高松宮記念2023予想
重、不良ならスタミナ因子に注目

夏影
14期 予想歴40年

◎トウシンマカオ
  15着/5人気

○ウォーターナビレラ16着/14人
▲メイケイエール12着/1人
△ディヴィナシオン14着/16人
×アグリ
×ナムラクレア


(重馬場激走馬の考察)
 今週の週末は、雨天が続くようなので、一週前とは考えを変えて話を進めてみたい。

・2022年
  ナランフレグ(母父ブライアンズタイム)

・2021年
  ダノンスマッシュ(母母父クリスエス)

・2020年
  ※クリノガウディー(父スクリーンヒーロー)

・2014年
  コパノリチャード(母父トニービン)

 上記は、重もしくは不良で行われた高松宮記念の1着入線馬である。
 昨年、キルロードが一旦先頭に立ち見せ場を作るも、ゴール前で体力切れを起こし脚が止まった。結果、ナランフレグとロータスランドに差された。
 キルロードは、スプリント系の血を重ねられて生産された馬。裏を返せば、スタミナ面を全く無視して生産された馬である。その為、スタミナロスの大きい重馬場になり、踏ん張り所で踏ん張り切れず涙を飲んだ。
 近年の重馬場勝馬を見てみると、ロベルトの血の保有馬の活躍が目立つ、例外のコパノリチャードにしても、トニービンといったステイヤー色の強い血を保有している。
 ロベルトの血が有利だという事は、「脚が上がってからの踏ん張り合い」といったイギリス競馬的な要素が問われているという事。それ故に、対極の特性である「惰性」に頼る競馬は不利になる、という事でもある。
 注目はパワーとスタミナに特化したステイヤー色の血、特にロベルトの血を保有している馬には注意したい。
 この手の血統は、総じて使われてパフォーマンスを上げるタイプが多い。
 ナランフレグは1年間使われ続けての勝利、クリノガウディーは叩き3戦目、コパノリチャードも秋から使われ続けていた。
 土曜日のアスクビクターモアと言い、ボルドグフーシュやディープボンドと言い、ステイヤー色の強い血統の休み明けは当てにならない部分があり、しっかり前哨戦を使われた馬であるかどうかは、しっかりチェックしておくべきだろう。

 切り馬として考えたいのは、アメリカ血統の逃げ先行馬。
 2020年にモズスーパーフレアが優勝しているが、クリノガウディーの降着による棚ぼた勝利。直線でのトラブルが発生しなければ、クリノガウディーとダイアトニックの2頭で決着した競馬だった。
 テンのダッシュ力と惰性に頼る競馬では、体力切れを起こす可能性が大きい。

(馬場読み)
 道悪というのは、レースが行われているタイミングでの天候状態が非常に重要になる。
 昨年のように雨が上がって馬場が回復途中にある時は、コースの内側から乾き始める為、内側のコース取りが有利になりやすい。ナランフレグはインベタの競馬を決めている。
 逆に一昨年のように雨が振り続き、馬場の良化が見込めない状態ならば、外側のコース取りが有利になりやすい。ダノンスマッシュやレシステンシアは外枠を利して大外から差し込んで来ている。
 今年はこのまま雨が降り続く予報になっており、外有利ではないか?…と考える。

 今回は切りの対象多く、意外と激走馬を絞りやすいレース。自信度を上げてみる。

◎トウシンマカオ

(血統)
父ビッグアーサー、母父スペシャルウィーク

(オプション)
生涯初の古馬G1、多頭数、「58.5→58kg」斤量減、「G3→G1」格上げ。

(解説)
 父ビッグアーサーはサクラバクシンオーの産駒だが、その母はかなり中長距離指向が強く、バクシンオー的な超スピード特性というよりは、底力が問われるタフが問われるレースで力を発揮した名スプリンターだ。
 スペシャルウィークの産駒は、総じてパワーとスタミナに特化したタイプに出やすいのが特長で、菊花賞馬トーホウジャッカル、不良馬場のダービーで2着に入ったリーチザクラウン、東京大賞典を制したローマンレジェンドを輩出。本来牝馬はスピード指向に傾きがちだが、シーザリオやブエナビスタといった2頭のオークス馬を輩出しており、ステイヤー血統らしい結果を残している。当時Mラーの間では、重や不良に強い血として知られていた。
 叩き良化型らしく、休み明けのキーンランドCをを叩かれ、その後連勝。
 2歳時はそれほどとは思わなかったが、ここ3戦の内容を見ていると、末脚には父ビッグアーサーを思わせるような力強さを感じさせる。若駒時とは、明らかにパワー面が強化された印象を受けた。
 今後は、ヨーロッパのスプリントレース参戦も視野に入れてほしい。

 前走は、2ヶ月とレース間隔が開いての12kg馬体増。
 惰性で先行馬が残れていたし、ナムラクレアのトップスピードが存分に生きた競馬。この馬の持ち味である、パワーとタフさとは無関係な軽い質のレースだった。
 しかも、体力充填直後からバリバリ動けるタイプでもないので、0.5秒差の4着ならむしろ上々のと言えよう。叩いての上積みに期待したい。

○ウォーターナビレラ

(血統)
父シルバーステート、母父キングヘイロー

(オプション)
多頭数内枠、「G3→G1」格上げ、生涯初のスプリントG1挑戦、「1400→1200㍍」距離短縮、「先行→差し」位置取りショック。

(解説)
 父母と母母、ロベルトラインが2本。全体的に見てヨーロッパステイヤー色の強い血統背景を持つ。
 阪神JF3着は、デビューから使われ続け4戦目。桜花賞2着は、休み明けを叩かれ14kgの馬体減でのもの。
 ここ4戦は良いところ無しも、オークスと秋華賞は距離適性の問題だろう。距離延長に対応出来るほどの気の良いタイプではない事や、母父の影響が強い事もあるだろう。
 距離延長適性の無さとは裏返しに、ペース激化適性や集中力の高さ、終いのしぶとさは折り紙付き。体力が問われるクラッシック路線からの路線変更。これまでの競馬との比較で、体力面では明らかに「苦→楽」となる。
 そもそも、マイルG1を先行して押し切る競馬が出来るだけの体力を持っており、この面子に対し体力面でのアドバンテージを持つ。
 前走は1400㍍の競馬で14着と大敗を喫しているが、休み明けで18kg馬体増に加え、大外枠と集中力を生かし難い環境だった事も事実。
 今回は叩き2戦目で内枠、初の1200㍍もスピード的不安は道悪になる事で解消。正直、運が味方している感が強く不気味な一頭。

▲メイケイエール

(血統)
父ミッキーアイル、母父ハービンジャー

(オプション)
休み明け

(解説)
 母父はイギリスのステイヤーで、血統全体を見ても、ヨーロッパ色が強い血統背景。
 母母は中距離の地方交流重賞を3勝。公営ダート向きのパワーとスタミナに特化した白毛馬だった。
 父はヨーロッパ型スプリンターだが、母でスタミナ面をカバーしている。
 これまで毎回のように言って来たが、この馬は体力充填後に張り切って全開の競馬をするタイプ。全開の競馬をするが故に、その反動も大きく、2走目は必ずと言って良いほど馬体を減らし、位置取りを落とし、肝心なところど一歩届かない競馬となるパターンが続いた。昨秋のスプリンターズSでは、ひと叩き後の筋力低下や疲労を抱えた状態で、位置取りを下げずに競馬をさせた。結果体力切れを起こし、人気を大きく裏切った。「何ゆえ2走目に位置取りを落とすか?」を考えず、ただ闇雲に位置取りさえ守れば良しとしてしまうところが、馬優先ではなく、いかにも人間本位な池添らしい騎乗だったと言えよう。
 陣営も同じ過ちを3回繰り返し、流石に学習したらしい。今回は「休み明けぶっつけ」で勝負して来た。今まで自信を持って本番で「✕」印を付けて来たが、今回はしっかりこの馬を押さえておきたい。

△ナランフレグ

(血統)
父ゴールドアリュール、母父ブライアンズタイム

(オプション)
「G3→G1」格上げ、「59→58kg」斤量減、多頭数。

(解説)
 本来は公営ダート2000㍍向きとも思えるような血統背景を持ち、パワーとスタミナに富むタイプ。
 昨年はパワーとスタミナ面が問われ、この馬向きの環境が整っていた。
 今年も道悪開催になりそうだが、昨年のようなフレッシュさなく、競馬もワンパターン。力は認めるが、モチベーションアップの要素なく。

△ディヴィナシオン

(血統)
父ヴィクトワールピサ、母父ストリートセンス

(オプション)
生涯初のG1挑戦

(解説)
 父はイギリス色の強いヴィクトワールピサで、踏ん張り合いの競馬に優れた因子を持つ。パワーがウリのタイプで小回りの競馬を得意とし、皐月賞や、有馬記念を制した。
 母はオセアニア産で、これまたパワー馬場向きの因子を持つ。
 正直、能力を無視し、血統だけで考えるならば、この馬が今回の適性ナンバーワンだと考える。
 前走は、初重賞の鮮度でいきなりの激走。やや前傾気味のラップで、先行馬が総崩れとなった競馬。タフさが求められる競馬が合うのだろう。
 格上げステップでパフォーマンスを上げている事からも、相手の力関係で競馬をするのではなく、自身の精神面で競馬の結果が左右するタイプだという事が理解できる。
 今回も「初のボスキャラ対決」というカードを切り、さらなるモチベーションアップが期待出来るタイミング。
 昨年のキルロードのような、あっ!と言わせるシーンに期待したい。

✕アグリ

 父、母共にスプリント色の強いアメリカ産馬。
 前走は、前半33.9→後半34.3。微妙に前傾気味の流れを番手追走から押し切る競馬。
つまりが、テンのダッシュ力と、勝負所での加速力にモノを言わせ惰性で押し切る競馬。
 実際ここ3戦連勝はしているが、相手が強化される毎に、2着馬との差が、0.6→0.3→クビ差…と詰まっている。
 終いは所詮惰性による末脚ゆえに、力のある馬には詰め寄られてしまう事を示唆している。今回は減速効果の高い馬場状態で、惰性ではなく、減速を食い止める為に「最後まで力を加え続ける」といったニュアンスの特性が問われる。
 オープン馬とはいえ、重賞未勝利馬のダディーズビビッド程度にタイム差無しだとするならば、メンバーが格段に強化され、尚且つ直線距離が50㍍長くなるとすると、あっさり上位馬には交わされる計算となる。

 理想は加速力を生かし、且つスタミナ不足を補える摩擦の少ない馬場での競馬。小回りの高速決着がベストだろう。   
 終いの脚が殺される馬場は、下級条件ならテンのダッシュでハッタリをきかせて、レース半ばまでに後続を諦めさせる競馬が可能も、トップクラスの競馬では力量のある馬に喰い付かれてしまうのが常。弱い相手の競馬を引き摺って考えない方が良いだろう。

✕ファストフォース
✕キルロード

 両馬は似た血統背景を持つ。
 昨年のキルロードに関しては、フレッシュさの観点から穴馬として評価出来たが、今回は両馬とも路線のマンネリ化により、フレッシュさが失われ、モチベーションの上げようがない状態。
 ファストフォースの前走は「差し→先行」位置取りショックのカードを切っての激走。
 反動はあっても、プラスアルファは考え難く。

✕ウインマーベル

 精神力に依存して走るタイプで、外枠発走に不安。

✕ピクシーナイト

 血統的には面白い馬だが、父はメジロ血統ゆえ、本来は使われてからのタイプ。一昨年のスプリンターズSにしても、春シーズンから使われ続け、夏場から徐々に調子を上げて来た結果によるものだ。
 気の良いタイプではなく、長期休養明けから動けるタイプではない。

 今回の骨折は自発的な故障ではなく、レース中のアクシデントに巻き込まれてのもので、精神的なしこりを残した可能性も高い。

✕ナムラクレア

 ミッキーアイル産駒だが、ダンチヒ色のパワーと体力に特化したメイケイエールとは違い、こちらはスピードを武器とするタイプ。前走は前残りの競馬を、32.9というとてつもなく速い上がりで差し切っている。
 今回はスピードか殺される環境下。且つ前走無理に差し切る競馬でストレスと疲労を残した状態。


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