ジャパンカップ2020予想
キモは4角の位置取り、小回り2000㍍の実績に注目

夏影
14期 予想歴37年

◎デアリングタクト
  3着/3人気

○クレッシェンドラヴ13着/14人
▲キセキ8着/6人
△カレンブーケドール4着/5人
×アーモンドアイ


「馬場状態と疲労の関係」

馬場状態と疲労には大きな関係がある。
前残りの高速馬場というは、疲労の影響が出にくい。
スピードが衰えないので、道中のスピード維持に体力を消耗する事が無いから身体が楽に感じるのだ。

しかし、路盤が悪化した馬場は違う。
非常に疲労の影響が出やすい。
爪が地面に沈んだり、脚が取られたり、泥や芝が後方に飛ぶ事により推進力が弱まり、スピード維持の為にパワーを必要とし、より多く体力が消費されるので、身体がしんどく感じるのである。

そこで3強と言われる馬の疲労を考えてみたい。
下記は3強の疲労度合いの順位を簡単に数値化したもの。
「間隔」というのはレース間隔の開き具合の順位。
「前走」というのは前走のレースで受けるダメージの少なさの順位。

        間隔 前走

アーモンドアイ  3  2
コントレイル   2  3
デアリングタクト 1  1

アーモンドアイは3強の中で1番レース間隔が1番が短く、レースのダメージを残している可能性が1番高い。
コントレイルは3000㍍という長距離を使っており、レースによるダメージが1番大きい。

しかし、デアリングタクトは3強の中で1番レース間隔が開き、且つ3歳牝馬限定という1番レベルの低いレースである為に、レースによるダメージも他の2頭よりも低いと考えられる。
つまり疲労面においては、圧倒的なアドバンテージがあるのだ。

「4角の位置取り」

過去10年の1着入線馬の位置取りを見てみると、明らかに4角での位置取りが重要かを思い知らされる。
この話は、過去のジャパンCの予想時でも話した事である。
2010年、2015年以外は全て4角6番手以内である。

2019年 スワーヴリチャード 5番手
2018年 アーモンドアイ   2番手
2017年 シュヴァルグラン  4番手
2016年 キタサンブラック  1番手
2015年 ショウナンパンドラ 11番手
2014年 エピファネイア   4番手
2013年 ジェンティルドンナ 4番手
2012年 ジェンティルドンナ 6番手
2011年 ブエナビスタ    6番手
2010年 ブエナビスタ    10番手

4角の位置取りを問うレースとは、それ則ち「小回り適性」が問われるレースという事である。
小回りでは最後の直線が短いので、どうしても4角での位置取りが問われる。
実際過去10年の1着入線馬のうち、シュヴァルグラン以外の馬は全て小回り2000㍍のG1で2直線以内の入線を果たしている。

スワーヴリチャード 大阪杯   ⑮①①
アーモンドアイ   秋華賞   ⑪⑪⑫
キタサンブラック  大阪杯   ③③②
ショウナンパンドラ 秋華賞   ⑨⑨⑤
エピファネイア   皐月賞   ⑦⑤③ (2着)
ジェンティルドンナ 秋華賞   ⑨⑨⑨ 
ブエナビスタ    秋華賞   ⑩⑨⑩ (2着入線)

アーモンドアイ、ジェンティルドンナ、ブエナビスタあたりは差し競馬をしているが、それは則ち「短い直線を驚異的なスピードで克服」したという事でもある。
ブエナビスタの上がりは34.3と大した事はないが、アーモンドアイは33.6、ジェンティルドンナは33.1という上がりを叩き出している。
例外となったシュヴァルグランにしても、阪神大賞典を捲り競馬で勝っており、「小回り適性」は十分見せている。

「まとめ」

今回のジャパンカップは…

「悪化した馬場で、いかに機動力を使わなければならないか?」

…という要素が問われると見る。
疲労を抱えて位置取りを悪くしたり、勝負所で動けないといった状態では苦しい。

「結論」

◎デアリングタクト

疲労面、レース適性に関しては先に述べた通り。
父エピファネイアの影響強く、「小回り→広いコース」、「距離延長」はのびのび走れるステップでこの馬向き。
3強中、あらゆる面で圧倒的なアドバンテージがあり、少なくとも他の2強には負けないと見る。
ここは、迷わずこの馬中心に馬券を攻めていきたい。

○クレッシェンドラヴ(注目)

小回り2000㍍の重賞を2度捲り勝ちした実績を評価。
叩き良化型のステイヤータイプで、前走からのパフォーマンスアップも見込める。
母父サドラーズウェルズという事からも、広いコースで体力を生かすレースにも向きそうな雰囲気がある。
生涯発のチャンピオン戦というフレッシュさもあり、面白い存在と見る。

▲キセキ

京都大賞典はバックストレッチから豪快に捲る競馬を見せたが、ワンポイントでの急加速適性が有利に働く競馬。
母父にフォーティナイナー系の血を持つグローリーヴェイズ向きの競馬だった。
天皇賞(秋)は先行して体力勝負に持ち込もうとするも、上がりの速い競馬となり、やはり展開が向かず。
2400㍍→2000㍍→2400㍍のバウンド延長。
今回は、4角での位置取りが問われる競馬。
物理的に「やや向く→向かない→ここ3走で一番向く」というステップ。
パフォーマンスアップに期待する。

△カレンブーケドール

重馬場で行なわれた昨年の2着目馬。
前走軽く負けてレース間隔も開いており、疲労の残りようも無い状態。
昨年の激走をそのまま評価して良い。

△トーラスジェミニ

ノーマークの逃げが打てそうな雰囲気が怖い。
中山マイルを2度逃げ切った経歴を持ち、意外にもスピード適性は高いし、根幹距離適性も高かったりする。
実際に、府中2000㍍も逃げ切っている。
G1鮮度のみならず、距離鮮度が高いのも好感。
実力的にギャップがあり過ぎて「?」も、大逃げが打てる展開なら馬券圏内突入もあるのでは?
荒れ馬場は向く。
ヒモでちょろっと押さえておきたい1頭。

最後に…
余談になるが、アーモンドアイとコントレイル、どちらを上位に取るかを述べてみたい。

アーモンドアイは、前走はスローペースの上がりの競馬を体験。
則ち、道中体力温存してのもの。
今回も矯める競馬なら、距離延長な分「楽→苦」のステップ。
機動力を生かそうとすれば、「楽→激苦」となり苦しい。

一方、コントレイルは菊花賞を捲り気味に競馬しており、かなりしんどい競馬をしている。
今回矯める競馬で、スピードを最大限に生かし疲労をカバーといった形を取れば、距離短縮効果も見込め「苦→楽」となり得る。
但し、矯め差しは向かない競馬で勝ち切るには厳しい。
「追い込んで届かず」になる公算か高い。
機動力を生かそうとすれば、おそらく疲労の影響がもろに出るはず。

…という事で、矯める競馬でコントレイルを上位に取りたい。
ホープフルS、皐月賞と小回り2000㍍を勝っており、適性はある。


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