|
マイルCSを考える上で大事なのはペース、ペースによって上位に顔を出す馬も変わってくるでしょうし、抑えておくべき血統も変わってきます。とはいうものの、どんなペースになるかなどということはゲートが開いてみなければわかりません。
今年の登録馬でいうと、逃げる可能性があるのは、アルビアーノ、ケイアイエレガント、カレンブラックヒルあたりでしょうか。アルビアーノ、ケイアイエレガントなら途中少しは緩めてスローに持ち込みたいところでしょうし、カレンブラックヒルは本来ならフラットからややハイくらいでペースを作った方が馬の良さが出るのですが、どうゆう理由があるかわかりませんが近走は控えたり、ハナを奪ってもすぐ緩むめたりと、この馬の父譲りの良さを削ぐ競馬で凡走続きです。最初の頃は出来ていたのに今やってこないというのは理由がちょっとわかりません。
この10年のマイルCSでの前後半差のペースですが、
2014年 0.9秒ハイ
2013年 1.2秒スロー
2012年 0.9秒スロー
2011年 0.5秒ハイ
2010年 1.2秒ハイ
2009年 1.2秒スロー
2008年 フラット
2007年 0.1秒スロー
2006年 0.7秒ハイ
2005年 0.7秒ハイ
と、1.2秒スローから1.2秒ハイと振幅度はそんなに有りません。
今年の登録馬で、ペースが上がった方が良いと思われる馬は、カレンブラックヒル、トーセンスターダム、フィエロ、レッドリヴェール、ロゴタイプあたりでしょうか。
逆にスローになって欲しいのは、ケイアイエレガント、アルビアーノ、レッドアリオン。
どちらにも対処可能といところで、イスラボニータ、ダイワマッジョーレ、ダノンシャーク、モーリス、ヴァンセンヌあたり。
〈好走血統〉
父はサンデー系が圧倒、近10年馬券になった30頭の内18頭。しかもここ3年の9頭全頭がサンデー系。
母父は何といってもノーザンダンサー系が圧倒、中でも欧州ノーザン系(ニジンスキー、リファール、サドラーズウェルズ、ダンジグ、ヌレイエフ等)が活躍。父サンデーと同じ数の18頭が母父ノーザンダンサー系で、ここまで多いとは思いませんでした。
意外にも母父で少数なのがミスプロ系で、2013年のトーセンラーと2010年の2着ダノンヨーヨーの2頭のみ。但し、トーセンラーは、父母父がリファール産駒、母父母リファール産駒、母母父がサドラーズウェルズで、いかにも長いところには向きそうな血を持ち、、ダノンヨーヨーは、父母父ニジンスキー、父母母キーパートナー(リボー系)、4代にはネヴァーベンドを持ち、長距離・スタミナの血が入っていました。
今年出走予定馬で、父サンデー系、母父ノーザンダンサー系は6頭(アルマワイオリ、サトノアラジン、ダノンシャーク、フィエロ、レッドリヴェール、レッドアリオン)
スピードの持続力は勿論、一瞬のキレはなくても距離的持続力も問われるコース形状であり、長距離血統、スタミナ血統も母系にはあった方がいいようです。
〈人気的側面〉
1番人気から6番人気迄が近10年馬券になった30頭中23頭を占めており76%。
2年に一頭くらい穴が入る感覚でしょうか。
因に7番人気以下の馬券になった7頭中5頭も母父ノーザンダンサー系でした。
◎ヴァンセンヌ
前走天皇賞を殿負け、母父はサーゲイロード系、どうも調子が戻り切っておらず、気性難でもあり、好走データからはかなり逸脱してしまうヴァンセンヌを本命に。
一か八かになってしまいますが、力から言えば最上位で、本来なら1200m~2000mくらいまでなら走れる馬です。気性難、かかりグセでだめにしてしまうレースも数々あり、マイルくらいまでなら少しくらいかかっても脚は出してくれるんじゃないかと思い、ここで推しておきます。
「元町ステークス」にはア然としました。「朝日杯FS」と同日に行われ、稍重、時計のかかっていた馬場でのマイル戦。後方からの競馬になり、残り5Fを過ぎたあたりで後方外からポジションを上げてきたプリンセスジャックにつられてかかってしまい、そのまま4角さしかかり付近迄脚を使い先頭に並びかけ直線早々に先頭、そのまま押し切ってしまうという、結果捲り勝ちみたいなレース。福永が手綱を引いても一向に意に介さず脚を使ってしまい、それでも押し切れてしまう持続力がすごいです。この日の馬場状況を考えたら、3~6F(11.9-12.2-11.9)をグイグイ脚を使って先頭列に取り付くというのは無謀で、ラスト3F(11.1-11.7-13.5)と自身で刻みきってます。さすがに最後はガックリ落としてますが、時計が0.1秒しか違わない朝日杯の方は先団と後団が逆転する程のタフな馬場、力が2つ違ったというところです。
安田記念も良馬場発表ながら、ダートは重スタートで雨の影響は多分に受けていたであろう馬場。このレースで上位入線した馬は相当な負荷がかかったという状況で、後半4F(11.4-11.2-11.3-12.2)という過酷な直線勝負の中、ゴチャついた馬込みの中で前に出せないロスもありながら出色の33.7秒の脚でモーリスに迫ったのは凄いの一言です。
馬齢6歳は気にすることはありません。ハイペリオン色の濃い血統なので成長力旺盛で、同じハイペリオン色の濃いダイワメジャーは6歳、カンパニーは8歳でこのレース制してます。
父ディープインパクト、母父ニホンピロウィナー(サーゲイロード系でスピードに秀でた血)、ディープなので父母父リファール産駒、母母ノーザンテースト産駒。
スタートから4Fくらいまでは大人しくしていれば、本調子ではなくても見せ場はあるはずで、ペース不問、上位争必至。
〇フィエロ
ディープ産駒が走る条件に、母方にノーザンダンサーの血が2本あると成功しやすいというのをどこかで見ました。トーセンラー、スピルバーグ兄弟、ジェンティルドンナ、ハープスター、ディープブリランテ等々、なるほどそうですね。
フィエロもその中の一頭で・・
父方にリファール、母方にデインヒル(ダンジグ系)と母母父にビーマイゲストということで2本あります。
スワンステークスは若干スローぎみの前有利な流れをよく追い込んで2着に入りました。スローでもキレますが、昨年のようなハイの流れを刺す競馬は、よりこの馬の良さを出します。複勝率100%のコース巧者でもあり今年こそというところでしょう。ピンポイントでマイル戦を照準に状態を合わせてくるところもいいですね。
▲ダノンシャーク
一昨年は前後半差1.2秒のスローをトーセンラーの3着、昨年は前後半差0.9秒のハイを1着と高相性のレース。
母系に見られるハイペースを縫ってこれるカーリアンの血と、長く良い脚を使ってこれるシャーリーハイツ(ミルリーフ産駒の長距離、スタミナ血統)の血がうまい具合に良さを出してきているという印象。
△モーリス
やはり休み明け、状態がどうか気になるところで、出遅グセも持ってますがパワーと持続力は並みではありません。
父スクリーンヒーロー(ロベルト系)
母父カーネギー(サドラーズウゥルズ産駒でこのレースとも相性が良いスタミナ・成長力血統)
父母父サンデーサイレンス
父母母は名牝ダイナアクトレス(因みにモーリスの安田記念はダイナアクトレスの得意とする、先行して抜け出す走りそのものでした)
母父母デトロイト(リヴァーマン←ネヴァーベンドのしぶとく伸びるスタミナ血統)
母母は良牝メジロモントレー(中長距離でキレるイメージ)
と魅力的な血がたくさん見えますが、配合の妙はわかりません。
その他、サトノアラジン、ケイアイエレガント、イスラボニータ、ロゴタイプ等気になるところです。
イスラボニータの取捨は難しいですね。
フジキセキ産駒自体は、2012年に1着サダムパテック、2008年に3着ファイングレインが来てますが、
サダムパテックは母父がエリシオ(フェアリーキング産駒・フェアリキングとサドラーズウェルズは兄弟)でノーザンダンサー系。
ファイングレインは母父ポリッシュプレシデント(ダンジグ産駒)でやはりノーザンダンサー系。
イスラボニータの母父はコジーン(グレイソブリン系のマイル血統)、母母父にクラフティプロスペクター(ミスプロ)、インリアリティのクロスを持っているというところが引っ掛かります。短いところは良いと思う血ですが、持続力という点ではどうでしょう。 11/20 00:12
下彦
予想歴29年 回収率% | 総拍手獲得数:1600 | |
|