内容からもハッキリしているようにトップスピードは現役スプリンター屈指の実力馬であることは言うまでもない。阪神牝馬Ｓでは阪神1400とはいえスローペースで脚を使わず直線外と同じ競馬。ただ直線入りではそこまで伸びず、Ｌ１でジリッと伸びてきた形。これは11.5 - 11.4 - 11.2 - 11.5と加速する競馬になっていて、ここで見劣ったと見たい。基本的にはトップスピード型なのは間違いなく、何よりの問題はポジショニングがかなり悪い。そのため、ペース云々よりも物理的に届く位置にいられるコースでないと難しい。その点で坂スタートで序盤ペースが上がりにくく、団子で進みやすい京都1200、かつ勝負どころの３角で下り坂が有って押し上げやすい京都1200の鬼というのが個人的な分析だ。京都1400も外回りは比較的団子になりやすく、トップスピードに乗せやすい舞台ではあるが、内回りと違ってＬ４に下り坂がある。Ｌ４からは割と平均的な競馬になりやすいので、一瞬のトップスピードを活かすこの馬としてはポジショニングの悪さがネックになるだろう。しかも今開催のCコースは割と差しが決まっていたが、Dコースに替わってからは内がかなり頑張る傾向。ここからも、前走から距離延長でコース替わりはマイナス材料だろう。ただし、超スローの団子になればトップスピードは現役屈指。嵌れば常に怖い馬であることは間違いない。
最後にダノンプログラマーまで。オープン入りしてからはイマイチな結果が続いてはいるものの、ニューイヤーＳ、洛陽Ｓは比較的平均ペースだったので、持ち味のトップスピードが活きなかった。それに洛陽ＳはBコースで外差が利いていた状態。ラップも12.0 - 11.6 - 11.6 - 11.8 - 11.9と平均的な競馬でＬ４最速。ポテンシャル勝負では分が悪い。この馬もトップスピード型ではあるが、1400では基礎スピードでちょっと足りず、厳しい競馬になれば1000万下でも取りこぼしていて甘くなる傾向。しかし、今回はトップスピード型にかなり強敵が多く、この馬自身もポジショニング面では優位に立てる馬ではない。六甲Ｓでは12.3 - 11.3 - 10.7 - 12.0の流れで最速地点はもとよりＬ１でもしっかり伸びていたので、本質的には1600よりも長い距離でトップスピードを活かす競馬の方が合っている印象なのだが。このレベルになると京都1400適正の有る馬は序盤でいい位置につけてそこから早い上がりを繰り出してくるし、逃げ馬でも基礎スピードタイプはきびしいラップを刻んでリードを広げて押し切ってしまうだろう。序盤のポジショニングがかなり重要な要素になるだろう。出来れば内目の枠を引いて、なるべく前につけたいところ。正直今回は相手を考えると苦戦しそうな印象だ。持ち時計は早いが、超高速馬場でのもので、２着のこの馬含め上位３頭の差し馬は勝ち馬も３着馬もその後鳴かず飛ばず。あまり評価できる材料ではない。いずれにせよある程度条件が整わないとという所。
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