2012年　タイム 1’35”5 (良) 1FAve=11.94 3FAve=35.81

ラップ
①12.7-②10.9-③12.1-④12.3-⑤12.2-⑥12.2-⑦11.3-⑧11.8
1FAveとの誤差
①+0.8 ②-1.0 ③+0.2 ④+0.4 ⑤+0.3 ⑥+0.3 ⑦-0.6 ⑧-0.1
テン35.7-中盤24.5(3F換算36.75)-上がり35.3　『一貫・中弛み』

『一貫』・・・逃げ△　先行○　差し◎　追込△
『中弛み』・・・逃げ◎　先行△　差し×　追込○

1着ハナズゴール・・・オレハマッテルゼ×シャンハイ=サンデーサイレンス×ミスプロ　〔5-g〕　８－８
2着エピセアローム・・・ダイワメジャー×Cozzene=サンデーサイレンス×グレイソヴリン　〔14〕　７－６
3着ジョワドヴィーヴル・・・ディープインパクト×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー　〔16-c〕　５－６

流れは、テン-上がりのラップ差の少なさから『一貫』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。展開的には、逃げがやや恵まれたが、先行・差し・追込はほぼ有利・不利はなく、流れに乗じて馬場の恩恵を受けた馬が好走したと考える。

1着ハナズゴールは、前走500万条件戦1着(=東京芝1400m)からの好走。阪神芝コースは初で、芝1600m戦は(1-0-0-2)でした。毎回33秒台や34秒台前半の鋭い末脚を使う馬でしたが、追込脚質のため、嵌るか惨敗かのタイプで、今回は良馬場発表だが雨の影響もあり外差し馬場で末脚がうまく嵌った好走と考える。次走も好走できるか？というと展開の助けも必要と思うため、穴として評価はするが中心には据えられないと考える。
　オレハマッテルゼ産駒はサンデーサイレンス系で、父サンデーサイレンスで母系にノーザンテースト系を持つマイラー種牡馬という点ではアドマイヤマックス産駒やデュランダル産駒に共通する項目があり、2歳戦から走れる仕上がりの早さと中距への対応が可能。母父ジャッジアンジェルーチという点で、芝では詰めの甘さがでそうで、ダート向きかもしれません。スローで上がり勝負の芝1600mよりは、平均ペースの芝1800mで力を発揮しそうなタイプ。母父シャンハイはミスプロ系で、軽快なスピードが売りで、ダート短距離が稼ぎどころ。芝なら平坦コース向き。2歳戦から走るが、古馬になり短距離で復活する馬もいる。
　No.〔5〕の牝系は、緩いペースよりも厳しいペースで真価を発揮するタイプが多く、人気よりも人気薄で好走することの多い穴タイプの馬が多い。直線の長い芝コースでの好走が多い。分枝記号gは、パワータイプが多く雨も苦にしないが、不器用なタイプも多く厳しい流れで力を発揮する。

2着エピセアロームは、前走阪神ＪＦ8着(=阪神芝1600m：0.6秒差)からの好走。阪神芝コースは(0-1-0-1)、芝1600m戦は(1-1-0-1)。前走阪神ＪＦは休み明けにて他の馬にくらべて間隔が開いての出走だったが、1着馬ジョワドヴィーヴルには完敗も2着アイムユアーズや3着馬サウンドオブハートとは0.2秒差の僅差に好走していて、11年小倉2歳Ｓ1着馬と重賞好走からも能力は高い馬でした。大外枠と休み明けとなる分を差し引いて、連下候補に評価し結果2着好走。本馬も外差し馬場をうまく活かしての好走だが、能力の高さは証明したと思われ、次走でも好走に期待する。
　ダイワメジャー産駒はサンデーサイレンス系で、力強いスピードを持ち、芝1600～2000mを得意とするマイラーや中距離型。フジキセキに近いイメージで、自身がダートを圧勝した実績もあるのでダートの得意な馬力型のタイプと、芝で鋭く斬れる脚を使うタイプと存在するはず。ダイワメジャー自身が中山芝コースで好走が多かったように、また古馬で本格化するまでは直線の長い東京芝コースや京都芝コースなどで最後につかまるレースが多かったことからも、キレよりもスピードの持続性能を活かしたレースに向くと考えますが、現時点での完成度は高い。おそらく古馬になり本格化すると鋭く斬れる脚も使えるようになると思います(=父母父ノーザンテーストの成長能力で引き出される感じと思います)。阪神芝コースでの好走も多く、好走に期待します。母父Cozzeneはグレイソヴリン系で、大物喰いの特性を持ち、先行馬は二枚腰、差し馬はえげつない末脚を繰り出す。芝向きの豪腕血統で、淀みのない流れで持ち味が活きる。マイルを中心に産駒によって短・中距離もこなす。2歳から走り、一度落ち込んでも古馬になって復活する。
　No.〔14〕の牝系は、早い時期にも活躍する馬もいるが、総じて晩成型で古馬になって強さを発揮する。分枝記号はなしにて、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。

3着ジョワドヴィーヴルは、前走阪神ＪＦ1着(=阪神芝1600m)からの好走。阪神ＪＦ好走馬はこのレースでは軸としての信頼性が高く、本馬も阪神ＪＦの結果からも同世代では能力はレベルが違う感じに思われ、信頼性は高いと考え評価したが、結果3着。外差し馬場を内から差して伸びたが、クビ差及ばずの3着。半姉ブエナビスタで、半兄もアドマイヤオーラやアドマイヤジャパンなど活躍馬の多い一族。兄姉も2歳重賞好走→3歳でもクラシック好走と、また本馬も兄姉同様に極上の上りを繰り出し好走していて、成長力にも不安はない。イメージはブエナビスタMk-Ⅱ。阪神芝コースは(1-0-0-0)、芝1600m戦は(2-0-0-0)。前哨戦としては負けてしまったが、次走での反撃に期待できる内容と考えて、次走の好走に期待する。
　ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。母父Caerleonは、種牡馬の持ち味を活かしつつ持続するスピードや豊富な成長力を伝える能力に優れている。特に東京と京都外回り、阪神といった直線の長いコースの重賞には強い。2歳戦でも戦える仕上がりの早さと高齢でも侮れないしぶとい成長力も有す。
　No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳春以降に成長を始め、距離が延びて本領発揮が多いステイヤー特性を持つ牝系。叩き良化型も多い。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。叩き良化型の特性から、調子は上向きになると考えて次走の反撃に期待する。

チューリップ賞のポイントは、
①流れは『中弛み』が基本。『加速』の流れにもなりやすく、4コーナー7番手以内につけられる馬が好走多い。
②サンデーサイレンス系有利な傾向。瞬発力を活かせるタイプが好走する。
③欧州型の要素も問われやすく、グレイソヴリン系やロベルト系も相性は良い。
④阪神ＪＦ1着馬の信頼性は高く、軸には最適。
→次走狙い馬:ジョワドヴィーヴル,エピセアローム     

ブエナビスタのときもチューリップ賞は重い馬場で1;36.5。桜花賞では1:34.0と大きく時計が短縮した。これは気候が温かくなって芝が旺盛に育って根付きがよくなり馬場が軽くなったことによる。
今年も恐らく本番ではまったく違った軽い馬場になるはず。体の小さいジョワドにとってはこれは大きなプラス材料だろう。
叩かれ一変ということが阪神ＪＦでもあったし。
今までできなかった馬込に入っての競馬も経験させることができた。
色んな意味でのプラスがある桜花賞ではやはり有力とみる。
ただひとつ長い目で見たときの心配材料は体重。
やはり４２０キロのままでは・・・


ハナズゴール
体重が軽いだけで疑ってかかってしまったが、走り方をよく見れば、前脚で着地してから掘るような掻くようなパワフルなフォーム。この馬場は合ったのかもしれない。
この馬場がこれほどはまるという一事をとっても、逆に馬場の軽い本番では不安、ととることもできるだろう。それほど鮮やかすぎた。
→次走狙い馬:ジョワドヴィーヴル  
→次走危険馬:ハナズゴール  

１着　ハナズゴール
圧勝。関東馬で栗東入りをしての調整であることはわかっていたけどさすがに通用するかどうかは疑問だった。パドックでは良くも悪くも牝馬らしい細身の馬体で非力感は否めなかった。
確かに鮮やかな勝ちっぷりではあるけど他の人気馬が休み明けで叩きの１戦だったから上積みは３頭の方が上。ジョワドヴィーヴルは堂々と競馬をしすぎて見せすぎてしまえば本番では徹底マークに合ってしまうし、石坂厩舎の２頭は本番への出走は賞金面で確実だったから脚を測りたい部分もあった。
ここで全力を出してしまったこの馬を本番で買う材料があるだろうか。次を見据えた騎手を確保できていないわけですし。


２着　エピセアローム
阪神ＪＦに続いて８枠。やはりかかり気味。
桜花賞の後の距離面では当然不安が出てしまっているわけですが不運の部分も大きい。たしかに１２００ｍを使ってしまった弊害もあるかとは思うけど、ここ２戦前に馬を置けずに競馬をしているのはもったいない。
そんな中で正攻法に出てきたジョワドヴィーヴルを破っているのは大きな収穫。もう少し内目の枠を引ければの期待は大きくなるばかり。


３着　ジョワドヴィーヴル
やはり小さい馬。時計がかかっている力のいるこの馬場ではこの小さい馬体では苦しいかもと疑ってはみたけど、馬体重の割に大きく見せてパドックの出来では正直お手上げだった。
レースでは思った以上に脆くてビックリ。直線を見熊ではこれは圧勝だな、と思っていたから。
この敗戦は次走の乗り方の作戦を立てやすいだろう。何も考えることはない大外をぶん回せばいいのだろう。どうせ阪神の外回り、次は広いコースの府中。とりあえずわざわざ馬群の中に入れる必要もなかろう。次も当然上位候補。


４着　ジェンティルドンナ
グリーンチャンネルのパドック解説には驚いた。
シンザン記念よりも明らかにしぼんで見えて細身だったし、おなか周りには冬毛がパヤパヤとついていてお世辞にも状態がいいとは言えなかったのに、
「中間の熱発の影響もなく素晴らしい出来ですね。」
と解説されていた。
どう見えていようと所詮関係ないのでしょう。適当にしゃべっていればお金が入るのだろうね。全力でおれと代われ。
その状態でも内でじっとしてそれなりに伸びて上位馬に迫った。馬場のいい大外を堂々と回った勝ち馬とは違って上手く本番に向けて脚を測れたし、これ以上悪くなりようがない状態だったから当然次は勝ち負けを期待できるでしょう。



他

５着　スピークソフトリー
自己条件へ行くのかオークスのトライアルへ向かうのか。とにかく粗い競馬で未勝利を勝ち上がったのに今回は正攻法の真っ向勝負でそう差のない５着であればこれも先が楽しみになった。


７着　ゴールデンムーン
８着　ウイングザムーン
予想に書いたとおりちょっと重い馬場を想定していたものの細くて非力に見える馬ばかり。そんな中ちょっと馬体にボリュームがあったこの２頭を馬券に忍ばせてみたけどこんなもんかという感じ。
これらが今年のＯＰ特別でそれなりに走ったというのだから紅梅ＳとエルフィンＳのレベルはしれているのかもしれないな。
レースレベル：3
→次走狙い馬:ジェンティルドンナ,エピセアローム
→次走危険馬:ハナズゴール  

勝ったハナズゴールは後方から強烈に伸びて圧勝。
確かに広いコースでスムーズだと凄い脚を使う馬ですが、
ここで炸裂するとは恐れ入ったとしか言えませんね。

2着エピセアロームは中団から。
前走はローテが悪かったですし、まぁ巻き返しも納得。

3着ジョワドヴィーヴルは好位から伸びきれず。
やはりどうもディープ産駒は完成度が高すぎるようで、
重賞は最初に一番良い内容を見せる場合が多いです。

4着ジェンティルともども、本番で巻き返せるかは疑問符。

ヒーラは思い通りに先行してくれましたが、
直線で一気に飲み込まれました。
思った以上に上がりの速い競馬になってしまいましたね。
レースレベル：2    
→次走危険馬:ジェンティルドンナ,ジョワドヴィーヴル

レースレベル４…勝ち馬が鞍上のおかげだった低レベル厩舎なのでワンランクダウン。

■＝ジェンティルドンナ
今回の岩田康の騎乗はあきらかに不可解。真っ直ぐ追い出せば良いのにわざわざジェンティルドンナに先を譲ったとしか思えない完全に脚を余した騎乗。
石坂厩舎が桜花賞でも岩田康を使ってくれるなら今回の巻き返しは充分期待できると思われるので次走狙い馬の筆頭に！

■＝エピセアローム
石坂厩舎が浜中くんを乗せ続けているのが好結果に。早目に抜け出した分タレてしまったが、ジョワドヴィーヴルと同じローテで先着できたのは大きな成果。よって次走狙い馬の次点に！

□＝ジョワドヴィーヴル
巻き返しも考えられるところだが、軽量な馬体からも上積みが薄い馬と思われるだけに期待よりも不安の方が先立つ。また、ブエナの妹ということで厩舎の仕上げはともかく、鞍上の未熟だけはどうしても防げない。おまけに、人気が先行すること必至だけに一切馬券的な妙味もない。何より、たとえ桜花賞を勝ったとしても「ああ、また祐一勝たせのヤラセか…ラインクラフトの時みたいに！」と思われるだろう。よって次走危険馬の筆頭に！

□＝ハナズゴール
今回は鞍上のおかげで勝ったことは明白。なぜなら、過去の実績とはあきらかに違った素晴らしい内容だったから。したがって、今回はマグレと言え、次走はジョワドヴィーヴル並みの危険馬のはず。ただし、鞍上が変わらなければ続けて好走できるかもしれないので次走危険馬でも次点とする！

※思惑外したのはどこ？
最悪でも連対すると見ていたのは、ファンだけでなく予想家も主催者も同じだったはず。だが、ものの見事に期待を裏切ってくれた。
これがある(圧倒的人気が連対を外す)から競馬は面白いのかもしれないが、主催者の立場を考えると少々問題があると思われる。なぜなら、競馬学校出騎手をここまで優遇しているのも関らず、一向に武豊以後を託せる騎手が育ってない結果になったから。
せめて勝ったのがエピセアロームだったら良かったろうが、まさかとても勝てそうもないと思っていた馬に完敗したからには、如何に外人騎手を自由に乗せるとトンでもないかが証明されてしまった。
(しかもＣデムーロはまだ19才なのに！…これが騎手であるという良い証拠に！)
レースレベル：4
→次走狙い馬:ジェンティルドンナ,エピセアローム
→次走危険馬:ジョワドヴィーヴル,ハナズゴール

スタートはジョワドヴィーヴルはある程度早いスタートをし、出遅れたのはハナズゴール。ハナを主張する馬はショウナンマオの1頭。ショウナンマオ、ヒーラの2頭が後続を突き放す形になりそうだったが、残り1000mで一気にペースが落ちた。ジョワドヴィーヴルは少しかかり気味で、比較的前のほうにいた。これがジョワドヴィーヴィルの大きな敗因。直線にむくまでずっとスローペース。直線にむき、残り200mというところでよーいドン。前にいたジョワドヴィーヴルは後ろから来たエピセアローム、さらに後ろのハナズゴールに一気に交わされてしまったという感じ。ゴール前はかなり速いタイムで駆け抜け、スローペースの典型的なレースといっていいだろう。

ジョワドヴィーヴルが3着となったが悲観する必要はなし。少しかかったというのが改善点だが、ほとんど鞍上の乗り方に左右されたといっていいだろう。行きたがっていたこの馬も悪いのだが、あまり前に行き内にもぐりこんで前が壁になっていたようじゃこの馬の能力は出せてない。1～3着馬の中で一番道中前にいたのはこの馬だし、負けて強しの競馬といっていいだろう。

勝ったハナズゴールはスタートがうまく出来ず後ろで折り合いをつけられたというのが勝因なため、これといって強いとも弱いともいえない。

このレースで次走期待できるとかできないとかの馬はない。唯一言うとするならば前で粘ったジョワドヴィーヴルが次に期待できる馬の1頭か。普通の馬なら馬券圏内から外れるのだが、外れなかったということはかなりの素質馬。かかり癖直せば、もっと強い馬になると見る。
レースレベル：2
→次走狙い馬:ジョワドヴィーヴル