阪神JF2016予想
人気以上に拮抗

しのぶ人
16期 予想歴3年

◎ヴゼットジョリー
  5着/6人気

○ソウルスターリング1着/1人
▲リスグラシュー2着/2人
△ディーパワンサ4着/5人
×レーヌミノル
×ジューヌエコール


<前書き>
・2歳のこの時期は上昇度が未知数なので、最終判断は追切の雰囲気を参考にするが、本稿はそれ以外で分かっている指数、レース映像、血統を元に考察する。
・先週の馬場状態はおおよそ例年のこのレースの開催時と同じような時計状況で、中間の天気次第だが、超高速馬場とはいかないと想定できる。
・また、過去道中のペースが大きく緩んだのは2010年(勝ち馬レーヴディソール)くらいなもので、今回は先行馬は少ないながらも、馬場状態も含め上り33秒前半が問われるような展開にはならないと想定する。
・それにしても先週のサトノアーサーの末脚はキレッキレでしたね。

◎ヴゼットジョリー
・新潟2歳S以来のレースとなることや、鞍上の乗り替りが不安材料として挙げられるが、オッズも考えてこの馬を本命にする。

・血統構成はローエングリン×BMS:SSという同父産駒ではロゴタイプに代表される良く見るタイプ。
この組み合わせはHaloの4×3ができ、スピードタイプがお手頃にできるというメリットがあるものの、中距離以上への適性や底力はスポイルされるという面もある。
 しかし、ローエングリンの母カーリングはスタミナも持ち合わせた非常に優秀な配合であり、その血を活かすことができれば中距離以上でも底力を発揮できる産駒も期待できる。
 当馬の場合、母母フェンジー内の血が父方のHerbagerやカーリング内の血と呼応し、スタミナを引き出すことに成功していると推察でき、本質的な適性は中距離と判断できる。ローエングリン×SSの組み合わせの中では良くできた配合である。

・新潟2歳Sの指数は過去の馬達に比べて取り分け優秀と言えるレベルでもないが、今回の他の上位馬とさほど差はないものと判断でき、その時からの上昇を考えれば、今回も十分戦えると判断する。

○ソウルスターリング
・心情的に言えばこちらに圧勝してほしいが、オッズも考えて現時点では〇としてみた。後に変更する可能性がある。

・血統構成はFrankel×スタセリタという世界的なBest to Bestの配合。
Frankelは父Galileoながら、Natalmaを伴ったNorthern Dancer(以下ND)の3×4にMiswaki内のスピードの血を強固に結びつけたスピードタイプの配合であった。
 しかし、ソウルスターリングの場合は、母方にスタミナ豊かなドイツ系や欧州系の血を内包するスタセリタを配したことによって、Frankel内のAllegretta(Urban SeaやKing's Bestの母)と見事な呼応をし、父よりスタミナに勝る優れた配合となった。
 よって本質的な適性は2000mからだと判断できるが、マイル戦ながら底力の問われるこの舞台ならば何とか対応できる範囲だと考える。

・ここ2走は上り34.2,33.9という脚で勝ってきたが、その内容はトップスピードより持続力に良さのあるものだった。イメージとしては(11.4-11.4-11.4)のような脚を使う馬と考えてもらいたい。
 スピードレンジという観点では若干分が悪い面もあるかもしれないが、今回はさほど問題にならないと考える。スタミナに良さのある馬とはあまりルメール騎手の手が合う印象はないが、これまで通り勝ちに行ける位置から競馬をしてもらいたい。

▲リスグラシュー
・血統構成はLyphardの4×4・5で明確に全体をリードしたもので、ハーツクライ産駒の中では良くできた配合で、バランスの良さが光る。血統構成から想像できる距離適性では、ヴゼットジョリーやソウルスターリングよりは短めの中距離馬といった印象。

・前々走は比較的ペースが流れた阪神の1800m戦を先行し、他馬との余力の差から2F程度のスパートでかたをつけた。前走は超スローのマイル戦だったが、道中は何とか宥め、ここもラスト2F程度のスパート戦で2着馬を封じた形だった。
 既に見えている範囲でのスピードレンジや地力の高さはメンバー中最上位だと判断できるが、今回は一気に相手がレベルアップした舞台と乗り替わりという不安が残る。外枠から差しに回る形で3Fのスパート戦が強いられれば、上述の2頭に屈することも考えられる。

△ディーパワンサ
・前走は4着と敗れてしまったが、位置取りと4角のコース取りで明暗を分けた感があり、脚を余してレースを終えてしまったと判断する。

・血統構成は父ディープブリランテとBMS:Rahy×母母シンハリーズ。
シンハリーズ一族同様、Haloのクロスによって全体をリードし、その他比較的スピード系の血が強い印象を受ける。しかし、7代目以降では父内のスタミナを抑えており、全く底力が無いわけではない。
 メンバーの上位層の中では一番マイル適性が高いと思われる。
 高度な地力勝負では分が悪いと考えられるが、三着以内ならば考えられる。

×レーヌミノル
・血統構成はこちらもHaloクロスでリードしたタイプ。ダイワメジャーやディープインパクトはNasrullahを持たないという特徴があり、その為、配合のシンプルさが保たれたり、母方のスピードが過度に強調されないというメリットがある。
よって本馬もNasrullahのクロスは持たないものの、スタミナや底力という面では少々見劣りすることは否めず、G1レベルならばマイル戦までといった印象を受ける。

・前々走の1200m戦での圧勝のインパクトが強いが、あの勝利は1200m戦における他馬とのペース耐性の違いによるもの。また、前走はスローの1400m戦ながら最後脚が止まってしまったことを考えると、本質的には直線の短いコースで厳しいペースを先行した時に力を見せるタイプ。つまり分かりやすいスプリンタータイプの馬だと判断した。今回は条件が合わないだろう。

×ジューヌエコール
・血統構成はクロフネ×ルミナスポイント。
ルミナスポイントは全兄弟に活躍馬も多いが、血統構成はHaloの3×4内にあるAlmahmoudで強力に全体をリードした形で、その他欧仏のスタミナのアシストも備えた優秀なもので、血統上は中距離でも活躍できるものだった。
 それに対し本馬は、NDやBold Rulerで全体をリードした形で母とは傾向が異なり、またBold RulerやIcecapade,Machiavellianの影響が強く出たことから、距離適性的にはマイルまで、もしくはダートといった印象。

・ここまで3連勝と来たが、前走のマイル戦は上手く立ち回っての辛勝といったものであり、脚を余してレースを終えたディーパワンサの方を上に取る。
今回も内枠から極限まで上手く立ち回れば馬券内もあり得るが、上位メンバーの力量を考えると厳しいと判断する。

かなりの長文ですが、最後まで読んでくださった方ありがとうございます。
ここから来年牡馬にも勝る、ウオッカの様な名牝が出てくることを期待しましょう。


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