エリザベス女王杯2021予想
効果の見えないグリーンベルトを制する者がレースを制す

夏影
14期 予想歴38年

◎テルツェット
  11着/4人気

○ウインマリリン16着/3人
▲レイパパレ6着/1人
△ランブリングアレー9着/6人
×アカイトリノムスメ


・馬場読み

先週から阪神競馬場はAコースを使用、実は最内にグリーンベルトが発生している。
それを実感出来ないのは、逃げや先行馬が有利の馬場でないからである。

秋の阪神開幕2週目に秋華賞が行なわれたが、逃げたエイシンヒテン、2番手に付けたソダシがあっさりアカイトリノムスメ、ファインルージュ、アンドヴァラナウトにバッサリと差されている通り、差し馬向きの馬場となっている。
しかも、2000㍍の時計が2分を超えているように、かなりスピードの殺がれている。

秋華賞では、1〜3着馬全てがディープインパクトの血を保有。
外から差して来た1〜2着馬はアメリカ色の強い母系。
且つ、共にマイル重賞の勝鞍がある。
最内を突いた3着馬はヨーロッパ色が強く、重賞勝鞍は中距離のローズSのみ。
このタイミングの阪神の馬場は、末脚のスピードが問われた。

今回も同じ競馬になるか? と言えば、そこはグリーンベルトのあるトラックバイアス。
末脚スピード型のタイプは、3コーナーからじんわりと加速させてスピードを乗せる必要がある為、外を回さざるを得ない。
内と外とでは、間違いなく内の方が馬場が良いとなると、芳しい物理特性とは言えない。
注目しているのは、勝負所でガツンと加速出来る物理特性、つまりがダンチヒ系の持つ加速力のある差し馬。
道中は芝のきれいな最内でじっと我慢に徹し、直線に出てから進路を開くのを待ってガツッと加速して抜け出す競馬が良いと考えている。

・結論

◎テルツェット

父ディープインパクト ✕ 母父デインヒルダンサー

リアルスティール、ラヴズオンリーユーの3/4妹。
ストームキャットの血を持つものの、ボトムの主張が強くこの2頭は明らかな中長距離向きのバランスに出ている。
特にリアルスティールは、安田記念を2度出走し共に惨敗しているようにスピード色に乏しかった。
テルツェットとこの2頭との違いは、更にヨーロッパ型マイラー色の強いデインヒルダンサーを挟んでいるところ。
アメリカ的なスピードタイプでないところがミソで、それ故テルツェット自身ヴィクトリアマイルを惨敗している。
この点では、リアルスティールと非常に似た戦歴を持つ。
しかしながら、中山で行なわれたマイル重賞ダービー卿CTは勝っている。
何が言いたいのか?と 言えば、この馬は追走スピードやトップスピードが高いマイラータイプではなく、ダンチヒ系特有の凄まじい加速力を持つ馬だという事。
それ故に、直線の短いコースでの差し競馬では無類の強さを見せる。
圧巻だったのは、前走のクイーンC。
4角出口では、殿で横5頭がほぼ横1列に並ぶ格好。
その殿争いの最中、内から2頭目の位置から一気に加速。
たった262㍍しか無い短い直線で、末脚自慢のマジックキャッスル諸共バッサリ斬り捨ててみせた。
函館競馬場はスパイラルコーナーの影響が強く、4角出口でかなり激しい減速が生じるコース。
直線入口からの加速力がモノを言うのだ。
距離不安が囁かれているが、ヴィクトリアマイルの負けっ振り(笑)からスピード型のマイラーではない事は明らか。
血統背景、クイーンCのレース内容からも、「小回り中距離の鬼」という評価を下す。
根拠のない距離不安説はオッズを上げてくれる、わたし的には有難い事である。

○ウインマリリン

父スクリーンヒーロー ✕ 母父フサイチペガサス

昨年手術した右肘の不安が再発したらしい。
回避し有馬記念という選択肢もあったが、こちらの出走を選んだ。
回避したところで、改善する保証が無いという事と、有馬はさらに強いメンバーが揃う事が理由らしい。
下手すると、このレースが最後のレースになる事も十分ある得る事から、使えるタイミングは目一で挑んで来ると考えたい。
オールカマーの内容からも、このレースへの適性はかなり高そう。
先行策だったが、直線で一呼吸置いてからのGoサインに鋭く反応し突き抜けた。
矯めが利いていたし、直線半ばからの仕掛けで上がり1位。
加速力の良さを物語っている。

▲レイパパレ

父ディープインパクト ✕ 母父クロフネ

「前走先行→今回差し」なら面白い。
今回の鞍上はルメールなだけに、この位置取りショックは十分にあり得ると考える。
「G2→G1」格上げステップ、小回り、先行策が揃ったメンバー構成…前走よりペースアップが期待出来る環境で、位置取りショックを掛けやすくなっているのも良いだろう。
生涯初の差し競馬となり、フレッシュさを得るはず。
前走体力負けした感も強い内容だっただけに、「苦→楽」ステップとなり得るショックでもある。
その為にも、今回は軽く馬体を絞って欲しい。

△ランブリングアレー

父ディープインパクト ✕ 母父シンボリクリスエス

加速力の鋭いタイプではないが、ヴィクトリアマイルを差して激走した通り、スピード競馬にも融通性を示す馬。
しかしながら、中山牝馬Sの内容がこの馬本来の姿だろう。
不良馬場のバラけた展開から、体力にモノを言わせて押し切った。
イン差しというよりかは、スムーズに流れに乗せて、体力任せに外からの差し、若しくは捲る競馬が理想。
前走を凡走し、ストレスや疲労を残さなかった事は吉となりそう。

△グラヴェル

父エピファネイア ✕ 母父キングカメハメハ

鞍上横山典は、内が伸びるトラックバイアスで内枠を引くと、間違い無くインを突いて来るジョッキーで、作戦が非常に理解しやすい(笑)。
基本揉まれて良いタイプの馬ではないが、運良く進路がぽっかり開くような展開になれば面白い。

✕アカイトリノムスメ

秋華賞激走後の中3週のローテーション。
疲労を抱えての距離延長に疑問。
疲労に脆さをみせるディープインパクト産駒だけに…


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