日本ダービー2016予想
2016年ダービー予想第五版

スカイポット
14期 予想歴19年

◎マカヒキ
  1着/3人気

○サトノダイヤモンド2着/2人
▲ディーマジェスティ3着/1人
△ヴァンキッシュラン13着/6人


 世代の頂点を競う日本ダービー、今年もしっかり予想していきたいと思います(長文になります)。

5月29日(日)東京10R 日本ダービー 東京2400m

1.ディーマジェスティ(ディープインパクト) 64.4↓<指数2位>
2.マイネルハニー(マツリダゴッホ) 56.7↓
3.マカヒキ(ディープインパクト) 66.2N$↓<指数1位>
4.レインボーライン(ステイゴールド) 58.3↓↓
5.エアスピネル(キングカメハメハ) 62.1↓<指数5位>
6.アグネスフォルテ(ハービンジャー) 56.0S
7.ロードクエスト(マツリダゴッホ) 58.3↓
8.サトノダイヤモンド(ディープインパクト) 62.2↓<指数4位>
9.マウントロブソン(ディープインパクト) 61.0↓
10.スマートオーディン(ダノンシャンティ) 60.0S
11.アジュールローズ(ヴィクトワールピサ) 52.5↓
12.リオンディーズ(キングカメハメハ) 63.2↓<指数3位>
13.レッドエルディスト(ゼンノロブロイ) 60.3
14.ヴァンキッシュラン(ディープインパクト) 61.1<指数6位>
15.イモータル(マンハッタンカフェ) 57.3↓
16.ブレイブスマッシュ(トーセンファントム) 54.4↓↓
17.プロフェット(ハービンジャー) 56.6N↓
18.プロディガルサン(ディープインパクト) 57.0

◇スカイポットによる予想(天星指数及びリスク)の見方
→http://baryutensei.com/008tenseiindex.htm

<傾向分析>
1.上がり実績
 過去11年の馬券圏内馬33頭中、上がり連対実績がなかったのは0頭(芝に限定するとアポロソニックのみ該当)。上がり連対実績が条件戦以上でなかった馬は3頭(アントニオバローズ、ベルシャザール、アポロソニックでいずれも3着)だけ。また、勝ち馬はメイショウサムソンを除く10頭がマイル以上の重賞で上がり1位経験を持ち、連対馬でマイル以上の条件戦以上の上がり1位実績がなかったのはアサクサキングスとイスラボニータのみ。BPR1~5(逃げ~先行)馬を除けば、ほぼ全ての馬が条件戦以上で上がり1位実績を持つ(例外はイスラボニータだけ)。

2.血統系統
 父はSS系が多く、過去11年の3着以内馬33頭中21頭に入っている。次はND(ノーザンダンサー)系だが5頭、MP(ミスタープロスペクター)系4頭(いずれもキングマンボ系)、RO(ロベルト)系3頭と圧倒的である。母父はND系が多く、33頭中12頭に入っていて、SS系6頭、MP系4頭、GS(グレイソヴリン)系3頭、RO系2頭、NB(ネヴァーベンド)系2頭と比較してこちらも優勢である。

3.指数
 多くの年では、距離により調整した指数の上位1位~6位馬が馬券圏を占めている。青葉賞や京都新聞杯からの臨戦から馬券圏に入れたのは指数59台以上、マイルからの臨戦から馬券圏に入れたのは指数63台以上だった馬がほとんど。2013年のアポロソニックは事前指数が低く、先行(タフ)系SHP馬だったと認識するしかない。2014年3着で穴をあけたマイネルフロストも指数8位だった。指数11位以下は軽視したい。

4.手応え
 オークスと比べて、手応えの良い馬でも末脚SHPが強烈な高指数馬は順当に好走でき、手応えの悪い馬も逃げ先行馬かつ東京又は京都で重賞好走実績があれば可能性がある。 

5.走法
 オークスと同様、脚が長く見える振り出し走法馬の指数上昇に警戒をする。

6.コース適性
 オークスと同じ条件だが、前5走における東京、京都、小倉、新潟の芝1800m以上のレースで、未勝利戦又は条件戦の4着以下かつ0.4秒差以上負け、OP以上の6着以下かつ0.6秒差以上負けがある馬の3着以内は過去11年でいない。

 上記の観点から今年のレースを予想していきます。

まず、ダービー勝ち馬の傾向であるマイル以上の重賞で上がり1位実績を持つ馬は、ディーマジェスティ(G3)、スマートオーディン(G2)、マカヒキ(G1)、ロードクエスト(G1)、リオンディーズ(G1)、エアスピネル(G2)、サトノダイヤモンド(G3)、レッドエルディスト(G2)。傾向からは、この8頭のいずれかが勝利する可能性が高いということになります。なお、マイル以上の条件戦、OPでの上がり1位実績馬はレインボーライン(OP)、プロディガルサン(OP)。
 今年はハイレベルの皐月賞上位馬がいずれも勝ち馬の傾向に該当しています。

 続いて、父の血統にSS系、母の血統にND系を持つ馬をプラス評価します。前者は、ディーマジェスティ、スマートオーディン、マカヒキ、ロードクエスト、ヴァンキッシュラン、マウントロブソン、サトノダイヤモンド、レインボーライン、ブレイブスマッシュ、マイネルハニー、レッドエルディスト、アジュールローズ、プロディガルサン、イモータル。後者は、スマートオーディン(※)、マカヒキ(※)、ロードクエスト(※)、ヴァンキッシュラン(※)、サトノダイヤモンド(※)、レインボーライン(※)、アジュールローズ(※)、プロディガルサン(※)、アグネスフォルテ。※は両方該当

 今年は指数60以上が9頭いて、10番目との指数差が1.7あるので、指数10位以下のロードクエスト、プロフェット、レインボーライン、ブレイブスマッシュ、マイネルハニー、アジュールローズ、プロディガルサン、イモータル、アグネスフォルテを消しとします。

 コース適性では、スマートオーディン、レインボーライン、マイネルハニー、アジュールローズ、イモータル、アグネスフォルテが軽視条件に該当します。

 手応えと走法は特筆すべきものがあれば以下の各馬展望(残留馬のみ)に記載します。

 ここまではオークスと同じ分析項目で見ていきました。今回のダービーで難しいのは、残ったのが上位人気の見込まれる馬ばかりであること。もう少し分析を進めてみます。まずは伝家の宝刀、データアートの評価から。
※データアートの詳細は下記リンク参照
http://baryutensei.com/31derb.htm

【2016年】
印 番 馬名          『称号』と「烙印」
◎ 1 ディーマジェスティ   『★皐月追』
  2 マイネルハニー     「関連無」「基礎格」「前大敗」「先失速」
○ 3 マカヒキ        『★皐月詰』『★弥生差』
  4 レインボーライン    「関連無」「哩杯削」「別路落」
△ 5 エアスピネル      
  6 アグネスフォルテ    「基礎格」「少勝利」「別路落」
△ 7 ロードクエスト     
▲ 8 サトノダイヤモンド   『★如月堅』『★好相楽』
  9 マウントロブソン    「関連無」「先失速」
△ 10 スマートオーディン   
  11 アジュールローズ    「関連無」「先失速」
  12 リオンディーズ     「先失速」「弥生削」
  13 レッドエルディスト   「関連無」「別路落」
△ 14 ヴァンキッシュラン   
  15 イモータル       「関連無」「前大敗」「少勝利」「哩杯削」「別路落」
  16 ブレイブスマッシュ   「関連無」「前大敗」「哩杯削」「別路落」
  17 プロフェット      「関連無」「皐月惨」
  18 プロディガルサン    「関連無」「前大敗」「別路落」

 データアートの観点からは、マカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティに称号が付き上位評価に、馬券圏の可能性としてスマートオーディン、ロードクエスト、ヴァンキッシュラン、エアスピネルが残りました。
指数上位のうち、リオンディーズ、マウントロブソン、レッドエルディストはそれぞれ2つの減点データに該当しています。ディーマジェスティが1番人気の想定ですが、異なる場合には称号と印が変化します。

 続いて、過去24年の、皐月賞1着馬(★)、同2着馬(☆)、同3着馬(*)、同1番人気馬(◆)及び弥生賞馬(◇)の、東京・京都のマイル以上の重賞(マイル重賞は当年のみ)又は1800m以上のOPにおける3着以内実績馬のダービー成績を確認しましょう。(不出走馬を除く)

2016:★ディーマジェスティ(共同通信(1)→?)、☆◇マカヒキ(若駒S(1)→?)、*◆サトノダイヤモンド(きさらぎ(1)→?)
2015:★ドゥラメンテ(共同通信(2)→1着)、☆リアルスティール(共同通信(1)→4着)、*キタサンブラック(なし→×)、◆◇サトノクラウン(東スポ(1)→3着)
2014:★イスラボニータ(東スポ(1)、共同通信(1)→2着)、☆◆◇トゥザワールド(若駒S(1)→5着)
2013:★◆ロゴタイプ(なし→5着)、☆エピファネイア(京都2歳(1)→2着)、*コディーノ(東スポ(1)→×)
2012:★ゴールドシップ(共同通信(1)→5着)、☆ワールドエース(きさらぎ(1)→4着)、*ディープブリランテ(東スポ(1)、共同通信(2)→1着)、◆グランデッツァ(なし→×)、◇コスモオオゾラ(なし→×)
2011:★オルフェーヴル(シンザン(2)、きさらぎ(3)→1着)、☆◆◇サダムパテック(東スポ(1)→×)
2010:★◆◇ヴィクトワールピサ(京都2歳(1)→3着)、☆ヒルノダムール(若駒(1)→×)、*エイシンフラッシュ(萩(3)→1着)
2009:★アンライバルド(京都2歳(3)、若駒(1)→×)、☆トライアンフマーチ(なし→×)、*セイウンワンダー(なし→×)、◆◇ロジユニヴァース(なし→1着)
2008:☆タケミカヅチ(共同通信(2)→×)、*◆◇マイネルチャールズ(なし→4着)
2007:★ヴィクトリー(なし→×)、☆サンツェッペリン(なし→4着)、*フサイチホウオー(東スポ(1)、共同通信(1)→×)◆◇アドマイヤオーラ(シンザン(1)→3着)
2006:★メイショウサムソン(東スポ(2)、きさらぎ(2)→1着)、☆ドリームパスポート(京都2歳(2)、きさらぎ(1)→3着)、*フサイチジャンク(若駒(1)→×)、◆◇アドマイヤムーン(共同通信(1)→×)
2005:★◆◇ディープインパクト(若駒(1)→1着)、☆シックスセンス(京都2歳(3)→3着)、*アドマイヤジャパン(なし→×)
2004:★ダイワメジャー(なし→×)、☆◆◇コスモバルク(なし→×)
2003:★◆ネオユニヴァース(きさらぎ(1)→1着)、☆サクラプレジデント(なし→×)、*◇エイシンチャンプ(京都2歳(1)→×)
2002:★ノーリーズン(なし→×)、☆タイガーカフェ(なし→×)、*◆タニノギムレット(シンザン(1)、NHKMC(3)→1着)、◇バランスオブゲーム(なし→×)
2001:☆ダンツフレーム(きさらぎ(2)→2着)、*ジャングルポケット(共同通信(1)→1着)
2000:★エアシャカール(なし→2着)、☆◆ダイタクリーヴァ(シンザン(1)→×)
1999:★テイエムオペラオー(なし→3着)、☆オースミブライト(京都3歳(1)→4着)、◆アドマイヤベガ(なし→1着)、*◇ナリタトップロード(きさらぎ(1)→2着)
1998:★セイウンスカイ(なし→4着)、☆キングヘイロー(東スポ(1)→×)、*◆◇スペシャルウィーク(きさらぎ(1)→1着)
1997:★サニーブライアン(なし→1着)、*フジヤマビザン(なし→×)、◆メジロブライト(共同通信(2)→3着)、◇ランニングゲイル(京都3歳(1)、若駒(2)、プリンシパル(3)→5着)
1996:★イシノサンデー(なし→×)、☆◆ロイヤルタッチ(きさらぎ(1)→4着)、*メイショウジェニエ(なし→3着)、◇ダンスインザダーク(きさらぎ(2)、プリンシパル(1)→2着)
1995:★ジェニュイン(なし→2着)、☆タヤスツヨシ(共同通信(2)→1着)、*オートマチック(なし→3着)、◆ダイタクテイオー(なし→×)
1994:★◆ナリタブライアン(京都3歳(1)、共同通信(1)→1着)、*フジノマッケンオー(なし→4着)、◇サクラエイコウオー(なし→×)
1993:★ナリタタイシン(シンザン(2)→3着)、☆ビワハヤヒデ(共同通信(2)→2着)、*シクレノンシェリフ(なし→×)、◆◇ウイニングチケット(なし→1着)
1992:★◆ミホノブルボン(なし→1着)、☆ナリタタイセイ(若駒(1)、NHK杯(1)→×)、*スタントマン(京都3歳(1)→5着)

全体(17.8.10.8.5.30)

 うち、共同通信杯又はきさらぎ賞で3着以内の実績がある馬は(9.4.3.3.1.3)となっています。このうち、4着以下の馬は、4角で二桁番手だった、リアルスティール、ゴールドシップ、ワールドエース、タケミカヅチ、アドマイヤムーン、ロイヤルタッチと引っ掛かったフサイチホウオー。ディーマジェスティとサトノダイヤモンドは控えすぎなければ好走可能と思われます。

 上位人気馬の敗退パターンは大きく分けて、「位置取り(展開)」、「距離条件(適性)」、「折り合い(気性)」、「能力」。近年、能力がなくて上位人気になることはほぼないので、3パターンについて検討しておく必要があります。

 マカヒキの推奨要素としては、指数1位であること、データアートで『★皐月詰』と『★弥生差』に該当する称号馬となっていること。皐月賞で本命を打った際に紹介したデータを再掲させて頂きます。
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 さらに弥生賞の関連データを紹介すると、過去24年の弥生賞6着以内馬のうちの上がり1~2位馬について、当日7番人気以内馬の皐月賞とダービー(優駿)の成績は下記のとおり。
皐月(5.2.4.6.2.13)勝率15.6%、連対率21.9%、複勝率34.4%
優駿(7.4.7.1.3.6)勝率25.0%、連対率39.3%、複勝率64.3%

 弥生賞勝ち馬はダービーに関連性が高いということは昔から言われているのですが、上がり上位馬なので、やはりダービーのほうが成績は良いということですね。さて、このデータは父SS系に絞ると下記になります。
皐月(4.0.2.3.1.4)勝率28.6%、連対率28.6%、複勝率42.9%
優駿(6.3.4.0.0.2)勝率40.0%、連対率60.0%、複勝率86.7%

 皐月賞は取りこぼすこともありますが、ダービーはほとんど来るようなデータになりました(着外はアドマイヤジャパンとデボネア)。さて、このデータを更に弥生賞の上がり1位馬及び当日3番人気以内に絞ったのが下記。
皐月(4.0.1.0.0.1)勝率66.7%、連対率66.7%、複勝率83.3%
優駿(4.2.1.0.0.0)勝率57.1%、連対率85.7%、複勝率100.0%

 該当馬は名馬が多いですが(着外は直前に体調不良を起こしたアドマイヤベガ)、皐月賞も勝ち負け当然という形になりました。最後まで該当しているマカヒキには、ダービーも込みで期待できると考えます。調教も良い時計が出ており状態は良好だと判断します。
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 マカヒキの強調材料は、中弛み戦となった弥生賞で上がり3F33.6秒という高速の末脚を見せ、レースレコード決着となった皐月賞でも上がり3F33.9、目算11.3-11.3-11.3という持続する末脚を見せたこと。元々、中山よりも東京向きの走りをしていると見ており、東京2400mは条件良化になると考えています。

 ということで引き続き本命を打とうと思うのですが、想定外だったのは1番人気になれない可能性が出てきたこと。過去24年のダービー1番人気馬の成績は(15.4.2.1.0.2)ですが、2番人気馬の成績は(2.3.0.3.5.11)(馬券圏内馬は、ロジユニヴァース、インティライミ、アドマイヤベガ、ジェニュイン、ビワハヤヒデ)。ディーマジェスティに1番人気を譲るとすれば、戴冠からはデータ的に大きく見放されることになります。

 皐月賞2着で当日2番人気以下だった馬は、過去24年で(0.3.2.4.1.9)。リアルスティール、トゥザワールド、サダムパテック、コスモバルク、サクラプレジデント、ダイタクリーヴァ、キングヘイロー、ロイヤルタッチ、ナリタタイセイが2番人気から馬券圏外に敗れています(好走例はエピファネイア、ドリームパスポート、シックスセンス、ダンツフレーム、ビワハヤヒデ)。逆転の1着例は当日1番人気に推されていたタヤスツヨシしかいません。

 ただ、2着だけを取り立ててデータを作るのは合理性に欠けるとも思いますので、皐月賞で敗れていた馬のダービー優勝という括りにします。こうすると該当例は、ワンアンドオンリー、ディープブリランテ、エイシンフラッシュ、ロジユニヴァース、タニノギムレット、ジャングルポケット、アドマイヤベガ、スペシャルウィーク、タヤスツヨシ、ウイニングチケットと増え、当日の人気は(5.2.2.0.0.1)でした。1番人気がやはり有利ですが、3番人気以内であれば勝ちまでの可能性は残していると考えます。

 マカヒキの弱点はやはり位置取りが後ろになりそうなことと、自分でレースメイクのできない川田騎手ということになります。内枠を引けたので、ワンアンドオンリーを導いた横山典騎手のように前目の位置取りでレースを進められれば勝てると思うのですが、それは多分できず、後方から大外を回す皐月賞同様の大味な競馬をするか、内を選択したとしても馬群を捌けるか不安は尽きません。

(参考)展開重心分析資料
→http://baryutensei.com/report/1605bt-derbTENdata.pdf
※ダービーは1番人気が強いレースだが、過去24年で馬券圏外を外した時の1番人気馬(ワールドエース、アンライバルド、フサイチホウオー)はいずれもBPRが「追込」

(参考)TBI(トラックバイアスインデックス)
→http://baryutensei.com/report/1605bt-derbTBIdata.pdf

 さて、土曜日のTBIが出ました(上記リンク参照)。横のバイアス(HTBI)は34.1、縦のバイアス(VTBI)は35.3。これは内先行有利に近いデフォルトという条件で、外からの追込みは不利を受ける条件と言えます。

 これを踏まえて、残留馬の中から下位評価となった馬から順番に記載します。

・マウントロブソン(Tベリー騎手 上がり:条件二位、血統系統:SS系×MP系)
 厳しい流れの皐月賞で指数を上昇させてきました。典型的なタフ系SHP馬で、切れる脚は使えません。2012年のダービーのトーセンホマレボシのようなレースができれば大穴候補ですが、元々テンの脚が速くないのでTベリー騎手が後続を離す意識を持って前に行くかには疑問を感じます。アナログ的に好走できるスイートスポットが狭いですし、メンバーレベルが高い年でデータアートでも印が付いていませんので、最終的に軽視しました。
 データ面では、過去24年のスプリングS勝ち馬のダービー成績は(6.1.0.0.1.12)ですが、連対馬には「きさらぎ賞3着以内」、「京都重賞またはスプリングSで0.6差以上勝ち」の実績がありました。マウントロブソンは非該当です。

・レッドエルティスト(四位騎手 上がり:G2一位、血統系統:SS系×NB系)
 指数が人気と比較すると高く、鞍上が馬の潜在能力を引き出せる騎手(引き出し騎手)の四位騎手なので多少の妙味を感じていましたが、父ゼンノロブロイがG1戦での底力に欠ける印象があること、データアートでも印が付かなかったこと、バイアスが不利になった点で最終的な評価を下げました。データの観点では、青葉賞の上がりが2位のヴァンキッシュランに0.6秒差をつける1位という点で何かないか調べてみて、「別路線組(青葉賞、京都新聞杯)で、上がり2位馬に0.3秒差以上差をつける上がり1位だった馬のダービー成績は2001年以降で(1.4.1.0.0.3)」というデータを見つけましたが、これに「前走1着馬を除く」という条件を加えると(0.0.0.0.0.2)というまるで使えないデータに様変わりしてしまいました。

・スマートオーディン(戸崎騎手 上がりG2一位、血統系統:SS系×ND系)
 毎日杯、京都新聞杯を1番人気で連勝。重賞3勝はメンバー上位の実績です。キズナと同じローテーションでデータ的にも圏内ですが、後述するヴァンキッシュランとの比較で、前の位置で競馬ができないこと、昨年から指数に変化がなく、弱い相手に連勝してきただけとも言えること、東スポ杯は勝利するも共同通信杯で凡走しており、コース適性に信頼を置けないこと(データアートの減点材料)、厳しい流れへの適性に懸念があること、において劣後していると考えています。前述した「別路線組(青葉賞、京都新聞杯)で、上がり2位馬に0.3秒差以上差をつける上がり1位だった馬のダービー成績は2001年以降で(1.4.1.0.0.3)」というデータに該当するので消し辛いところですが、条件不利も併せて考えると割り切って消去することにしました。

注エアスピネル(武豊騎手 上がり:G2一位、血統系統:KM系×SS系)
 この馬は距離不安データとの戦いになりますね。過去24年、1800m以上で連対経験のない馬の馬券圏は1995年のオートマチック、1992年のライスシャワーの2頭しかいません。この2頭も父の血統がスタミナ豊富なロベルト系(ブライアンズタイム、リアルシャダイ)なので、血で走ったと思しき激走です。
 まあ、この馬の場合はスプリングSなどを使っていれば連対できたと言えるくらいの能力は持ち合わせているのですが、末脚が加速SHPタイプなので、追い比べで皐月賞の1~3着馬には敵わないでしょうし、距離を長くして良いと思えません。マイラーとして大成していく人気馬の凡走は、ワールドエース、サダムパテック、ダイワメジャー、ダイタクリーヴァと時々見られます。
 それから、過去24年、4大場(東京、中山、京都、阪神)の1800m以上の重賞勝利経験又は皐月賞2着経験のない馬の連対は4例(ライスシャワー、フサイチコンコルド、ボールドエンペラー、ウオッカ)のみというデータも発見。ウオッカとフサイチコンコルドは1800m以上の重賞を使っていないので、それを除けばかなりの割合となります。3着の穴としての可能性は残していますかね。

△リオンディーズ(Mデムーロ騎手 G1一位、KM系×SS系)
 皐月賞では、ある程度速い流れになったこと自体は不利ではなかったと思いますが、中盤にマウントロブソンに蓋をされそうになって抵抗した際にスイッチが入ってしまって、6F目に「11.5」を刻んでしまったことが大きな敗因でした。あれがなければ際どい勝負になったと思います。ですので、馬の能力自体はかなり強いと評価していますし、Mデムーロ騎手ですので嵌れば1着まであると考えられます。ただし、この馬は2000mの新馬戦を終始引っ掛かった状態で中弛み超高速上がりラップで勝利した凄い馬ですが、いまだに気性面に課題を見せ続けており、距離延長も条件悪化になる可能性のほうが高いと思います。大一番に強いデムーロ騎手は頼もしいですが、デムーロ騎手に乗り替わって3戦、気性面の課題は増してきているところ、折り合える前提で評価することはしないことにしました。
 データアートでも減点データに2つ該当、前述の1800m以上の重賞勝ち経験なしとなっています。デムーロ騎手のような高い技術を持つ外国人騎手はデータブレイクをしてくることが多いので、おさえは必要です。

△ヴァンキッシュラン(内田騎手 条件一位、SS系×ND系)
 別路線組の中では最上位に評価しています。この馬、実質4連勝中ですが、青葉賞で大きく指数を伸ばしていること、相手関係で見ても、東京の条件戦でほぼ互角だったレーヴァテインに0.7秒差をつけたこと、先週のオークス予想でも書きましたが、連勝で重賞を着差を広げて勝つ馬は成長期と考えられるという点にも該当すること、前走は5番手で競馬をしていて、内田騎手もそれなりに前で競馬をする意思があること等を考慮すると、皐月賞の上位馬とも渡り合える可能性が多少なりともあるのではないかと考えます。
 走法は軽くてサバサバしています。ストライドに重厚感がないので、格好良くなく大物感もありません。中山ではパフォーマンス落ちると思うのですが、東京なら問題ありません。回転力はあるので一気の加速に対応でき、青葉賞を見る限り持続力もありますから、前目で粘りこみを図る展開になれば面白い1頭です。

▲ディーマジェスティ(蛯名騎手 G3一位、SS系×RO系)
 皐月賞では、共同通信杯時の指数を大幅に塗り替えて穴をあけました。このパフォーマンスの差を説明するとしたら、この期間で大幅な成長をしていたか、厳しい流れに抜けた適性を持っていた(耐久・持続SHP有)と言える程度。直感的には両方とも該当していて、成長していなければ流石にハイレベルな今年の皐月賞を制することはできなかっただろうし、共同通信杯において4角で仕掛けた際には反応が悪く、直線後半で一気に伸びてきたレースぶりから耐久戦に向いていると思えるからです。
 もし、成長曲線が続いているならば、ダービーでも上位争い可能だと考えられます。一方で、耐久性能に優れている適性を前提とすると、ダービーでは中盤ラップが緩む点で条件は悪くなり、仕掛け所でモタつくシーンがあるかもしれません。デムーロ騎手のリオンディーズも耐久・持続SHPに秀でたタイプなので、これが先週のビッシュのような積極的な仕掛けをすれば、耐久・持続に向いた展開になって問題ない可能性もあります。
 蛯名騎手はコースロスを気にする騎手というイメージはなく、勝負所では外に持ち出しているのではないかと思います。途中段階では1番人気なら最低でも対抗と考えましたが、単勝は1番人気でも他の券種はマカヒキが1番人気になっているという点で素直に信頼できないと思います。

○サトノダイヤモンド(ルメール騎手 G3一位、SS系×ND系)
 楽勝続きの3戦無敗で臨んだ皐月賞では、最後まで1番人気を譲らなかったのが印象的でした。中団からの競馬で上がり3位で3着とそれなりのレースぶりではありましたが、前にいった馬に厳しい流れによる負荷があったとも考えられ、リオンディーズやエアスピネルと同等以下という内容にも見えます。皐月賞の前の調教内容がいまいち目立たず、しっかり造っていなかったというのも本当かもしれません。今回は3週連続で一杯追いの調教を行い、好時計を出しています。今回こそは本気の仕上げをしてきたのではないでしょうか(あまり良くならず余裕がないと見ることもできるかもしれませんが)。
 ルメール騎手は先行~中団までの位置での競馬をするつもりのようです。馬はスタート良く自在性があり、賢いので狙ったレースはできると思います。走法はストライドが広く重厚さがあり、綺麗な投げ出し走法なので、東京に特化して良いと言える走法ではないと考えますが、大物感はあります。ルメール騎手は120%の力を発揮させるタイプではないので、ソツない競馬で2~4着くらいに入ってくるイメージです。
 データの観点。ダービーとの関連性の高いきさらぎ賞連対馬の過去24年のダービー成績は(3.7.3.2.1.14)。これを、「皐月賞0.5秒差以内入線」、「きさらぎ賞0.6秒差以上勝ち」、「G2勝ちあり」のいずれかを満たすとした場合、(3.7.1.2.1.1)となり、馬券圏のほぼ全馬をカバーできます(残り1頭は1992年のマヤノペトリュース)。サトノダイヤモンドは2項目に該当しています。
 また、過去24年の皐月賞1番人気馬のダービー成績は(9.0.4.2.2.6)。ここから皐月賞1着馬を除くと(5.0.3.2.1.6)で確率はほぼ5割。敗退組は、「クラシックディスタンスの重賞実績が少ない血統」(敗退例…サダムパテック、ダイタクリーヴァ(フジキセキ産駒)、アドマイヤムーン(エンドスウィープ産駒))か、「皐月賞又はその前走で4角3番手以内の逃げ先行をしている」(敗退例…トゥザワールド、マイネルチャールズ、コスモバルク、ダイタクテイオー)かのいずれかのパターンが目立つ。サトノダイヤモンドは東京2400mG1で実績のあるディープインパクト産駒、位置取りも差しです。総合的にデータの観点では好走可能性の高い馬柱であると言えます。

◎マカヒキ(川田騎手 G1一位、SS系×ND系)
 条件や展開不利について色々考えましたが、それでもマカヒキを推そうと心が固まってきました。後方から届かないパターンは、2012年くらいの極端な展開不利がないと起こらないとも言えるので。
 指数1位、弥生賞まで3戦連続中弛み超高速上がりラップでの勝利、厳しい流れにも屈しない末脚、それでいて、中山よりも東京向きに見える走法。勝ちきれないかもしれませんが、馬券圏にはと思っています。

<まとめ>
◎マカヒキ
○サトノダイヤモンド
▲ディーマジェスティ
△ヴァンキッシュラン
△リオンディーズ
注エアスピネル

<スカイポットの馬券(予想期間外のため集計非対象)>
【3連単】
3→1,8,12,14→1,5,8,12,14(16点@1)

【3連複】
3軸で1,8,12,14へ流す(6点@5)
3=1,8=1,5,12,14(7点@5)

【馬連】
3軸で1,8へ流す(2点@20)
3軸で12,14へ流す(2点@10)

※オッズの制約があり、結局マカヒキを軸にすることにしました

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日本ダービー2016回顧
有終の美

スカイポット
14期 予想歴19年

次走狙い:マカヒキ
次走狙い:サトノダイヤモンド


 2016クラシック世代の大一番、日本ダービーが終わりました。
 レースラップは、12.6 - 11.1 - 11.9 - 12.1 - 12.3 - 12.9 - 13.1 - 11.8 - 12.0 - 11.6 - 11.0 - 11.6と、中盤で13秒台を踏むラップもあり緩みましたが、すかさずアグネスフォルテが前にプレッシャーをかけていき、残り5Fから速いラップが続いたので、各馬が力を出せる展開になりました。
 リオンディーズが最後方付近からレースを進めたのは想定外でしたが、上がり3F最速の時計で駆けてきて、結果的には皐月賞の1~3着馬(ディープインパクト産駒)が1~3着に、皐月賞の4~5着馬(キングカメハメハ産駒)が4~5着に収まるという、今年の皐月賞がハイレベルだったということを証明する結果となりました。
 その中で優勝の栄誉に預かったのはマカヒキ。金子オーナーは、サトノダイヤモンドもセリで2億くらいまで競ったらしいですが、そうすると、競り負けた馬を負かしての勝利ということになります。馬の見る目があるのはもちろんのこと、強運の持ち主ですね。これでダービー3勝目。しかも、前述の掲示板を占める種牡馬も自らが所有してダービーを制した馬というのも凄いことです。

 マカヒキの勝因は川田騎手が中団から馬群を割るというロスのない競馬に徹してくれたことですね。調教師からの指示を忠実に守っただけという話も聞きましたが、厳しいコメントをしたことを申し訳ないと思うくらい完璧な競馬でした。最後に末脚が緩んでしまったのを見ると、距離は中距離くらいがベストという印象を受けましたが、今後は凱旋門賞も目指していくのでしょうから、この強い世代の代表として素晴らしい活躍を期待しています。
<追記>最後に末脚が緩んだという第一印象でしたが、見返してみるとゴール板を過ぎても画面から切れるまでサトノダイヤモンドと併走状態でしたので、更に脚を使っているとも見え、クラシックディスタンスも問題ないかもしれません。ここは訂正しておきます。

 2着のサトノダイヤモンドは落鉄をしていたそうで、これも含めて今回は運がなかったということになるのかもしれませんが、最後は差し切るかと思わせる伸び脚でマカヒキを8センチ差まで追い詰めており、改めて強い馬だと見直しました。ルメール騎手は自分が手放した馬に負けたので悔しいでしょうが、これが次のドラマに繋がればと思います。
 3着にディーマジェスティ。1番人気として最低限の仕事はしましたが、それで守りに入ってしまったのか、蛯名騎手は早めから外に出してしまい、最終的にはその距離ロスが着差となってしまったと思います。
 4着のエアスピネルは武豊騎手が前目の内につけて距離ロスを抑え、直線残り200mでは一旦先頭に立つ見せ場のある好騎乗でした。最後の末脚勝負で上位3頭に敵わなかったのは、距離適性か走法の差によるものと思われます。
 5着にリオンディーズ。位置取りは出遅れたものではなく、デムーロ騎手が馬を抑えきれず喧嘩をしてしまったために後方に下がってしまったというものでしたがそれにしても内前有利条件においては愚策でした。デムーロ騎手といえども流石に乗り替わりとなるでしょう。もう少しあたりの柔らかい騎手のほうが良さそうです。

 配当的に堅い決着となったので、本線での予想的中ながら回収率は200%程度にしかなりませんでしたが、天星指数では指数1位馬が優勝して指数上位5頭が5着以内に入り、データアートでは称号のついた3頭で決まり、各馬コメントで用いたデータ等も良い働きをしてくれたと思える結果で、今期若駒戦の有終の美を飾る予想をお送りできたことへの充実感が大きいです。
 なかなか連戦連勝とはいかない予想の世界ですが、勝った負けただけではない予想の可能性と楽しみをお伝えできればと思います。

 最後に、マカヒキの関係者の方々、そして、馬券を的中された競馬ファンの方々、おめでとうございます。


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