産経大阪杯2014予想

カタストロフィ
10期 予想歴17年

◎メイショウマンボ
  7着/3人気

○キズナ1着/2人


【予想】
 まず、Bコースに替わってというのと、雨降った先週の日曜ぐらいからの傾向もあって、土曜は顕著に外が盛り返してくるようになった。特に10Rの仲春特別なんか上手くテイエムダイパワーがコーナー最速に持ち込む競馬をしたのに外通した馬が普通に差しこんできているから、恐らく外差傾向に移ったとみていいレベルだと思う。後、速いラップを要求されるケースも多いし、日曜は更に馬場が回復するのでトップスピードも重要になってくる。


 展開は恐らくビートブラックがハナを主張するかなと。 トウカイパラダイスも逃げの手はあるが近走は番手で結果を出してきているし、恐らくビートを行かせて2列目内ポケットを狙いに行くんじゃないかと。そして外からカレンミロティックが番手を確保。このカレンの出方がカギになるが、ずっと徹底して番手だし、恐らく番手のままだろう。これならスローになる可能性が極めて高い。団子からのスローロンスパ戦だろう、昨年に近いイメージで良いと思う。


◎メイショウマンボはトータルで見るとこの馬に最もいい展開になるかなと言うのと、追い切りで状態面で良さを見せてきたということで、本命に据えた。まずスローはトップスピードの質で勝負したいこの馬としては当然大歓迎ができるというのと、カレンミロティックの後ろ、キズナの前ぐらいで競馬ができそうなので、仕掛け所をギリギリまで我慢できるというのも良い。それと、今回はスロー団子、エピファネイアが恐らく前に壁を置いて気性面をコントロールさせてくることを考えると、その外からいつでも動ける上でトップスピードの質で勝負できる馬、プラス今の外差馬場で上りが速くなりやすいという傾向からも、この馬の良さを丸々活かせそうと見た。勝ち切れるかどうかは他の実力馬が力を出し切れるかどうかにもよるが、恐らく上位4頭の中ではこの馬が一番安定してパフォーマンスを発揮しやすいと思う。ハイペースになることはまずないレースで、極端なギアチェンジを問われる事もない。恐らくL2最速戦だと思うので、そこに向けてしっかりとトップスピードに乗せてやれる競馬なら、最速地点で抜け出してくれると期待する。力関係で見ても、秋華賞でデニムの捲りに対抗してトップスピード持続力で完封、エリ女でラキシス相手にトップスピードの質で完勝しているから、それを物差しにすれば牡馬一線級を相手に見てもトップスピードの質は通用するとみている。リスクはほとんどないので、逆に言えばここで好勝負できないようだと牡馬一線級相手に正攻法の競馬では厳しいと思う。


〇キズナは正直ダービーの頃に比べてしまうと、脚捌きの鋭さと言う点ではまだそこまで至っていないと思うし、8分ぐらいの出来だろうとは思う。ただ、今回は外差傾向になりつつあって、かつペースが上がらない可能性が極めて高い。これは基礎スピード面ではエピファネイアに見劣るので、そこを問われないというのは良い材料。スローからゆったりとトップスピードに乗せてL2最速戦でしっかり前を向く。そこからのL1でトップスピードの持続力をしっかりと引き出せれば、出来が8分程度でもやれるはず。ショウナンマイティが不調でなければ怖い存在だったが、エピファネイアが内で壁を作って、しかもペースもスローで比較的団子になりやすい状況を考えると、序盤脚を使わないでリードもそれほど与えずに後半のトップスピード持続戦、緩い地点でしっかりと押し上げて行ければと言う所。コーナーで押し上げて行くという競馬をあまり見せていないので、内回りでしっかり反応できるかがポイントではあるかな。リスクも無くはないが、エピファネイアやショウナンマイティほどではない。

【展望】
 書きたいことや言いたいこともたっぷりあるが、まずは前哨戦の大阪杯なのでネタ切れにならない程度に書きたいなと思う。


 キズナVSエピファネイアは計3度。初戦は前述のラジオNIKKEI杯2歳S。スローペースからの12.9 - 12.0 - 11.5 - 11.0 - 12.0とトップスピード勝負。ここで番手で進めたキズナ、外からそれを見ながら2列目外にエピファネイア。3角で楽な手ごたえでエピファネイアが進め、4角で並びかけられると直線ではジリッとしか伸びず、最後まで盛り返せずの完敗だった。2戦目は弥生賞。ライバルのエピファネイアは鞍上がビュイックではあった。この時はややスローぐらいからの12.5 - 11.7 - 11.6 - 11.4 - 12.2と4F勝負で、トップスピードの持続力を要求された。コーナーでエピファネイアが動いてレースが動いたが、3~4角では馬群の中目を通して直線では狭い所を突こうとするが、L1で若干外に出すロスが有り、最後の最後にジリッと伸びてくるもと言う形だった。


 ラジニケ杯に関しては、ポジション取ったことでスローのトップスピード勝負に対して仕掛けが急かされる競馬になったので、持ち味が引き出せなかった、弥生賞ではレースの展開としては持ち味のトップスピードの持続力を引き出しやすい競馬だったが、コーナーで速い脚を要求されていて、また窮屈な所を通ったことも有り届かなかったという印象だ。この馬は少なくとも2000m戦では要所での動き出しと言う点ではそれほど高く評価できるものではなくて、この時点では終い最後までしぶとく伸びてくるポテンシャルタイプ最上位の中の1頭にすぎないという認識だった。


 皐月賞を諦めて毎日杯、京都新聞杯と連勝してきたが、どちらも一貫ペースのなかで、これまでとは違い序盤に全く無理をさせずに終いのポテンシャルを爆発させる形で完勝してきた。序盤の基礎スピード不足を感じていたし、そこで無理をさせることなくこの馬の持ち味であるポテンシャル面を引き出すことを優先したのが功を奏した。特に京都新聞杯では少しヒヤヒヤさせられたが、12.6 - 12.3 - 12.1 - 11.8 - 12.0とレースラップも落ちない中で、それでも後方外から直線序盤に伸びて中団まで追い上げると、L1でただ一頭ばてずに凄い脚で突き抜けた。ギアチェンジ面でもエピファネイアの性能にはラジニケ杯で完敗だったわけだし、逆にゆったりと加速させてやることでトップスピードを長く維持できる競馬に転換できた。これがダービー制覇の1つの要因だったと思っている。


 もう一つは、ダービー直前の追い切りだった。キズナは追い切りもしっかり見てきた馬だったが、ダービー1週前から明らかに動きのキレ、迫力が違った。冗談ではなくダービー直前に馬が悟ってもう一段階上の所まで一気に成長したと言っても過言ではないぐらいに。前肢の蹄の返しの鋭さは今までになく感じた。この成長も一つの要因だったと思っているが、日本ダービーではややスローぐらいからの12.3 - 11.9 - 11.6 - 11.7 - 11.9とL3最速でギアチェンジもそこまで要求されずのポテンシャル勝負とキズナの舞台となっている。その中で、後方馬群のなあから外に持ち出すと、前のタマモベストプレイがよれて進路が狭くなりながらも立て直すと、グングン外から伸びて来ての大勝利だった。エピファネイアが道中で躓くロスがあったとはいえ、この舞台でトップスピードの持続力を引き出してのダービー制覇。まさにダービーを勝つために産まれてきたような馬だ。


 ニエル賞で英ダービー馬ルーラーオブザワールド撃破、凱旋門賞ではトレヴの仕掛けについていき、オルフェーヴルにあわやという場面を作った…などなど語りたいことは山ほどあるが割愛…これでもかなり端的にまとめてきたつもりだが、GIIの出走予定馬展望としては長くなりすぎてしまったので、大阪杯の展望に移る。


(キズナ全文はこのページの最下部にある『競馬をやって何が悪い。』に載せてあります)



 ダービーではキズナの強襲を防ぎ切れずに手中におさめかけていた勝利を後数十メートルと言う所でこぼしてしまったエピファネイア。皐月、ダービー2着と春のクラシックの無念を晴らしたのが秋の菊花賞。皐月賞馬、ダービー馬がいない中、圧倒的なパフォーマンスで負けられない一戦をしっかりと手中に収めきり、福永祐一に初めての牡馬クラシックタイトルをもたらした。クラシックタイトルを持つ宿敵キズナを撃破できるか、ライバル対決は次の章へと進む。素晴らしいステージを期待したい。



 エピファネイアの評価はやはり菊花賞でガラッと変えざるを得なくなったというのがやはり正直な所。それまでのエピファネイアは気性難をギリギリの中でコントロールして、要所でそれを解き放つことで、ギアを引き上げるタイプの馬だと感じていた。だから、基礎スピードは高いし、トップスピードも速い、また気性が勝っているのを何とかコントロールしているわけで、ブレーキ外すと勝手に前に進むような感じで要所の動き出しの速さに繋がっていたように感じていた。


 ラジオNIKKEI杯ではタフな馬場でスローからの12.0 - 11.5 - 11.0 - 12.0とトップスピード勝負で、2列目外からコーナーでペースをじわっと引き上げて行く中で、楽な手ごたえで4角キズナの外に出し、そこからスッと伸びて直線で一気に先頭に並びかけ、そのまま抜け出すという強い競馬だった。折り合いに気を遣いながらも、要所でハミを外すような感じで勝手に加速し、楽にトップスピードに乗せられる印象は、キズナが要所での反応で少しもたついたこととは対照的に映った。一方で皐月賞では完全なるハイペースでもやはり少しブレーキをかけて折り合いに気を遣わなくてはいけないぐらいの基礎スピードの高さを見せ、12.1 - 12.0 - 11.9 - 12.0 - 12.0と後半も平均的に踏ん張る競馬で4角外目からじわっと押し上げ、ロゴタイプを待ったもののL1での粘りは甘かった。ただ、このペースを楽に追走できてしまうスピードは天性のものだろう。


 反面で、躓いたロスは有ったにせよ、ダービーでキズナに差されたのは、ややスローぐらいから12.3 - 11.9 - 11.6 - 11.7 - 11.9とL3最速のトップスピードの持続力勝負になったL1でキズナのポテンシャルに屈してしまった。また、弥生賞でも鞍上がビュイックではあったにせよ、スローで我慢できずに12.5 - 11.7 - 11.6 - 11.4 - 12.2と、後半のロンスパ戦を自らコーナーで仕掛けて早めに先頭に立ったが、L1で甘くなって追撃を食らってしまった。この馬としては、負けパターンは序盤スローからのロンスパ戦と言う所にあるように感じていて、やはり基礎スピード面も活かしたい総合力タイプの馬で、持っても2400までだろうと考えてきた。


 しかし、神戸新聞杯、菊花賞と圧巻のパフォーマンスを見せてくる。神戸新聞杯はウインアルザスの大逃げが有ったのでラップは少し変だが、全体的には平均、ややスローよりと言う感じ。13.0 - 13.0 - 12.0 - 11.1 - 10.8 - 12.6と言うラップ推移、緩んだコーナーで外々馬なりで楽に押し上げて行くと直線序盤の最速地点で楽に突き抜け、L1もラップ的には落としたが完勝だった。このレースは分析で言うとかなり質の高いトップスピードを持続させる競馬であり、ダービーと違ってより質の高いものを要求されたのも良い材料だったかもしれない。時計はかなり出やすい秋の阪神なので、これでもまだ少し緩いぐらいだったかもしれないが、トップスピードの質がここでは違った。


 菊花賞をどう判断するかだが、不良馬場でペースもバンデが刻む流れ。ただし中盤にやはり中弛みが有って、そこからの12.8 - 12.1 - 12.0 - 11.8 - 12.3と4F勝負。序盤に上手く2列目のポケットでポジションを取りつつも掛かるのをなだめながら進めて行く。上手く1周目のスタンド前で前の2頭がペースを引き上げてくれて逆に折り合い面では楽になった。その中で向こう正面で緩むラップ推移でここで少しコントロールが必要になるが、3角手前では目標バンデを前に置いていつでも動けるという状況で持ったまま追走し、直線序盤でバンデを抜き去って突き抜ける圧倒劇だった。この競馬を見ても、3000mで強烈な競馬をしてきたが、驚くべきは序盤のペースに付き合って、中盤コントロールしてとはいえ、3000の不良馬場でそこから要所でペースを引き上げて突き抜けてしまった点にある。これまでとは方向性が明らかに違う競馬となっていて、平均的な脚を長く要求されて良さが出てきた。ポテンシャル面でのパフォーマンスを一気に引き上げたと言っていい。これはダービーのパフォーマンスより上だろう。


(エピファネイア、やその他の出走馬の展望全文はこのページの最下部にある『競馬をやって何が悪い。』に載せてあります)


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