スプリンターズS2020予想
意外と微妙な適性を持つグランアレグリア

夏影
14期 予想歴37年

◎ダイメイフジ
  14着/13人気

○ダイアトニック13着/5人
▲クリノガウディー5着/9人
△ビアンフェ16着/11人


グランアレグリアが持つ物理適性は、実はかなり微妙なラインに位置する。

マイラーや中距離馬相手だと体力や底力の面で分が悪く、スプリンター相手だとスピードやパワー面で分が悪くなる。
なので、マイラーや中距離馬相手のレースではスピード勝負に持ち込み、スプリンター相手の時は逆にスタミナや気の良さを勝負に持ち込むのがベスト。

この事は、この馬のこれまでの戦歴が物語っている。
朝日杯FSはNHKマイルCはタフさが求められたレースとなり、グランアレグリアは人気を背負って凡走した。
勝ったのはアドマイヤマーズで、のちに香港マイルを制した底力のあるマイラーだ。
勝った桜花賞の前半1000㍍は59.4のスロー、レース後半のスピードがモノを言う競馬。
安田記念はさ高速結着となり、レース全体を通して1200㍍のスピード特性が問われたレース。
つまりが、マイラーや中距離馬相手にスピードにモノを言わせて勝っていたのだ。

今年の高松宮記念では、大外から追って届かずの3着入線。
進路妨害のお陰で2着と繰り上がったものの、勝ち負けに加わっての2着という訳ではなく、むしろ棚ぼた的な2着といった感じである。
あの進路妨害が無ければ、不利をモロに被りブレーキが掛かったダイアトニックがおそらく制したのではないか?と思わる。
そして、進路妨害に無関係だったこの馬は4着に終わったはずだ。

スプリント差し馬のテンのダッシュ力と追走スピードは、マイル先行馬のものとほぼ同じ。
スプリント差し馬がマイラー相手に自分のペースで走ろうとすると、自ずと前目の位置取りとなる。
ストレイトガールを例に挙げると…
2015年のスプリンターズSは15頭立てで4角を9番手で通過、中段よりも後ろからの競馬。
対して同年のヴィクトリアマイルでは、18頭立てで4角5番手とかなり前目で競馬をしている。
しかしながら、グランアレグリアは、14頭立てだった安田記念の位置取りは4角7番手とど真ん中。
ちなみに、スプリント色の強いダノンスマッシュは先頭を走っていたように、真のスプリンターならやはり前目の位置取りになる。

つまり高松宮記念と安田記念の内容から、1200㍍ではテンのダッシュ力と追走スピードに多少難があるように思われる。
特に6年前の改修工事により、このレースはテン、中、終い全てのタイミングで1200㍍らしいスピードが問われるようになった。
中京1200㍍は最後の直線に十分な長さがあるので、パワー不足の馬がじんわり加速して差す事も可能だが、中山ではそうもいかない。
ダッシュ力や追走に難を示す馬が果たしてきっちり勝ち切れるかは疑問である。
高松宮記念と同じようなパフォーマンスか、はたまたそれ以下のパフォーマンスになる事も十分に想像がつく。
この面子で競馬をするならば、1400㍍以上の距離で走らせてあげたい。

先々週のオペラオーメモリアル(2勝クラス、芝2000㍍)の勝ち時計は、2.02.4。
先週は稍重だった事もあるが、木更津特別(2勝クラス、1600㍍)の勝ち時計1.35.7というのも実に遅い時計だ。
摩擦が高く、体力消耗の激しい馬場のように見受けられる。
もしかしたら、ここ5年とは違いスピードよりもタフさが問われる可能性も十分ある。
今年の高松宮記念に近い感じの特性が問われそうな感じ。
馬場も流れもタフなんだけどある程度前目にいないとダメ…みたいなイメージを描いている。
そちらの方に、ヤマを張って予想を立ててみたい。

◎ダイメイフジ
母父に入っているダンスインザダークは若駒の頃は体力面を活かして距離延長をこなすが、歳を経るとプッツリと気持ちがキレやすい性格が前面に出てくるので、ゆったりと流れるレースで凡走するケースが多くなる。
若駒が走る菊花賞に強い種牡馬も、古馬が走る天皇賞春に
は滅法弱い血として知られている。
父アグネスデジタルにも同じようなキレやすさを内包しており、ここ最近はこの血統らしい安定感のない成績となっている。
アグネスデジタルの母父チーフズクラウンからは、ダンチヒ系のパワーを受け継いでおり、短距離に対する適性を与えている。
父クラフティプロスペクターの母父はインリアリティで究極のトップスピードを与える血。
そういった事からも、アグネスデジタルは究極のスプリント血統であってもおかしくない。
不安定な競走成績から一見買い時が難しそうに見える馬だが、ツボは非常に簡単。
頭の中が真っ白になるくらい「全開の競馬が出来るか?」どうかにこの馬の激走は掛かっている。
特に評価出来るのは、前々走の内容で、大外枠から強引にハナを奪った。
この馬にとっては、このくらい強引さのある競馬でちょうど良い。
燃え盛る心と走りが、ちょうど上手い具合に噛み合ってくれる。
モズスーパーフレアやラブカンプー、ビアンフェ等かなり同型が揃いペースが激化するのは、むしろこの馬の性格上、歓迎出来る環境でもある。
前走馬体を大きく減らしたように、激走したときの消耗度は激しい。
身体を庇う事なく全身全霊のエネルギッシュな走りを見せている裏返しでもある。
こういった所から、内枠が圧倒的有利な函館1200㍍で大外枠からハナを奪うという豪快なパフォーマンスを可能にしている。

前走は反動で馬体を減らし凡走したが、ここ2週は一杯に負荷を掛け追い切られている事から、減った馬体は戻っているものと判断。
前々走の騎乗振りをみると、菱田ジョッキーはこの馬の個性を十分に知り尽くしたような乗り方をしているように見えた。
今回は、モズスーパーフレアからハナを奪うくらいのつもりで強気な競馬をして欲しい。

○ダイアトニック

対し、こちらはダイメイフジとは性格的に真逆なタイプ。
気の良さがあり、精神的にどっしりしたタイプで本来大崩れしないタイプだったが…
前々走の疲労に加え、内荒れ馬場の内枠という二重苦ゆえ、前走の惨敗は仕方のないところ。
適性に関しては、高松宮記念の内容で証明済、テン、中、終いのスピードとパワーは申し分ない。

▲クリノガウディー

基本的にタフなレースでこその馬。
今回はガンガンに飛ばしてくれる逃げ馬が揃い、馬場もタフとなれば、この馬はしっかり押さえておきたいところだ。

△ビアンフェ

前走は反動残しようのない内容で、前哨戦としてはベストな内容。
同じ逃げ馬でも、モズスーパーフレアやダイメイフジほどの凄みはなく、この枠から勝ち切れる競馬が出来るかは疑問。
も、複勝圏内ならあると見る。

モズスーパーフレアの前走は同型の揃ったレース。
かなりタフなレースを頑張り過ぎた感が強く、反動が心配。
ダノンスマッシュは、トライアルで激走して本番で反動といういつものパターンか?

今回勝ち切れそうな馬は、◎○▲のどれか?といったところ。
とりあえず、3頭の単勝を押さえておきたい。


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