過去10年のジャパンカップの優勝馬を見返していると気づくことがある。5回も牝馬が勝っている。2012年に至ってはデニムアンドルビーと牝馬ワンツーという年もある。出走頭数の少なさを考えると驚異的な数字で、かなり牝馬優位になっていることがわかる。
ジャパンカップ過去10年歴代優勝馬データ
ジャパンカップ | 歴代勝ち馬 | 勝利騎手 | 単勝人気 |
---|---|---|---|
2007年 | アドマイヤムーン | 岩田騎手 | 5番人気 |
2008年 | スクリーンヒーロー | デムーロ騎手 | 9番人気 |
2009年 | ウオッカ | ルメール騎手 | 1番人気 |
2010年 | ローズキングダム | 武豊騎手 | 4番人気 |
2011年 | ブエナビスタ | 岩田騎手 | 2番人気 |
2012年 | ジェンティルドンナ | 岩田騎手 | 3番人気 |
2013年 | ジェンティルドンナ | ムーア騎手 | 1番人気 |
2014年 | エピファネイア | スミヨン騎手 | 4番人気 |
2015年 | ショウナンパンドラ | 池添騎手 | 4番人気 |
2016年 | キタサンブラック | 武豊騎手 | 1番人気 |
2017年 | ?? |
なぜここまで牝馬が有利になったのだろうか。ひとつには斤量もあるだろう。55キロというのは背負いなれた斤量でパフォーマンスをフルに発揮できる。逆に56キロというのは酷量で、安田記念、宝塚記念、天皇賞では牝馬の優勝が非常に少ないのは斤量の影響を物語っていると考えられる。55キロの有馬記念も牝馬制覇が多い。
もうひとつは東京2400のコースが切れ味勝負になりやすいというのもあるだろう。ジャパンカップもスローペースで流れることが多く、ラスト3ハロンの勝負になることが多い。となると末脚の切れという意味では牡馬に勝ることもある牝馬が台頭する。
特にCコースを使うようになってからはこれが顕著だ。今開催も東京競馬場は先週からCコースを使用しているが、例えば、先週最後のレース、日曜日12Rは全体の上がり3Fが33.2だ。極限の瞬発力勝負といっていい。
そこへきて今年紅一点出走のソウルスターリングはどうだろうか。この馬の場合は切れ味に難がある。毎日王冠では超スローペースで逃げて有利な展開に持ち込んだものの8着に大敗してしまっている。藤沢調教師も「キレ負け」したと明言している。総合的な能力では高いが、瞬発力だけの勝負になってほしくないソウルスターリングとしては、キタサンブラックが速いペースを作ってくれることを祈るのみか。