JCダート2009予想
適性のパズル/カギはティズウェイ

Apollo
09期 予想歴6年

◎ダイショウジェット
  10着/14人気

○ヴァーミリアン8着/2人
▲エスポワールシチー1着/1人
×サクセスブロッケン


●展望


09フェブラリーS(やや重)
12.7 - 10.5 - 11.9 - 11.9 - 11.8 - 11.3 - 12.1 - 12.4

09ユニコーンS(不良)
12.4 - 10.5 - 11.4 - 12.2 - 12.8 - 12.2 - 11.9 - 12.1

09武蔵野S
12.4 - 10.7 - 11.5 - 12.0 - 12.2 - 12.1 - 12.0 - 12.6



この3レースは同じ東京D1600で行われましたが、それぞれ趣の異なるラップタイムになっています。

まず09フェブラリーS。後半3Fのラップに注目したとき、他の2レースは後ろから2ハロン目が最も速くなっているのに対し、こちらは後ろから3ハロン目と早いタイミングでのスパート。11.3という数字も目を引きますね。全体の上がり3Fは3レース中最速です。

ユニコーンSは不良馬場ながらも12.8と道中で大きく緩んでいること、その割に後半に速いラップが無いことがフェブラリーSとの比較で浮かんできます。

武蔵野Sのテン3Fは馬場を考慮するとけっこう速く、上記2レースと比べてラップの凹凸が少ない・終いに加速するところがほとんど無い持続戦。


以上ラップで見えることを瞬発力に引き付けてまとめると、

①フェブラリーSは早めスパートで、それでいて瞬発力も求められた
②ユニコーンSの勝ち馬は瞬発力がかなり足りない?
③武蔵野Sは瞬発力不用の持続戦

…おおざっぱですけど大体こんなところでしょう。


さて、ここで瞬発力必要・不要に分かれたそれぞれのレースの性格、そして昨年のJCDのラップタイムを比較したときに、サクセスブロッケンの適性について一つの仮説が成り立ちます。


まずサクセスブロッケンがダートで馬券圏内を外したときのラップがこちら。

08JCD
12.4 - 11.2 - 13.1 - 11.7 - 11.8 - 12.4 - 12.0 - 12.1 - 12.5

09武蔵野S
12.4 - 10.7 - 11.5 - 12.0 - 12.2 - 12.1 - 12.0 - 12.6


次にGⅠ勝ち時のラップ。

08ジャパンダートダービー(不良)
12.1 - 11.3 - 12.7 - 13.3 - 12.8 - 12.6 - 13.0 - 12.9 - 11.5 - 12.3

09フェブラリーS(やや重)
12.7 - 10.5 - 11.9 - 11.9 - 11.8 - 11.3 - 12.1 - 12.4


…それぞれ似通った特徴がありますよね。

①地方の深いダートは苦手(有名ですね) で、
②地方で唯一の勝利は、フェブラリーSと同じく軽い馬場での瞬発力勝負。
③中央で馬券圏内から外れたのは2回だけ で、
④その2回とも終い3ハロンに11秒台が入らない、良馬場の持続力勝負。

つまりサクセスブロッケンって、11秒台の瞬発力が求められる軽いスピードレースでしか結果を残せない馬に見えるんですよ。


いっぽう、サクセスブロッケンと対照的なのがエスポワールシチー。

09平安S(やや重)
12.3 - 11.2 - 12.4 - 12.8 - 13.0 - 12.7 - 12.5 - 11.7 - 11.8

09フェブラリーS(やや重)
12.7 - 10.5 - 11.9 - 11.9 - 11.8 - 11.3 - 12.1 - 12.4


スローからの徹底した瞬発力勝負になった平安Sで2着、フェブラリーSで4着。ダートでの敗戦はこの2回だけなので、11秒台の瞬発力が求められると分が悪いことが窺えます。


…これ以上のことは週末の予想記事に譲りますが、適性が両極端のエスポワールシチー・サクセスブロッケンは、どちらかが来たらどちらかが飛び…という関係になりそうです。



_________________



●予想


阪神D1800というコースには、

①スタート後すぐに坂を登り、Rのきつい1~2コーナーがあるのでテンの時計は出ない
②残り1000から下り坂が入り、残り200で上り坂。中盤からじりじりと脚を使って、最後は我慢比べになりやすい

大きく分けてこのような特徴があります。


展望で挙げた「脚を溜めての瞬発力が武器」のサクセスブロッケン、「瞬発力はイマイチ」のエスポワールシチー。どちらに向くコースかというと、断然後者。

サクセスブロッケンは切り、エスポワールシチーは拾う。とりあえずここまではすんなり決まりました。


…が。ここから先がいくら考えてもワケわからん。



Q.展開は?

腰高外国馬ティズウェイを先行に数えると、10頭くらいは番手に付きそうなメンバー。かといって絶対に速くなるかというとそうでもなく、騎手もハイペースに巻き込まれたくないのだから枠やテンの速さの序列で、隊列は収まるところに収まる可能性も。でもアメリカ馬の早目仕掛けはJCDではよくある光景だし、少なくとも終始スローということはなさそうだが…


Q.エスポワールシチーは?

最内で選択肢は狭まりそうだけど、基本的に逃げでも番手でも差しでも何でも出来る自在脚質。それよりも気になるのはここのところの馬体増で、写真を見ると…少し重いかも。ちなみに阪神ダートは内枠不利の定説がありますが、データ的にはその通り。6番から内はすべての馬番で単勝回収率70%を切ります(それぞれのサンプル数は400弱くらい)


Q.血統は?

阪神ダート1800といえば、言わずと知れたブライアンズタイムコース。産駒はサンプル数200で単勝回収率130%超え。しかしBMSとしては、サンプル数90で単勝回収率29%…。母父BTのエスポワールシチーには不安な材料かも。



…うーん、エスポワールシチーも信頼しきれなくなってきた。



こうなったら奥の手、決め打ちに頼るほかない(いつものことですが;)


①テン3Fは普通~やや速い
②中盤はティズウェイがアメリカ流に早目に仕掛ける
③先行馬はほぼ壊滅。残るのはエスポワールシチーだけで、ハイペース耐性高いワンダーアキュートすら潰れる展開を想定。
④あとは全部差し馬


よって、

◎ダイショウジェット
◯ヴァーミリアン
▲エスポワールシチー
△シルクメビウス
△ラヴェリータ


これしかない。


ダイショウジェット、オッズはずいぶん軽く見られてますが案外強い。前が全然開かなかった武蔵野Sでしっかり2着確保というだけで評価できるし(去年のカネヒキリはこのパターンで負けたのだ)、マーチSではエスポワールシチーと差のないところまで詰めている。マーチSはロングスパートながらもテンは緩い競馬だったので、それよりも後方に向く展開に決め打てば「エスポワールシチーを逆転」することも決して無理な想定ではない(560キロクラスの巨漢だけに、斤量が増える影響も小さいでしょう)。

1400で2勝している点も見逃せません。ハイペース競馬では短距離向きのスピードが活きるし、そもそも胴長脚長の体型からすると、短距離は「こなす」程度では…?

ハイペースの中距離、この馬は久しく走ってない条件ですね。能力開花に期待します。


tipmonaとは?

JCダート2009回顧
ウオッカに通ずるタフネス

Apollo
09期 予想歴6年

次走狙い:ワンダーアキュート
次走狙い:サクセスブロッケン


12.5 - 11.1 - 12.7 - 《12.5》 - 《11.9 - 12.1》 - 《12.4》 - 《11.8》 - 12.9

テン3ハロンが緩そうにみえますが、「スタート後すぐに坂を登り、Rのきつい1~2コーナーがある」コース形態上、これでもミドル~やや速いくらいのペース。

次の《12.5》が緩かったが、すかさずマコトスパルビエロ&アンカツのマクリが入り、坂の下りで《11.9 - 12.1》とペースアップ。

この「向正面の下りで先行勢が脚を使う展開」は本来後方待機組の思う壺で、実際にエスポワールシチー・サクセスブロッケン以外の先行馬は直線バタリと止まりました。


3~4コーナーで《12.4》が一旦入ったとはいえ、そんな厳しい展開の中で《11.8》の瞬発力を使えるほどの余力を残していたエスポワールシチーは、一頭だけ異次元の競馬。「脚抜きの良い馬場・かつスローペースでの瞬発力比べ」には未だに不安を残しますが、ダート界で長期政権を築けるだけの能力を示したと言えそうです。


次走の狙いは定石どおり先行してバテた組になりますが、こちらも一枚上の競馬をしたサクセスブロッケンは特に大きく狙いたいところです。


tipmonaとは?

最新記事一覧

次の予想をみる >