これは具体的に言うと、有馬記念のレースまでに実際に芝のレースを走って感触を確かめることができなくなったことを意味する。逃げ先行馬のキタサンブラックは、馬場の良いところを選んで走らせたいことからマイナスに働きそうだ。
有馬記念は中山競馬開催の最終週に行われるということもあって、芝は使い込まれてかなり良いところと悪いところの差が出ていることが多い。特に昨今では開催前にエアレーションという馬場をならす作業が入念に行われるようにもなっていて複雑化している。その週、その日になってみないと内が伸びるか外が伸びるかわからないといったことが多く、困った事態になった。
このようなピンチに陥ったのは、「社台グループのような大手が手を回してキタサンブラック包囲網を作り、馬を用意させなかったのでは?」といった憶測もネット上では囁かれている。しかし、キタサンブラックは有馬記念後は引退して社台スタリオンステーションで種牡馬入りする馬である。自分のところの種牡馬の価値を落とさせるようなことを社台がするはずはなく、単なる不運としか言いようがない。
ただ、そんな逆境をも天才騎手武豊なら克服してくれるのではないかと期待したい。キタサンブラックが馬場のどこを通るか、注目だ。
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