宝塚記念2018予想
連続凡走からコロっと変われる馬と、そうでない馬

夏影
14期 予想歴35年

◎ワーザー
  2着/10人気

○パフォーマプロミス9着/4人
▲タツゴウゲキ15着/16人
△ゼーヴィント14着/9人
×サトノダイヤモンド
×キセキ


レース中のアクシデント等により1走の凡走して巻き返すという事例は多々あるが、精神的ダメージが尾を引いたり競走意欲が萎えて連続凡走する馬はなかなか立ち直れない馬が多い。
特にサンデーサイレンス系の馬は、精神的なリズムがシビアに問われる馬が多く、G1を制するタイミングというのは、大体が好激走が続いているタイミングだったりする。
即ち気分がノッていて、競走意欲が充実している時期にG1を制するのである。
実際ここ最近の古馬の芝中長距離G1レースの勝ったサンデー系を調べてみると…

・2018年天皇賞(春)レインボーライン
有馬記念8着→阪神大賞典1着
・2018年大阪杯スワーヴリチャード
有馬記念4着→金鯱賞1着
・2017年有馬記念キタサンブラック
天皇賞(秋)1着→ジャパンC3着
・2017年ジャパンCシュヴァルグラン
宝塚記念8着→京都大賞典3着
・2017年天皇賞(秋)キタサンブラック
天皇賞(春)1着→宝塚記念9着
・2017年天皇賞(春)キタサンブラック
有馬記念2着→大阪杯1着
・2017年大阪杯キタサンブラック
ジャパンC1着→有馬記念2着
・2016年有馬記念サトノダイヤモンド
神戸新聞杯1着→菊花賞1着
・2016年ジャパンCキタサンブラック
宝塚記念3着→京都大賞典1着
・2016年宝塚記念マリアライト
日経賞3着→目黒記念2着
・2016年天皇賞(春)キタサンブラック
有馬記念3着→産経大阪杯2着
・2015年ジャパンCショウナンパンドラ
オールカマー1着→天皇賞(秋)4着
・2015年天皇賞(春)ゴールドシップ
AJC7着→阪神大賞典1着
・2014年有馬記念ジェンティルドンナ
天皇賞(秋)2着→ジャパンC4着
・2014年天皇賞(秋)スピルバーグ
メイS1着→毎日王冠3着

過去15レース10頭の勝馬のサンデー系をピックアップしてみたが、連続して掲示板を外しながら巻き返した馬というのは皆無である。

出走馬の中で、前走と前々走連続して掲示板を外しながら、重賞競走で巻き返して1着になった経歴を持つ馬は実は1頭のみ。
サンデーの血を一切持たないサトノクラウンだったりする。

クイーンエリザベス2世C12着→宝塚記念6着→天皇賞(秋)14着→香港ヴァーズ1着

…と3連続掲示板を外しながら、何と海外G1を勝っている(笑)。

そんな理由から、サンデーの血を持つ馬で連続して掲示板を外した馬をピックアップすると…

・ダンビュライト(母父サンデーサイレンス、大阪杯6着→クイーンエリザベス2世C7着)
・スマートレイアー(大阪杯9着→天皇賞春7着)
・ゼーヴィント(日経賞6着→目黒記念6着)
・キセキ(母父ディープインパクト、香港ヴァーズ9着→日経賞9着)

…と5頭。
中にはキセキのように、ある程度人気を背負いそうな馬まで名を連ねる。
キセキは菊花賞を境にスランプに陥っている。
超長距離の不良馬場という究極のタフさが求められた菊花賞を無理に激走した結果、心身に極度のダメージを受けたものと思われる。
競馬で勝つ喜びよりも、「競馬は辛いもの」という認識が今のキセキの心を支配しているものと思われる。

前々走3着と掲示板に入りながら、敢えて「消し馬」にサトノダイヤモンドを挙げたのは、競走意欲の減退を感じている事が理由である。
サトノダイヤモンドは、有馬記念で体力お化けゴールドシップをねじ伏せるほどの馬である。
勝ったスワーヴリチャードは向正面で既に先頭のサトノノブレスを捕まえに行くような勢いだったにも関わらず、追い掛けずにそのまま中段待機の競馬。
本来1.03.0のどスローの流れならば自ら逃げ、残り1000㍍地点から仕掛けて、マークしている後続馬に脚を使わすような競馬が出来る馬である。
スローの流れを普通に差してくる内容に「負けてなお強し」の印象もなければ、「惜しかった」という印象も残らない内容だ。
大阪杯では全く見せ場すら無かった内容で7着。
対して、優勝したスワーヴリチャードは残り1000㍍地点で仕掛け、後方から一気に捲り上げる競馬をしている。
競走意欲が萎えている馬はパフォーマンスが淡白だし、気分がノッてる馬はやはりパフォーマンスも意欲的なのが理解出来る。
大阪杯同様今回の宝塚記念も内回りコースで行われ、早め早めに展開が動く競馬となりやすい。
それ故に、意欲的なパフォーマンスが求められる。
意欲の充実度は非常に重要なファクターとなる。

物理的な側面に注目してみると…
内回りコースのG1。
絶対的な存在がおらずG1勝に色気を持った馬が多数存在していると思われる事から、早いタイミング…残り1000㍍地点あたりからかなり激しい攻防が繰り広げられる事が想像つく。
問題なのは高速馬場、古馬500万下のマイル戦で1.32.4、1000万下で1.32.0、OP特別で1.31.9の時計が出ている。
マイルのスピードに対応出来るスピードがあり、機動力があり、且つ踏ん張りの利くタイプにしたいところ。
イメージ的にはゼーヴィントが一番面白いのだが、なにぶん七夕賞当時のような精神的なリズムの良さがない。

そこで注目したのが香港のチャンピオンホース、ワーザーである。
評価したのはスピード適性ではなく、前走マイル戦を使った "経験" である。
前走は明らかにマイラー相手にスピード負け、キレ負けした内容。
しかしながら、スピード競馬に対する適応力の無さはこの馬に限った事ではない。
出走馬のほぼ全馬が中長距離適性である。
前走マイル路線のレースを使い、スピード競馬の流れに慣れているいるのはこの馬のみである。
この経験がアドバンテージに働き、おそらくは勝負所で何の躊躇もなくスッと動けるのではないか?と思っている。
ステファノス、ストロングタイタン、ヴィブロスのようにキレのある馬は存在するが、機動力があり早めに勝ちに動けるタイプではない。
降雨があって馬場が多少ゆるくなったが、そもそもがヨーロピアンタイプの中距離馬。むしろ歓迎だろう。

相手はパフォーマプロミス。
近走にスピード競馬の経験が無いのがネックも、厳しい競馬になればなるほど必死こいて頑張るタイプでもあるので、その点に期待はしたい。
土曜日の降雨により、少し時計が掛かる馬場になりそうなのは救い。

タツゴウゲキは昨年凡走した七夕賞や勝利した新潟記念の内容から、おそらく体力豊富だが勝負所でグンと加速出来ないが一旦スピードに乗ると衰えない持続力の優れた "どステイヤー" タイプ。
早いタイミングでのペースアップで後続を引き離すような展開、消耗戦なってしぶとく差し込んでくるような展開で面白い。
先行馬だが勝負所で後続馬に外から被される展開になると辛いので、むしろ外枠は幸いとみる。
来年の天皇賞(春)あたりに出走してくるようなら大化けも十分あり得るので、しばらくは注目してみたい馬だ。

ゼーヴィントは多少リズムが悪いような気もするが、初勝利がデビュー3戦目だったように、使われて調子を上げてくるタイプでもある。
物理適性は最右翼、本調子が確信出来るなら自信を持って本命だった。

馬券はワーザーからの単勝・ワイド流しが中心。
資金に余裕があるようなら、遊び感覚でタツゴウゲキから遊び感覚で超高配を狙ってみるのも面白いかも?(笑)


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