モーリス　川田　９
出負けは想定内だったけど慌てず川田がフラットにその後乗った事で思った以上にスムーズに好位につけれたかな。少なくとも出遅れして押して行って加速出来なかったベリーや戸崎の時よりは良かったし、その上でポジションとる競馬になってもフラットに進めた分掛からなかった。直線でも要所の脚がやや一瞬気味になる馬だし仕掛けを坂の半ばまで待ったのも良かったと思う。まあ相性の良さかな。とはいえ川田はこういう操縦性の高い馬の方が本質的には合うね。

ヴァンセンヌ　福永　７
うーん、まああそこまで差が詰まっていたらあの直線の進路ミス・スムーズに捌ければで批判されやすいんだけど、そこまで致命的な不利ではないんだよね。まず判断としては外を回すと前半ロス無く進めた貯金を吐き出すから悪くないし、インをとっさに諦めた判断、それでいて本気の加速を捌ききってから仕掛けた点はまあ福永のレベルではしっかりできた方だと思う。馬自体大外ぶん回してどうにかなる馬ではないし、タイトに乗ってこの結果だし、それ以上にフラットに競馬を支配したモーリスと川田を褒めるべきかな。

クラレント　田辺　９
田辺からしたら去年の関屋記念のイメージかな。ペースが速そうな気配からポジションを全体の中でやや下げて対応してきた判断力は素晴らしい。モーリスはもちろんそれを意識したフィエロが背後に取り付いてやや外目を回されたのは痛かったけど必要以上に動いてないしスムーズに直線まで乗られたかな。展開的にベストではない中完璧な競馬に近かったと思う。

フィエロ　戸崎　６
まあ、モーリスの出足は見えていたので蓋する事を意識する競馬はして欲しかった面はあるかな。確かに力負けの感はあるけど、モーリスの背後で待ってしまう隊列になったし、緩急は少なかったとはいえギアチェンジ面は良くないフィエロにはやや辛い隊列だったと思う。タイトさという意味では間違ってはないけどモーリスに勝負していく点では戦略的には失敗だったかなと。要所の動きで劣るクラレントに及ばなかったのもその点かな。

ケイアイエレガント　吉田豊　７
序盤の出方は枠が悪い方に運んでしまったかな。形としてはヴィクトリアマイルと同じイメージだったんだけど内の先行馬の前に出たいとこで優位に立てにくいし、その時はリアルインパクトやレッドアリオンがインに張り付いてたしね。これが枠が逆ならもっと粘れたんだけど仕方ない。それでもコーナーまで可能な限り内には寄せてロスを少なくしたレース運びだったしやれる事はやったかな。

ブレイズアトレイル　ルメール　９
まあ完璧な運びだったと思う。流れたレースの中できっちりポジションをフラットにとってロス無く進めたし、この馬はどちらかといえば消耗戦歓迎タイプだし。それで上位陣とこの差だし完敗かな。これでただメンツ軽くなって対応できる馬ではないから怖いかな。

カレンブラックヒル　武豊　８
スタート後多分武豊の思った以上に出ていかなかったのと内のスタート見て瞬間に待機策を選んだ形かな。無策だけどコーナーでも早めに動かして置かれずに対応してきたし最後はしっかりバテ差してくる内容。こう見ると待機策でもこういう展開なら悪くないね。どうしても前目のレースの意識がある馬だけど新境地は見せたかなと思う。

レッドアリオン　川須　５
結果的には判断が全体的に良くなかった。ここ２戦京都マイルで結果が出ていたのは坂でスムーズに加速できる分で、はっきりギアの切り替えをしていかないとダメな馬だし、前に行ってもう１回加速してという競馬は東京ではきつい。富士Ｓのように後ろから直線だけ加速する競馬がベストな気はするんだよね。

エキストラエンド　蛯名　６
まあ大外ぶん回しにはなったけどエンジンかかり悪い馬だし致し方ない。それでいてはっきりしまいはカレンブラックヒルに劣っているしこれは悲観材料かな。決め手の持続力はこれまでもあった馬だしラストで甘くなったのはピークをちょっと過ぎてしまったかなあと。

ダノンシャーク　岩田　４
スタートで少し躓いてはいるけどポジショニングではそこまで影響ないかな。ただ勝負の点では３コーナーの入りではっきり失敗したと思う。岩田のイン決め打ちの悪い点が出たというか、選択としてはサンライズメジャーとブレイズアトレイルの間に割り込むプランもあったしミッキーが抑えている点でイン決め打ちは選択肢としては良くなかったしね。結果４コーナーでサンライズの背後でまともにポジション下げちゃったしギアチェンジも急激にした結果甘くなった印象。ギャンブルをうつ場面としては決して良くなかったと思う。

サンライズメジャー　池添　６
こちらは選択肢がダノンシャークより少なかったし致し方ない面はあるかな。ミッキーがあそこまで抑える想定はなかったしインがこのメインであそこまで詰まるとはねというとこ。正直スペース空いてからの加速は素晴らしかったし先行馬の背後のスペースをしっかりとれていればという内容。

リアルインパクト　内田　６
ペースメイクとしては間違ってはないと思うかな。もともとギアチェンジで難はある馬だしこれで結果が出てないんだし高速馬場ではここでは辛かったかな。もう少しパワー型馬場で今はハイレベル戦が可能かなというとこ。

サトノギャラント　柴山　６
まあ、ここは厩舎への不満だわな。いったいいつまでこの馬ゲート難続くんだよと。乗り替わっても改善しない馬だし最近は酷くなってる。ペースが流れた中追えないしこういう競馬にはなってしまうし、騎手のせいではないわな。

メイショウマンボ　武幸　５
まあ戦法が変わってないし、正攻法で乗るなら騎手は乗り替わった方がいい。なければレーススタイルは変えてと。厩舎として打開する気持ちに欠けてるわな。

ミッキーアイル　浜中　６
これも厩舎の責任。あんな抑え方するのは指示がなかったらあり得ないし、この馬はダッシュ・スタートのセンスは高いんだしああいう形でハナに立ってしまう可能性は想定すべき。テンに圧倒的に早い馬はいないしそもそもここ２走はスプリントと不良馬場の１４００ｍだし。浜中がそういう判断を許されない状況を招いた音無のセンスの無さね。これじゃＧＩ獲り逃す馬も多いわけだわと。

ダイワマッジョーレ　デムーロ　５
出負けは痛かったしその上で予想以上にペースが流れてしまったしこの馬の適性外の競馬だったしね。まあ印つけといてだけど最悪の形にはなってしまったし仕方ない。

サクラゴスペル　横山典　５
こちらもダイワ同様。
レースレベル：4
→次走狙い馬:ケイアイエレガント  
→次走危険馬:エキストラエンド  

勝ったモーリスはまさかの先行押し切り。
来るとしても全く予想外の内容でした。
よほど絶好調モードじゃないとできない競馬です。

こういうタイプは勢い止まると抜け殻になるので、
休むと全然違う馬になっている可能性もあります。

2着ヴァンセンヌは後方から馬群を割り。
今週もまた上がり馬ディープが来てしまいましたね。
行けるところまで上り詰めたので次こそは危ないでしょう。

しかし5番人気で京王杯勝ったサクラが13番人気で、
2番人気2着だったヴァンセンヌが3番人気。
予想はできましたが、容赦ないオッズで参ります。

3着クラレントは好位から粘り込み。
G3までの馬と簡単に切り捨ててしまったんですけど、
それぐらい走れる馬がいなかったんだと思います。

ダイワマッジョーレは出遅れて伸びず。
ダイワメジャー産駒は反発力が弱いので、
連続惨敗後では難しかったんでしょうね。

結局1着2着はG1初挑戦の新興勢力。
安田記念は古豪の巻き返しという傾向でしたが、
そんなのはメンバー次第ということですね。

過去に例が多い方が安心できますけど、
それに頼ってると攻める予想はできないと痛感。
もっと目の前の出走馬をよく見ないといけません。
レースレベル：2    
→次走危険馬:ヴァンセンヌ  

ヴァンセンヌの馬単中心に馬券を買っていたので、それはレース直後は「やっぱり福永だからか・・・。」と思ったが、競馬界、特に生産者の立場で考えれば、同じ社台系なら４歳のモーリスを勝たすだろうということになる。

モーリスは川田騎手がこのレースのみの騎乗だったので、軽視してしまったが、ミッキーアイルの野田みずき氏がオークスで口取りをしたのだから、そろそろ私もと吉田和美氏も思っただろう。

しかし、勝つときは勝つべくスタートは決まるものだ。ちなみに川田騎手は優男顔だが、豪腕で鳴らしているとのこと。

対して、福永は確かに傍目にはセンスないと思われて仕方ない。東スポ杯２歳Ｓのサトノクラウン、ムーア騎手よろしく馬群を縫ってこようとして詰まって、外に出すというロス。

しかし、勝つ馬が政治的に決まっているとして、勝てないとわかった時に陣営が考えることはなんだろう。

「勝てなくとも、一番強いレースをしたのはうちの馬だった」

これにつきやしないか。
まあ、贔屓目に見ればこうなるが、こうとでも考えなければやってられない。

今回は馬の力だけでなく、清水成駿のように社台の動きにも
目を配る必要があるだろう。
とはいえ、４倍台の１番人気は買いづらい。
→次走狙い馬:モーリス       

【安田記念回顧】
モーリスは、「世界レベルのマイラーに成長する可能性もある」という評価なので、意外に苦戦したとの印象。もっと楽に勝てると思っていた。
ヴァンセンヌは良血馬の本格化の好例。この2頭の力が上ということだろう。
3着クラレントは左回り巧者。
4着フィエロは前が開かなかった。西の福永、東の北村宏は「平均点の騎手」だと思っている。神騎乗を期待してもそれは無理というもので、チャンスがあれば勝てるとは思う。ただ、マイルＣＳでモーリスに勝てるのかといえば、これには否定的。
ミッキーアイルは、そもそも脚質転換に疑問をもっていた。
時期が遅すぎる上、持ち味を損なう可能性が高い。現時点で成功したとは言い難く、逃げていれば拾えた勝ち鞍もあったのではないかと思う。
まぁ、今後に注目ではあるが。
レース自体が、安田記念には珍しいイーブンペースで、外枠の逃げ馬も来なかったので、逃げていればもう少し粘れただろう。
リアルインパクト、内田博の逃げは意味不明。同厩馬のサポートの意味があったのだろうか。前残りの競馬だっただけに負けすぎの感。

次走（といってもマイルＣＳを想定してだが）の注目馬、モーリスとヴァンセンヌの２頭。
レースレベル：3
→次走狙い馬:モーリス,ヴァンセンヌ     

個人的にはダノンシャークに期待してたけど、安田記念は向いてないのかな、それとも年齢的なものか、今後に注目です。
馬券は60円勝ち。何がきてもおかしくなかったので、これは取れないレースだなと。勉強になりました。
→次走狙い馬:ヴァンセンヌ,モーリス     

狙い…モーリス
前走の出遅れから気性が心配されたが、蓋を開ければ逆に掛かり気味の先行で着差以上の強さを見せた。
本来、騎手予想の私からすれば川田の乗り変わり勝利のため次走は不安視するのだが、同馬は普通に出れば今回のような競馬ができ、出遅れても末脚が活かせる競馬ができる事が分かっているからには、どんな状況でも今後のマイル戦線で大敗するような事には成り難いだろう。
ましてや、今回が乗り変わりで勝った事で余程の格下騎手でなければ誰が乗っても好走できる馬であるからには「今後のマイル戦の主役馬になる」のが必至と思われるので次走狙い馬にせざるを得ない。

危険…ヴァンセンヌ
勝ち馬が予想以上に先行した事で展開的に有利に流れた。にも関わらず、届かず２着だったのはあきらかに道中の位置取りで騎手の判断力が足りないせいである。
福永祐一が福永祐一である所以だが、これが何のアシストなしでの２着だったらもう少し高評価できたが、戸崎が不条理な乗り変わりになったレースでは、勝ち馬はともかく２着だった同馬と騎手のコンビは危険視せざるを得ない。

※レースも予想も「スタイル」を持つ者ほど難しい結果･･･

騎手予想の私としては、モーリスを最重視(◎に)すればフィエロの追従を考慮しなければならず、ただ堅く予想して川田・戸崎・福永を狙えば済んだかもしれないが、実際は３着に田辺が食い込んで戸崎が福永の後塵を浴びているのではどんなに頑張っても川田と福永の堅い馬券までしか取れなかった。
また、レースの流れもモーリスがあそこまで先行するとは予想していなかったので、◎に推した浜中が惨敗した事は仕方ないとしても、逆に福永が差せなかった事の方に不可思議さを感じてならなかった。

この事を類推すると、私のように騎手面から予想する者、展開面で予想する者、馬の好不調や実績面で予想する者のように「自分の予想スタイルを持っている者」ほど、この結果は当てられないだろう。
ちなみに、今回のレースにおける騎手の巧拙では、一見すると出遅れたミルコとムリに押さえて自滅した浜中が目立って悪く見えただろう。
だが、浜中は勝ちに行く事を考えて控える競馬を厩舎の指示に従って行っただけであり、ミルコの方は実際には出遅れてはおらず、単に後方から競馬する事の癖が付いているためスタート時に行き脚が全く乗らないだけの事。
よって、どちらも騎手は全く悪くなく、乗り方自体を騎手がミスったのではなく、単に騎手の技量より馬の気性(闘争心)が優っていたのが浜中の馬であり、ミルコの馬は昔ほどの闘争心が無くなっているだけに過ぎない。
こうして見ると、逆に１・２着馬に騎乗した騎手たちの方に物足りなさが見えただろう。
川田は出遅れだけ注意した所、普通に好スタートできたので逆に馬に持って行かれそうになっていたし、福永はいつも通りの乗り方をしていつも通りに届かなかったという事で「どちらも馬を御したのではなく、馬の能力のお陰で好走させてもらった」と言えるから。
･･･いずれにしても、どちらも戸崎が移動させられた事で好走した事だけは一目瞭然だけに、川田も福永も騎手力があると言えない事に「スッキリしない」思いを抱かされてならない…
(ただ人気馬の１・２着と言うだけで人馬一体とはかけ離れているから！)
レースレベル：4
→次走狙い馬:モーリス  
→次走危険馬:ヴァンセンヌ  

まず、ミッキーアイルと浜中はチグハグなレースをしてしまいましたね。好スタートを切るもハナを切りたくないがばっかりに手綱を引いたら馬の機嫌を損ねちゃいましたね。気持ちは分からなくもないが、かなり残念な騎乗でした。

そして、リアルインパクトが注文をつけての逃げ。同厩で、同じ社台系の馬主ということで、モーリスが出遅れたらハイペースを刻むというラビット役を言われてたのでしょうか。リアルインパクト自身も海外で好成績をあげての復帰戦だっただけに、自分の競馬をして欲しかったですね。

そのモーリスがまさかの好スタート。好位につければ、安心出来るレースをしてくれましたね。ただ、これでスタートの課題を克服できたのでしょうか。まだ、出遅れ癖は克服できたとは思っていないので、強さは認めるも次は過信禁物と思ってます。

最後にヴァンセンヌ。普段通りのレースをして、いい脚を使い僅かな差で2着。フラワーパークの仔が本格化でしょう。今後、父系の血統から距離を伸ばすのか、母系の血統から短距離でGIを目指すのか。個人的には母仔制覇を目指してスプリンターズSを目指して欲しい。
レースレベル：4
→次走狙い馬:ヴァンセンヌ  
→次走危険馬:モーリス  

あれだけスタートに不安のあったモーリスが何の問題もなく普通にスタートを決めて好位を取った時点で勝負あった感じです。押し出された感のある1番人気ではあったが、終わってみれば横綱相撲で勝ちました。この先、モーリスの乗り役がどうなるか分かりませんが、出来ればこのまま川田を乗せ続けた方が良いかもしれません。あと、ＧⅠに関しては厩舎力の差が出るのを痛感しました。ヴァンセンヌは、乗り役を変えればＧⅠ勝てる能力があります。次のＧⅠは、恐らく秋のマイルＣＳだと思いますが、前哨戦から乗り役を変えるべきです。
レースレベル：3
→次走狙い馬:モーリス