注目していたミヤビランベリだが、今回は全てがうまくいったと言っても過言ではない。内からハナを主張するアクティブアクトから馬体を離し、絡まれることなく実質的には単騎逃げ、直線で馬場の真ん中へ持ち出したように終始芝の良い部分を走れたこと、そして前後半でほぼ均一なラップを刻めたこと。こう書くと何だか展開と条件に恵まれて勝ったような印象だが、阿武隈Ｓ除外で予定外の出走となった立場に加え格上挑戦、決して万全とはいえない状況下で自ら動いて勝ったのだから、オープン級の能力は持つべくして好走したと考えたい。また、今回の結果を受けて、福島芝2000を好走する条件は何よりも「機動力」が重要だと再認識した。自分で動けない馬（長くいい脚を使えない馬）には、福島コースは全く持って鬼門である。


　負けた馬から取り上げたいのは、福島芝1800で良績がありながら芝2000になるとパフォーマンスが落ちるカネトシツヨシオーとヴィータローザ。どちらも道中自分から動くと多少決め手が怪しくなる点では一緒。次走が小倉のオープンあるいは重賞なら今回の敗戦は度外視できる。同じコーナー４つながら福島と違いスパイラルカーブの小倉ならコーナーでスピードが落ちにくく、その分ペースも速くなる可能性が福島よりは高くなる。そうなれば終いに賭けての末脚勝負も嵌まる確率はおのずと上がるはず。
レースレベル：2
→次走狙い馬:カネトシツヨシオー,ヴィータローザ     

タイム 1'59"8 (良)
1FAve=11.98 3FAve=35.94

ラップ
①12.5-②11.3-③11.9-④12.1-⑤12.5-⑥12.0-⑦11.7-⑧11.9-⑨11.7-⑩12.2
1FAveとの誤差
①+0.5 ②-0.7 ③-0.1 ④+0.1 ⑤+0.5 ⑥±0 ⑦-0.3 ⑧-0.1 ⑨-0.3 ⑩+0.2
テン35.7-中盤48.3(3F換算36.23)-上がり35.8　『一貫』

『一貫』・・・逃げ△　先行○　差し◎　追込△

1着ミヤビランベリ・・・オペラハウス×ホリスキー=サドラーズウェルズ×ニジンスキー　〔12〕　１－１
2着ミストラルクルーズ・・・エルコンドルパサー×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス　〔2-n〕　５－５
3着マイネルキッツ・・・チーフベアハート×サッカーボーイ=ダンチヒ×ファイントップ　〔10-e〕　９－７

流れはテン-上がりのラップ差は少なく、中盤も弛まない『一貫』した流れ。先行・差しは恵まれた流れで逃げ・追込は不利な流れ。小回りコースということもあり、追込は絶望的な流れと考える。

ミヤビランベリは、前走中京芝2000ｍの関ヶ原Ｓ13着からの激走。オペラハウス×ホリスキーというズブズブの欧州血統配合から、上がりがかかる馬場だったことが幸いしたと思われる。さらに小回りコースで軽ハンデ(53kg)の逃げ馬。ローカルコースの鉄則というような激走と考えます。上がりのかかる馬場で小回りコースという条件でなら、特に函館記念・札幌記念などは面白いかもしれません。
No.〔12〕の牝系は、厳しい流れに強くズブズブの展開(=上がりのかかる)に強い牝系。分枝記号なしから、やや晩成傾向だが平均的な能力を発揮するタイプ。

ミストラルクルーズは、前走ダイヤモンドＳ14着からの休み明けでの2着激走。エルコンドルパサー産駒で、エルコンドルパサーはミスプロ系ながら凱旋門賞2着好走した馬で、母父サドラーズウェルズの特徴がでているため凱旋門血統(=欧州型)と考えます。サドラースウェルズの血をもった馬が1・2着から、福島の馬場状態は欧州型と判断します(=上がり35秒以上かかる馬場)。昨年札幌で好走していることからも、洋芝は得意と思うので函館・札幌では注目と思います。菊花賞馬ソングオブウインドと同配合ですが、1800ｍあたりの中距離で好走が多いので中距離型と思います。エルコンドルパサーはイケイケモードで連続好走多いので、次走も注目！！
No.〔2〕の牝系で、比較的休み明けの得意な牝系(=鮮度の高いうちに好走？)と考えます。分枝記号nは、スピードと器用さが持ち味。うまく活かした結果と思う。

マイネルキッツは、前走エプソムＣ5着からのステップ。アグネスタキオン産駒の半妹マイネカンナも福島牝馬Ｓで好走していて、父チーフベアハート産駒で欧州型に父が変わることからも好走する可能性は高いと考えていました。もう少し前で展開してほしかったけれど無事好走。またチーフベアハートは前走惨敗からでも、少頭数で距離延長でペースが弛んだりするときに好走する得意技があります。小回りコースで中盤が弛みにくいコースでしたが、距離延長はプラス要因だったと思います。また母父サッカーボーイは重賞挑戦など格上げ戦に強い傾向もあり、そのあたりも好走要因ではないでしょうか？
No.〔10〕の牝系は、大物牝馬が出る可能性の高い牝系。牡馬の場合は、スピードの絶対値が高く(=大物は短距離馬)、小回りコースにも対応するタイプが多いように思います。分枝記号eは、時計の掛かる馬場に強いのが特徴。ただしピークが短く、調子崩すと復活が難しいタイプが多いので今後は注意。

キャプテンベガは4着。ここはすんなり突破と思っていましたが、No.〔9〕の牝系らしく小回りコースは鬼門かもしれません。新潟コースなどでは反撃か！？

同様にカネトシツヨシオーは、流れ・位置取りで絶望的な展開。こちらも新潟コースで反撃か！？

ローカルコースの鉄則として、小回りコースでは前に行く馬に注目！！軽ハンデで馬場状態があえば狙える馬と考えるのが良いかも。なので馬場状態の見極めは非常に重要！！サマー2000シリーズに活かしたいと思います。
→次走狙い馬:ミヤビランベリ,ミストラルクルーズ     

アクティブアクト鞍上だった、関東の若手、千葉直人ジョッキーの騎乗について一言。

基本的には願っていたとおり、内を回ってくれたので、よかったと思いました。
やはり、馬の特性を踏まえた上で、合わせた騎乗をしてくれるというのはファンとしては嬉しいもの。
着順は悪かったが、評価してあげてほしいし、こういう騎乗を続けていけばまた良いことあるのではないかと思いました。
なんか偉そうですが

軽量で、内を回ってこの着順でしたし、アクティブアクト自体は次狙えるような内容ではなかったように思います。
レースレベル：1    
→次走危険馬:アクティブアクト  

レース中はキャプテンベガに注目していたのだけれど、ちょっと気付いたことがあった。
キャプテンベガはとにかく折り合いに難のある馬。
そういった馬の場合、今回のようにみんなが内を空けて走るようなレース展開は合わなそうですね。

やはり内ラチというのは馬にとっては抗しがたい”壁”として機能するもの。それがないということはやはり折り合いに難のある馬にとってはいいことでない。
キャプテンベガは３角あたりまでずっと気負って走っていた。最後に伸びを欠いたのはそのせいもあっただろう。

また展開が変われば、重賞を勝てるくらいの力はあるのではないだろうか。
レースレベル：2
→次走狙い馬:キャプテンベガ