ジャパンカップでも中心になるのは天皇賞秋で激しい叩き合いを演じたキタサンブラック、サトノクラウンの2頭だろう。
そして我々予想する側にとっては、あの競馬をどう評価するのが分かれるところだろう。
あれを見れば、この2頭が強いのはわかった。抜けている。能力が最大限に問われる東京2400コースなら、再度この2頭だろうとポジティブに評価することもできる。逆に、あんなに力を要する馬場で最強の2頭が叩きあっては相当な疲労が残ったはず。あれから中3週しか空いていないのだから、もう余力は残っていないはずとネガティブにとることもできるだろう。
そこへきて注目すべきは、あの天皇賞秋を走っているサトノアラジン。この馬がマイルチャンピオンシップに有力馬として出走した。しかし結果はご存知のとおり5番人気を裏切る12着大敗。特に川田騎手のコメントは気になるものだった。
「終始気持ちが入らなかった。天皇賞秋を走った影響なのか、それくらいしか思い当たらない。」
これは正にネガティブ派が恐れていたものだ。競馬には目に見えない疲れというのがよくある。馬は言葉に出して疲れているとは言わない。表面上は元気そうにしていても、極限の力を要求される実際の競馬を走ったときに能力を発揮できないという形で、レース結果として表れてしまうのだ。
もちろん、キタサンブラックだけは、サトノクラウンだけは例外ということもある。もしもこの疲れをも克服して両馬が結果を出したときには最大限の賛辞を送りたいものだ。