ジャパンカップ2014予想
ステイヤー色の強いレースでコケた馬に注目??? ②

夏影
14期 予想歴31年

◎ワンアンドオンリー
  7着/8人気

○イスラボニータ9着/5人
▲エピファネイア1着/4人
△ハープスター5着/2人


さて、ステイヤーが何故ジャパンCが勝てないか?と言えば、 そのヒントは昨年のレースで示されている。
前半62.4の超どスローの流れから、後半のラップは次の通り。
12.4-11.6-11.1-11.1-11.9(58.1)
ゴールドシップが後方からの競馬になり、残り1000㍍地点でから進出を開始したのだが、残り800㍍地点からペースがグッと上ると逆にそのペースに付いていけなくなってしまったのである。

先週のマイルCSの回顧の中で『競馬の変化』についてちょっと述べたが、実は2006年以降ジャパンCの傾向もちょっとした変化が生じている。
それは、2005年以前の競馬は残り400㍍地点から1ハロン11秒台前半のラップが計上される競馬がメインだった。1ハロンのキレが決め手になっていた訳だ。
しかしながら、2006年以降は残り 600㍍地点から2ハロン11秒台前半のラップが計上されるようになった。
おそらく、サンデーサイレンスの仔でなく、サンデーサイレンスの孫を中心にメンバーが構成されるようになった事が起因していると思われる。

この傾向の破綻の可能性は、馬場状態もしくはペースメーカーに依存する事になるだろう。
重~不良になりキレやスピードが殺される馬場になるか、タップダンスシチーのように11秒台の脚をコンスタント持続させて逃げてくれる『逃げステイヤー』が存在しないと厳しい。

そんな訳で、残り600㍍地点からのラップに注目してみたい。

◎⑩ワンアンドオンリー
注目レースはダービーではなく神戸新聞杯。
レースの後半1000㍍のラップは次の通り。
11.9→11.8→11.3→11.6→12.4
前半60.8の流れを後方4頭目からの競馬でラスト1000㍍から進出を開始している。3-4コーナーでもの凄い勢いで捲り上げ、残り400㍍地点でサトノアラジンと叩き合っていた事からも、
11秒台前半→11秒台前半→10秒台→11.6→12.4(おそらく57.5くらい?)
というラップを計上しているものと思われる。
ラスト400㍍からの1ハロンの脚が微妙に11.5を越えているものの、昨年のゴールドシップと同じタイミングで仕掛けても、しっかり前との差を詰める事が出来るほどのラップを刻んでいる事が解る。
さて、実際はどんな競馬だったかといえば、残り1000㍍地点から進出を開始→残り600㍍からサトノアラジンを潰しにかかる→ラスト200㍍はサウンズオブアースと馬体を併せての叩き合いを制する。
本来サトノアラジンを潰して終わってくれるはずの競馬が、更に1ハロンサウンズオブアースとの壮絶な叩き合いが付加された形。
要はサトノアラジンとの競馬で体力を浪費した状態…圧倒的に不利なハンデを背負った状態で、サウンズオブアースやトーホウジャッカルの追撃を凌ぎ切ったのである。
トーホウジャッカルとサウンズオブアースは、直ぐ後の菊花賞で1、2着馬になった事を考えると、この競馬がいかに凄まじい競馬だったかが解る。
菊花賞の予想の時点でこのレースの反動は出ると言い切った通り、菊花賞は正にその通りのリアクションを示しただけの話。この競馬でこの馬の評価を下げるのはおかしな話だ。
昔シンボリルドルフが天皇賞(秋)で2着に敗れているが、その時の内容と今年の神戸新聞杯の内容が非常に酷似している。
シンボリルドルフ級とまでは言わないが、G1タイトルを平気で3つ4つ獲れるような『超一流馬』の実力を有している事を述べておく。
今回も多分例年通りのスローな流れになるだろうし、ダービーのような位置取りからジェンティルドンナやイスラボニータをマークするような競馬になるだろう。しっかりとした目標が自身の枠より内側に入ったお陰で競馬も非常にしやすいはずだ。
迷わず馬券はこの馬から攻めてみたい。

▲④エピファネイア
天皇賞(秋)で本命に推した馬だが(泣)、そもそもが揉まれ弱い馬で、馬群の真っ只中に入ってしまったのはマズかった。
スタートから400㍍地点で鞍上福永が手綱を引いたり弛めたりしている姿からも、道中かなり揉まれていた事が理解出来る。そして、その割には最後はしっかりと伸び脚を見せている。
鞍上福永もこの馬の欠点を良く理解出来たようなので、今回は馬ゴミの外で伸び伸びと走らせる事に気を向けてくれそうだ。
この馬は菊花賞馬で本来このレースでは『切り』の対象になりそうな感じではあるが、そうではない。
父シンボリクリスエスは天皇賞(秋)の勝馬で母シーザリオはオークス馬、母父スペシャルウィークはこのジャパンCの勝馬、産駒のブエナビスタは2年連続でこのレースを1着入線を果たしている。
父、母父ともにターントゥ系で『勝負どころでの反応の良さ』を意識した配合という点では、ワンアンドオンリーと似ている。
実際昨年の神戸新聞杯では、ラスト600㍍地点から10秒台の脚を2ハロン続けており、今回のレースでも切れ味鋭い末脚に期待が持てそうだ。
願わくは、真ん中より外目の枠が欲しいところだったが内側に入ってしまった(泣)。
鞍上が福永かと思いきやスミヨンですか(笑)。
鞍上のマジックに期待してみます。

△⑥ハープスター
ステップ的には非常に面白いのだが、この馬の阪神JF、桜花賞、オークス、札幌記念のパフォーマンスを見てみると、ちょっと不安を感じる部分もある。
この馬のベストパフォーマンスとして選んだレースは札幌記念と桜花賞。
桜花賞はラスト2ハロンが12秒台と止まり、タフさの問われたレースだった。
そんなレースでは、レッドリヴェールを差し切る事が出来たが、阪神JFでは差し切れなかった。
阪神JFのラップを見てみると、ラスト600㍍地点からの2ハロンのラップは11.7-11.6。
ライバルに切れ味鋭い脚を使われるとハープスター自身は苦労する事を示唆している。
それを決定的に証明してしまったのが、オークスの結果である。
ラスト400㍍地点からの1ハロンのラップが11.3と、ひと昔前のジャパンCに似た攻防になっていた。
切れ味が問われたレースとなったレースとなりハープスターは敗れている。
札幌記念の後半のラップは12.1-12.3-12.3-12.0-12.0。
勝負どころで全くペースに変化が無かった為、ゴールドシップと共に動く事が出来たのである。
ジャパンCでは、レッドリヴェールやヌーヴォレコルトよりも力量的に優れた馬がわんさかと出走してくる訳で、スローの流れからラスト4ハロンのタイミングでペースアップが見込まれるレースで、この馬の末脚にアドバンテージがあるのか?と言われれば、ちょっと疑問を感じる。
ただ、日本の古馬牡馬混合のチャンピオン戦出走が初で、斤量も軽くて済む。
ステップ的に張り切って走れる要因があるので丸っきり無印には出来ないが、ちょっと評価を落としてみたい。
正直外枠が欲しかった。
この枠だと、後方まで下げないと揉まれるポジショニングになる公算が高い。
理想の競馬としては、スローの競馬の上がりの速い競馬に対応させたい。
中断よりも前目の外側のポジションでレースを進めたいところだったが…
このレースよりも次走の有馬記念で期待する事にします(泣)。


○⑨イスラボニータ
△③ジェンティルドンナ
ジェンティルドンナは連覇している馬なので、適性的には申し分ない。
天皇賞(秋)では、内枠発走のジェンティルドンナは馬ゴミに入れての競馬で、精神コントロールがしやすかった。
対してイスラボニータは外枠発走でスタート直後のポジション確保に脚を使わされており、それでいてあの結果。明らかに内容としてはイスラボニータの方が高い。イスラボニータを上位に評価しておく。
ジェンティルドンナはまたもや枠順に恵まれた感じ。
イスラボニータは天皇賞(秋)よりはかなりマシな枠。
△①アイヴァンホウ
以前述べた通り、日本の競馬にマッチしそうな血統背景が魅力。

今週は先週よりも洋芝の芝丈が2㌢長目にしてあるようです。
馬群が詰まった状態でレースが進みそうです…イスラボニータとエピファネイアの印入れ替えておきます。

馬券
単勝

馬連
⑩流し→④⑨⑥③①
3連単
⑩→⑨→?流し→④⑥③①
⑩→?→⑨流し→④⑥③①


tipmonaとは?

ジャパンカップ2014回顧
外国人騎手と日本の『一流かぶれ』騎手との違いとは?…

夏影
14期 予想歴31年

次走狙い:ハープスター


今年の天皇賞(秋)の2~3着馬は前走のレースの中心部を担っていた分、かなりストレスを残していたのかなぁ…といった感じの凡走。
逆に勝馬スピルバーグは、最後の直線までレースの流れの外にいた分、あのレースでストレスをさほど受けずに済んだのかなぁ…と今になって思っております。
今週の府中コースはかなり摩擦があり、淀んだペースにもならなかったので馬の内面部分(疲労やストレス面)が良好でないと勝てない図式になっていた。

勝馬エピファネイアは天皇賞(秋)の回顧の時点で『次走の狙い馬』に推奨した通り、天皇賞(秋)を凡走しノンストレス状態。
スミヨンマジックとして、『前走差し→先行』の位置取りを施し馬の気分を変えてやっているところもミソ。福永だったならば折り合いをつける事にばかり拘り、位置取りを下げていた公算が高い。
今回の先行策の効用は、それだけにはとどまらない。
前に1頭脇に1頭というポジションから、馬に圧迫感を与える事も無い。
前走後の福永のコメントの中で『内枠に入るとリズム崩す』という言葉があったが、これはその『圧迫感』に対するリアクションの表れなのだ。
外国人騎手と日本の『一流かぶれ』騎手との大きな違いは、馬を『心を持った生き物』と捉えているかいないかという部分。
以前阪神大賞典でオルフェーブルが暴走気味に掛かった時に、池添は手綱で抑えこもうとして馬を止めしまった。
これは、手綱で『馬を制御』しようとしている表れなのだ。
実は昔岡部幸雄が現役だった頃、こういう場面をどうやり過ごしたかといえばこうだ…
天皇賞(春)にビワハヤヒデに騎乗していた訳だが、道中掛かる素振りを見せたので大声で『ワーっ』と叫び、ジョッキーに注意を振り向かせたようとしたのだ…これが、真の一流ジョッキーのやる事なのだ。
本来馬が主役でジョッキーはアシスタントである。
ジョッキーは馬がスムーズにレースが進められるようにアシストするのが本来の姿なのだが、一流に成り切れないジョッキーというのはどうしても『馬を制御』したがる。
制御という行為は機械に対する行為であり、生き物対して行うものではない。
『馬ゴミに入れる』という行為、本来はどういう効果を狙って行われかをご存じだろうか?
実はコレ、なかなか自分の走りに集中できない馬に対するアシスト的な意味合いが強いのだ。
ごちゃごちゃした馬ゴミに入れる事により、『周囲の馬にぶつからないように真面目に走らなきゃ』と馬に思わせるように仕向ける行為なのである。
とどのつまり、レースに集中出来ないタイプの馬に有効な戦法という事になる。
ただし、エピファネイアのように馬ゴミに圧迫感を感じてしまうような馬には逆効果となる。

2着にジャスタウェイ、3着にスピルバーグが入っている事からも、かなりパワーの問われる馬場状態だったように思える。
エピファネイアの父シンボリクリスエスは優秀なダート馬を輩出しているし、ジャスタウェイの母父ワイルドアゲインも非常に深いダートを得意とする馬を出した。
スピルバーグの母父リシウスは硬質感のあるパワータイプで、ディープインパクトの非力さをカバーしている。
本来なら、本命に推したワンアンドオンリーもパワーのあるタイプなので、勝ち負けに加わっても良さそうなもの。
気持ちがプッツリと切れてしまっている公算が非常に高い。
ハーツクライ産駒に有りがちな現象で、突如として表れるのが特徴だ。
2011年の秋華賞を2着したキョウワジャンヌも秋華賞を2着と頑張った後、突如としてマイルCSを境にパッタリと走らなくなった。
神戸新聞杯のレースがかなりしんどいレースだったので、心身が硬直している可能性もある。
取り返しのつかない事態になる前に、休養に入るなどして状態をリセットして欲しい。

イスラボニータは前走の反動が多少なりともあったかなぁ…といった感じもあるが、もしかしたら『来るべき時が来たかなぁ』という感じがしないでもない。
そもそも、フジキセキ産駒は生命エネルギーが希薄な産駒が多く、中長距離路線で活躍出来る期間が短いのが特徴。そろそろ『終わる』公算が高いので、こういう凡走をした後は疑ってかかった方が良いかも?

外国馬のトレーディングレザーは血統を見て流石にヤバいと思った(笑)、『これでもか!!』っていうくらいの同系配合…これでは心身が硬くなるので、柔軟性の求められる日本の競馬ではちょっと耐えられない。
フサイチコンコルドは何とか成功しましたが、40億円をはたいて買ったラムタラは種牡馬として全く使えなかったという例もある。
結局故障を発生してしまいました。

ハープスターはやはり、レースが向かなかった模様。
後半1000㍍が、11.8-12.4-11.9-11.5-11.8と12秒のラップが1度のみで、なかなか進出出来るタイミングが無かった。
やはり、この馬はゴールドシップと同じ土俵が合うと思われる。
中山2500㍍なら最後に急坂が待っているので、先行馬の3-4コーナーでのペースアップは考え難い。
要はそのタイミングでハープスターやゴールドシップの進出チャンスが生まれるのである。
…という事で、有馬記念ではハープスターの巻き返しに期待。

今年のジャパンカップは馬の内面部分の良好さが問われ、物理特性もしっかり問われいた。
しかも、勝ち馬に位置取りショックが施されていた事からも、今年のベストレースと言えるほどのハイレベルな1戦だったと思います。


tipmonaとは?

最新記事一覧

次の予想をみる >