フェアリーS2020予想
中山と言えど問われるのは府中の高速適性、これが荒れる原因

夏影
14期 予想歴37年

◎ペコリーノロマーノ
  14着/6人気

○アヌラーダプラ6着/1人
▲チェーンオブラブ2着/7人
△シャインガーネット4着/2人


このレースで何故1番人気が勝てないかと言えば答は簡単で、実は能力を「過大評価された馬が人気」になって負けているからである。
過去5年のこのレースの1番人気馬と最終的に所属しているクラスを記してみた。

・アクアミラビリス…3勝クラス

・テトラドラクマで…直後G3勝ちも、その出走メンバーは歴代最弱レベル。
その後はOP特別を勝つのがやっと。

逆にこの年の1着2着馬は後に重賞勝利は勿論、牝馬限定G1を賑わせるほどの存在感を示す。

・アエロリット…唯一人気と実力がリンクしていた年。
アエロリットが負けたのは、ペースの問題。レース前半11秒台前半のラップが3ハロン続き、先行馬には辛い流れなった事。
それにも関わらず道中2番手でレース進めていたアエロリットは2着に粘る。
勝馬よりも強い内容だった。
アエロリットのその後の活躍はご存知の通り。

・リセエンヌ…500万下。

・カービングパス…1000万下。

実力的にはセカンドクラスレベルの馬が過大評価され
アエロリットやプリモシーン、スカーレットカラーのように後に重賞戦線で勝利を残せるほどの実力馬は実はしっかり連対を果たしているのである。
そして、この3頭には共通点がある。
それは、「高速府中コースに実績がある」事である。

・プリモシーン…2019年ヴィクトリアマイル2着(1.30.5レコードとタイム差無し)

・スカーレットカラー…2019年府中牝馬S1着(1.44.5レコードから0.3秒差)

・アエロリット…2019年安田記念2着(1.30.9レコードから0.4秒差)、2019年毎日王冠2着(1.44.6レコードから0.4秒差)

そこで、過去5年のラップを見てみた。
下記は…

開催年、3ハロン目のラップ-4ハロン目、または5ハロン目のどちらかのラップで遅い方

…である。
3ハロン目というのはポジション争いが終わった後のラップでペースが落ち着き息が抜けるタイミング。
4・5ハロンというのは、勝負所の直前のタイミング。
つまりが、この間に大きな落差がなければ惰性で進んでいる事になり、大きくなればブレーキが掛かった事になる。
そういった概念から、このラップに注目している。

2019年 11.9-12.4(0.5)
2018年 11.9-12.1(0.3)
2017年 11.2-11.9(0.7)
2016年 11.8-12.1(0.3)
2015年 11.9-12.4(0.5)

ちなみに、驚異的レコードとなった昨年のヴィクトリアマイルはというと…

・ヴィクトリアマイル 10.8-11.3(0.5)

2017年は先に述べた通り、前半のオーバーペースが祟り消耗戦となった形。
その他の年のペースの落差は、昨年のヴィクトリアマイルと変わらない。
つまりが、あまり速度の落ちず高速府中マイルと変わらない力を出し入れ感覚でレースが進むという事である。
昨年このレースで2着となった、ホウオウカトリーヌは1200㍍で2勝を挙げている馬。スプリント色の強い馬が連対ところも府中と共通しているポイントである。

しかし府中と言えども、2歳時の新馬戦や未勝利戦を鵜呑みにしてはならない。
というのも、この時期のマイルというのは、将来掛かり癖を付けないようにじっくりと構えさせる競馬に専念する事が常識となっている。
つまりが、高速マイルのような流れを経験していない馬ばかりなのである。

狙い目は気の良さのあり距離延長に適応出来る短距離適性馬だろう。

◎ペコリーノロマーノ

前走のラップは…

12.3-10.9-11.7-12.1-11.8-11.5-11.5

3ハロン目から4ハロン目にかけてのペース落差が0.4秒。
その後からラストの攻防が行われている通り、かなり軽さの問われたレースで完勝。
こういったレースから、楽々好位に付けられるレースっ振りからも、おそらく素軽さはメンバー中最右翼と見ている。
人気薄だが、この馬を中心に馬券を考えてみたい。

○アヌラーダプラ

前走のラップは…
12.5-11.0-11.4-11.8-11.3-11.4-11.6

こちらも3ハロンから4ハロン目にかけてのペース落差が0.4秒。
圧倒的1番人気を背負っての完勝で、こちらもかなり素軽さの問われたレースでの適性の高さがうかがわれる。

▲チェーンオブラブ

勝利した2走前のラップは…

11.6-11.2-11.9-12.1-11.6-11.1-11.6

一方、4着に敗れた前走。

12.4-11.4-12.2-12.2-12.3-11.1-11.3-11.5

3ハロン目から5ハロン目にかけてのペース落差は0.1秒だが、3ハロン目のペースが既に12秒台にまで落ちており、そこから12秒台のラップが3ハロン続いている訳で、それ則ち「中距離適性馬にも楽な追走ペース」という事でもある。
そして、1000㍍地点から上昇差1.2秒という急激な加速がなされている事からも、「惰性を生かしたスピード競馬」とは程遠い内容。
むしろ、1800㍍のスローペース競馬と同質のもの。

そんな事からも、今回レースのペースが例年通りになれば、巻き返しは可能と見る。

最後に、2番人気のシャインガーネットについて。
パワーがあり、力量もかなりのものと見る。
おそらく、重賞の1つや2つは取れるのではなかろうか?
ただし、本質的には中長距離質の流れが向く。
将来G1奪取を考えるなら、慌てて春に間に合わすのではなく、じっくり秋を目指した方が期待値がグッと高まるのではなかろうか?
春のクラッシック前哨戦なら、フラワーC、フローラS。
夏のマーメイドS、クイーンS。
この辺あたりでしっかり、賞金を加算してもらって、秋華賞とエリザベス女王杯を目指して欲しい。


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