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「マイラーだって、強けりゃクラッシックを夢見る」
勝馬の過去を見てみると、クラッシックのステップ重賞を使った経歴を持つ馬が多い事に気付く。
それでは、何故そのようなレースを使うのだろうか?…それは、実力のある馬だからこそ、陣営が「この馬でクラッシックを…」と夢見てしまうからである。
クラッシックのステップ重賞を使ってNHKマイルCを出走させているという事は、能力の高さゆえの陣営の期待の高さの表れでもあり、買いの条件とも言えるのだ。
桜花賞出走組にも、同じ事が言えよう。能力はあるが、オークスは距離的に無理だからこのレースを選ぶパターンだ。
過去27年の歴史の中で、勝馬の半数以上である16頭が牡馬クラッシックのステップレースもしくは桜花賞を使った馬なのである。
・牡馬クラッシックのステップを使った勝馬
1996年 タイキフォーチュン
ラジオたんぱ3歳S 阪神2000㍍
弥生賞 中山2000㍍
毎日杯 阪神2000㍍
2000年 イーグルカフェ
京成杯 中山2000㍍
共同通信杯 東京1800㍍
2001年 クロフネ
ラジオたんぱ3歳S 阪神2000㍍
毎日杯 阪神2000㍍
2002年 テレグノシス
スプリングS 中山1800㍍
2003年 ウインクリューガー
毎日杯 阪神2000㍍
2004年 キングカメハメハ
京成杯 中山2000㍍
毎日杯 阪神2000㍍
2008年 ディープスカイ
毎日杯 阪神1800㍍
2010年 ダノンシャンティ
ラジオNIKKEI 阪神2000㍍
共同通信杯 東京1800㍍
毎日杯 阪神1800㍍
2011年 グランプリボス
スプリングS 阪神1800㍍
2013年 マイネルホウオウ
札幌2歳S 札幌1800㍍
東スポ2歳S 東京1800㍍
スプリングS 中山1800㍍
2015年 クラリティスカイ
弥生賞 中山2000㍍
皐月賞 中山2000㍍
2019年 アドマイヤマーズ
共同通信杯 東京1800㍍
皐月賞 中山2000㍍
2021年 シュネルマイスター
弥生賞 中山2000㍍
2022年 ダノンスコーピオン
共同通信杯 東京1800㍍
・桜花賞を使った勝馬
2005年 ラインクラフト
2007年 ピンクカメオ
2016年 メジャーエンブレム
2017年 アエロリット
「道悪前傾ラップの悪影響」
今年皐月賞では、スプリングS勝馬ベラジオオペラが3番人気に推されたが、本番の皐月賞では10着と大敗。
スプリングSでは、あれだけ強い競馬を見せておきながら、何故ここまで大敗するのだろうか?。
正解は簡単で、「前走のダメージによる反動」である。
スプリングSは、前半47.3→後半49.5の明らかな前傾ラップ競馬…つまりが、各馬最後バテバテになり力尽きるような競馬をした訳で、そんな中で最高のパフォーマンスを見せれば、当然身体には大きなダメージが残る。辛かった競馬の記憶も残るし、疲労も残る。
特に道悪で更に走りにくい状況でのサバイバル戦だっただけに、しっかり時間を費やしてケアしてやらないと、このダメージは癒えないはずだ。
そして全く同じ事が、今回のNHKマイルCにも言えるのである。
「まず、真っ先に切りたいのは…」
まず切りたいのは、アーリントンC上位組だ。重馬場でかなり体力消耗のしやすい馬場でありながら、前半45.8→後半48.1という過酷なレースとなった。
6頭の着差は「アタマ」、「クビ」、「3/4馬身」、「同着」。最後脚が上がった状態で、6頭が死闘を繰り広げており、このレースで得たダメージはかなり大きい。中2週とレース間隔も短く、トライアルによるダメージも癒えない状態である事が十分に考えられる。
✕オオバンブルマイ
✕セッション
✕ショーモン
ここ2年は結構競馬がタフになりがちで、1800㍍以上の距離経験が有利に働く傾向にある。
昨年の勝馬ダノンスコーピオンは2度1800㍍を経験している。しかし、共同通信杯7着という結果からクラッシックを諦めている。
一昨年の勝馬シュネルマイスターは、弥生賞2着にも関わらず、適性を見越してクラッシックを諦めている。
中距離的な体力が求められているが故の傾向だけに、特に「1400→1600メートル」距離延長は「楽→苦」的要素が強くなる。
ファルコンSも、前半34.8→後半35.9と終いが掛かる展開での2頭の叩き合いとなり、ダメージを受けた上での、「楽→苦」ステップとなる。
以前のような「高速前残り馬場」ならば、このレースの「軽さ」がプラスに働くが、今回は雨の予報で、例年以上に体力面が問われる事になりそう。
近年の好走馬が、本番でパフォーマンスを上げた例は、2020年ファルコンS2着馬ラウダシオンのみ。この年のマイルCは、高速前残り馬場で行われており、「重馬場→高速前残り馬場」の「苦→楽」ステップだった。
本番が差し競馬となった2021年では、ファルコンS2着馬グレナディアガーズは、逆に本番で3着と着順を落としている。
✕タマモブラックタイ
✕カルロヴェローチェ
トライアル組で無難なのは、NZT組だろう。
しかし、直線の短い中山と長い府中では当然問われる物理適性が異なる。
適性が合致して勝った馬よりは、適性が合わず一歩足りない競馬になった馬が面白い。
△エエヤン
父の影響強く、しぶとい分決め手勝負になると辛い。小回りの非根幹距離ベスト。
前走は上がりが掛かり、この馬に向く競馬になった。
▽ウンブライル
スピードあるが体力不足。マイルでも長い。
▲シャンパンカラー
スピードあるも、体力勝負で挑み一歩足りない競馬。
「昔から『ヴァイスリージェント系』と言われているが…」
昔から「ヴァイスリージェント系」といわれているが、ここ4年は非ヴァイスリージェント系のワンツーで決まっている。
ダノンスコーピオンとソングライン、ケイデンスコールはストームキャット、シュネルマイスターはゴーンウエスト、ラウダシオンはファピアノやストームキャットを保有…ともっと広義に「アメリカ血統」と捉えた方が良いかもしれない。
近年の傾向として、主流タイプもしくは、「ヨーロッパ型+アメリカ型」の血統背景を持つ『差し馬』が活躍をみせている。
つまりが、アメリカ的スピードが終いで生かされているタイプが活躍している訳で、アメリカ血統的な「前向きさ」が問われている訳ではない。
特に「ヴァイスリージェント直系の牡馬」は「ダート的なパワー」が受け継がれやすので、芝のマイル戦ではなかなか活躍馬が出ない。
過去にNHKマイルCを制したヴァイスリージェント系直系牡馬は、クラリティスカイと能力がずば抜けていたクロフネくらいなもの。
今年ショーモンが出走しているが、洋芝札幌の勝鞍や前走重馬場での好走から、やはりパワー型に出ている印象が強い。
直系であるなら牝馬、もしくは母父、父母父、母母父というように母馬の血としてヴァイスリージェントを保有した馬が狙い目なのである。
そこで注目しているのが、「ロードカナロアの血を持った差し馬」である。
ロードカナロアは素直にストームキャットのスピード部分を伝える血。そして、その血を持った差し馬は、そのスピードを素直に終いに生かしてくる馬だという事。
そんな訳で、結論に入りたい。
「結論」
◎ダノンタッチダウン
(血統)
父ロードカナロア
母父ダンシリ
(オプション)
「1600→2000→1600㍍」バウンド距離短縮、「差し→先行→差し」バウンド位置取りショック」。
(解説)
前走先行したように、基本は前向きさがあるタイプ。
「距離短縮+格上げ」のペースにより、前向きさをコントロールでき、且つ体力補完のおまけ付きで、これ以上ない最高のレース環境。
シングザットソングとこの馬以外は、斤量増で体力負荷が増える。体力的アドバンテージは大きい。
ここは必勝と考える。
(ポイント)
皐月賞出走、ロードカナロア産駒の差し馬。
○シングザットソング
(血統)
父ドゥラメンテ
母父マイゴールデンソング
(オプション)
「差し→先行→差し」バウンド位置取りショック。
(解説)
ダノン同様斤量据え置き。差し競馬に戻せば、それなりに体力補完の恩恵を授かる事が出来る。
桜花賞は冴えなかったが、トライアルの反動がある状態でもあり、想定通りのパフォーマンス。
決め手しっかりしており、反動抜けたこのタイミングで改めて狙ってみたい。
桜花賞からの巻き返しは、2021年2着馬ソングライン、2017年勝馬アエロリット、2016年勝馬メジャーエンブレムなど意外なほど多い。
(ポイント)
桜花賞出走、父ドゥラメンテ✕母アメリカ血統の主流タイプの差し馬。
▲シャンパンカラー
(血統)
父ドゥラメンテ
母父レックレスアバンダン
(オプション)
「先行→差し」位置取りショック、生涯初のG1挑戦。
(解説)
速い流れの競馬の経験が無かった割には、前向きさを見せて流れに乗れた事を評価。
今回しっかり差しに回れば、それなりの体力補完がなされる。
上記2頭とは、消耗度の点でアドバンテージあり。
(ポイント)
京成杯出走、父ドゥラメンテ✕母母ストームキャット系の主流タイプの差し馬。
△オールパルフェ
(血統)
父リアルスティール
母父ルーラーシップ
(オプション)
前走逃げられなかった逃げ馬。
(解説)
逃げられれば、かなり頑張れるが…。
(ポイント)
スプリングS出走。 05/07 14:16
夏影 予想歴40年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1260 | |
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