宝塚記念はデータアートで簡易的に予想展望することとします。

　春のＧＩ最終戦となるグランプリレース（阪神競馬場芝2200m）。春の天皇賞から間隔が開くため、夏負け回避のため、秋に備えて放牧に出される馬も多く、年５つある古馬中距離路線ＧＩの中での格は低いが（八大競走にも指定されてない）、過去２３年で１番人気が１１勝１７連対しており、強い馬がきっちり勲章を増やせる傾向がある。その一方で、１番人気が１７連対したときの相手の人気は（０.３.１.２.１.１０）となっていて人気通りの決着は少ない。有力馬の回避が多い宝塚は、強い馬が３頭程度も出てこないために頭は堅く収まってもヒモが荒れるという形になる。ちなみに過去５５回の優勝馬の人気は、(２３.１６.７.３.１.５)と、５番人気以下で勝利したのは６例しかない（ただし、内訳は９２メジロパーマー９番人気、０３ヒシミラクル６番人気、０５スイープトウショウ11番人気、０８エイシンデピュティ５番人気、１０ナカヤマフェスタ８番人気、１１アーネストリー６番人気であり、近年増加中）。基本的に軸は人気実績馬からで良い。

　宝塚記念は中距離戦という条件から、クラシックディスタンス路線のＧⅠである春の天皇賞などからの長距離組、マイルＧIの安田記念やヴィクトリアマイルからのマイル組、中距離からの上がり馬やスペシャリストたちと様々なメンバーが集まる。
　過去２３年の連対馬４６頭の内訳は天皇賞組（２０）、安田記念組（８）、中距離組（１８）※となっていて、ローテーションだけでは簡単に絞れない（前走ダートや１２００ｍは論外だが）。それよりも重要なのは前走の着順にあらわれる馬の好調さであり、上記それぞれの連対馬の前走着順は、天皇賞組（８.２.４.０.３.３）、安田記念組（１.６.１.０.０.０）、中距離組（１２.２.３.１.０.０）で４着以下から連対したのはほぼ天皇賞組のみという状況。
　ただし、注意したいのは宝塚出走馬の層の薄さであり、３．４着となると急にこのデータも役に立たなくなる。どういう馬が堅いか、該当する馬は今回何頭出ているのかには気をつけなければならない。また、当日の馬場差にも影響を受けやすいレースであることに注意。３頭の馬券よりも２頭の馬券のほうが的中率は上がるだろう。

　※・・・長距離組には、直行だけでなくその後２５００ｍＧII を使った馬も含む。
　　　　　中距離組は前走ＯＰ以上１８００～２５００ｍ未満の馬。
　　　　　天皇賞以降、安田記念や中距離を使った馬は最近走に属するものとする。

☆好走可能馬選出

　過去２３年の３着以内馬６９頭中５９頭（８６％）、２着以内馬４６頭中４４頭（９６％）該当している馬柱だけで判断可能なパターンは下記の７つ（注１，２を含む）。これらに該当する馬をピックアップする。

１．今年の天皇賞３着以内
２．今年の安田記念0.2秒差以内の３着以内
３．昨年の有馬記念0.5秒差以内の５着以内
４．前３走の、2000m～3000mの混合戦別定Ｇ２勝利（ただし、東京・中山が開催地のレースを除く）
５．前２走の、2000mの別定Ｇ２以上連対（ただし、東京・中山が開催地のレースを除く）
６．前２走の、1800m～2500mの重賞で0.6秒差以上勝ち
７．前走、2000m～2400mの中央４開催地のＯＰ以上を0.3秒差勝ち、または前々走とＯＰ以上を連勝し、前々走で0.3秒差以上勝ち

注１．休み明けは昨年の有馬記念優勝馬及び海外Ｇ１使用馬を除き、１～７に該当があっても無効とする
注２．１～７の該当レース後に、Ｇ２以下戦で0.6秒差６着以下のレースがある場合は無効とする

（2015年の展望）
　上記の好走可能馬選出による、今年のクリア馬は以下の４頭。

　ゴールドシップ（１，３，４）
　カレンミロティック（１）
　ラブリーデイ（７）
　トーセンスターダム（５）

　ただし、ワンアンドオンリーは有馬記念で致命的な不利を受けており、これがなければ３を満たした可能性もあり、残留とします。また、１番人気馬が強く、３番人気以内馬が優勝する確率の高いレースなので、この中からゴールドシップを信頼することにしました。同一Ｇ１を３連勝というのは過去、中央競馬の平地では達成されておらず（参考）、難しいかもしれないのですが、この時期の阪神は内外フラットになることが多く、先行有利ではありますが、動きたい時に動ける外枠で、早めに捲っていけば問題ないと考えました。

（参考）グレード制導入後の中央平地Ｇ１の３連覇に挑んだ馬の成績
1993年　天皇賞春　　　　　メジロマックイーン　２着
2005年　エリザベス女王杯　アドマイヤグルーヴ　３着
2005年　マイルＣＳ　　　　デュランダル　　　　８着
2012年　ＪＣダート　　　　トランセンド　　　　16着
2014年　ジャパンカップ　　ジェンティルドンナ　４着

　相手は、残っている馬の中から、国内古馬戦の実績に見劣るトーセンスターダムを消して、カレンミロティック、ラブリーデイ、ワンアンドオンリー。ワンアンドオンリーはダービーを勝っていますが、本来は力の要る馬場のほうが得意と見ており、デムーロ騎手に替わるここは優勝も期待したいですね。

　重要となる馬場差については当日に確認し、変更する可能性があります。
06/27 14:01

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