秋華賞2020予想
適性違いのローズSより、適性近い紫苑S

夏影
14期 予想歴37年

◎パラスアテナ
  4着/12人気

○デアリングタクト1着/1人
▲ウインマイティー9着/3人
△ソフトフルート3着/9人
×リアアメリア
×ホウオウピースフル


「デアリングタクトの不安」
まずは、無敗の二冠馬デアリングタクトについて。
父からは体力、母からパワー。
血統的な観点から見れば、京都内回りでパフォーマンスを落とすとは考え難い。
不安材料を挙げるなら、血統よりもこれまでのレースっ振り。
今まで外を回してスムーズな競馬が出来た事は確かに大きかったという事。
特にオークスでは馬群を捌くのに苦労する場面もあった。
強い内容だったと同時に、「もし小回りだったら届いたのだろうか?」という内容でもあった。
今回外からスムーズに捲れる競馬なら良いが、内ラチで揉まれる競馬だと厳しいと見る。
今回のこの馬の評価は、枠順を見て判断したい。

「秋華賞馬にふさわしいのは」
むしろオークスの内容で注目したいのは、2着馬のウインマリリンだ。
トライアル激走の反動が出ても良い状態だったが、そのストレスを堪えての激走。
大外枠から切れ込み、レース序盤にかなりのコースロスがあったはず。
勝馬以上の内容で、「もし小回りだったら残っていたのではないか?」という内容でもあった。
しかしながら、右肘の腫れの治療で手術をしており調整が難航。
何とか秋華賞に間に合わせようと、傷口が塞ぎ切らない状態で入厩し、付け焼き刃的な調整が行なわれている模様。
おそらく、大事を取るなら回避、出走しても調整不足の状態だろうと推測する。

「秋華賞とローズS」
「秋華賞とローズS」の関係は、「桜花賞とフィリーズレビュー」と真逆の関係である。
桜花賞は阪神の外回りで行なわれる為、前半は比較的ゆったりと流れ、後半は長い直線での攻防戦となる。
しかし、フィリーズレビューは内回り。
スタートのポジション取りが重要。
且つ最後の直線も短いので、レース後半の比較的速いタイミングから激しい攻防に入る。
全く異なる流れになる為、問われる特性も全く異なる。
最近、フィリーズレビュー勝馬から桜花賞馬が全く出ないのは、こういった理由からである。
対して秋華賞は内回り、ローズSは外回りである。
今年のローズSは中京開催だが、中京のホームストレッチも長く前半はゆったりと流れがちになる。
ここ最近、フィリーズレビューの勝馬から桜花賞が出ていないのと同時に、ローズS勝馬が秋華賞を勝てないのは、プレ秋華賞的要素が全くないから他にならない。

「昔は軽視された紫苑Sだが」
ここ5年の連対馬を見て見ると…

2019年
クロノジェネシス(ぶっつけ本番)
カレンブーケドール(紫苑S3着)

2018年
アーモンドアイ(ぶっつけ本番)
ミッキーチャーム(藻岩山特別)

2017年
ディアドラ(紫苑S1着)
リスグラシュー(ローズS3着)

2016年
ヴィヴロス(紫苑S2着)
パールコード(紫苑S5着)

2015年
ミッキークイーン(ローズS2着)
クイーンズリング(ローズS5着)

実は、昔は全く軽視されていた紫苑S組の連対が1番多い事に気付く。
紫苑Sは中山の内回りで行なわれ、しかも最後の直線に急坂が待ち受ける。
京都コースよりもタフさが求められるので、ここから秋華賞に向かうステップは、コース的には「苦→楽」となる。
重賞に格上げされてからは、力のある馬が集うようになり、トライアルとしての意義が非常に大きくなったように思える

「最終結論」
土曜開催後の馬場状態は重。
先週の馬場の回復速度から、おそらくは稍重での開催となりそう。
運が良ければ良馬場も、先週の京都大賞典の時計から、良馬場でも極端に速い時計にはならないだろう。
スピードよりもパワーやスタミナ面を重視してみたい。


◎パラスアテナ
紫苑Sは、かなり体力消耗度の高い馬場での競馬。
ホウオウピースフルやクロスセルなど、4コーナーで脚を使った馬は軒並み末脚を失い着順を下げていた。
同じような捲りの競馬を見せたパラスアテナだったが、ゴール前も脚色が衰える事なく、勝馬にしっかり着差を詰めていたあたり、他馬とは明らかに力量が違ったといった内容だった。

激走後の反動も気になるところだが、短期疲労や激走のダメージに強いのがルーラーシップ産駒の特徴でもある。
代表産駒のキセキは、12kgの馬体減で神戸新聞杯を2着した後、中3週で重馬場の菊花賞を制した。
毎日王冠を3着し、中2週の天皇賞(秋)は8kg減だったが、しっかり逃げる事が出来て3着。
更に中3週でJCを2着している。
また、ダンビュライトはサンタクロースS快勝後の中3週の4kg減。
そんなAJCCを先行して連勝している。
馬体を減らしても、体力切れを起こす事なく位置取りをキープし好走を持続できるほどの体質の強さがある。

ちょっと外過ぎた枠だが、スムーズな競馬が出来る枠。
今回初挑戦G1と、良いテンションでこの競馬を迎えるのは大きなアドバンテージ。
多少馬場が渋るのも良いし、前走が非常にタフな馬場だったので、「急坂→平坦」というステップが素直に生きてくる。
これまで、長い直線で普通に差す競馬をしてきたデアリングタクトに対し、こちらは小回りで捲る競馬がメイン。
今回の競馬に適応したレースを重ねているのもアドバンテージとなる。
打倒デアリングタクトに期待したい。

○デアリングタクト
時計の出る馬場なら流れに戸惑うリスク、内枠ならば包まれるリスクも考えられたが、この競馬でこの枠なら申し分ない。
能力通りの競馬はしてくるはず。

▲ウインマイティー
前走は休み明けも馬体減。
前目のポジションが取れずも、差す競馬で0.3秒差。
今回はやや馬体を戻して来そうで、今回前目の位置取りが出来れば面白い。
ゴールドシップ産駒だけに、時計が掛る馬場は歓迎で、上がりが掛るようならさらに期待が高まる。

△ソフトフルート
3走前は差された相手を差し返す内容。
叩き合いを制した後の距離延長の多頭数競馬とキツいステップだった2走前も、しぶとい脚を使ってゴール前まで勝ち負けに加わっていた内容。
前走はインベタの競馬で、最後突き抜けた。
ここ3戦、精神的な充実度が著しく映る。
前走から斤量3kg増が微妙も、有力馬マークの差し競馬で面白そうな感じ。
紐でちょっと押さえておきたい。

✕リアアメリア
非常気の良い馬。
前走馬体増での先行策は、差し競馬がマンネリ化していた同馬にとって新鮮味を与える最良の策で、鞍上のファインプレー。
ホームストレッチの長い中京コースというのも、レース序盤がゆったり流れるので先行しやすい環境だった。
今回は小回りで、前走より多少ペースも激化するはず。
楽に前目のポジションを取れるとも思えない。
差しに回れば、包まれ窮屈な競馬になる。

✕ホウオウピースフル
前走厳しい内容のレースを投げ、反動を残さなかった事は評価出来る。
クイーンCは、「距離短縮+相手強化」で6着凡走。
フローラSは、「距離延長」で2着好走。
オークスは距離延長も、「相手強化」で
8直線凡走。
相手強化やペース激化に脆く、相手弱化やペースゆったりと流れるステップで強さを発揮。
ステイゴールド系で馬場は合いそうも、今回は相手強化のタイミングで。


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