菊花賞2020予想
ステイヤー同士のG1だからこそ、スタミナ+αが欲しい

夏影
14期 予想歴37年

◎ターキッシュパレス
  14着/16人気

○バビット10着/3人
▲コントレイル1着/1人
△ロバートソンキー6着/9人


金曜日は雨も土曜日は曇り、そして日曜日は晴れの予報となっている。
予報通りの天気なら、おそらく良馬場での開催となりそうだ。
だが、馬場状態はかなり荒れているようで、稍重の下級条件と言えど1800、1600㍍でラップ12.0秒が切れないとなると、かなり摩擦の高い馬場だと言えよう。
かなり、体力消費の激しい馬場だと思っている。

予想のヒントになったのは京都大賞典。
スタートで最後方まで下げたキセキが、残り1000㍍地点から捲り出した。
4コーナーに差し掛かりグローリーヴェイズに馬体を併せに行ったのだが、そのグローリーヴェイズが仕掛けてスッと突き放されてしまった。

ここ最近の菊花賞でも、早めに捲った馬が後から仕掛けた馬に差されるシーンを良く見かける。
例えば2018年、エタリオウが捲った後にフィエールマンが差し切った。
2015年は、各馬が3角上りから仕掛け出し、道中5番手にいたキタサンブラックは一時10番手までポジションを落とした。
馬群がバラけた直線入口で最内を突きスパートし、最後の一冠をモノにした。

今年の面子を見てみると、ヴェルトライゼンデやヴァルコスといったステイヤー色の強い馬が揃っており、レース後半の早いタイミングから動き出す展開となり、2015年に近い展開になるのかなぁ…という考えがあったりもする。
持続力に富んだステイヤーは、当然持続力勝負の競馬に持ち込みたいはず。
スピード不足の反応の鈍い馬だと、先行馬なら好位置が取れない、差し馬ならばステイヤー同士の叩き合いの中でも反応の鈍さを露呈する事になる。
昨年のワールドプレミアは、ほぼほぼ武豊の超絶ファインプレーによるところが大きかった。
コースロスの全く無い乗り方をして、反応不足スピード不足の欠点を徹底的に補っていた。
他のジョッキーで、池添や福永あたりでそういった乗り方を期待するのは酷のように思える。
そんな事からも、反応の良い加速が出来るパワーとスピードがあると優位に立てるはず。
フィエールマンにしても、キタサンブラックにしても、プリンスリーギフト系の血を持ち、グローリーヴェイズについてはフォーティナイナー系の血を持っている、それでいながらステイヤーなのだ。

ステイヤー同士の比較をしてみると、先行馬にスピード色の強い血を持った馬が存在しており、これらの馬が思い描いた通りの位置取り、コース取りで競馬が出来そうな雰囲気がある。
前残りの競馬を想定して、こんな馬に注目してみた。

◎ターキッシュパレス

父ゴールデンホーン ✕ 母父ディグダット

父父ケープクロスはちょっと重過ぎる血で、日本では活躍馬が出ていないのが現状だが、ひょっとしたらこの馬は?…と感じる部分はある。
父母父はキングマンボ系で父母母はヌレイエフ系と非常に日本のスピード競馬にマッチした血を保有している。
ゴドルフィン以外にも、社台がこのゴールデンホーン産駒を生産しており、キングマンボ✕ヌレイエフの部分に日本競馬への適応力を感じているのではなかろうか?と考える。

更に母父ディグダットはインリアリティ系で、サクラバクシンオーと並ぶ最速スプリント系統の血である。
最近の菊花賞は、とにかくスピードの隠し味がある馬の活躍が目立つ。
フィエールマンやキタサンブラックはプリンスリーギフト系の血。
サトノダイヤモンドは米国ダンチヒ系のルアー。
トーホウジャッカルはアンブライダルズソング。
父馬はステイヤーだが、母はスピード色の強い血統というパターンをよく見かける。

前走は8kgの馬体減り、前目のポジションが取れずに5着凡走。
しかしながら、反動が出て馬体減り、自分のポジションで競馬が出来なかった割には、ヴェルトライゼンデとの着差は0.3秒。
馬体が戻り自分の競馬をして巻き返すようならば、どれほどのパフォーマンスアップが見込めるか?
テンから好ポジションを掴めるのは、ダンチヒとインリアリティのパワーとスピードによるところが大きい。
それでいて、末脚の持続力はハンパなく、おそらく現役最強クラスだろう。
今後は、長距離レースであっと言わせる存在となるはずだ。

○バビット

父ナカヤマフェスタ ✕ 母父タイキシャトル

こちらも、ステイヤー色✕スピード色の現代版ステイヤー配合。
今回はおそらく競馬の中心的存在になるだろう。
ペースの鍵を握るのはこの馬だろうし、展開が動くのもこの馬のゴーサインがきっかけとなりそう。
向正面捲りという大胆な戦法で、ゴールドシップを菊花賞馬へと導いたウチパクが鞍上。
この馬をベストの戦法で導いてくれるはず。

▲コントレイル

1頭2頭が3コーナー捲りをする分には問題無いとみるも、逆に2015年のように大半の馬が上り坂で仕掛けてくるような展開となると正直苦しい。
ひと昔前のようにヘタレ騎手が多かった時代ならスローの競馬が期待出来るが、ここ最近は公営や外国から勝負師らしいジョッキーがJRAに参加するようになり、「スローペース症候群」という言葉を聞かなくなった。
大半の馬が、積極的に早仕掛けする展開となると、流れに付いていこうとすれば長く脚を使う事になり、逆に体力温存に専念すると位置取りが悪くなってしまう。
この馬の物理特性を考えると、どうしても「受け身的」な競馬しか思いつかない。
福永ジョッキーがどのようにエスコートするか注目したい。
消極的な展開なら、逆に競馬は楽になる。

△ロバートソンキー
集中力高いも、更なる馬体減りなら体力切れの心配あり。

△サトノインプレッサ
毎日王冠を使われた事により、同路線ストレスから免れる。

△ヴェルトライゼンデ
スピード因子に掛ける血統背景。
決め手が求められると、勝ち切るのは正直厳しいと見る。
昨年のこのレースなら勝てていたかも?
ノーザンFの生産馬で、ダービー3着は先天的な能力ではなく、後天的に身につけた能力の結果だろう。


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