安田記念2010予想
追込一手からの脱却なるか

KUROSHIMA
08期 予想歴15年

◎ファリダット
  6着/10人気

○スーパーホーネット2着/6人
▲トライアンフマーチ4着/2人
×リーチザクラウン


 人気上位馬のうち、リーチザクラウンとトライアンフマーチの父はスペシャルウィーク。スペシャルウィークは日本ダービーを始め中長距離のGⅠで優秀な実績を残した種牡馬だが、決してマイラー色の強い種牡馬とは思えない。その産駒がマイルGⅠで1、2番人気を占めている時点で、見方次第では古馬マイル戦線が異常事態なのではないかとつい勘繰ってしまう。

 なかでもリーチザクラウンが最内枠を引いてしまい乗り難しさが倍増、そのうえ3番人気までが全て前走マイラーズCからのステップ。安田記念は過去10年のうち馬連万馬券での決着が5回と波乱が背中合わせ。それだけに人気上位馬の血統や臨戦過程に極端な偏りがあるのはこれまた何とも不穏。ここは波乱前提の予想で。

 ◎は昨年の3着ファリダット。お約束の後方からの直線一気がどこまで本気なのかヤラズなのか、近走ではもはや判断できない面もあるのだが、今回は鞍上が蛯名に替る点がポイント。陣営も「今回は馬込みに入れて競馬をさせる」とコメントもあり、普段とはちょっと違った位置取りで競馬する可能性が濃厚。言い換えると、武豊やアンカツが騎乗した時とは異なり、現実的に勝ちに行く競馬をするということ。

 もちろん、馬込みに入れて前付けした結果、なし崩しに脚を使って終わりという負け方も考えられるが、近走では脚質がほぼ全て追込だったことから、うまいほうに出た場合のパフォーマンスは良く言えばまだ未知数。昨年はハイペースが嵌って上位に浮上した印象だが、本来は上がりのかかる競馬の差し馬ではなく、切れ味勝負になってこそ。先週のダービーも上がり勝負になってキングマンボ系のワンツー。キングマンボを父に持つファリダットにもその雄姿が重なる。
 
 昨年の安田記念の予想で、自身GⅠ獲得のラストチャンスと書いて本命に据えてしまったスーパーホーネット。今季は好調さをひそめているが、安田記念に4度目の出走となる今回がこれまでで最も相手関係に恵まれたのも確か。ダイワメジャー、ウオッカ、カンパニーと名だたるGI馬と接戦を繰り広げてきた実績はもはや説明不要。過去3回の敗戦から、東京だとマイルのような根幹距離を苦にする体質の持ち主かもしれないが、スロー気味の上がり勝負になれば、もう少し対応できると思うが。


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安田記念2010回顧
読めたのは波乱になることだけ

KUROSHIMA
08期 予想歴15年

次走狙い:スーパーホーネット
次走危険:スマイルジャック
次走危険:トライアンフマーチ


 下馬評から穴人気になり過ぎていたこと、ダービー卿CTは上がりだけの勝負、メイSでは走破タイムが強調できずと、個人的に当初からマークを外していたショウワモダン。大駆けに驚いたのも確かだが、GⅠ制覇に至ったのは決してフロックでもないと思う。

 高速決着を不安視されていたが、馬が充実期を迎えていたから問題なかったのか、終わってみればまったくの杞憂。血統的にも父は安田記念勝ち馬のマイラー・エアジハード。それにエアジハード産駒には自身がそうだったように、ある時期に勝ち星を固め打ちしたり強敵を喰ったりする傾向のあることは前から分かっていた。昨年ゼンノグッドウッドの3連勝にうまく乗っかっておきながら、ショウワモダンの3連勝には手も足も出なかったというのは個人的に痛恨の極み。穴党としてこれはまずかった。

 違った見方では、ショウワモダンは斤量59キロでオープン勝ち、スーパーホーネットは58キロでGⅡ3勝、スマイルジャックは58キロでオープン勝ち。酷量を背負って相応のレースを制した経験を持つ馬が軒並み活躍した安田記念でもあった。地力というか体力みたいなものを極限に要求された背景もあった様子。反対に持ち時計があって高速馬場に対応できる「だけ」の馬では足りなかったとも。これは来年以降の予想で生かす方向で。

 スーパーホーネットは今季3戦目、マイラーズCからじっくり期間を置いたローテも復活をうながした。どうしてもGⅠに手が届かないのだが、同時にまだ衰えていないことも証明。騎手の扱いは他の方に判断を任せるとして、もし獲れるGⅠがあるとすればやはりマイルCSしか考えられない。次走狙いというより秋のマイルCSで注目したい1頭としてピックアップ。

 スマイルジャックは直線で内をすくう味な競馬が奏功して2着と差のない3着。ただ、上位1着2着よりも上手に乗って展開も向いた印象が強い。次走東京あるいは新潟以外だとこの好走も案外信用できないのでは。

 トライアンフマーチは前に厳しい流れの中で正攻法の競馬をして勝ち馬からコンマ2秒差の4着。これを次走狙いにするのは一見筋っぽいが、そもそも器用な競馬をあまり要求できないタイプで、内田博Jのハイペース追走のド先行もその点ではむしろ非常に理に適った騎乗だった。脚をためていれば差し切っていたという見方もあるが、反対に位置取りが後ろになり過ぎて逆に競馬にならないケースだって有り得る。おまけに血統・厩舎ブランドから今後も期待込みでの支持率アップは必定。ちょっと人気先行になりそうな怪しい雲行きがどうか。

 ファリダットは期待した手替りの効果もなく、いつも通り最後方からロスありありの競馬。おまけに前崩れのハイペースなのに最後は掲示板にも届かなかった時点で予想は完敗。次走スプリントに戻ってもレース振りから安定感はないのは明らかで、危険視以前に当分重い印は打たないことをただ誓うのみ。

 香港勢の3騎は5着、9着、11着。2年連続出走のサイトウィナーが最先着を果たしたことで、残り2頭の力関係もハッキリした印象。ただし、5歳のビューティーフラッシュは急流を追っかけた上にまだ成長の余地も残していた。香港では5歳などまだ若い部類。2年後辺りで再来日の場合は少し警戒してみても。

 リーチザクラウンは最内枠が応えたものの、あれだけ大敗するとなると外枠を引いていたところでも果たして結果はどうだったか。ただ、レース後に骨折が判明したため、ここは評価保留で。


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