日本ダービー2019予想
大胆に3強切り?(長文注意)

夏影
14期 予想歴36年

◎レッドジェニアル
  8着/11人気

○クラージュゲリエ6着/7人
▲シュヴァルツリーゼ16着/9人
△ヴィント14着/16人
×タガノディアマンテ
×ヴェロックス


今年の皐月賞のレースを見てまずは真っ先に心配した事は…

「上位3頭のレース後の反動」

…である。
最後の直線走路で3頭が馬体を合わせた途端に後続を突き離し、激しいデッドヒートと化した。

叩き合いというのは、かなり心身の負荷が掛かる。
5年前の菊花賞。
神戸新聞杯の激しいデッドヒートを演じた事で反動が出ると予見し、1番人気のワンアンドオンリーを軽視した事を思い出す。
実際9着に沈み、その後スランプに陥った。
あのナリタブライアンですら、阪神大賞典でマヤノトップガンと叩き合った結果、本番の天皇賞(春)で反動を見せた。
そういった話から、皐月賞上位馬3頭をちょっと不安視している。

オークスの勝馬ラヴズオンリーユーの前走はOP特別。
弱い馬相手に楽勝でダメージ皆無。
ヴィクトリアマイルの勝馬ノームコアの前走は、中山牝馬Sで7着と凡走。
あっさり競馬を投げたので、ダメージ皆無。
…というように、ここ2週は前走で全くダメージを残さなかった馬が勝利を収めている事も見逃せない事実。
ここ2戦のG1はG1らしい激ペースになっている事もあり、かなり前走のダメージの有無がキーポイントになっているようにも思える。



話は変わって、先週のオークスも速い時計での決着。
そこで、近年好時計となったダービーをピックアップしてみる。

・2018年 ワグネリアン
12.8→11.0 48.4→1.35.2(2.23.6 34.6) ⑤⑥④(34.3)
・2016年 マカヒキ
12.6→11.1 47.7→1.36.3(2.24.0 34.2)
⑧⑧⑧(33.3)
・2015年 ドゥラメンテ
12.7→10.9 47.1→1.36. 1(2.23.2 34.6) ⑧⑧⑦(33.9)
・2013年 キズナ
12.3→10.5 47.5→1.36.8(2.24.3 35.2) ⑮⑭⑭(33.5)
・2012年 ディープブリランテ
12.8→10.8 47.3→1.36.5(2.23.8 36.1)
④④③(34.5)

数字は、1ハロン目→2ハロン目のラップ、前半4ハロンなのラップ→後半1マイルのラップ、(勝ち時計、レース上がり)、勝馬位置取り(勝馬上がり)である。

ポジションを決定付ける2ハロン。
その2ハロン目のラップは遅くとも11.1。
流石に10.5と激しさを増すと、キズナのように4角10番手以下の位置取りであってもしっかり差しが決まるようだが、他の4例は全て10番手以内、俗に言うダービーポジションと言われる位置取りをした馬が優勝している。

2012年のように上がりが掛かった前例もある。
時計は大した事なかったが、2017のレイデオロのようにバックストレッチで捲るような競馬も罷り通るのが最近のダービーの特徴で、スピード一辺倒という訳ではなく、体力勝負が通用する余地を十分に残しているように思える。
しかし高速決着になれば、勝馬の上がりは全て34.5以下の時計で、やはり、キレのある馬が有利である事には間違いなさそうだ。



まずは、今回は久しぶりに、"切り" の対象馬から。

・タガノディアマンテ
リズムが明らかに均衡って感じで。
・ヴェロックス
勝ち鞍は全て小回りであるように、力量勝負タイプの馬。
力量勝負向きの皐月賞で勝ち切れず、適性志向が異なるダービーでパフォーマンスを上げろというのは無理がある。
勝ちに行く競馬から、サートゥルナーリアに最後まで抵抗を見せた競馬は非常に立派だったが、おそらくは一番ダメージが残ったようにも思える。



おそらく、スタート時の1ハロンで前に出るのはロジャーバローズと見る。
前走の2ハロンが、12.6→ 10.5。
ポジション争いで、かなり速い脚を使っていたが、それでも2着に粘り込めた。
更にはオークスの時計がべらぼうに速かった事からも、おかしな細工をせず前走同等のリズムで競馬をさせてくると見る。

2番ヴィントも先行馬。
鞍上の竹之下ジョッキーは、苦節22年でやっと掴んだダービー出場。
"悔いを残さない思いきった騎乗" という考えもあるが、苦労して手に入れたチャンスであるなら、"悔いを残さないよう、考え抜いた騎乗" を予想している。
無理に競りかけて末を無くす競馬ではなく、好枠を生かした省エネ競馬で、この馬の持ち味であるしぶとさを最大に生かす競馬で1つでも上の着順を目指せば自ずと良い結果は出せるのではと思っている。

むしろペースの鍵になりそうなのは、若手鞍上のリオンリオン。
若さゆえに "悔いを残さない思いきった騎乗" をしてくるのは、むしろこちらの方が高いと見ている。
外から切れ込んで、前目のポジションを奪いに行くとなると、無理なリズムで走らせる事にもなり兼ねず、結果レースのペース上げる要因にもなる。



…で結論。
ペースは遅くは成らないと見る。
リオンリオンの出方次第では乱ペースもあり。
ストレスを抱えた馬には、辛い競馬となると見る。

皐月賞で反動を残すか?残さないか?のボーダーラインはおそらく、大きく開いた3-4着の間にあるのでは?と見ている。
実際に4着馬アドマイヤマーズは、その後反動を見せずNHKマイルCを優勝。
高速マイルに対する適性すら見せた。
皐月賞組で面白いのは4着以下だった馬。
後は別路線組に注目。

◎レッドジェニアル
前走京都新聞杯は、スタート2ハロンが12.6→10.5で、前半4ハロンが47.6とほぼプレ高速ダービーのラップを体験し、しっかりクリア出来た事を評価したい。
4角の位置取りはギリギリも、他馬とは次元の違うキレ味を見せた。
とにかく飛びのきれいな馬で、いかにも高速馬場に向きそうなタイプ。

Mの法則的にも非常に解り安いタイプで、「前走10頭立て→14頭立て」、「スロー→平均」のステップで未勝利勝ち。
「14頭立て→9頭立て」、「2000㍍→2400㍍」でパフォーマンスを落とすも、「500万万下→G3」、「9頭立て→14頭立て」、「2400→2200」とレースの流れや条件が厳しくなるタイミングでパフォーマンスをあげているところもミソだ。
今回は「G3→G1」に加え、「14頭立て→18頭立て」となる。

物理的にも精神的にも、今回ダービーへのステップ非常にマッチしていると感じているので、今回はこの馬を今年のダービー本命にしたい。
馬体減りが続いているので、ダービー後はじっくり休養して欲しい。

○クラージュゲリエ。
札幌2歳S、皐月賞では、力勝負に付き合わされ負けはしたが、崩れていないところにむしろこの馬の能力を感じている。
末のスピード争いになった京都2歳Sでしっかりパフォーマンスアップを見せている事から、ダービーの物理志向の方がこの馬に向くのではないか?…と思わせる。

▲シュヴァルツリーゼ
とにかく揉まれ弱い馬、スムーズに自分の競馬が出来ないと、皐月賞のようにあっさりレースを投げるのもこの馬の特徴。
ダメージ皆無な上に大外枠を引き当て、流れに巻き込まれずに競馬が出来そうだ。
忙しい皐月賞よりは、のびのび走れるダービー向き、道中のんびり構えられる菊花賞は更に向く。
今後のパフォーマンスアップに期待したい。

△ヴィント
突き抜るようなキレが無いだけに勝ち切るまでにはいかないとは思うが、とにかく「しつこい」て「しぶとい」走りをするのが印象的だ。
父が見慣れない種牡馬だったので、ちょっと血統を調べてみるとビックリ。
ミスプロ系ながらもノーザンダンサー系とミルリーフ系のスタミナ色の強い血統構成。
そこにちょいとターントゥ系を添えたような感じ。
意外だったのは、時計の掛かる馬場では勝ち切れず、逆にラップ12.0平均を切るような前走や前々走でしっかり勝利をモノにしている事である。
ターントゥ系やミスプロ系の決定隠し味がしっかり効いているように思える。
前走のスタート2ハロン、12.8→11.2でハナを奪えるのであれば、ダービーで好位~中段より前目に控える競馬は十分可能だ。
内枠を生かした省エネ競馬で、この馬の最大の持ち味である「しぶとさ」が生かせれば、あっと驚くような好走も期待出来ると見る。
ちょっと複勝馬券で狙ってみたい1頭だ。



最後に、サートゥルナーリアの評価。

4年前の共同通信杯の予想で、私はドゥラメンテを「三冠しても何らおかしくない馬」と豪語して評価した記憶がある。
その共同通信杯は2着に敗れたが、休み明けの皐月賞で目の覚めるような豪脚を繰り出し、ダービーでは横綱相撲…
時を経るに連れ、他馬との能力差を確実に広げていった。

サートゥルナーリアはというと、ホープフルSまでの競馬を見ていると、常に「完成度が違う」という印象が常に付きまとっていた。
特にホープフルSは、ゴール前で抑える余裕すらあり、他馬との完成度は歴然だった。
それから3ヶ月の時が経ち、休み明けで挑んだ皐月賞。
馬体を4㎏減らして、完全に仕上げたものの、ヴェロックスやダノンキングリーらの抵抗を受け、「何とか勝利出来た」という内容。
他馬との能力差が縮まった印象を受けた。
休み明けに余裕を残さず仕上げ、最後まで抵抗される厳しい競馬を強いられ、少なからず心身にダメージを残した状態。
皐月賞以上のパフォーマンスを求めるのはちょっと厳しく気もするが、3強の中ではやはり力量的には1番、スピード色はむしろダノンキングリーといった評価。
スローの流れなら、前走のダメージも影響少なくなりサートゥ、ダノン2頭の好走も可能となるが…

母が日米のオークスを制したシーザリオで、父がアーモンドアイを輩出したロードカナロア。
馬体も素晴らしくデビュー前から、とにかく評価の高かった馬でPOGでも圧倒的1番人気。
そういった事も相まって、過剰人気になり過ぎている感も強い。

それゆえに、今年のダービーは連単系の馬券に妙味があるのではないか?…と見ているが果たして?


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