皐月賞2016予想
全文公開

スカイポット
14期 予想歴19年

◎マカヒキ
  2着/3人気

○サトノダイヤモンド3着/1人
▲リオンディーズ5着/2人
△アドマイヤダイオウ9着/7人
×ディーマジェスティ
×マウントロブソン


期間外予想<2016皐月賞>

 皐月賞は自分が競馬を始めるきっかけとなったレース。毎年、現地観戦をしているため予想に力が入るもので、一昨年、昨年に引き続き1万字を超える予想文になります。昨年は◎△注の順で的中。今年も資料を公開しつつ、なるべく客観的なデータを中心に精度の高い予想ができればと考えています。

『条件』
 まずはトラックバイアス(馬場差)から見ていきます。以下のリンクより資料をご覧ください。
【参考】「2016皐月賞予想・馬場差分析資料」
→http://baryutensei.com/report/1604bt-satTBIdata.pdf
※土曜日のTBIは土曜日の夜に更新予定

 資料右下の「当レースの傾向及び今年の展望」にも書きましたが、中山競馬場は直線が短いため、基本的にはVTBI(縦のバイアス)はデフォルト以内(黄緑色)になっています(バイアス自体が後方有利になったことはなく、激流や馬場荒れが発生しない限り、穴の追込みは出現しない)。
 HTBI(横のバイアス)はフラットを想定。ここ3年連続は前週と前日がフラット~外有利で、結局フラットでしたが、今年も似たような状況です。横がフラットとなれば、枠の差や距離ロスが低減されるため、より能力の高い馬が好走しやすくなりますが、前述のVTBIは前有利のため、4角で中団くらいまで押し上げられるくらいの能力と機動力のある馬、度胸のある騎手でないと届かない結果になりかねません。

 なお、今年は天気予報が雨のため、雨が与える影響についても検討しました。皐月賞の馬場が稍重以上悪くなった年は過去24年で2012年、2010年、2000年、1995年の4回。VTBIの値が高くなる傾向も確認できますが、これらの年で共通して見られるのは、勝ち時計が2分台となり遅いこと、上がり3Fがテン3Fより遅くなる消耗戦となること、その影響もあってか、3角二桁番手かつ4角8番手以降という通常では好走が難しいパターンの馬が馬券圏に入ってきていること(タヤスツヨシ、チタニックオー、ヒルノダムール、エイシンフラッシュ、ワールドエース)です。
 午前中から小雨、あるいは雨が降っていて良馬場だったのは、2006年、2003年、1999年、1992年の4回です。上記同様の傾向が出ているように思うレースもありますが、穴馬はせいぜい差しまで(ドリームパスポート、オースミブライト)で、追込みからは実力上位馬しか出現していません。
一点面白いデータをあげるとすれば、稍重以上悪くなった場合も含めた8年の3着以内馬25頭中、1角の位置取りが5番手以内だった先行馬はミホノブルボン、ジェニュイン、ダイタクリーヴァ、ディープブリランテの、いずれも3番人気以内の4頭だけであることでしょうか。つまり、ある程度馬場が湿ったほうが、意味不明な前残りが起こらないと考えられるのです。

 また、この資料では2007年~2009年における、予想時バイアスと予想レースバイアス(結果)が連動していません。2007年は、逃げ馬と1番・2番人気(レースにおける重心になりやすい)の距離が、残り400mで8馬身くらいもあり、そのために逃げ先行馬が残ったように見えます。また、2008年はテン3Fが36.2秒、3F~6Fが12.5以上となるスローペースにより逃げ馬や内を回った馬が好走しました。2009年は1・2番人気のBPRが逃げというイレギュラーな年でした。これらは展開予想で把握するしかないと考えます。

『展開』
 そこで、次に展開分析をしていきます。以下の資料をご覧ください。
【参考】「2016年皐月賞予想・展開分析資料」
→http://baryutensei.com/report/1604bt-satBPRdata.pdf

 元々、2009年の激流(ハイペースになり複数の先行馬が各自の能力からは考えられない失速をしてしまう展開)を受けて作成した資料です。少し修正をしましたし、読み方が難しいと思うのでご説明(復習)します。
 まず、左側には西暦、展開指数値があります。展開指数は一番右の数値をこちらにもコピーしているだけですので、後述します。「結果」には、ラップ、勝ち時計、前3F、後3F、前後差を表記しています。勝ち時計が1分59秒以下と速かった年に網掛けを、前3Fでは35.0秒以下と速い年に水色で、36.0秒以上と遅い年に薄橙色で網掛けを、後3Fでは4角二桁番手から3着以内に入った馬がいる年に網掛けをしています。また、前後差は前3Fと後3Fの差が-0.8秒以下の場合に薄赤色、0.8秒以上の場合に薄青色の網掛けをしています。

 続いて、その右の「BPR分析」に移ります。左から1~18と並んでいる数字は馬番であり、各年の出走馬のうち、BPR1馬(逃げ馬)に6~8点、BPR3馬(番手先行馬)に2~4点の配点をしています。この配点は資料の真ん中下「★BPR脚質分析について」で書いているルールに従っています。BPR1馬やBPR3馬は自身のベストパフォーマンスを出したレースで逃げ又は先行していた馬なので、本番でも同じ脚質を採る可能性が高く、展開を速めやすいと考えています。また、外枠のほうに掛け率を加えているのは、外に逃げ先行馬が揃った場合は、内の馬で先行したい馬は被されてしまう(外から前に入られると不可抗力的に位置取りが悪くなる)ことを恐れて、内の騎手たちに余計に前に行く動機が生まれることを考慮しています。
 「BPRが前走でなく、前走BPRと異なる位置取り(差し等)だった馬は配点を+2」というのは、例えばサニーブライアンやサンツェッペリンのように、差す競馬を試してみたけど駄目だったことで腹を括れた騎手が思いきって押し出していく可能性が高まることを考慮した配点です。

 右の「展開重心分析」では、1番人気馬と2番人気馬の脚質から流れを速くする可能性を配慮しています。例えば、人気馬が追込み馬であれば、他の有力馬の騎手がそれをマークするため、お互いに牽制して先行馬がそのまま残りやすくなりますし、反対に強い逃げ先行馬がいれば早い段階でそれを負かしに行く動きが発生するためペースは速くなる傾向があります。

 「中心馬分析」は、あまりにも1番人気の馬が抜けているようなケースでは、他の騎手が普通に戦っても勝てないと思い、奇策に出る可能性が高まると想定されることによる配点です。断然人気馬が追込み馬であれば、後ろが牽制しているうちに逃げ残れる可能性があるかもしれないと大逃げを打ったりしますし、断然人気馬が逃げ先行馬なら負かそうと絡んでいく場合もあります。

 「馬場分析」は、皐月賞時に馬場が稍重以上の重さになった場合、前述の傾向が出ていることから、当週に重馬場以上となったかによって事前に把握することとして配点しました。

 それで、過去激流が発生していた1994、2009のポイントが高くなるようにバランシングしたものがこのツール。60ポイント以上は激流発生のリスクに注意が必要であり、薄青に網掛けをしています。
 また、展開指数が25以下かつBPR1馬が1頭以下の場合は、スローペースになるリスクが高まり、内先行馬と決め手のある馬が有利になりますので、桃色に網掛けをしています。この他に、BPR1馬が3頭以上いるレースでは展開が縦長になって有力馬の仕掛けが遅くなると届かないリスクが高くなるため、緑色に網掛けをしています。
 これによって、激流以外の展開による波乱(サニーブライアンらの前残り(メジロブライトが届かず)、セイウンスカイの逃げ切り(スペシャルウィークが届かず)、ノーリーズンの激走(タニノギムレット、ローマンエンパイアが届かず)、ダイワメジャー、メイショウボーラーの粘り(ブラックタイドが届かず)、メイショウサムソンら内枠馬の好走(アドマイヤムーン、フサイチジャンクが届かず)、ヴィクトリーとサンツェッペリンの前残り(アドマイヤオーラ、フサイチホウオーが届かず)、キャプテントゥーレの逃げ切り(ブラックシェルが届かず)、ウインフルブルームの粘り等)を事前に留意することができます。

 今年はBPR1馬1頭、BPR3馬3頭というメンバー構成で、展開指数はスローペースになりやすい17.6と低めの値になりました。スローペースになるリスクは警戒しておくべきでしょう。ただし、有力馬を出走させる陣営が先導馬を用意してきているので、単純にスローになるとも思いません。例えば、キャロットのドレッドノータスは前走が出遅れて後方からの競馬になった反動もあり、積極的に前に行きたいところ、スローでは折り合い面に懸念のあるリオンディーズのアシストになります。また、アドマイヤモラールが出走してきたのは消耗戦向きのアドマイヤダイオウのためにスローに落とさせないためと考えられます。その思惑も踏まえつつ予想しなければなりません。

 具体的な展開を考えてみます。下記は過去3走(左が近走)の各馬の発馬(ゲート出の良さ)と初速(二の脚の速さ)を5段階(◎、○、-、△、×)評価で表示したものです。先行していても出ムチ等、鞍上の指示で位置を取りに行ったものは○にしていません。

【参考】過去3走の各馬の発馬と初速評価
ドレッドノータス (藤岡佑)発馬△○○、初速-○○
ジョルジュサンク (吉田隼)発馬○○-、初速---
マカヒキ     (川 田)発馬△△△、初速△--
アドマイヤダイオウ(福 永)発馬△△△、初速△△-
マウントロブソン (Tベリ)発馬---、初速△×-
ミライヘノツバサ (柴田大)発馬○○-、初速-○-
ウムブルフ    (柴 山)発馬○○-、初速-△○
ミッキーロケット (横山典)発馬×△-、初速××-
ナムラシングン  (田 辺)発馬△△×、初速△-△
トーアライジン  (大 野)発馬△△△、初速×○△
サトノダイヤモンド(ルメー)発馬-○○、初速---
リスペクトアース (石 川)発馬-◎○、初速○○○
プロフェット   (戸 崎)発馬---、初速---
ロードクエスト  (池 添)発馬△△△、初速×××
エアスピネル   (武 豊)発馬---、初速○--
リオンディーズ  (Mデム)発馬-△-、初速○△○
アドマイヤモラール(内田博)発馬○○○、初速○○○
ディーマジェスティ(蛯 名)発馬--△、初速---

 枠順も踏まえると、スタートで前に出るのはドレッドノータス、ジョルジュサンク、ミライヘノツバサ、サトノダイヤモンド、リスペクトアース、アドマイヤモラール。まずは逃げ宣言をしているリスペクトアースが行く気を見せるでしょう。一旦は、リスペクトアース、その外にアドマイヤモラール、内にドレッドノータスという感じで隊列が決まり、リスペクトアースがペース落とす場合にはアドマイヤモラールが外から交わしにかかると考えます。
ハナを譲らないリスペクトアース(前走反動)とアドマイヤモラール(先導馬)が併走し、その後ろの先団が、ドレッドノータス(前走反動、先導馬)、ジョルジュサンク、ミライヘノツバサ。リオンディーズ(持続歓迎)もこのあたりまで出していくと思われます。
アドマイヤダイオウ(持続歓迎)、マウントロブソン(持続歓迎)、ウムブルフ、サトノダイヤモンド、プロフェット、エアスピネルが中団。
その後方集団にマカヒキ(末脚活かすと公言)、ナムラシングン、トーアライジン、ディーマジェスティがいて、最後方にミッキーロケット(先行センス無)、ロードクエスト(先行センス無)がいる展開を想定します。

『条件2』
 当日の天候情報を見ていたところ、今年は当日の風速が強いことがわかりましたので、追加の条件分析として風についても触れておきます。以下の資料をご覧ください。
【参考】「皐月賞開催時の千葉県船橋市の風速・風向」
→http://baryutensei.com/report/1604bt-satWINdata.pdf

 資料中にも解説を書きましたが、風の予想への活かし方はまだ見極められていませんが、大荒れとなった1997年に風が強かったことは留意したいです。

『能力』
 今年も天星指数の算出を条件戦以上で続けており、参考として調整指数を公開します。

【参考】各馬の今年の最高調整指数([]括弧書きは中山での最高調整指数)
4月17日(日)中山11R 皐月賞 中山2000m 軸3<3C>

1.ドレッドノータス(ハービンジャー、SS) 54.0
2.ジョルジュサンク(ヴィクトワールピサ) 57.5
3.マカヒキ(ディープインパクト) 66.7N$
4.アドマイヤダイオウ(ディープインパクト) 62.0
5.マウントロブソン(ディープインパクト) 57.7
6.ミライヘノツバサ(ドリームジャーニー) 54.8S
7.ウムブルフ(ディープインパクト) 55.3N
8.ミッキーロケット(キングカメハメハ) 59.5S[57.9]
9.ナムラシングン(ヴィクトワールピサ) 60.0[56.8]
10.トーアライジン(デュランダル) 49.6S
11.サトノダイヤモンド(ディープインパクト) 62.1◎≠
12.リスペクトアース(マンハッタンカフェ) 54.5
13.プロフェット(ハービンジャー) 57.1N≠
14.ロードクエスト(マツリダゴッホ) 58.1[60.9]
15.エアスピネル(キングカメハメハ、SS) 62.1N$
16.リオンディーズ(キングカメハメハ) 63.7N$
17.アドマイヤモラール(キンシャサノキセキ) 55.4N
18.ディーマジェスティ(ディープインパクト) 58.0≠[56.4]

※調整指数は、1800mのレースでの指数を-0.5、1600mのレースでの指数を-1.5をした値としています。

 能力では、マカヒキ、リオンディーズ、サトノダイヤモンド、エアスピネル、アドマイヤダイオウが上位となります。人気上位馬ばかりですが、それなりの指数差がついていますので中・下位馬の好走は展開やバイアスの助けが必要となるでしょう。

『データアート』、
 続いて、昨年以前まで、予想のメインツールとしていた「データアート」による分析を行います。過去24年の皐月賞の出馬表と結果を分析し、好走パターンについて『称号』を与え、凡走パターンについて「烙印」を付けて、そのバランス等を総合的に分析するといういわゆるデータ予想です。詳細についてはHP上に掲載しているリンクアドレスを紹介させて頂きますので、そちらを参照してください。

【参考】皐月賞「不死鳥データ」
→ http://baryutensei.com/31sats.htm 
(過去実演… http://baryutensei.com/32sats.htm)
 ※初見の方は、先にこちらをご覧頂くことを推奨します。

 最新版のデータアートに照らし合わせて『称号』と「烙印」の分布を出したものが以下となります。

【参考】各馬の称号・烙印分布(ここでの印はデータアートのみに基づくもの)
印 番 馬名        『称号』と「烙印」
  1 ドレッドノータス  「過去光」
  2 ジョルジュサンク  「基礎格」「少連対」「他組削」
◎ 3 マカヒキ      『★上昇格』『★二千績』
注 4 アドマイヤダイオウ 「阪若削」
△ 5 マウントロブソン 
  6 ミライヘノツバサ  「少連対」「記念挑」
  7 ウムブルフ     「少連対」「記念挑」「他組削」「重績不」
  8 ミッキーロケット  「末脚賭」
  9 ナムラシングン   「基礎格」「重績不」
  10 トーアライジン   「基礎格」「少連対」「前大敗」「記念挑」「重績不」
○ 11 サトノダイヤモンド 『★速覇王』
  12 リスペクトアース  「基礎格」「少連対」「前大敗」「先失速」「重績不」
△ 13 プロフェット   
△ 14 ロードクエスト   『★中実績』「末脚賭」
△ 15 エアスピネル    『★短実績』「距離不」「外枠難」
▲ 16 リオンディーズ   『★短実績』「末脚賭」「外枠難」
  17 アドマイヤモラール 「基礎格」「少連対」「前大敗」「距離不」「重績不」「外枠難」
  18 ディーマジェスティ 「剛力疑」「外枠難」

 データアートによる印ですが、今年は称号馬が5頭と豪華であり、その中でも勝率100%の『★速覇王』と複勝率100%の『★上昇格』を持つサトノダイヤモンドとマカヒキが最有力の2頭(この並びは、データ修正を行いにくいマカヒキを上に採ります)。続くのは『★短実績』の付くリオンディーズ。「末脚賭」がついていますが、前走は先行できていることや降雨による馬場荒れが生じればあれば影響は少ないと見ます。同じく『★短実績』の付くエアスピネルは、過去1頭しか馬券に絡んだことのない(1995年オートマチック。同じく『★短実績』を持ち、3着)「距離不」の烙印を持っており△まで。なお、『★短実績』馬は「外枠難」に弱い傾向があるのも少し気になるので付記します。また、『★中実績』の付いたロードクエストは、この称号と相性の悪い「末脚賭」があるのでこれも△まで。称号も烙印もないマウントロブソン、プロフェットにも現状は△を打つことになりますが、称号馬が5頭以上いる年には称号馬で決まるのが基本なので期待薄です。あと、前々走2400mのため「阪若削」に該当したアドマイヤダイオウは、レアケースのため注を打つべきと考えます。

『レース分析・アナログ&データによる各馬分析』
★弥生賞組
 今年の弥生賞は良馬場で行われ、フラットの馬場バイアスで行われたと考えています。ラップは2F目に10.5を踏みながら中盤はやや緩んだものの、ラスト2Fが11.3-11.3という超高速上がりラップとなり、勝ち時計は1.59.9。皐月賞でもおかしくない高速時計の決着となりました。

・マカヒキ(川田)『★上昇格』『★二千績』
 前走の弥生賞は2番人気で優勝しました。毎年ご紹介していますが、過去24年(激流年を除く)の弥生賞馬中、本番馬券に絡んだ11頭中10頭は弥生賞を2番人気以内で勝利しています。具体的には、2番人気以内は(3.3.4.3.0.2)、3番人気以降は(0.0.1.2.0.3))。なお、馬券に絡んだ11頭全てが、当日3番人気(1頭を除けば2番人気)以内に支持されていたことも付け加えると、3番人気以内に推されることは確実なマカヒキの4着以内は堅いと思われます。
 なお、弥生賞(2番人気以内)から皐月賞の連勝が、ハイセイコー、カブラヤオー、ミスターシービー、シンボリルドルフ、アグネスタキオン、ディープインパクト、ヴィクトワールピサといった歴史的な名馬にしか成し遂げられていませんが、調整指数66.7はメンバー1位で抜けていますので、これらの名馬に並んでも不思議ではありません。
 データアートでは、現在馬券圏100%である『★上昇格』該当馬であり、『★二千績』も該当しています。また、『★速帝王』にも接近しており(新馬戦が2000mだったら該当)、調べたところ、前2走が2000mのOPクラス(中山を除く)+弥生賞の連勝馬5頭(アグネスタキオン、コスモバルク、ディープインパクト、ヴィクトワールピサ、トゥザワールド)全てが皐月賞で連対しています。
 超高速上がりラップとなるレースで3連勝してきたこと(初めてのケース)、前走も中山で上がり2Fが11.3-11.3というレースを4角8番手から差し切るという強烈な末脚を有していることから、中盤緩まないラップへの対応力は未知な部分があるものの、G1でも馬券になると考えるのが自然です。

 さらに弥生賞の関連データを紹介すると、過去24年の弥生賞6着以内馬のうちの上がり1~2位馬について、当日7番人気以内馬の皐月賞とダービーの成績は下記のとおり。
皐月(5.2.4.6.2.13)勝率15.6%、連対率21.9%、複勝率34.4%
優駿(7.4.7.1.3.6)勝率25.0%、連対率39.3%、複勝率64.3%

 弥生賞勝ち馬はダービーに関連性が高いということは昔から言われているのですが、上がり上位馬なので、やはりダービーのほうが成績は良いということですね。さて、このデータは父SS系に絞ると下記になります。
皐月(4.0.2.3.1.4)勝率28.6%、連対率28.6%、複勝率42.9%
優駿(6.3.4.0.0.2)勝率40.0%、連対率60.0%、複勝率86.7%

 皐月賞は取りこぼすこともありますが、ダービーはほとんど来るようなデータになりました(着外はアドマイヤジャパンとデボネア)。さて、このデータを更に弥生賞の上がり1位馬かつ当日3番人気以内に絞ったのが下記。
皐月(4.0.1.0.0.1)勝率66.7%、連対率66.7%、複勝率83.3%
優駿(4.2.1.0.0.0)勝率57.1%、連対率85.7%、複勝率100.0%

 該当馬は名馬が多いですが(着外は直前に体調不良を起こしたアドマイヤベガ)、皐月賞も勝ち負け当然という形になりました。最後まで該当しているマカヒキには、ダービーも込みで期待できると考えます。調教も素晴らしい時計が出ており状態も良好と判断します。
 一方、懸念材料としては、今年は称号馬が多いこと、「末脚賭」にぎりぎり該当しなかった程度なのですが、発馬があまり良くないこと。後方に下げすぎて大外を回すような展開や内に突っ込んで脚を余すおそれはあります。
 過去12年(激流の2009年、東京開催の2011年を除く10年)の皐月賞で、3角で二桁番手かつ4角で8番手以降にいた上位人気(3番人気以内)馬の結果は(0,1,2,2,1,2)で、人気以下の着順となっています。展開分析でマカヒキはこれに該当しており、勝ち切れるかには不安を残します。

【参考】過去12年(2009、2011年を除く)で、皐月賞で3角二桁番手かつ4角8番手以降にいた3番人気以内馬
2004年 ブラックタイド 2番人気16着(17-18-14-15)
2006年 アドマイヤムーン1番人気4着(13-15-12-12)
    フサイチジャンク2番人気3着(13-13-10-9)
2007年 アドマイヤオーラ1番人気4着(16-15-13-12)
    フサイチホウオー2番人気3着(13-12-11-9)
    ドリームジャーニー3番人気8着(17-17-16-16)
2008年 ブラックシェル 2番人気6着(9-11-11-8)
2012年 ワールドエース 2番人気2着(17-17-17-15)

 更に、川田騎手を不安視する声もありますが、桜花賞はギャンブルをしなければならなかった立場ですし、中山重賞の実績もある騎手ですから必要以上の心配は要らないと考えます。

・リオンディーズ(Mデムーロ)『★短実績』「末脚賭」「外枠難」
 新馬戦では終始引っ掛かったままで中弛み超高速上がりラップ(上がり2Fが11.1-11.0の加速ラップ)で優勝していたことから器は感じさせましたが、朝日杯では後方待機で折り合いをつけ、指数が抜けていたエアスピネルを豪快に差し切りました。
 前走の弥生賞では、ゲートを出てから行きたがったため4番手まで出していきました。この時のロスはレースに影響を与える程の消耗はなかったと見ています。序盤の厳しいラップに巻き込まれたとして評価を上げる考え方もありますが、走法はダイナミックでパワーがあるように見えるため、私は前にいたからこそのパフォーマンスと考えています(後方にいたとして、マカヒキと同じ脚が使えたとは思いません)。もちろん、休み明けだった分の上積みがないとは言えませんが。
 データアートでは前々走の馬柱から「末脚賭」がつきますが、デムーロ騎手は折り合いがつく程度までは前に出していくと思います。外枠ならその点自由がききますし、好走可能性は高いように思います。調教内容は直前追い切りは抑える形でしたが、1週前まで好時計を出しており、こちらも状態に不安は感じられません。
 朝日杯優勝かつ弥生賞連対馬というとエイシンチャンプしかおらず、朝日杯優勝かつスプリングS優勝馬というとロゴタイプ、ナリタブライアン、ミホノブルボンしかいないのですが、現状の成績でもその優秀さがわかると思います。

・エアスピネル(武豊)『★短実績』「距離不」「外枠難」
 昨年のデイリー杯は楽な手応えで小倉2歳Sを楽勝していたシュウジに3馬身半差の圧勝、朝日杯では差しに回って、引き続き楽な手応え直線を向いたのですが、リオンディーズの鬼脚に屈してしまいました。走法的にもストライドが大きくないので、加速や機動性に優れた末脚を有しているといえるでしょう。
 前走の弥生賞では発馬後すぐに抑えられており、リオンディーズを逆にマークする形になりました。1角まで馬が口を割っていたので少しロスがあったように思います。直線ではリオンディーズと同じ上がり3F34.4秒(上がり2位)の末脚で追いかけましたが、並びかけるまでに至らず、マカヒキにも交わされてしまいました。
 指数差的にはまだ馬券圏内であり、穴といった穴のいない今回は好走を期待したいところですが、データ的にネックとなるのが、1800m以上連対なしを意味する「距離不」への該当。昨年はダノンプラチナがこの餌食となりました。内枠だったコスモサンビームやマイネルレコルトは4着には来ているので、内枠が欲しかったところでしたが外枠を引きました。武豊騎手がスタートから仕掛けて前の位置を取りに行くのは想像できず、逆転は難しくなったと思いますが、他の上位馬にミスや不利があれば浮上できる壁役として評価します。

★スプリングS組
 今年のスプリングSは良馬場で行われ、フラットの馬場バイアスで行われました。想定通り、マイネルハニーがマイペースで逃げ、ラップは前3F36.0秒、中盤3F35.9秒、上がり3F36.2秒のミドルペースとなり、マイネルハニーが逃げ粘るところ、先行していたマウントロブソンが最後のひと伸びを見せて、これを交わしました。単勝1.7倍の1番人気に推されていたロードクエストは相変わらず後方からの競馬で直線末脚を伸ばしましたが、クビ+クビの0.1秒差3着でした。

・マウントロブソン(Tベリー)
 あすなろ賞では二の脚がなく後方に下がっていたので先行力がないタイプだと思っていたのですが、スプリングSではシュタルケ騎手がスタートから出ムチを入れて先行させ、コーナーロスをせずに流れに乗って、この馬の長所である持続に優れた末脚を十分に繰り出すことで勝利をモノにしました。シュタルケ騎手は昨年のベゴニア賞でも人気薄のニシノジャーニーでマイネルハニーを差し切っていましたし、この日の条件戦でカープストリーマーを勝たせているのも指数分布からすると驚くべきです。今回改めて腕利き外国人騎手だと認識しました。ディープインパクト産駒は成長力があるので、更なる上積みもゼロではないでしょうが、現状の指数差からすると、皐月賞で馬券圏に入れるほどのパフォーマンスは難しいのではないでしょうか。
 データ的な観点では、この馬は勝ち上がりに3戦を要しています。過去24年の3着以内馬で、初勝利に3戦以上かかっている馬もちらほらと見受けられますが、その多くが短距離やダートで負けていたもの。2戦目で芝1800m以上を使って負けた馬はメイショウサムソンとドリームパスポートしか該当例がありません(ドリームパスポートの2戦目はメイショウサムソンに敗れたもの)。この2頭に共通しているのが、勝ち上がったレースで0.4秒差以上の楽勝をしていることと、1800m以上のOP・重賞を4走して全て馬券に絡んでいること。皐月賞時には通用できる能力の証明ができていた馬たちであり、マウントロブソンの戦績では物足りないと思います。

・ロードクエスト(池添)『★中実績』「末脚賭」
 スプリングSでは別の乗り方も示唆していましたが、出遅れ癖はそう簡単には直らず、また、ラップも緩まなかったので道中に進出するタイミングもなく、結局、後方からの直線勝負になってしまいました。レースのラスト2Fは11.6-12.6と1秒も落ちているのですが、ロードクエストのラスト1Fは推定12.1止まり。ホープフルSでも最後の1Fで失速していて物足りなかったのですが、距離が短くなって、状態も前走以上と見られた今回も同様の結果となってしまったのは厳しいですね。皐月賞も中盤ラップはそれほど緩まないでしょうから、陣営にとっては頭の痛い状況になったと思います。指数はホープフルSから更に下げていることからすると、敗因は早熟の線も考えるべきと考えています(なお、走法的には中山もこなせるタイプと見ていたので、東京に替わってパフォーマンスが上昇するかはわかりません)。
  データアートからの観点では、『★中実績』と「末脚賭」が付くのですが、このパターンは過去にワンアンドオンリー、アドマイヤムーン、ラガーレグルス、アドマイヤベガ、メジロブライト、ウイニングチケットが馬券に絡めずに敗退しており、どちらかというと人気以下の凡走を警戒すべきでしょうか。なお、今年のデータアート更新で、ラジオNIKKEI杯に当たるレースを、重賞となったホープフルSも読み込めるように改正しましたが、中山2000mOP以上は勝利のみを条件としたままに戻して、称号を消すという方向性も残っています。
 なお、過去24年で、前走の4角の位置取りが二桁番手で馬券圏に入ったのは73頭中4頭(ワールドエース、ドリームパスポート、シックスセンス、タニノギムレット)しかいませんし、本番の4角が二桁番手で馬券圏に入ったのも13頭しかおらず、展開指数セルが桃色に網掛けされている(スロー想定の)年では、レベルの低かった2000年のチタニックオーしか馬券圏内に入った例がありません。池添騎手は馬の能力を引き出して一発を狙える騎手ですが、外枠を引いたことで内を捌くのも難しくなりました。
 ただし、馬場悪化時の穴パターンが追込称号馬なので、雨の影響が大きければ狙い目が出てくる可能性があります。楽勝した新潟2歳Sも稍重馬場でした。

・ミッキーロケット(横山典)「末脚賭」
 指数は人気と比べると高めですが、スタートが遅い馬で、前掲の前走の4角の位置取りが二桁番手というマイナスデータに該当しています。
 また、1勝馬というのも目につきます。過去24年で1勝馬が馬券に絡んだことは数例ありますが、OPクラスの連対がなく好走したのはダイワメジャーだけ。それも重賞3着、芝キャリアは2戦だけでした。芝キャリア5戦でOP連対のないこの馬はやはり地力不足と評価したいと思います。

・ドレッドノータス(藤岡佑)「過去光」
 前走は中団やや後方から競馬をして直線伸びず、見所がありませんでした。能力が足りない可能性もありますし、予想時に指摘していたように、走法的に中山は向いていないように思います。
 過去24年で、前3走中に中山の重賞で7着以下を経験している馬は(0.2.1.3.5.67)で、馬券圏に好走したセイウンワンダー、サンツェッペリン、オースミブライトは中山の重賞勝利馬。データアートでも消去データに該当していますし、難しいと見るべきでしょう。

★若葉S組
 今年の若葉Sは稍重馬場で行われ、フラット程度の馬場バイアスで行われました。ラップは、12.8-11.4-13.0-13.0-11.6-12.3-12.0-11.7-11.9-12.5。中弛みスローペースになるかというところでアドマイヤダイオウが先頭に並びかけていったため、中盤以降はミドルペースの展開となりました。逃げ先行馬やこの時つられて動いた馬は直線で持ち指数以上に失速しているので、この時の負荷が大きかったのではないでしょうか。

・アドマイヤダイオウ(福永)「阪若削」
 若葉Sでは13秒のスローペースラップに落ちたところで抑えが効かなくなり、デムーロ騎手は馬を行かせたほうが良いと判断、5F目の11.6秒につながりました。自ら動いてレースの流れを変えた負荷は大きく、直線では一度後方から来たナムラシングンに完全に交わされたものの、最後踏ん張って差し返しました。このような差し返しはあまりお目にかかれるものではなく、中盤の負荷も考慮すればナムラシングンよりも1~2枚上ではないかと考えます。
 データアートでは「阪若削」に該当していますが、この烙印は切るラインの確度に自信がない(前2走に2000m超を使用して5番人気以内に推された馬は過去24年でエモシオン、アタラクシアだけ。皐月賞トライアルを勝利して人気になる馬はいませんでした)ので、アナログではとりあえずこれを無視して相手候補として評価します。

・ナムラシングン(田辺)「基礎格」「重績不」
 昨年暮れの阪神2000mの条件戦では序盤掛かった影響もあってサトノダイヤモンドに完敗。年明けの京成杯でもプロフェット相手に8着と惨敗していた馬ですが、ここに来て馬が成長してきたのか、2戦連続で指数を伸ばして皐月賞への出走権を獲得しました。先週の桜花賞ではヴィクトワールピサ産駒のジュエラーが優勝しましたが、成長力という面で評価できる血統なのかもしれません。
 京成杯の8着は後方から外を回したロス等があり、指数的には勝ったプロフェットとほぼ同等なので、中山が苦手ということはないと思いますが、おそらくは後ろから行くことになる点は不利になるでしょう。
 過去24年で、前3走中に中山の重賞で8着以下を経験している馬は(0.1.1.0.4.53)(馬券圏好走馬は既出のとおり)。データアートの消去データへの該当もありますし、指数と人気の比較では妙味がありますが、普通に考えると難しいです。

★その他の臨戦馬
・サトノダイヤモンド(ルメール)『★速覇王』
 3戦無敗できさらぎ賞から直行という臨戦。通常であればこういう馬は軽視するのですが、内容が一味違います。手応え十分で楽勝という言葉だけでは足りません。新馬戦のレースの上がり3Fが11.7-11.7-11.5、条件戦の同3Fが11.8-11.5-11.3。きさらぎ賞の同3Fが11.7-11.9-11.3。これらのレースを全て手応え十分で楽勝しているのですから、全く底を見せていません。また、レースに行って先行センスもあり、折り合い面に不安はなく、賢い印象を受けますし、走法は中山の急坂にも対応できるパワーを兼ね備えているように見えます。2億4千万という高額落札馬であることも話題になりますが、2億台まで金子オーナーが競っていたとの噂もありました。データアートではアグネスタキオン以来の『★速覇王』が点灯。過去の該当馬同様、芝無敗で皐月賞を優勝しても不思議ではありません。
 しかしながら、指数を重視する身としては、今年のハイレベルなメンバー相手にトライアルを使わないで、強敵と戦わずして易々と勝ち切れるのか、と反抗したくなるところもあります。サトノダイヤモンドの過去3戦中、相手の指数トップはロイカバードの58.6にすぎません。調教内容も他の3強と比べればレベルが落ちます。また、ルメール騎手が乗ることはプラスでしょうが、ルメール騎手が選んだということで評価するのはどうか。その判断の要素に社台の意向がないとは思えませんし、巡り合わせだと思います。また、データアートの称号も、実は過去の該当馬の前走着差は0.7以上で、全て3月以降のレースを使っており、サトノダイヤモンドが凡走した場合の修正も容易です。
 いずれにせよ、現状の指数でもエアスピネルと互角、伸びしろもありそうで能力的には十分通用できますし、先行センスがある分の優位も考えると、勝ち負けを争える可能性が高いという評価になります。

・ディーマジェスティ(蛯名)「剛力疑」「外枠難」
 前走の共同通信杯ではホープフルS馬ハートレー、東スポ杯馬スマートオーディン相手に優勝、そこからの直行となります。
 冬から春の東京開催はバイアスがおかしくなりがちで、極端な内先行有利になることもしばしば。今年も例外ではなく、共同通信杯時のバイアスは内先行有利でした。そこを最内から伸びてきていた点はマイナス方向での評価となります。加えて、蛯名騎手はなぜか1800mを得意としており、ハンソデバンドやショウナンアルバのパターン(本番では来ない)ように感じます。
 前述の2強を破ったことを評価される向きもありますが、差し優勢の条件で結果を出していたスマートオーディン、中山向きの走法で東京は半信半疑だったハートレーはそれぞれ条件が向かない危険がありました。そして、スマートオーディンは差し優勢の条件である毎日杯で巻き返して勝利したところを見るに、2頭は単に自身に向かない条件で自滅しただけであり、これに勝ったことは特に評価するに値しないと考えます。
 「剛力疑」に該当しつつ、中山への対応は特に問題ないと思いですが、前掲の2戦目に芝1800m以上の未勝利戦を使って負けた馬に該当しており、そもそもの能力が足りない(イモータルと大差ない)と見て軽視します。

・プロフェット(戸崎)
 データアートとしては、称号も烙印もつかなかったのですが、指数は下位のほうであり、血統面でも不安材料があります。ひとつは、父がハービンジャーなのでND系ですが、ここ11年の皐月賞において、父ND系の馬が馬券に絡んだのはメイショウサムソン、サンツェッペリン、ロゴタイプの3頭だけ。昨年も出遅れがあったとはいえ、サトノクラウンが圏外に敗れました。また、この馬の母父はタニノギムレットですが、皐月賞はSS系の活躍が目立ち、過去11年の馬券圏内馬33頭中28頭にSS系が入っています(うち父系に入っているのが21頭)。SS系が入らなかった好走馬は、ND系のメイショウサムソン、サンツェッペリン、MP系のエイシンフラッシュ、RO系のヴィクトリー、マイネルチャールズしかいないというのがマイナスデータになります。
 以上により、軽視妥当と判断します。

・ジョルジュサンク(吉田隼)「基礎格」「少連対」「他組削」
 過去24年の皐月賞において、すみれSの勝ち馬は4着(1998年エモシオン4番人気)が最高で、その他10頭はいずれも6着以下に惨敗しています。OP戦の2200mからG1の2000mに変わることで、道中の流れが厳しくなり、底力が求められるため、対応が厳しくなるのではないでしょうか。エモシオンは1200mを先行して勝ち上がり、1700mのつわぶき賞でミドルペースを先行して0.6差の圧勝をするなど、1800m未満の距離で速い流れに乗って好走するという実績を積んでいました。
 他方、4番人気で9着に敗れたアタラクシアなどは1800m未満の距離を使っていないどころか、中距離のレースでも前3Fが後3Fより1.5秒以上も遅いようなスローペースのレースばかりを使っていました。ジョルジュサンクは近5走とも2000m以上の距離を使い、展開も(中弛み)スローペースのレースが多いため、好走できないパターンと考えられます。この馬も2戦目に中距離の未勝利戦で負けていますね。

 その他の馬はデータアートで烙印が多くついているのでコメントを割愛します。もしも自分が馬主なら、馬柱に名を連ねるだけでも名誉だと思ってしまう今年の皐月賞ですね。

『まとめ』
◎3マカヒキ(進路がなくならない限り、3着までには入れる能力を評価)
○11サトノダイヤモンド(楽にエアスピネルと同等の指数。軽視できない)
▲16リオンディーズ(抑えが効くかどうか)
△4アドマイヤダイオウ(気楽な立場なら騎手不安なし)
△15エアスピネル(上位馬のミス次第だが、能力は僅差で浮上もありえる)
(馬場が稍重以上に悪化した場合の候補)
注14ロードクエスト(チタニックオーのような激走を期待できるかも)
注9ナムラシングン(パワー、成長力がありそうな血統で指数も上昇中)

 結局は人気所が中心となってしまいましたが、過去の皐月賞予想を糧にした渾身の予想です。参考になる部分があれば拍手を頂ければ励みになります。
http://www.keibanande.net/?m=pc&a=page_l_syousai&target_yosou_id=44937


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皐月賞2016回顧
1ピース抜けた・・・

スカイポット
14期 予想歴19年

次走狙い:マカヒキ


 先週末は皐月賞の予想を競馬ナンデのツイキャスで行いました。競馬ナンデの予想陣の傾向では、3強についてリオンディーズ重視、マカヒキ軽視とする見解が多かったようですが、逆さの順番をつけた予想をお話させて頂きました。ご視聴頂いた方のマカヒキ等の評価の参考になっていれば良いのですが、結局のところ勝ち馬であるディーマジェスティの素質を見抜けませんでしたので、ご評価頂けないとも思います。今年も皐月賞は難解さを見せつけてくれました。どう結果を受け止めるべきか難しいレースですので、しっかり回顧していきたいと思います。

 今年の皐月賞は、非常に強い南風が吹く中で行われました。しっかり固定したブルーシートが吹き飛ばされてどこかへ消えてしまったくらいです。お昼頃から2時間ほど降雨があり、馬場も一度は湿りましたが、強風によって乾くスピードは速かったのではないかと思います。バイアスは9Rでは内前残りが発生していて、極端なバイアスではなかったと考えています(だからこそ、池添騎手が内を狙っている)。想定通りフラット~外差し有利の間であり、極端な外差し有利に見えるのは、風や展開の影響によるものでしょう。

 風は、気象庁による千葉県船橋市の15時40分の気象データによると、平均風速が南南西の風7.2m、瞬間最大風速が15.5mでした。ここ20年の皐月賞の中ではダントツに強かったです。競馬では5~8mくらいから影響があるのではないかと言われているので、影響はあったと思われますが、突風が吹くタイミングが不明である以上、ツイキャスで話していた追込み有利に働いたかも含め、断定的なことは言えません。この面でも、今回の結果を額面通り受け取ってよいかはわからない所があります。

 展開については、1角まで追い風を受けていること、馬場は急速に乾いていったはずなので9Rの時計が参考にならないことから、テン3F34.2秒がレースを破壊する程のハイペースであったかはわかりません。1角で3番手以内にいた4頭中3頭が下位を占める惨敗となったことを見れば激流並みのハイペースにも思えますが、有力所が上位に入線していますし、激流として指数計算すると2番手で競馬をしながら最後までしぶとく粘ったリオンディーズの指数が抜けて高い値となります。しかし、エアスピネルとの能力評価からして大差がつくとは思えず、惨敗した馬たちは強風の影響で精神的に切れてしまった結果とも考えられるため、慎重な評価をしておくべきと判断しました。リオンディーズは今回速い流れを先行してしまい、今回の流れでも掛かってしまうくらいですので、距離が長くなって溜めが必要となるダービーでは乗り方が難しいでしょうしね。

続きは競馬ナンデメルマガにて。


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