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オープンガーデンが約1年ぶり休み明けを勝利で飾った。
中山グランドジャンプ、中山大障害で2、3着の実績はあったが、これが重賞初勝利。
そして同馬の父であるゴーカイにとっても、これが産駒の重賞初勝利となった。
元来スタミナがだけ取り柄のような馬で、障害重賞の中で長めの3900mという距離と
渋った馬場が今回の好走要因と考えて良いだろう。
父は中山グランドジャンプを連覇した名ジャンパーのゴーカイ。
母父はサンデー系のスタミナ型種牡馬であるダンスインザダーク。
まさに障害を走る為だけにこの世に生を受けた馬だ。
ゴーカイの初年度産駒ということでデビュー前から私自身注目していた馬の1頭だったが、
3歳の年明けにデビューし平場2戦を消化するも、共に箸にも棒にもかからない大敗。
夏に3歳馬が障害レースを使えるようになるとすぐに障害に転向したが、そこでも大敗の連続。
やはり所詮この程度の馬かと見限りかけたが、明け4歳になった頃から急成長。
4歳の春に未勝利を勝ちがると、その勢いで重賞の東京ハイジャンプで3着と好走。
その後も年を重ねるごとに成長し、5歳時には中山グランドジャンプ、中山大障害で共に3着。
6歳時には中山グランドジャンプでクビ差の2着と、遂にJG1で連対を果たすまでに成長した。
その後一頓挫あったが、7歳となる今年遂に重賞を制覇。
叩いた上積みが期待できる次走、得意の大障害コースで行われる中山グランドジャンプで
オーナーの悲願である父仔制覇を見てみたいと思うのは私だけではないだろう。
が、
これも神のイタズラか、日本という国家がこれまで経験したことの無い未曾有の大災害である
東日本大震災が競馬というスポーツにも大きな影を落としている。
たとえ中山競馬場が競馬を開催できる状態にあったとしても、
関東で実施されている計画停電、原発事故による放射線の影響の心配が無くならない限り、
関東で競馬を開催することはかなり難しいだろう。
特殊な距離、コースで行われ、国際競走という位置づけでもある中山グランドジャンプという
レースの特性を考えると、今年はレース自体が行われなくなる可能性もあるのではないか。
また、仮に京都や阪神で代替して行われるとしても、
もはやその競争は中山グランドジャンプとは呼べないのではないか。
競馬というスポーツが、いかに平和な日常のもとに成り立っていたのか。
オープンガーデンの重賞勝利という大変うれしいはずのニュースから一転、
先の見えない競馬界、いや日本という国家自体の行く末に不安を感じ、
暗い気持ちになってしまうのがなんともやるせない。
1日も早い被災地の復興、電力供給の回復、原発の危機脱出を願うばかりである。
03/21 22:20 回顧アクセス:1569 |