ジャパンカップ2013予想
JC 時計の裏付けのない外国馬よりも日本馬を上位に。

軍神マルス
08期 予想歴15年

◎ジェンティルドンナ
  1着/1人気

○ゴールドシップ15着/2人
▲アドマイヤラクティ4着/4人
△アンコイルド8着/5人


★傾向分析★
2008年 タイム 2'25"5 (良) 1FAve=12.13 3FAve=36.38
テン36.6-中盤74.5(前半38.0-後半36.5)-上がり34.4 『加速・中弛み』
1着スクリーンヒーロー・・・グラスワンダー×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔1-x〕 5-5
2着ディープスカイ・・・アグネスタキオン×Chief's Crown=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔23-b〕 11-9
3着ウオッカ・・・タニノギムレット×ルション=ロベルト×ネヴァーベンド 〔3-l〕 3-3

2009年 タイム 2'22"4 (良) 1FAve=11.87 3FAve=35.60
テン35.2-中盤72.1(前半36.0-後半36.1)-上がり35.1 『中弛み』
1着ウオッカ・・・タニノギムレット×ルション=ロベルト×ネヴァーベンド 〔3-l〕 4-5
2着オウケンブルースリ・・・ジャングルポケット×Silver Deputy=グレイソヴリン×ヴァイスリージェント 〔13-c〕 15-18
3着レッドディザイア・・・マンハッタンカフェ×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-b〕 11-11

2010年 タイム 2'25"2 (良) 1FAve=12.10 3FAve=36.30
テン36.4-中盤74.1(前半37.0-後半37.1)-上がり34.4 『加速・中弛み』
1着ローズキングダム・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=キングマンボ×サンデーサイレンス 〔1-w〕 5-6
2着ブエナビスタ・・・スペシャルウィーク×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-c〕 12-10
3着ヴィクトワールピサ・・・ネオユニヴァース×Machiavellian=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔8-d〕 2-2

2011年 タイム 2’24”2 (良) 1FAve=12.02 3FAve=36.05
テン37.1-中盤72.6(前半37.0-後半35.6)-上がり34.5 『加速・中弛み』
1着ブエナビスタ・・・スペシャルウィーク×Cearleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-c〕 9-6
2着トーセンジョーダン・・・ジャングルポケット×ノーザンテースト=グレイソヴリン×ノーザンテースト 〔9-a〕 2-3
3着ジャガーメイル・・・ジャングルポケット×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔1-w〕 12-9

2012年 タイム 2’23”1 (良) 1FAve=11.93 3FAve=35.78
テン35.8-中盤72.6(前半36.5-後半36.1)-上がり34.7 『加速・中弛み』
1着ジェンティルドンナ・・・ディープインパクト×Bertolini=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔16-f〕 3-6
2着オルフェーヴル・・・ステイゴールド×メジロマックイーン=サンデーサイレンス×マイバブー 〔8-c〕 10-3
3着ルーラーシップ・・・キングカメハメハ×トニービン=キングマンボ×グレイソヴリン 〔8-f〕 13-15

 流れは、過去5年をみると5年全てで『中弛み』、過去4年で『加速』と、『加速・中弛み』の複合ラップの流れになりやすい。そのため、前にて展開した馬の好走が多く、4コーナー5番手以内の馬の好走が多い傾向。

 血統の傾向は、スタミナ型サンデーサイレンス系(=ディープインパクト、ステイゴールド、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、スペシャルウィーク、ネオユニヴァースなど)、グレイソヴリン系(=特にジャングルポケット)、ロベルト系(=タニノギムレット、グラスワンダーなど)の好走が多く、東京芝2400mはスタミナとキレが重要なコースと思われ、そのため長距離で好走の多い、ややステイヤー寄りのタイプが能力を発揮しやすく、傾向として表れていると考える。

 牝系の傾向は、No.〔1〕〔3〕〔7〕〔8〕〔16〕が複数好走馬を輩出しています。

 それから一つ言えることは日本馬は一流の成績をおさめた日本最強クラスの馬しか連対していないということ。
3歳馬はGⅠ連対(=98年1着エルコンドルパサーはNHKマイルC1着、01年1着ジャングルポケットは皐月賞3着・ダービー1着、03年2着ザッツザプレンティはダービー3着・菊花賞1着、04年2着コスモバルクは皐月賞2着、06年2着ドリームパスポートは皐月賞2着・ダービー3着・菊花賞2着、08年2着ディープスカイはNHKマイルC1着・ダービー1着・天皇賞秋3着、09年3着レッドディザイアは桜花賞2着・オークス2着・秋華賞1着、10年1着ローズキングダムはダービー2着・菊花賞2着、10年3着ヴィクトワールピサは皐月賞1着・ダービー3着、12年1着ジェンティルドンナは桜花賞1着・オークス1着・秋華賞1着、など)が最低条件と思われる。
 古馬の好走馬は、3歳時にクラシック連対馬であれば4歳時に好走できる可能性は高いという傾向あり。特に4歳時に古馬GⅠで勝っているような馬であれば堅軸と考える(=98年2着エアグルーヴ、99年1着スペシャルウィーク、00年1着テイエムオペラオー、04年1着ゼンノロブロイ、06年1着ディープインパクト、07年3着メイショウサムソン、08年3着ウオッカ、09年2着オウケンブルースリ、10年2着ブエナビスタ、12年2着オルフェーヴルなど)。

 特に宝塚記念好走馬はJC適性あり。過去の好走馬も宝塚記念とJCのどちらも好走している馬が多いので要注意(=同じ年に好走:スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、メイショウドトウ、タップダンスシチー、ハーツクライ、ディープインパクト、アドマイヤムーン、ブエナビスタ、オルフェーヴルなど)。
 またアドマイヤムーンやハーツクライはクラシック好走が少ないタイプでしたが海外GⅠ馬だったことから、海外GⅠ馬は外国馬と同じと考えて良いのではと思います(=その中で日本の芝適性は確実にあると判断すべきかも)。

 クラシック不出走で好走した馬は、メイショウドトウやタップダンスシチーなどがいます。古馬になってからの好走であることと、外国産馬であった点が非常に興味深く外国馬と同じようにみなすべきではないか?と考えます。

 外国産馬(外国馬も含む)の好走馬は、すでに日本で実績のある血統の系統であった馬。短距離やマイルに実績があったようなタイプの血統馬に好走が多いようです。
また2000mで2'00"前後での時計があるような馬にも要注意。欧州の時計の掛かる馬場だけの強さは日本の速い馬場には適さないため、速い時計で好走経験のある馬には人気薄でも注意が必要と考えます。

 またここも連続して2年好走した馬が多いですが、着順が前年よりも上回ったのはスペシャルウィーク(=3歳時3着→4歳時1着)とウオッカ(=4歳時3着→5歳時1着)、ブエナビスタ(=4歳時1着降着にて2着→5歳時1着)。ブエナビスタについては1着降着という点から着順を下げていないと考えられ、スペシャルウィークウオッカはともに牝系はNo.〔3-l〕なのが興味深いところですが、基本は3歳時よりも4歳時に着順が上がる可能性は成長力から十分にあると考えますが、古馬に至っては前年よりも着順を下げる傾向が強く、ここでも『老馬の法則』は活きるものと思われます。

★予想★
JCのポイントは、
①流れは、『加速・中弛み』になりやすく、上がり特化の瞬発力勝負になりやすい。
②4コーナー5番手以内の先行馬の好走が多い。
③スタミナ型サンデーサイレンス系の好走が多い。
④グレイソヴリン系、ロベルト系も好走が多く、欧州スタミナ型血統には注目。
⑤牝系は、No.〔1〕〔3〕〔7〕〔8〕〔16〕の好走が多い。
⑥1番人気の日本馬は堅軸。
⑦連対するのは日本最強クラスの馬。
⑧3歳馬はGⅠ連対が最低条件。3歳牝馬なら、東京芝2400mGⅠ好走実績のある秋華賞好走馬には注意。
⑨古馬は、3歳時にクラシック連対馬であれば4歳時に好走できる可能性は高い。
⑩同年の宝塚記念好走馬。
⑪外国馬は、日本ですでに好走実績のある血統馬か、芝2000mで"2’00前後での好走歴のある馬。
⑫「老馬の法則」が活きる。

◎ジェンティルドンナ・・・ディープインパクト×Bertolini=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔16-f〕
 前走天皇賞秋2着(=東京芝2000m:0.7秒差)。東京芝コースは(2-1-0-0)、芝2400m戦は(2-0-0-0)。前走天皇賞秋は、約4ヶ月の休み明けで出走し2着好走している馬で、休み明けはこれまで(1-2-1-0)と好走が多く、叩き2戦目も(1-0-0-0)と状態が上向きになる馬と考える。また12年JC1着馬でもあり、東京芝2400mに至っては(2-0-0-0)と12年オークス1着・12年JC1着と能力発揮が出来る最善のコースと考えられる。JCについては連覇が難しいレースではあるのだが、今年の場合新興勢力となりうる日本馬が少ないこと、海外からの参戦馬は皆時計の裏付けがなく血統的にも重すぎる点より、本馬の連覇の可能性も十分にあると考える。とにかく、13年宝塚記念3着(=阪神芝2200m:0.6秒差)と宝塚記念好走馬でもあるし、また近走は前々に展開して好走が出来るようになっている点からも、崩れない馬と好走に期待して評価する。上がり勝負も得意な馬だし、好走必至と考える。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Bertoliniはダンチヒ系で、仕上がりの早い短距離・マイラー血統だが、底力に欠ける。2歳の新馬から走り、3歳前半までは芝の重賞でも無視できないが、あくまでも穴狙いが正解。
 No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳春以降に成長を始め、距離が延びて本領発揮が多いステイヤー特性を持つ牝系。叩き良化型も多い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

○ゴールドシップ・・・ステイゴールド×メジロマックイーン=サンデーサイレンス×マイバブー 〔16-h〕
 前走京都大賞典5着(=京都芝2400m:0.3秒差)。東京芝コースは(1-0-0-1)、芝2400m戦は(1-0-0-2)。前走京都大賞典は、約4ヶ月の休み明けで出走し、休み明けはこれまで(2-1-0-1)と好走が多く苦にしない馬と考えたが5着凡走してしまったが、叩き2戦目は(2-0-0-1)と上昇がみられる馬でもあり、13年宝塚記念1着馬でもあり好走できる下地を備えた馬と考える。上がり特化のレースよりも早めにスパートしてのロングスパート勝負が得意な馬で、小回り急坂の中山芝コースやロングスパートになりやすい京都芝コース向きの馬にて、東京芝コースではやや割り引くが、12年共同通信杯1着(=東京芝1800m)のようにこなせないわけではないため、能力的にも対抗評価と考え、好走に期待して評価する。
 ステイゴールド産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系。ステイゴールドは母父ディクタスの特性がでていて、サンデーサイレンスというよりはサッカーボーイに近い特徴があり、夏~秋にかけてよく軌道に乗ることが多い。ディクタスのスタミナ型の特性とまた強敵相手に食い下がる勝負根性は、ステイゴールド産駒の持ち味。1戦燃焼型のタイプも多く、惨敗後から涼しく巻き返す能力も高い。断然人気よりも穴で狙いたいタイプで、人気馬よりもその人気馬をマークする立場の方が好走しやすい。母父メジロマックイーンは晩成型の成長力があり、古馬で本格化するステイヤー血統だが、2歳~3歳時にも第1次の成長段階がある。叩き良化型で、中長距離での好走が多い。
 No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳秋以降に本格化する成長力があり、また叩き良化型のステイヤー特性がある。そのため距離延長で本領発揮のタイプが多い牝系。分枝記号hは、揉まれ弱く、基本的には広いコースがベストで、器用さには欠けるが、広いコースでの持久戦は得意。小回りコースの場合は外枠か先行策が必須。

▲アドマイヤラクティ・・・ハーツクライ×エリシオ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔8-f〕
 前走アルゼンチン共和国杯2着(=東京芝2500m:0.2秒差)。東京芝コースは(1-1-0-1)、芝2400m戦は(1-0-0-2)。前走アルゼンチン共和国杯は、上がり上位で2着好走。外枠で外を回した分届かずの内容で、今回内枠に変わることはプラス要因のはず。好走後の連続好走も多く、相手強化で能力が引き出されるトニービン系の特性を内包しているハーツクライ産駒でもあり、好走に期待して評価する。
 ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンがかかり加速できる器用さはないが、助走をつけて末脚が全開になりギアが入れば長く良い脚を繰り出す。馬群の外をのびのび走れるコース向き。サンデーサイレンス系としては、ダンスインザダーク産駒に近く、点火しづらい弱点を持ちつつ、嵌れば大仕事という“難儀なステイヤー血統”。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。牡馬は芝1800m~2600m、牝馬は芝1400m~2000mを中心に走る。後方一気型は展開に左右され、直線だけの勝負や、内しか伸びない馬場は不発多数。スローが苦手なわけではなく、前半じっくり追走して、助走付きのロングスパートが出来れば好走可能。長い直線+剛腕騎手はプラス条件になる。母父エリシオはノーザンダンサー系で、2~3歳の早い時期に好走する仕上がりの早い馬もいるが、総じて本格化するなら古馬で、中距離以上で活躍するスタミナを秘めている。芝は軽い馬場のスピード勝負より、時計のかかる馬場での消耗戦で能力を発揮する。
 No.〔8〕の牝系は、3歳春シーズンも好走は可能だが人気の時には詰めが甘い特性があり、本領発揮は3歳秋以降で古馬で真価を発揮するタイプが多い。叩き良化型で、高速時計にも強い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

△アンコイルド・・・Giant’s Causeway×Alzao=ストームバード×リファール 〔4-n〕
 前走天皇賞秋4着(=東京芝2000m:1.1秒差)。東京芝コースは(2-1-0-1)、芝2400m戦は(0-1-0-0)。函館記念2着(=函館芝2000m:0.3秒差)→札幌記念3着(=函館芝2000m:1.7秒差)→京都大賞典2着(=京都芝2400m:0.0秒差)→天皇賞秋4着と重賞でも僅差に好走していて、本格化モードの馬。臨戦過程こそ強行軍なのだが、間隔を詰めたローテションでも好走したのが、本馬の父Giant’s Causewayにも言えること。今回も好走可能と考えて、好走に期待して評価する。
 Giant's Causeway産駒はストームバード系で、ハイペースで飛ばしても簡単にバテない先行押し切り型。またストームバード系は、好調期にまとめて稼ぐ短期集中型が多く、2~3歳戦で好走できるスピードと完成度の高さがある。好調期には連続好走を続けるのだが、不調期になると崩れ好走できなくなるのがストームバード系。労せずに先行できる内枠か揉まれない外枠で結果を出しやすい母父Alzaoはリファール系で、適距離は個々によって異なり、1600~2400mまで幅広いが、どの距離でもいえるのが、ピリっとした脚を欠くこと。もともとリファール系は追いまくってこその血統であり、スローで泣いていた馬がハイペースで突き抜ける、というのがこの父系の穴パターンの一つ。2歳から能力を発揮するが、3歳以降で古馬になりまた一段と成長するタイプで、成長力は豊富。
 No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号rは、あらゆる条件を平均的にこなすタイプ。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。また短距離向きの馬が多く、中距離馬は洋芝開催向き。


今回海外からの参戦馬は3頭いるが、いずれも時計の裏付けがない馬にて、今回は日本馬をより上位に考えたいと思います。
ただ気になる馬という点では、シメノン。

シメノン・・・Marju×Alzao=ノーザンダンサー×リファール 〔14-c〕
 前走メルボルンC4着(=豪州芝3200m:0.4秒差)。東京芝コースは初で、芝2400m戦は(0-0-2-1)。Marju産駒には、99年JCで12番人気で2着に好走したインディジェナスがいて、JCでも好走歴のある血統。母父もAlzaoと日本でも活躍馬のいる血統にて、相性は悪くないと考える。時計を詰められる下地はありそうなので、好走もありうると考える。
 Marju産駒はノーザンダンサー系で、1600m~2400mまで幅広くこなし、活躍馬は2歳から古馬までと年齢層も厚い。特に高齢馬をなめてかかると痛い目に合う。GⅠ勝ち馬も多数輩出しているが、前哨戦やトライアル的な軽いレースに向いた血統でもあり、スピードの持続力があり、時計勝負は望むところ。ダートは消し。母父Alzaoはリファール系で、適距離は個々によって異なり、1600~2400mまで幅広いが、どの距離でもいえるのが、ピリっとした脚を欠くこと。もともとリファール系は追いまくってこその血統であり、スローで泣いていた馬がハイペースで突き抜ける、というのがこの父系の穴パターンの一つ。2歳から能力を発揮するが、3歳以降で古馬になりまた一段と成長するタイプで、成長力は豊富。
 No.〔14〕の牝系は、早い時期にも活躍する馬もいるが、総じて晩成型で古馬になって強さを発揮する。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。


tipmonaとは?

ジャパンカップ2013回顧
JC 3歳牝馬の好走の理由。

軍神マルス
08期 予想歴15年

次走狙い:ジェンティルドンナ
次走狙い:デニムアンドルビー


2013年 タイム 2’26”1 (良) 1FAve=12.18 3FAve=36.53

ラップ
①12.8-②11.4-③12.8-④12.8-⑤12.6-⑥12.8-⑦12.8-⑧12.4-⑨11.6-⑩11.1-⑪11.1-⑫11.9
1FAveとの誤差
①+0.6 ②-0.8 ③+0.6 ④+0.6 ⑤+0.4 ⑥+0.6 ⑦+0.6 ⑧+0.2 ⑨-0.6 ⑩-1.1 ⑪-1.1 ⑫-0.3
テン37.0-中盤75.0(前半38.2-後半36.8)-上がり34.1 『加速・中弛み』

『加速』・・・逃げ◎ 先行○ 差し△ 追込×
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○

1着ジェンティルドンナ・・・ディープインパクト×Bertolini=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔16-f〕 3-4
2着デニムアンドルビー・・・ディープインパクト×キングカメハメハ=サンデーサイレンス×キングマンボ 〔9-f〕 13-13
3着トーセンジョーダン・・・ジャングルポケット×ノーザンテースト=グレイソヴリン×ノーザンテースト 〔9-a〕 2-2
4着アドマイヤラクティ・・・ハーツクライ×エリシオ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔8-f〕 10-10
5着ドゥーナデン・・・Nicobar×Kaldounevees=ヘロド×グレイソヴリン 〔4-d〕 10-10

流れは、テン-上がりのラップ差から『加速』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。展開的には、逃げが最も恵まれ、次いで先行、差し・追込には厳しい流れと考える。

1着ジェンティルドンナは、前走天皇賞秋2着(=東京芝2000m:0.7秒差)からの好走。東京芝コースは(2-1-0-0)、芝2400m戦は(2-0-0-0)でした。前走天皇賞秋は、約4ヶ月の休み明けで出走し2着好走。その前走天皇賞秋は差し馬が上位好走する中で、先行しての2着好走は評価すべき内容でした。また休み明けはこれまで(1-2-1-0)と好走が多く、叩き2戦目も(1-0-0-0)と状態が上向きになる馬と考え、さらに12年JC1着馬でもあり、東京芝2400mに至っては(2-0-0-0)と12年オークス1着・12年JC1着と能力発揮が出来る最善のコースと考えられる。JCについては連覇が難しいレースではあるのだが、今年の場合新興勢力となりうる日本馬が少ないこと、海外からの参戦馬は皆時計の裏付けがなく血統的にも重すぎる点より、本馬の連覇の可能性も十分にあると考え、結果1着好走。13年宝塚記念3着(=阪神芝2200m:0.6秒差)と宝塚記念好走馬でもあったし、また近走は前々に展開して好走が出来るようになっている点からも、崩れない馬と好走に期待した点は傾向的に嵌ったと考える。13年度はGⅠで2・3着の惜敗が続いていたが、侮ってはいけない馬だったと考え、素直に今回の好走を評価して、まだまだ今後の好走に期待したい。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Bertoliniはダンチヒ系で、仕上がりの早い短距離・マイラー血統だが、底力に欠ける。2歳の新馬から走り、3歳前半までは芝の重賞でも無視できないが、あくまでも穴狙いが正解。
 No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳春以降に成長を始め、距離が延びて本領発揮が多いステイヤー特性を持つ牝系。叩き良化型も多い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

2着デニムアンドルビーは、前走エリザベス女王杯5着(=京都芝2200m:0.5秒差)からの好走。東京芝コースは(1-0-1-0)、芝2400m戦は(0-0-1-0)でした。3歳牝馬の好走は近5年で、09年3着レッドディザイア、12年1着ジェンティルドンナが好走していて、ともに牝馬クラシック連対歴があった馬だったが、今回は本馬が2着好走。本馬はオークス3着(=東京芝2400m:0.5秒差)とクラシック好走歴はあったが、連対歴ではなく、この点で割り引いて侮ってしまったのだが、東京芝2400m好走歴という点では侮ってはいけなかったと反省する。また前述の好走した2頭の牝馬は、ローズSでも好走していた馬で、オークスとローズSの両方を好走した馬ならJCでも好走可能と考えたい。3歳牝馬は斤量53kgと古馬や3歳牡馬に比べて有利な点があり、またこの時期は成長力でも古馬に匹敵するくらいの能力を有していると思われ、凱旋門賞で3歳牝馬が好走しやすいのと同じ構造があると思われる。秋華賞やエリザベス女王杯のように追込届かずの可能性は今後もあると思うが、とりあえず東京芝コースなら末脚は活かせるコースのようで、他のコースに比べて好走の可能性は本馬にとっては高いと思われる。なので、来年のヴィクトリアMでは好走可能な馬と期待したい。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父キングカメハメハはキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。軽い先行力、瞬発力勝負の切れ味、指示通りに動く反応の速さが武器で、芝1600m・2000m・2400mと根幹距離の重賞で特に強く、人気馬なら堅実。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。距離延長を不安視されることも多いが、折り合いさえつけば距離はこなし、むしろ1400mや1600mなどの忙しい流れで末脚を溜められなかった時に不発が目立つ。中長距離型が安定しているのは、スローの良馬場で、ハイペースや力のいる馬場は凡走もある。マイラー型は高速馬場の内枠を活かしての先行粘り込みが得意。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

3着トーセンジョーダンは、前走天皇賞秋11着(=東京芝2000m:2.3秒差)からの激走。東京芝コースは(3-2-0-3)、芝2400m戦は(0-1-0-1)でした。近走は長期休み明けの影響もあり、札幌記念13着(=函館芝2000m:5.2秒差)→天皇賞秋11着と惨敗だったが、今回は11番人気で3着激走。11年JC2着馬ではあったが、さすがに7歳でしかも近走内容を考えると評価できる馬とは思えなかったが、今回好走した事実を考えると、トニービン系の底力がなせる業と考える。ジャングルポケット産駒が09年2着オウケンブルースリ、11年2本馬・3着ジャガーメイルと好走していて、12年3着ルーラーシップは母父トニービン。そのほかにもトニービン系を内包しているタニノギムレット産駒が08年3着→09年1着ウオッカが好走と、トニービン系はJCでは好相性の血統と反省したい。
 ジャングルポケット産駒はグレイソヴリン系で、小回りコースが得意なタイプと広いコースで末脚を繰り出すタイプとがいる。本馬は中山芝コースや函館芝コースなど小回りコースでも好走していて本質は小回りの持続型向きと思うが、速い上がりも繰り出せるので広いコースで末脚を活かすことも可能なタイプ。緩い流れで瞬発力勝負より、持続した流れでスタミナを活かす方が強さを発揮しやすい。ジャングルポケット産駒は菊花賞でも好走しているし天皇賞春でも好走馬を輩出し、スタミナの豊富な馬が多くステイヤータイプも輩出する種牡馬でもある。母父ノーザンテーストはノーザンテースト系で、丈夫な体とミラクルな成長能力を有している。2歳や3歳時にも好走する仕上がりの早さはあるが、古馬にて本格化しさらにもう一段階進化する。距離の融通性もあり、この特性も活きたと考える。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系だが、3歳秋~古馬になり本格化する。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。分枝記号aは、気性的に素直なタイプが多く、また父親よりもスケールが小さくなる傾向。

4着アドマイヤラクティは、前走アルゼンチン共和国杯2着(=東京芝2500m:0.2秒差)からの好走。東京芝コースは(1-1-0-1)、芝2400m戦は(1-0-0-2)でした。前走アルゼンチン共和国杯は、上がり上位で2着好走。外枠で外を回した分届かずの内容で、今回内枠に変わることはプラス要因のはず。好走後の連続好走も多く、相手強化で能力が引き出されるトニービン系の特性を内包しているハーツクライ産駒でもあり、好走に期待して評価し、結果4着好走。3着馬トーセンジョーダンと同じく、本馬はトニービン系を内包しているハーツクライ産駒で、この点からもトニービン系がJCと好相性と証明できると思われる。
 ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンがかかり加速できる器用さはないが、助走をつけて末脚が全開になりギアが入れば長く良い脚を繰り出す。馬群の外をのびのび走れるコース向き。サンデーサイレンス系としては、ダンスインザダーク産駒に近く、点火しづらい弱点を持ちつつ、嵌れば大仕事という“難儀なステイヤー血統”。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。牡馬は芝1800m~2600m、牝馬は芝1400m~2000mを中心に走る。後方一気型は展開に左右され、直線だけの勝負や、内しか伸びない馬場は不発多数。スローが苦手なわけではなく、前半じっくり追走して、助走付きのロングスパートが出来れば好走可能。長い直線+剛腕騎手はプラス条件になる。母父エリシオはノーザンダンサー系で、2~3歳の早い時期に好走する仕上がりの早い馬もいるが、総じて本格化するなら古馬で、中距離以上で活躍するスタミナを秘めている。芝は軽い馬場のスピード勝負より、時計のかかる馬場での消耗戦で能力を発揮する。
 No.〔8〕の牝系は、3歳春シーズンも好走は可能だが人気の時には詰めが甘い特性があり、本領発揮は3歳秋以降で古馬で真価を発揮するタイプが多い。叩き良化型で、高速時計にも強い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

JCのポイントは、
①流れは、『加速・中弛み』になりやすく、上がり特化の瞬発力勝負になりやすい。
②4コーナー5番手以内の先行馬の好走が多い。
③スタミナ型サンデーサイレンス系の好走が多い。
④グレイソヴリン系、ロベルト系も好走が多く、欧州スタミナ型血統には注目。特注はトニービン系。
⑤牝系は、No.〔1〕〔3〕〔7〕〔8〕〔16〕の好走が多い。
⑥1番人気の日本馬は堅軸。
⑦連対するのは日本最強クラスの馬。
⑧3歳馬はGⅠ連対が最低条件。3歳牝馬なら斤量も軽く侮れない。東京芝2400mGⅠ好走実績(=3着好走も評価)があり、ローズSを好走している馬に注目。
⑨古馬は、3歳時にクラシック連対馬であれば4歳時に好走できる可能性は高い。
⑩同年の宝塚記念好走馬。
⑪外国馬は、日本ですでに好走実績のある血統馬か、芝2000mで"2’00前後での好走歴のある馬。
⑫「老馬の法則」が活きる。


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