勝ったメイショウナルトは早め先頭で押し切り。
条件戦上がりで活力十分という怖さはありましたし、
血統的にも一応父がサンデー×グレイソヴリンでした。
こんなに人気していては買いにくいですけど。

2着ラブリーデイは好位からしぶとく。
前週のセレブリティモデルと似た臨戦で嫌いましたが、
見事に私が買うとこないで買わないと来るパターン。
実際、こんなにスムーズに反応できるとは驚きました。

結局1～6番人気が上位独占で東西とも全く荒れず、
穴狙いには厳しい週となりました。

セイクリッドセブンは最後方から伸びず。
これだけ買い材料あっても人気薄なのは伊達ではなく。
皆さん本当によく分かってらっしゃる。

エクスペディションは包まれて厳しい形ではありましたが、
それにしても伸びなさすぎ。なぜでしょうね。
レースレベル：3    
→次走危険馬:エクスペディション  

第４９回小倉記念は、３番人気のメイショウナルト（武豊）が上がり馬の勢いそのままに勝利を収めた。

競馬理論の競馬予想では、好位のインを走れそうな展開面を評価しつつも、重賞では通用していないニューダイナシティに関ヶ原ステークスで敗れてしまったことを考慮し、メイショウナルトを押さえ程度の評価にとどめてしまった。

レースでは、メイショウナルトは激しい先行争いから大きく離れた好位のインを進んだ。
そしてメイショウナルトは、内からスルスルとポジションをあげて４コーナーでは早くも先頭に立つと、そのまま後続の追い上げを凌ぎ切り、第４９回小倉記念を制覇した。

メイショウナルトの第４９回小倉記念の勝利という結果は、若干だがインが有利になった馬場において、ロスのない競馬をさせた武豊騎手の好騎乗及び、５３キロの軽ハンデに恵まれたことによるものであって、１馬身強の着差ほどの圧倒的なレース内容ではなかった。

よって今後のサマー２０００シリーズにおいては、先行力があり競馬が上手なメイショウナルトに高い評価を与えるべきだが、展開に恵まれての第４９回小倉記念の着差のみをもって過大評価することは禁物である。

第４９回小倉記念では３歳馬のラブリーデイ（川田将雅）が２着に入った。
競馬理論の競馬予想では、夏場の一線級不在のメンバー構成ならば能力的に通用可能と判断しつつも、今年の３歳世代のレベルが低いことから、ラブリーデイを連下評価としてしまった。

レースでは、ラブリーデイはメイショウナルトと並ぶ位置を進み、３コーナー過ぎから外を回って上位に進出した。
そしてラブリーデイは、直線に向くとメイショウナルトに外から迫るようにも見えたが、逆に突き放されてしまい２着止まりであった。

ラブリーデイの第４９回小倉記念の２着という結果は、メイショウナルトと内外のコース取りの差を考慮すると、レース内容としては着差ほどの能力差はない。

よって今後のサマー２０００シリーズの競馬予想においては、展開や条件次第でラブリーデイがメイショウナルトを逆転可能と判断すべきである。

一方、第４９回小倉記念では１番人気に推された七夕賞馬マイネルラクリマ（柴田大知）が３着に敗れてしまった。

レースでは、マイネルラクリマは逃げ争いの直後からレースを進めた。
そしてマイネルラクリマは、３コーナーすぎから先頭に並び掛け早め先頭で押し切りを狙ったものの、内からメイショウナルト、外からラブリーデイに差されてしまい、３着止まりであった。

マイネルラクリマの第４９回小倉記念の３着という結果は、５８キロのトップハンデであった上にハイペースを外を回って早めに先頭に立つ横綱競馬で押し切りを狙ったことによるものであり、悲観すべき内容ではない。

よって今後のサマー２０００シリーズにおいては、マイネルラクリマの巻き返しに注意すべきである。
特にマイネルラクリマは、軽快な先行力を持つので、インが有利な馬場や先行馬が少ないメンバー構成においては、更に評価をあげるべきである。

第４９回小倉記念では４番人気のダコール（丸田恭介）が４着に、６番人気のマックスドリームが５着に追い込んだ。

ダコールの第４９回小倉記念の４着という結果は、追い込みが届きにくい小倉の馬場で脚を余したと見ることもできるが、４コーナーまで内で脚をためながらロスのない競馬をさせたことによって、上がりナンバーワンの脚を使うことができたため、と見ることもできる。
また、マックスドリームの第４９回小倉記念の５着という結果は、インが若干有利な馬場において終始大外を回らされたものであり、レース内容としては上位３頭と大きな差はない。

よって今後のサマー２０００シリーズの競馬予想においては、外の差しが届く馬場や先行争いが激化する展開になるようであれば、ダコール及びマックスドリームの追い込みに高い評価を与えるべきである。

以上のように第４９回小倉記念は、メイショウナルトの勝利で幕を閉じたが、イン有利の馬場が結果に大きな影響を与えた。
そのため第４９回小倉記念組は、展開や条件次第で大きく着順が入れ替わりそうである。
競馬理論のファンの方は、混戦のサマー２０００シリーズの穴予想をお楽しみに。

以下のURLから2013年以前の小倉記念の関連記事がご覧いただけます。
http://www.keibariron.com/database/ogurakinen

小倉記念のコースやレースの特性が知りたい方には大変好評をもらっています。

予想屋マスターhttp://www.keibariron.com/
レースレベル：3
→次走狙い馬:マイネルラクリマ       

2013年　タイム 1’57”1 (良) 1FAve=11.71 3FAve=35.13

ラップ
①12.3-②10.8-③11.1-④12.0-⑤11.8-⑥11.9-⑦12.2-⑧11.8-⑨11.3-⑩11.9
1FAveとの誤差
①+0.6 ②-0.9 ③-0.6 ④+0.3 ⑤+0.1 ⑥+0.2 ⑦+0.5 ⑧+0.1 ⑨-0.4 ⑩+0.2
テン34.2-中盤47.9(3F換算35.93)-上がり35.0　『前傾・中弛み』

『前傾』・・・逃げ×　先行△　差し○　追込◎
『中弛み』・・・逃げ◎　先行△　差し×　追込○

1着メイショウナルト・・・ハーツクライ×カーネギー=サンデーサイレンス×サドラーズウェルズ　〔9-e〕　３－１
2着ラブリーデイ・・・キングカメハメハ×ダンスインザダーク=キングマンボ×サンデーサイレンス　〔19〕　６－３
3着マイネルラクリマ・・・チーフベアハート×サンデーサイレンス=ダンチヒ×サンデーサイレンス　〔A4〕　３－２

流れは、テン-上がりのラップ差から『前傾』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで逃げ、先行・差しには厳しい流れと考える。

1着メイショウナルトは、前走1600万条件戦関ヶ原Ｓ2着(=中京芝2000m：0.1秒差)からの好走。小倉芝コースは(2-1-0-3)、芝2000m戦は(0-1-0-1)でした。芝2000mの持ちタイムは2’01”4と速くないのだが、芝1800mの持ちタイムは1’45”8とまずまずで、1’57秒台での決着にも対応可能と考え、また近走は芝2200m戦で好走していて、ややスタミナよりの適性を秘めていると思われ、先行脚質からも適性は合うと考え評価し、結果1着好走。ハーツクライは父母トニービンにて、グレイソヴリン系の特性を有するスタミナ型サンデーサイレンス系でもあり、小倉記念向きの血統だったが、ステイヤー血統でもあるため相手強化の重賞挑戦はプラス要因と考えて好走に期待し、この点もうまく嵌ったものと考える。ハーツクライ産駒は3歳クラシックでは善戦するも甘さが目立つのだが、古馬になると一皮剥けるようで、特にスタミナを問われる展開だと本領を発揮する。今回はレコードタイムでの好走により、より厳しい流れと思われ、斤量は53㎏と恵まれていた点もその持ち味を活かせた結果と考える。近走好走の勢いからも本格化と思えるので、今後の好走にも期待したいと思います。
　ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンがかかり加速できる器用さはないが、助走をつけて末脚が全開になりギアが入れば長く良い脚を繰り出す。馬群の外をのびのび走れるコース向き。サンデーサイレンス系としては、ダンスインザダーク産駒に近く、点火しづらい弱点を持ちつつ、嵌れば大仕事という“難儀なステイヤー血統”。ペースが締まるＧⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離～クラシックが能力を活かしやすい。牡馬は芝1800m～2600m、牝馬は芝1400m～2000mを中心に走る。後方一気型は展開に左右され、直線だけの勝負や、内しか伸びない馬場は不発多数。スローが苦手なわけではなく、前半じっくり追走して、助走付きのロングスパートが出来れば好走可能。長い直線+剛腕騎手はプラス条件になる。母父カーネギーはサドラーズウェルズ系で、早熟な短距離馬と3歳春以降に上昇する中長距離馬に分かれ、後者は惜敗を繰り返しながら力をつけ、次第にキレる脚を使えるようになる。ただ本格的なステイヤーは少なく、芝1800～2000mが仕事場。
　No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号eは、気性が荒く、平均ペース以上での雪崩れ込みが得意で、上がりのかかる消耗的な流れに強い特性がある。また重馬場やダートなど時計のかかる馬場に強いが、一旦調子を崩すと復活が難しく、調子のピークが短い。

2着ラブリーデイは、前走ダービー7着(=東京芝2400m：0.4秒差)からの好走。小倉芝コースは(1-0-0-0)、芝2000m戦は(0-0-0-1)でした。芝2000mの持ちタイムは1’59”9と高速決着に対しての不安はあったが、さすがに高速決着にも対応できるキングマンボ系のなせる業か、結果2着好走。また本馬は母系にトニービン系を内包していた馬でもあり、小倉記念とも相性が良かった馬と反省する。3歳馬の好走が過去には少ない重賞だったが、前走ダービー7着で0.4秒差と僅差し好走していた馬が、斤量53kgと軽く点を侮ってしまった事は反省したい。それから小倉記念では、近走芝2400m以上の距離経験馬も好走が多く、スタミナを活かすという点において芝2400m以上の距離経験がプラスに働きやすいのだと反省する。今回はいろいろと好走要因が重なったと思うが、それでも成長は伺えるため、今後の好走に期待したいと思います。
　キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。母父ダンスインザダークはスタミナ型サンデーサイレンス系で、大物を輩出するしスタミナ抜群なのだが器用さに欠け、ギアが入れば迫力満点の長い末脚を使う一方で、トップギアまでに時間がかかり瞬時に反応できないという弱点を併せ持つ。また条件戦では手間取るも能力が引き出される格上挑戦は好走のプラス要因となる。
　No.〔19〕の牝系は、淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。分枝記号なしは、分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。

3着マイネルラクリマは、前走七夕賞1着(=福島芝2000m)からの好走。小倉芝コースは初で、芝2000m戦は(2-0-0-0)でした。芝2000mの持ちタイムは1’58’9で、前走七夕賞で計上したもの。近走内容からは本格化モードにて、また先行脚質からも好走の可能性の高い馬として好走に期待して評価し、結果3着好走。斤量58㎏と重かった分、やはり苦戦したと思うが、それでも崩れず好走した点は評価したい。今回も速いタイムで好走出来た点からも、本格化モードは明らかだし、また夏の時期の好走の多い馬にて、今後のサマー2000シリーズでも期待したいと思います。
　チーフベアハート産駒はダンチヒ系で、前走で大敗していても軽く巻き返す穴血統。各馬が狭いストライクゾーンを持ち、ピンポイントで条件が揃うと好走する。天皇賞春好走のマイネルキッツがいれば、スプリンターズS好走のビービーガルダンもいる、距離適性も様々だが、共通しているのは“アンチ・スローの上がり勝負”で、緩まないペースの中で、スピードの持続力やスタミナを活かす。脚の使いどころの難しい馬が多く、ロングスパートで好走することが多い。穴は叩き4～5戦目。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
　No.〔A4〕の牝系は、米国のファミリーで、高速決着は得意だが、メリハリある流れが苦手。体力はあり、シーズンオフは得意な牝系。

小倉記念のポイントは、
①流れは『前傾』や『一貫』といった厳しい流れと、中盤の弛む『中弛み』の複合ラップになりやすく、コース形態からも追込は届きにくい。
②グレイソヴリン系が好走しやすい重賞。トニービン系には要注目。トニービン系に似た適性を秘める馬(=タニノギムレットなど)も適性は合うはず。ハビタット系も要注意。
③グレイソヴリン系の出走が少なければ、スタミナ型サンデーサイレンス系が好走しやすい。
④持ち時計の確認が必要。芝2000mで1'57秒台のタイムがあれば期待できる。タイムの裏付けがないときには割引きの必要あり。コース巧者ならなお良い。
⑤前走七夕賞なら3着あたりの惜敗馬が反撃しやすい傾向。ステップ的には要注目。
⑥近走芝2400m以上の距離経験馬にも注目。
→次走狙い馬:メイショウナルト,ラブリーデイ     

1:57.1R 12.3 - 10.8 - 11.1 - 12.0 - 11.8 - 11.9 - 12.2 - 11.8 - 11.3 - 11.9


　馬場はヤヤオモ表記だったし、極端な超高速状態とまでは言えなかったとは思うが、依然として早い時計は出ていたという感じ。それでもこの時計は優秀で、渋った馬場でレコードが出たし、何せラップ的にもそこまで落ち込んでいない。全体的に見ればややハイペースではあるのだが、全体時計比較なら極端ではなかった。基礎スピードが当然要求されたし、そこからのペースアップもある程度は求められていて、トップスピードも必要だった。Ｌ１落ち込んでいないが厳しいペースには変わりないので、ポテンシャルも必要とレパードＳ同様ある程度の総合力が無いと苦しかったと言える。


　１着メイショウナルトはまずまずのスタートからじわっと出して先行争いに加わるものの、メイショウサミットが行き切ったのを見てからすっと下げてスペースを置いて好位ぐらいで進める。道中は割と前にリードを広げさせて脚を貯めるような形で内でじっとしていて、向こう正面の下りで後半じわっと手を動かす形でスペースを詰めて３角。３角でもうすごい勢いで最内からするっと出し抜いてメイショウサミットと入れ替わる。４角で１馬身半ほどのリードを作って先頭で直線。序盤でそ仔から更にじわっと差を広げてセーフティリードを作る。Ｌ１で多少は甘くなったものの他馬も急追することは出来ず、セーフティリードを保っての完勝だった。天才武豊復活で良いんじゃないですかね。久々に背筋が凍った。３角で痺れたけどタイミングとしては向こう正面だった。非常に素晴らしい仕掛け。小倉は向こう正面下りになっていて、メイショウナルトがいた位置だと前半1000通過は59秒台だったから平均よりは楽な流れだった。前にスペースを作っておいて、それを詰めるような形で押し上げていったのと、メイショウサミットがばてたタイミングがちょうど同じになった。あれ詰まっちゃうとアウトだったけど上手く一つ外に出していて実にスムーズに押し上げた。下り坂の勢いを使って一足早くトップスピードに乗せたことと、そこからペースを引き上げてコーナーワークで最内を立ち回ることで、自分より外の馬に脚を使わせると同時に一気に押し上げて前列を交わし、下がった馬を壁にして内にいた馬にも押し上げるタイミングを逸しさせるという完璧な騎乗だったと思う。というかここまでくるともはや狂気のレベルだと思うんだわ。狙ってやったとしたら天才としか言いようがない。馬もこれに応えた。脚を溜めて最内を通していたとはいえ、早仕掛けで押し切っているポテンシャルの高さ、序盤のポジショニングと言いこのクラスでも上位の才能を見せたと言っていいだろう。ただ今回に限ればかなり展開面というか騎乗面で恵まれていたし、その点は差し引く必要はあると思う。この展開だと内の差し馬が本来押し上げるスペースが出来てＬ１でタガノエルシコとかその辺が突っ込んできてもおかしくなかったんだけど、結局豊マジックで内に壁が出来てしまったからね。この辺もかなり恵まれている。でも外から勝ちに行っているマイネルラクリマに5kg差あったとはいえ完封したのは立派だと思う。


　２着ラブリーデイはまずまずのスタートからじわっと出して先行争いに加わろうとするが、そこまで脚色良くなくメイショウナルトを見ながら好位で競馬する。道中はメイショウナルトの外、マイネルラクリマを直後に見る形で仕掛けのタイミングを計りながら３角へ。３角で武に出し抜かれる形で外目から一気に仕掛けて追走。４角でもマイネルラクリマの外から押し上げて行く形で２馬身半差３番手で直線。序盤で外から伸びて２番手に並びかけ、Ｌ１でジリジリとメイショウとの差を詰めるがマイネルも食い下がって激しい２着争いをクビ差捻じ伏せたという内容。まあ今回は騎手の差が出ちゃったかなと。川田が悪いわけではないけどね。武が鮮やか過ぎた。メイショウナルトを見ながら、直前にマイネルを置くという位置取りはパーフェクト。ただメイショウがあまりにも一気に押し上げていったので、それに合わせてマイネルがペースアップするとその外を通さざるを得なくなる競馬だった。３～４角で内に入れるタイミングが全くなかったし、これはもう武の術中にはまってしまったというしかない。それでもこの流れで外から押し上げて最速地点で良い脚を使ったように、トップスピード自体は高い。今回はハイペース扱いになると思うんだけど、この列までなら後半の方が早いラップ推移だと思うから、この馬の持ち味であるトップスピードが活かせたのは大きいと思う。後は高速馬場で小倉というのもキングカメハメハ産駒らしく合っていたんだろう。これまでの傾向見てるとマイルでタフな競馬だと合わなくて、京王杯は1400でも器用さ問われるレースだから、本質的にはやっぱりマイルでは基礎スピード不足だったのかもしれないね。ダービーの競馬と小倉記念の内容からも1800～2000ぐらいが良さそうな感じはするね。一瞬の脚は相当いいものを持っていたと思うんだけど、今回はポテンシャル面でもある程度進境を見せてきたから、ちょっと侮れなくなった。秋が楽しみだね。賞金も積めたし、今後に余裕もできたと思う。中距離路線で楽しみ。


　３着マイネルラクリマは五分のスタートからじわっと出しながら、ゲシュタルトが行き切ってからそれらを追いかけるような位置で単独４番手。２角過ぎでも前が緩めないので、ここで２列目から距離を置いて楽なペースで進めて行く。道中もその位置をキープして３角へ進んでいく。３角手前から仕掛けてじわっと外から押し上げるが、コーナーワークの差で先にメイショウサミットが出切ってしまう。４角で追走するも置かれ加減で１馬身半差ほど２番手で直線。序盤で更にジリッと離され、ラブリーデイにも並ばれる。Ｌ１で身上のポテンシャルを見せ、意地の粘りを見せるものの最後は３着まで、１番人気としては最低限の仕事は果たした。う～ん…まあ、斤量と言ってしまえば楽かもしれないけど、個人的には…。今回は武の騎乗が冴えわたっていたから仕方ない部分もあるんだけどね…ただ一言で言えばワンテンポ仕掛けが遅かったと思うんだよなあ。確かに映像で見るとハイペースかなっと思っても仕方ないんだけど、ラップ推移的にマイネルの位置はそこまで厳しい流れではなかったから、この馬の持ち味である基礎スピードとポテンシャルを活かそうと思うならば、メイショウより先に３角までに捲るぐらいの気持ちが欲しかったなあという気はするね。それに武はあれがハイペースとは思っていなかったからこそのあの仕掛けなわけだから、ポテンシャルという点では最上位疑いないマイネルラクリマで仕掛け遅れで負けるというのは個人的には残念な騎乗だったと思う。良いレースが出来たと言っているんだけど、最速地点でマイネルで外回される競馬に持ち込まれて良いレースというのはちょっと違うんじゃないかとね。ラップで見るとこの馬の弱点であるトップスピードを問われた４角～直線入りで置かれ加減なのは明白で、完全な持久戦にならない限り基本的には基礎スピードをもっと活用する競馬をしてほしいと俺は思う。今回はばてたのではなくトップスピード負けだからね。実際Ｌ１はばてずに盛り返しているわけだから。３～４角の立ち回りがもう少し楽なら違っていたと思う。最内を通せる仕掛けをするか、もっと早い段階で突いていくか、ハッキリした方が良かったと思うな。まあこれはかなり難しい注文だとは思うんだけど、柴田大知には今のポジションに甘んじてほしくないなと。同期の福永を超えてもらいたいね。まあ全体通せば決して悪い騎乗ではなく、武豊の鮮やかな仕掛けに後手を踏んだという見方で良いとは思うけどね。馬としてはやっぱりこのペースでトップスピード勝負の部分で不利なコースを通らされると辛いね。良い条件ではない中で展開も微妙。良く頑張っていると思う。強くなっているし、厳しい流れの方が良いから今後もＬ１落ち込むような競馬でトップスピードを大きく問われなければ勝負になるだろうね。58kgだし、良く頑張っている。


　４着ダコールは五分のスタートだが二の足で見劣りやはりいつも通りの競馬で最後方。道中も流れていたので無理せず３角。３角でロスなく最内を通し、４角で上手くロスなく外に出して中団まで押し上げて前を向いて直線。スムーズ捌けた分もあり、最初から最後まで鋭く脚を繰り出してきたが、流石に位置取りの差があって届かずの４着に終わった。この馬としては理想的な展開になったと思う。ペースが早すぎず、かつ３～４角でロスなくじわっと加速しながら押し上げて直線でトップスピードを引き出す。前３頭とはポジショニングの差で敗れたけど、まあ仕方ないかなあという所。嵌った面もあるけど丸田は上手く捌いたと思う。立ち回りとしてはほぼ完璧。ただこういうタイプなので基礎スピードが問われるといくらいい脚を使っても届かない。今回は恵まれての４着なので、やっぱりどこかで緩まないと基本的にはポジションを詰めるのに苦労するんだろうな。これが解消しないとこの距離では難しいと思う。かといって2400ｍだと微妙だからねえ。烏丸Ｓはかなり強かったんだけどなあ。京都2200ｍでどういう競馬をするか見てみたい。トップスピードに乗せるまでには少し時間がかかるので小倉や京都みたいな下り坂コースは合うし、適性見てても高速馬場なら距離も持つと思うから、今年の秋の京都で2200～2400を試してほしいな。上位とはやや力差があると思う。ペース緩まないと押し上げられないね。追い切り微妙かなと思ったけど、その辺も多少は影響あったかもしれない。完璧に嵌ってこれだからね。まあ上位３頭強かったとは思うけど。


　５着マックスドリームはやや出負けして必死に追走してという競馬だが離されてかなり後方からの競馬になる。向こう正面でも積極的に追走して外に持ち出し前を向いて３角へ。３角で大外から一気に押し上げて中団に取り付き、４角でそのままの勢いで３列目外、５馬身差ほどで直線。序盤で外目からジリジリ。Ｌ１でもばてなかったが脚を温存させたダコールに差されての５着完敗。まあ、序盤見る限りだと高速馬場でスピードに乗るまでに苦労したという感じ。それでも終始押し上げ気味で前を向いてとにかく差を詰めようとした姿勢はポテンシャル特化型のこの馬の特徴を良くわかった乗り方だったんじゃないかな。３～４角で大外ぶん回される結果になったけど、あそこで内に拘っても前止まらないからね。どこかで緩むことを期待して押し上げに行ったのは正解だったと思うし、後半ペースが落ちずにＬ２最速の流れでも置かれずに大外から押し上げたことを考えると意外とトップスピード面でも大きくは見劣っていない。こう考えるとスピードに乗るのはかなり遅いが乗ってしまえばトップスピードも悪くないという認識で良いと思う。序盤含めてギアチェンジ面がかなりの弱点なんだろうなあと思う。勢いづいてのロンスパ戦なら馬場に関わらず今後も面白い存在になりそうだ。強い競馬だったと思うしダコールとは着順負けてるけどパフォーマンス的にはこっちの方が上だと思うな。


　６着エクスペディションはまずまずのスタートから押して先行策を狙うが、結果的には下げて中団から進める競馬。ただ上手くメイショウナルトの直後という形で進めることができる。道中もナルト、ラブリーデイを前に置いてポジションを変えずに進める。３角で内目を通すのだが前のメイショウナルトはおろか、ラブリーデイにも出し抜かれてしまい押し上げられない。４角で前にいたタムロスカイが下がってきて壁になり、一瞬ブレーキを踏まされ、一つ外に出して中団で直線。序盤も前が壁で、そこから外に出して伸びを見せるがどうしようもなく６着完敗。豊マジックの影響を受けた１頭。前列が下がってきて壁になって勢いを逸したのはラップ推移からもかなり痛かった。この馬はギアチェンジ能力がかなり低く、高速馬場でスピードに乗った状態を維持するポテンシャルの高さと超高速馬場で活きてくるそれなりのトップスピードガ持ち味。今回は好位集団には意外と厳しいペースとまではならない展開で、メイショウやラブリーと言った早仕掛けでスピードに乗った組が上位になっている。実際Ｌ３－２は11.8-11.3と加速する内容。この馬もメイショウらのように下り坂でスピードに乗って惰性で３～４角回したい馬なんだが、ここで前が壁になってしまった。一瞬ブレーキを踏んだのが最速地点。ここから立て直して追い出す競馬では辛い。 まあ良く対応して進路をすぐ外に切り替えてはいたんだけど、このペースでは最速地点の置かれは致命的だからね。苦しい競馬になったしこの敗戦はさほど悲観するほどのものではないと思う。渋っていたけど、それはあんまり関係ないんじゃないかな。進路作ってからは伸びているし、惰性で前がばてたところをばてずにポテンシャルを活かすタイプだから、この展開で伸びなくても仕方ないからね。今回は３角が全てだったと思うけどね。


　７着タガノエルシコまで回顧しておく。五分のスタートからじわっと出して中団やや後方ぐらいで進める。道中は内からじわっと押し上げてメイショウナルトの直後と絶好のポジションを確保。ただ３角でメイショウが凄い勢いで押し上げきってしまい、スペースはできるのだが逃げ馬が下がってきて直後を突ききれず進路がなくブレーキ。４角でもばてたメイショウサミットとタムロスカイの狭い間を突かざるを得ず直線で捌いたが時すでに遅しだった。今回の武豊マジックの最大の被害者だったと言っていい。まああそこまで一気に押し上げてしまうとは思わないだろうけど、もうちょっと目を光らせていたらねえ。武のペースアップに置かれずにしっかりとついていけていたら、最高の展開だったと思うし個人的には勝ち負けに加わっていた展開だったと思う。ただ武があまりにも早く押し上げきってしまったから、そこのスペースを埋めるまでにばてた先行馬２頭が壁になってしまった。時間切れだった。今回はかなり厳しい流れになったけど、この時計勝負でも不利があってこれだから、何回も言うけど地力は間違いなく通用する。嵌らなければこうなるが、高速馬場でも強い馬なので次走も人気薄になるだろうし常に目を光らせたいところ。12番人気とかホント舐めすぎ。不利あって７着の馬だよ。嵌れば大仕事あっても驚けないほどの馬だと思うんだけどな。



http://blog.livedoor.jp/catassan/archives/7254382.html
→次走狙い馬:タガノエルシコ,マイネルラクリマ