神戸新聞杯2014予想

カタストロフィ
10期 予想歴17年

◎トーセンスターダム
  7着/3人気

○ワンアンドオンリー1着/1人
△ウインフルブルーム13着/4人


 正直細かいことは予想できないにせよ、序盤はかなり流れそうなメンバー構成だ。内から前に行くしか道はないジリジリのシャンパーニュに松若君のトップボンバーが競りかける、これを見ながらウインフルブルームが恐らく3番手で単独の2列目となりそう。その外からサウンズオブアースやサトノアラジンといったところが先行してペースをコントロールしつつ進めるというイメージ。ワンアンドオンリーは外目の枠で内に行く馬がそこそこ多いことを考えると無理にポジションを取りに行くようなことはなさそう。もともと出が安定している方でもないし、休み明けでノリ騎乗ということを考えても過度に信頼はしたくない。またワンアンドマークになる可能性が高いし、前走はほぼ奇策で成功したけど隣のサウンズオブアースやキネオペガサス辺りが外から寄せてくる形で包まれるよりは流れる想定で中団~後方での競馬と考えておきたい。ある程度流れるだろうが、実質的にはウインフルブルームの列が作る競馬で、ややスローぐらいで落ち着くかなと。


らしくない予想になったかなと思うけど、基本的には春の実力馬優勢で良いと思っている。


◎トーセンスターダムは、まあこういう馬を本命にするのは少々迷うところもあるんだけど、競馬は本質的に見てもギャンブルだからね。いろんな要素を噛み合わせて賭けたいと思う馬を本命にと素直に選んだらこの馬になった。ダービーは一足は使えていた感じなんだよね。ラチにぶつかってしまって終わったけど、エキマエで分かりにくいが前後半速く中弛みで仕掛けが遅いという競馬で、本質的にこの馬の持ち味が活かせる競馬に持ち込めなかったともいえるし、ラチ関係なく度外視したい。また皐月賞も60.2-59.4と基礎スピードが要求される競馬に対応しようとして要所で反応がなく終わってしまった感じ。この馬の場合やはり京都2歳Sがベストバウトだと思っているし、その内容が60.8-60.0とペース的には平均ペースでも13.1 - 12.4 - 11.6 - 11.3 - 11.6と中弛みからのトップスピード勝負で外々をかなりロスを作りつつも最後まで伸び切っての勝利で、かなり高いTS持続力を見せた。また中弛みはあったといってもペース的にはそこそこ流れていた2000の競馬で長距離色強い競馬をしてきていて、2400mは絶対にいいと思っている。また上手くトップスピードに乗せられてからの持続力はまだ底を見せていない。皐月賞やダービーはキズナのラジニケや弥生賞みたいにレースの流れに固執して馬の良さを引き出せなかった感じに近いと思っていて、脚を引き出せたときの爆発力に賭ける競馬を期待したいし、今回はそれができそう。ポジションを取れる馬ではあるが今回はある程度流れる中で無理せず中団ぐらいという競馬になりそうだし、そこからトップスピードに乗せやすいこの条件なら。ディープ産駒相性微妙なコースだしワンアンドオンリーは2400mではかなり強敵だとは思っているが、この馬の素質を買って本命とする。


〇ワンアンドオンリーはここは一つ評価を下げて臨みたい。追切はばたばたしたがいつもあんなもんだから特に気にはしていない。ただここは勝ちは必要ではなくダービーの時のような奇策を打つことはないだろう。ここはほかに先行したい馬もはっきりとした逃げ馬もいるし、下手にポジションを取りに行こうとして結果的にジリジリ下がるような競馬より序盤無理せず徐々に押し上げて要所という競馬の方がいいはず。そのあたりを意識して乗っているノリだから、今回は無理はしないと判断する。そのうえで、この馬の場合ダービーでトップスピードの質、持続力ともに高いものは見せてくれた。あとはそれが届くかどうか。ただ神戸新聞杯は基本脚を出し切りやすい舞台なのでオルフェーヴルやゴールドシップといったところが圧倒的な競馬ができるように、届かないぐらいのポテンシャル馬が余裕で届くイメージは必要で、ワンアンドのような適性の馬は軸としては本来信頼しやすい。ダービーはイレギュラーで覚醒かなとも思えるところもあるほどポジションとって中弛みに対応して13.6 - 12.2 - 11.6 - 11.1 - 11.7のラップ推移で一気に加速してイスラボニータのお株を奪うほどの機動力を見せてくれたけど、本質的にはやっぱりハーツクライ産駒のイメージであるべきで、皐月賞でも追走に汲々としながらも12.1 - 12.0 - 11.6 - 11.7 - 12.0のラップ推移でL1突っ込んできているようにポテンシャルタイプなのは確かだと思う。その延長線上でその他の要素が一気に押し上げられたという点ではジャスタウェイの覚醒に近いところはある。いずれにせよその真価をここで見たい。


【注目馬】
 マイル路線では強敵ミッキーアイルとの激闘、クラシック路線では皐月賞3着とピリッと引き締める憎い脇役だったのがウインフルブルーム。ダービーでは枠順確定後にハ行のため出走取り消しと涙を呑んだ。あの時試せなかった2400mの距離に秋初戦を選択。皐月賞では後のダービー馬ワンアンドオンリーに先着しているという実績は光る。ただの休み明けではなく取り消し明け、条件に不安はあるが力を示したい。


 コメントを見る限り状態面の不安を隠せていないかなという感じはある。とりあえず直前の追切を注目してみておく必要があるだろう。それは別として、能力は相当なものがあったしダービーでも勝負になった可能性を秘めていた馬である…と個人的には思っている。少なくともダービーに出てくれば重い印を打つつもりだった。


 その前に、皐月賞で評価した理由にもなるので振り返るがシンザン記念が面白かったのである。個人的にはミッキーアイルも恐らくマイルはちょっと短いと思っていて、少なくとも高速馬場でのスピード決着向きではないだろうと。そしてウインフルブルームはより明確にマイルは短いと思っていた。シンザン記念は47.9-45.9と2秒のスローペースで結構明確。12.4 - 11.8 - 11.3 - 11.0 - 11.8とミッキーアイルがペースを握ってスローからじわっとペースを引き上げてのL2最速トップスピード勝負だ。この流れで番手追走から直線序盤の最速地点ではトップスピードの質で見劣るのだが、L1での食い込みが素晴らしく最後はミッキーアイルにジリッと差を詰めた。ミッキーアイルはNHKマイルや安田がいまいちなので評価を落としているが、基本ペースをコントロールしてからのトップスピードへ持っていく速度が速く、また質もいい。基礎スピードも高いレベルで持ってはいたがアーリントンC含めて要所での良さが光る馬だったし、超高速で高い基礎スピードが要求されたNHKマイル、安田までは圧倒的だった。ミッキーの競馬をさせてこの時点で食らいつけたのは同世代ではこの馬しかいない。そしてシンザン記念のペース配分を見てもスローからの早めのペースアップでしっかりついて行ってL1で伸びる、TS持続力の高さを見せた。


 比較対象として朝日杯FSがあったが、このレースは個人的には凡戦と位置付けていてウインフルブルームの実力を考えれば基礎スピード面で苦戦して良さが出なかったと考えていて、シンザン記念で実際ゆったり進めて良さが出たしこの時点で距離延長すればいいのは確かだと思っていた。若葉Sは当時の阪神の馬場が内有利だったことと勝ちに行って甘くはなったがかなり強い競馬ができた。皐月賞では比較的自信を持っての本命だったが、60.2-59.4と理想的なペース、ある程度のリードを保っての逃げになったし12.7 - 12.1 - 12.0 - 11.6 - 11.7 - 12.0としっかりと仕掛けて出し抜く競馬に持ち込みTS持続力の高さを活かす競馬になった。騎乗としてはかなり満足しているし、自分が思っていた以上にイスラボニータが強かった。ただ正攻法でワンアンドオンリーを撃破できているように。この馬の能力そのものは一線級だと思っている。少なくともトゥザワールドとは逆転可能だろうと。


 そして、ダービーでも重い印を打つつもりだったもう一つの理由として、この馬は比較的トップスピード自体は問われた方がいい、という傾向にあったから。千両賞の勝ち方がインパクトが非常に強くて、ペース自体も47.8-46.1とスローから11.9 - 11.1 - 11.4 - 11.7とトップスピード勝負、L3で速めに仕掛けて出し抜き押し切りという競馬。これでアズマシャトルやエイシンブルズアイに競馬を差せない圧倒的な逃げだった。これが印象的なのと、シンザン記念でも速さ自体は見劣ってもL1での踏ん張りを見せた。速いラップを刻んでからの持続力、TS持続力が秀でていると思っている。皐月賞は距離延長で基礎スピード面で優位に立てたとは思うが、本質的にはコントロールして仕掛けてから速いラップを刻んでそれを維持する競馬の方が面白いと思っている。その点では2400mでゆったり進めて、早めに仕掛けて11秒台前半を刻んで粘り切る競馬の方がいいように感じていた。


 なので、神戸新聞杯でも重い印を打つ…つもりだった、少なくともコメントを見るまでは。ただコメントを見ても馬体を減らして帰厩、回復も追切後また減らしている、とかなりマズイ情報が入ってきてしまった。まあ難しいところで、追切を待ちたい。これだけ長々と書いているように、個人的にはこの世代のダークホース…というか過小評価の馬だと思っているので、この馬の能力を発揮できさえすれば春のパフォーマンスなら普通に勝ち負けになると思っている。リードをとって早め仕掛けから長く脚を使えるので、サトノアラジンのような一瞬しか脚を使えないタイプの天敵になるし、それより前で競馬ができる。長く脚を使ってくるワンアンドオンリーに対してこの距離で優位とまでは思わないが、厳しい展開、ポテンシャル勝負だった皐月賞で頑張れていて、TS持続力は未知数。賭ける価値はあると思っている。あとは追切だけだ。


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